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あなたの妻は私なのに、子を産む資格は愛人に譲れとはどういう事です…?
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家同士の約束で結婚した私達。
それでも、私は夫の事を愛して居た。
だがそんな夫から、私は衝撃的な言葉を告げられた。
「お前には俺の子を産んで貰わなくて結構だ。子を産む資格は俺の愛人に譲れ─。」
聞けば、彼には私と結婚する前から愛人が居たと言う。
彼は本気で彼女を自身の妻にしたかったそうだが、家柄の違いで叶わなかった。
そして、両親の勧めで仕方なく名家の私を妻に迎えたのだ。
「だが、彼女の家の事業が上手く行き…彼女は俺の家に匹敵する程の金持ちになった。でも、もう俺はお前と結婚してしまって居るから彼女を妻には出来ないだろう?今更お前と離縁するのも面倒だし…だから、せめて子を産む資格だけは愛人である彼女に譲れ。」
私は、女として愛する人の子を産み育てたいのに…それを私に諦めろと言うの?
そもそもそんな女が居たと分かって居たら、私はあなたと結婚などしなかったのに─。
夫は、自身の両親に彼女とは別れたと説明しており…それで私との結婚が決まったのだ。
夫のやった事は悪質性があり、その上でこんな事を要求して来るなど…こんな事、素直に受け入れてなるものですか─!
だがそれから一週間後…夫が満足げな顔で、私にある事を告げて来た。
「彼女の月のものが来ないらしい。どうやら、俺の子を身籠たようだ。」
しかし私は、そんな夫に一冊の報告書を突き付けた。
そこには、彼女は夫の他に愛する男が居る事─。
今やその相手こそが彼女の本命で、彼女はうっかり夫との子を産むと約束した事を後悔して居る…本当に子を身籠ってしまう前に、本命の男と駆け落ちする計画を立てて居る事などが書かれて居た。
「あなたから子を産む費用として受け取った金は、駆け落ちの費用にするつもりだそうよ。」
「そ、そんな…。俺の事をあんなに愛して居ると言ってくれて居たのに─。」
愛人の裏切りを知った夫は、ショックの余りその場に崩れ落ちた。
どうやら夫はその金以外にも…生まれてくる子の衣装、おもちゃ代などと愛人に言われるままにお金を渡して居たらしい。
でもその全てが、彼女とその本命の男の娯楽費に消えて居たのだった。
「そんな悪女と見抜けず、お金だけでなく私の子を産む資格まで渡そうとするとは…。あなたのような男とは、もう離縁します。あの女に多額のお金を渡したんですもの…私にはそれ以上の額の慰謝料を払って貰いますからね!」
「そ、そんな…。」
夫は、これまでの自分の行いを激しく後悔するのだった─。
その後、私は夫から無事慰謝料を貰い離縁が成立─。
そして実家に戻った私だが…やがて兄の友人の一人に見初められ、彼と交際を始めた。
そんな彼とは近く再婚しようと話しを進めて居るが…子供好きの彼は、私との子を今から既に望んでくれて居る。
子を産む資格を一度は奪われた私だけれど…今度はそんな心配は一切無用のようね─。
一方、元夫はと言うと…あの後愛人に今までの金を返して貰おうとしたが、時すでに遅く…彼女は本命の男とこの地から姿を消して居た。
その事が余りにショックだったらしく…元夫は事業に身が入らなくなり、負債を抱え破産する事に─。
そうなって、こんな事になるなら結婚した私だけを一途に愛せば居れば良かったと嘆いて居るそうだけど…今更そんな事を言っても全てが遅いのだった─。
それでも、私は夫の事を愛して居た。
だがそんな夫から、私は衝撃的な言葉を告げられた。
「お前には俺の子を産んで貰わなくて結構だ。子を産む資格は俺の愛人に譲れ─。」
聞けば、彼には私と結婚する前から愛人が居たと言う。
彼は本気で彼女を自身の妻にしたかったそうだが、家柄の違いで叶わなかった。
そして、両親の勧めで仕方なく名家の私を妻に迎えたのだ。
「だが、彼女の家の事業が上手く行き…彼女は俺の家に匹敵する程の金持ちになった。でも、もう俺はお前と結婚してしまって居るから彼女を妻には出来ないだろう?今更お前と離縁するのも面倒だし…だから、せめて子を産む資格だけは愛人である彼女に譲れ。」
私は、女として愛する人の子を産み育てたいのに…それを私に諦めろと言うの?
そもそもそんな女が居たと分かって居たら、私はあなたと結婚などしなかったのに─。
夫は、自身の両親に彼女とは別れたと説明しており…それで私との結婚が決まったのだ。
夫のやった事は悪質性があり、その上でこんな事を要求して来るなど…こんな事、素直に受け入れてなるものですか─!
だがそれから一週間後…夫が満足げな顔で、私にある事を告げて来た。
「彼女の月のものが来ないらしい。どうやら、俺の子を身籠たようだ。」
しかし私は、そんな夫に一冊の報告書を突き付けた。
そこには、彼女は夫の他に愛する男が居る事─。
今やその相手こそが彼女の本命で、彼女はうっかり夫との子を産むと約束した事を後悔して居る…本当に子を身籠ってしまう前に、本命の男と駆け落ちする計画を立てて居る事などが書かれて居た。
「あなたから子を産む費用として受け取った金は、駆け落ちの費用にするつもりだそうよ。」
「そ、そんな…。俺の事をあんなに愛して居ると言ってくれて居たのに─。」
愛人の裏切りを知った夫は、ショックの余りその場に崩れ落ちた。
どうやら夫はその金以外にも…生まれてくる子の衣装、おもちゃ代などと愛人に言われるままにお金を渡して居たらしい。
でもその全てが、彼女とその本命の男の娯楽費に消えて居たのだった。
「そんな悪女と見抜けず、お金だけでなく私の子を産む資格まで渡そうとするとは…。あなたのような男とは、もう離縁します。あの女に多額のお金を渡したんですもの…私にはそれ以上の額の慰謝料を払って貰いますからね!」
「そ、そんな…。」
夫は、これまでの自分の行いを激しく後悔するのだった─。
その後、私は夫から無事慰謝料を貰い離縁が成立─。
そして実家に戻った私だが…やがて兄の友人の一人に見初められ、彼と交際を始めた。
そんな彼とは近く再婚しようと話しを進めて居るが…子供好きの彼は、私との子を今から既に望んでくれて居る。
子を産む資格を一度は奪われた私だけれど…今度はそんな心配は一切無用のようね─。
一方、元夫はと言うと…あの後愛人に今までの金を返して貰おうとしたが、時すでに遅く…彼女は本命の男とこの地から姿を消して居た。
その事が余りにショックだったらしく…元夫は事業に身が入らなくなり、負債を抱え破産する事に─。
そうなって、こんな事になるなら結婚した私だけを一途に愛せば居れば良かったと嘆いて居るそうだけど…今更そんな事を言っても全てが遅いのだった─。
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