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新しく入ったメイドに心奪われた夫…その後、私は罪人扱いされ離縁される事になりました。
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新しいメイドとしてやって来た彼女は、とても美しい容姿をして居た。
しかし、いざ雇って見れば…彼女の働きはイマイチで、私は彼女をクビにして新しいメイドを入れた方が良いのではないかと思った。
そしてそれを夫に告げれば、意地悪な事を言うなと激怒した。
彼は彼女一人を特別に可愛がる様になって居たから、そんな反応を見せてもおかしくはなかった。
「でも…この家の為に尽くしてくれるメイドは、きっと他に─」
「彼女はまだこの家に来て日が浅いから、出来ない事があっても仕方ないだろう!?その分は、お前が何とかすればいい。」
そんな無茶な…。
あなたの事業を手伝い…そして自分でも事業を立ち上げた今の状況で、家の事をやるのは─。
そもそも、それが出来ないからメイドを増やしたのに─。
ところが、それから数日後─。
例のメイドが、私物が無くなった…誰かに盗まれたと訴えた。
「旦那様が買って下さった指輪が無くなったんです!掃除の時に外し…この机の上に置いておいたら、いつのまにか─。誰がこんな酷い事を…!」
そう言って涙するメイドを、夫は必死に慰めた。
そして、盗みを犯した者は絶対に見つける…新しい指輪も買ってやると約束した。
それを見て居た私は…夫が一人のメイドを特別に可愛がる事や、そんな物を送って居た事に大いに呆れてしまった。
そして、自室へと戻ったのだが…私のベッドの上に、何故か見知らぬ指輪が落ちて居た。
私はまさかと思い…その指輪を手に取ると、メイドにあなたの物では無いかと確認した。
するとメイドは、確かに自分の物だと言い…まさか奥様が盗みを働いて居た何てと、私を責めた。
「馬鹿な事を言わないで!私が人の物など盗む訳が無いでしょう?」
「でも、これは奥様の部屋から出て来たんですよね?奥様が持って行かない限り、そんなとこから出てくるのはおかしいです!」
それを聞いた私は、ここで失くしたと言うのはあなたの勘違いで…私の部屋を掃除中に失くしたのだろうと言ったが、彼女はそんな事は無いと否定した。
すると、それを見て居た夫が私に近づき…突然、私の頬をバシリと打った。
そして、お前の様な泥棒が妻だ何て恥ずかしい…そんな犯罪者とは今日を持って離縁するから、この家を出て行けと言った。
それを聞いた私は唖然とし…あなたは本当にそれで良いのかと尋ねた。
すると夫は…金に細かいお前には前からうんざりして居た、地味で真面目な性格にも飽きて来たと、散々私を悪く言った。
金に細かいって…事業資金の管理を私に押し付けて来たのはあなたじゃない─!?
彼の言葉を受け…私はもう、こんな人は愛せない…彼の言う通り、ここを出て行こうと決めたのだった─。
それから数か月後…元夫の事業が傾き、彼は多額の借金を抱える事に─。
と言うのも…家に隠してあった事業資金を、あのメイドに持ち逃げされた事が原因だった。
彼女は、最初から彼の持つ資産が目当てで…そしてそれを管理している私が邪魔で、あんな泥棒騒ぎを起こしたのだろう。
元夫は酒に酔うと気が大きくなり…俺の家には大金が置いてあると皆に自慢して居た様だから、そんな悪人に目を付けられてもおかしくない。
そして彼女の企み通り、私は夫によって家を追い出され…それを守る者が居なくなった事で、彼女は簡単にお金を盗む事が出来たのだろう。
「…どうやら、本当の泥棒はあのメイドの方だった様ね。」
ガクリと肩を落とす元夫を、私は冷めた目で見てこう言った。
彼は急に私の元を訪ねて来て、元妻のよしみで金を貸して欲しい…何ならいっそ復縁し、また二人で一から事業を始めないかと言って来たのだ。
「お前を疑った事は謝る…だから、俺を助けてくれ!」
そう言って彼は頭を下げたが…私はそれを拒否した。
「あの時…私は、あなたに愛されて居ない事がよく分かりました。おまけに罪人扱いまでされて…。そんな男と、誰がやり直したいと思うのよ。それに…私にはもう、公私共に信頼できる素敵な人が居ますから。」
夫に離縁され実家に戻ってきた私だが…これまで通り、自分の事業は続けて居た。
そしてそこで知り合ったある殿方と仲良くなり…私達は交際する事に─。
そして二人で新しく事業を始め…それが軌道に乗ったら再婚しようと約束して居るのだ。
それを知った元夫は、ガクリと肩を落とした。
するとそこに、元夫を探して居た借金取りが押しかけて来て…彼は、慌てて家を飛び出して行った。
男達に追われる彼は、まるで犯罪者の様で…何て情けなく惨めなのだろうと、私はその背中を見送ったのだった─。
しかし、いざ雇って見れば…彼女の働きはイマイチで、私は彼女をクビにして新しいメイドを入れた方が良いのではないかと思った。
そしてそれを夫に告げれば、意地悪な事を言うなと激怒した。
彼は彼女一人を特別に可愛がる様になって居たから、そんな反応を見せてもおかしくはなかった。
「でも…この家の為に尽くしてくれるメイドは、きっと他に─」
「彼女はまだこの家に来て日が浅いから、出来ない事があっても仕方ないだろう!?その分は、お前が何とかすればいい。」
そんな無茶な…。
あなたの事業を手伝い…そして自分でも事業を立ち上げた今の状況で、家の事をやるのは─。
そもそも、それが出来ないからメイドを増やしたのに─。
ところが、それから数日後─。
例のメイドが、私物が無くなった…誰かに盗まれたと訴えた。
「旦那様が買って下さった指輪が無くなったんです!掃除の時に外し…この机の上に置いておいたら、いつのまにか─。誰がこんな酷い事を…!」
そう言って涙するメイドを、夫は必死に慰めた。
そして、盗みを犯した者は絶対に見つける…新しい指輪も買ってやると約束した。
それを見て居た私は…夫が一人のメイドを特別に可愛がる事や、そんな物を送って居た事に大いに呆れてしまった。
そして、自室へと戻ったのだが…私のベッドの上に、何故か見知らぬ指輪が落ちて居た。
私はまさかと思い…その指輪を手に取ると、メイドにあなたの物では無いかと確認した。
するとメイドは、確かに自分の物だと言い…まさか奥様が盗みを働いて居た何てと、私を責めた。
「馬鹿な事を言わないで!私が人の物など盗む訳が無いでしょう?」
「でも、これは奥様の部屋から出て来たんですよね?奥様が持って行かない限り、そんなとこから出てくるのはおかしいです!」
それを聞いた私は、ここで失くしたと言うのはあなたの勘違いで…私の部屋を掃除中に失くしたのだろうと言ったが、彼女はそんな事は無いと否定した。
すると、それを見て居た夫が私に近づき…突然、私の頬をバシリと打った。
そして、お前の様な泥棒が妻だ何て恥ずかしい…そんな犯罪者とは今日を持って離縁するから、この家を出て行けと言った。
それを聞いた私は唖然とし…あなたは本当にそれで良いのかと尋ねた。
すると夫は…金に細かいお前には前からうんざりして居た、地味で真面目な性格にも飽きて来たと、散々私を悪く言った。
金に細かいって…事業資金の管理を私に押し付けて来たのはあなたじゃない─!?
彼の言葉を受け…私はもう、こんな人は愛せない…彼の言う通り、ここを出て行こうと決めたのだった─。
それから数か月後…元夫の事業が傾き、彼は多額の借金を抱える事に─。
と言うのも…家に隠してあった事業資金を、あのメイドに持ち逃げされた事が原因だった。
彼女は、最初から彼の持つ資産が目当てで…そしてそれを管理している私が邪魔で、あんな泥棒騒ぎを起こしたのだろう。
元夫は酒に酔うと気が大きくなり…俺の家には大金が置いてあると皆に自慢して居た様だから、そんな悪人に目を付けられてもおかしくない。
そして彼女の企み通り、私は夫によって家を追い出され…それを守る者が居なくなった事で、彼女は簡単にお金を盗む事が出来たのだろう。
「…どうやら、本当の泥棒はあのメイドの方だった様ね。」
ガクリと肩を落とす元夫を、私は冷めた目で見てこう言った。
彼は急に私の元を訪ねて来て、元妻のよしみで金を貸して欲しい…何ならいっそ復縁し、また二人で一から事業を始めないかと言って来たのだ。
「お前を疑った事は謝る…だから、俺を助けてくれ!」
そう言って彼は頭を下げたが…私はそれを拒否した。
「あの時…私は、あなたに愛されて居ない事がよく分かりました。おまけに罪人扱いまでされて…。そんな男と、誰がやり直したいと思うのよ。それに…私にはもう、公私共に信頼できる素敵な人が居ますから。」
夫に離縁され実家に戻ってきた私だが…これまで通り、自分の事業は続けて居た。
そしてそこで知り合ったある殿方と仲良くなり…私達は交際する事に─。
そして二人で新しく事業を始め…それが軌道に乗ったら再婚しようと約束して居るのだ。
それを知った元夫は、ガクリと肩を落とした。
するとそこに、元夫を探して居た借金取りが押しかけて来て…彼は、慌てて家を飛び出して行った。
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