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私を病人扱いし辺境の地に捨てた夫…こっそり会いに行くと、愛人と楽しく暮らしてました。
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私は、少し前から幻聴が聞こえる様になった。
それは…壁の向こうから謎の声が聞こえて来てくるが、夫に確認して貰っても誰も居ないと言うものだ。
すると夫は、お前は精神がおかしくなった…病人だと言い、私を辺境の地にある診療所に押し込め…それから一度も見舞いに来る事は無かった。
だが、私はどうしても夫に会いたくなり…ある日、こっそりそこを抜け出す事に─。
あそこに居る間、一度も幻聴など聞こえなかった。
もし私が本当に病だと言うのなら、それが完治したという事だ。
だったら、夫ともう一度一緒に暮らす事が出来る─。
しかし、久しぶりに帰った我が家で…私は信じられない光景を目にした。
それは、夫が若く美しい女と抱き合って居る所だった。
「本当にあの女を追い出す事が出来るとはね。」
「言っただろう、絶対に上手く行くって。」
そして夫は、驚くべき話を始めた。
私が聞いて居た声は、実は幻聴では無かったのだ。
と言うのも…あの壁の向こうには隠し部屋があり、夫はそこにこの女を招いて居た。
そして、その女にわざと声を出させ…それを聞いた私を驚かし、最後は幻聴が聞こえる様になった病の妻という事にしてこの家から追い出し…その上でその女をここに住まわせたのだ。
「私も、いつまでも愛人で居るのは嫌だったから…こうなってとても嬉しいわ。ねぇ…いつか絶対、私をあなたの妻にしてね?」
「分かってる。あの女には…今度は心の病ではなく、死に直結する病になって貰う予定だ。」
「どういう事?」
「あの女は、ある果実にアレルギーがあるんだが…それを密かに菓子に混ぜ、見舞いの品として贈り付けてやろうと思ってな。辺境の地の診療所など、詳しく死因も調べないだろうし…元から、妻には大した治療をするなと言ってあるし。」
真実を知った私は、怒りに震えた。
一連の出来事は、夫と愛人の企みで…そのせいで、私はあんな所に押し込められた─。
そんな時…夫の話を聞いた私は、ある事を思い出した。
確かに私には、アレルギーを起こす食べ物があるが…それは、あなたも同じよね?
そして、もうすぐ夕食の時間で…夫はいつも決まってある酒を飲む─。
庭に下り立った私は、ある果実をもぎ取り…その果汁をその酒に混ぜ、隠れて様子を見る事に─。
すると、少ししてあの女がやって来て…何も知らずその酒を持って行き、夫に出した。
そしてそれを飲んだ夫は…急に苦しみ始め、その場に倒れた。
そんな夫に、愛人はパニックになり叫び声を上げた。
そこに、私が何食わぬ顔で出て行き…あなたが夫をこんな目に遭わせたのか、あなたは殺人犯なのかと責めた。
愛人は、恐怖でその場から逃げ出したが…女の足ではそう遠くまでは逃げられまい、後で憲兵に捕まえて貰えばいいと判断し、苦しむ夫に近づいた。
夫は、意識が朦朧として居る様だったが…ゆっくりと私の方を見た。
だが…俺は幻覚でも見えて居るのか、捨てたあいつが俺を恨んで出て来たのかと言い、混乱して居る様だった。
「幻覚ね…。あなたも私と同じで、病にでもかかってしまったのかしら?だったら…もうこの家には置いておけないわ。元気になった私に代わり…あなたにはあの診療所に入って貰う事にしましょう─。」
その後、逃げた愛人は…私の証言で夫を殺害し様とした罪で捕らえられ、牢に送られる事に─。
彼女は始終、私は何もやって居ないと主張したが…過去に犯罪歴があった為、それを信じて貰う事は出来なかった。
そして夫だが…幻覚を見る事を理由に、あの診療所へ送る事に─。
後遺症で、体に半分痺れが残ってしまったし…もう、一生あそこで暮らして行けばいいんじゃないかしら。
勿論、私はそんな彼の面倒を一切看ないし…この先、見舞いにも行かないわ。
と言うのも…私は、これを機に彼と離縁したからだ。
そしてその後、私は自身の幼馴染と付き合う事に─。
あの診療所に居た時…見舞いに来てくれたのは、夫では無くこの彼だった。
彼は、私がここを出られるのを待って居る…例えここにずっと居る事になっても、俺だけは君に会いに来ると言ってくれた。
どうしてあんな事を言ってくれたのか…後にそれを尋ねれば、彼は密かに私の事が好きだったらしい。
その気持ちは、私が結婚してからも変わらず…彼は未だに独り身を貫いて居たのだ。
それを知った私は、彼の誠実さに惹かれ…いつしか彼を一人の男性として意識し、彼の気持ちに応えたいと思う様に─。
その事を彼に伝えれば…彼は私と再婚したい、これからはずっと一緒に居たいと言ってくれ、こうして付き合う事になったのだ。
そんな彼は、私をとても大事にしてくれ…私は、毎日幸せな日々を送って居る。
あの時…思い切って診療所を抜け出して本当に良かった。
だってそうしなければ、夫の裏切りに一生気付く事は無かったし…こうして、真実の愛を手に入れる事は出来なかったでしょうから─。
それは…壁の向こうから謎の声が聞こえて来てくるが、夫に確認して貰っても誰も居ないと言うものだ。
すると夫は、お前は精神がおかしくなった…病人だと言い、私を辺境の地にある診療所に押し込め…それから一度も見舞いに来る事は無かった。
だが、私はどうしても夫に会いたくなり…ある日、こっそりそこを抜け出す事に─。
あそこに居る間、一度も幻聴など聞こえなかった。
もし私が本当に病だと言うのなら、それが完治したという事だ。
だったら、夫ともう一度一緒に暮らす事が出来る─。
しかし、久しぶりに帰った我が家で…私は信じられない光景を目にした。
それは、夫が若く美しい女と抱き合って居る所だった。
「本当にあの女を追い出す事が出来るとはね。」
「言っただろう、絶対に上手く行くって。」
そして夫は、驚くべき話を始めた。
私が聞いて居た声は、実は幻聴では無かったのだ。
と言うのも…あの壁の向こうには隠し部屋があり、夫はそこにこの女を招いて居た。
そして、その女にわざと声を出させ…それを聞いた私を驚かし、最後は幻聴が聞こえる様になった病の妻という事にしてこの家から追い出し…その上でその女をここに住まわせたのだ。
「私も、いつまでも愛人で居るのは嫌だったから…こうなってとても嬉しいわ。ねぇ…いつか絶対、私をあなたの妻にしてね?」
「分かってる。あの女には…今度は心の病ではなく、死に直結する病になって貰う予定だ。」
「どういう事?」
「あの女は、ある果実にアレルギーがあるんだが…それを密かに菓子に混ぜ、見舞いの品として贈り付けてやろうと思ってな。辺境の地の診療所など、詳しく死因も調べないだろうし…元から、妻には大した治療をするなと言ってあるし。」
真実を知った私は、怒りに震えた。
一連の出来事は、夫と愛人の企みで…そのせいで、私はあんな所に押し込められた─。
そんな時…夫の話を聞いた私は、ある事を思い出した。
確かに私には、アレルギーを起こす食べ物があるが…それは、あなたも同じよね?
そして、もうすぐ夕食の時間で…夫はいつも決まってある酒を飲む─。
庭に下り立った私は、ある果実をもぎ取り…その果汁をその酒に混ぜ、隠れて様子を見る事に─。
すると、少ししてあの女がやって来て…何も知らずその酒を持って行き、夫に出した。
そしてそれを飲んだ夫は…急に苦しみ始め、その場に倒れた。
そんな夫に、愛人はパニックになり叫び声を上げた。
そこに、私が何食わぬ顔で出て行き…あなたが夫をこんな目に遭わせたのか、あなたは殺人犯なのかと責めた。
愛人は、恐怖でその場から逃げ出したが…女の足ではそう遠くまでは逃げられまい、後で憲兵に捕まえて貰えばいいと判断し、苦しむ夫に近づいた。
夫は、意識が朦朧として居る様だったが…ゆっくりと私の方を見た。
だが…俺は幻覚でも見えて居るのか、捨てたあいつが俺を恨んで出て来たのかと言い、混乱して居る様だった。
「幻覚ね…。あなたも私と同じで、病にでもかかってしまったのかしら?だったら…もうこの家には置いておけないわ。元気になった私に代わり…あなたにはあの診療所に入って貰う事にしましょう─。」
その後、逃げた愛人は…私の証言で夫を殺害し様とした罪で捕らえられ、牢に送られる事に─。
彼女は始終、私は何もやって居ないと主張したが…過去に犯罪歴があった為、それを信じて貰う事は出来なかった。
そして夫だが…幻覚を見る事を理由に、あの診療所へ送る事に─。
後遺症で、体に半分痺れが残ってしまったし…もう、一生あそこで暮らして行けばいいんじゃないかしら。
勿論、私はそんな彼の面倒を一切看ないし…この先、見舞いにも行かないわ。
と言うのも…私は、これを機に彼と離縁したからだ。
そしてその後、私は自身の幼馴染と付き合う事に─。
あの診療所に居た時…見舞いに来てくれたのは、夫では無くこの彼だった。
彼は、私がここを出られるのを待って居る…例えここにずっと居る事になっても、俺だけは君に会いに来ると言ってくれた。
どうしてあんな事を言ってくれたのか…後にそれを尋ねれば、彼は密かに私の事が好きだったらしい。
その気持ちは、私が結婚してからも変わらず…彼は未だに独り身を貫いて居たのだ。
それを知った私は、彼の誠実さに惹かれ…いつしか彼を一人の男性として意識し、彼の気持ちに応えたいと思う様に─。
その事を彼に伝えれば…彼は私と再婚したい、これからはずっと一緒に居たいと言ってくれ、こうして付き合う事になったのだ。
そんな彼は、私をとても大事にしてくれ…私は、毎日幸せな日々を送って居る。
あの時…思い切って診療所を抜け出して本当に良かった。
だってそうしなければ、夫の裏切りに一生気付く事は無かったし…こうして、真実の愛を手に入れる事は出来なかったでしょうから─。
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