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好きな人が出来たから離縁しろ…それが嫌ならお前も愛人を作れと言った夫を許しません。
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ある日、私に離縁したいと言って来た夫─。
「好きな人が出来たんだよ…。俺は彼女と再婚したい。」
「急にそんな事言われても─」
「離縁が嫌なら…お前はお前で愛人を作れ。この先、決して俺に愛して貰おうとは考えるな。」
そう言って、夫は部屋を出て行った。
最近、彼の帰りが遅いから気になっては居たが…まさか、そう言う相手が居たとは─。
でも、余りに身勝手だわ。
だって…私達の間には、つい最近子供が生まれたばかりじゃない。
もしかしてあなたは…この子が私のお腹に居る内から、その女とそう言う関係にあったの…?
それを考えたら…私は、夫の事がとても許せなかった。
もうこの先、あの人と上手くやって行けるとは思えない。
それに、あの人は言った…。
お前も、愛人を作れと─。
ならば…私にも考えがあるわ─。
その後私は、夫に離縁を受け入れると伝えた。
ただし、慰謝料と養育費はまとめて払って貰う事を条件に付けて─。
すると夫は…俺が新しく妻に迎える女は名家の令嬢で金持ちだから、お前に今ここでその金を払っても全く困る事は無い…金なら好きなだけくれてやると言って笑って居た。
そして私と彼は離縁し…子供は、勿論私が育てる事に─。
ところが、その後…元夫が妻に迎え様としていた令嬢の家が破産…彼女は借金のカタに娼館に売られてしまった。
彼は彼女を迎える為に新しい家まで購入し、そのお金を彼女に払って貰おうとして居たが…この事で当てが外れた。
更に、彼の事業が急に傾き始め…彼は大きな負債を抱える事になってしまった。
こうなったのは…ある人物が、元夫の事業を支える者達の中でも優秀な人物ばかりを引き抜いた事が原因だった。
夫は、いつも大事な事は彼らに任せきりだったから…そんな者達が去ってしまえば、こうなるのも当然だった。
では、何故そんな事になったのか─。
それは…元夫が敵視して居たある実業家に、私が彼の事業の実情を事細かに教えたからだ。
そして、元夫が汚いやり方で儲け居て居るのを良く思って居なかったその人物は…それを機に、彼を潰す事にしたのだった。
「…だからか、おかしいと思ったんだ。まさか…彼女の家の事業が傾いたのも─!」
「あなたと同じ理由ね。」
私の元に押しかけて来た元夫に、私は真実を教えた。
「どうしてそんな事をした!」
「あなたが言ったんでしょう?私も、他に相手を作れって。だから私は、あなたよりも将来性のあるしっかりした彼に声をかけたの。その後の事は彼が決めた事よ。因みに、その時は彼とはいい友人だったから…私はあなたみたいに不貞を働いた訳じゃないからね。」
私の言葉に、夫は何も言い返せない様だった。
「でも…今はもう違うわ。あなたの所に居た優秀な人達が頑張ってくれて居るおかげで、あの人の事業はますます拡大し…おかげで、私や子供を養う事が出来るからと、再婚を申し込んでくれたの。私はそれに応え…あの人と家族になるつもりで居るわ。」
「そ、そんな…。」
「あなたもあの女の事は忘れ、早く別の相手を見つければ?でも…借金まみれになったあなたを愛する女など、もう居ないだろうけど。」
その後、元夫はやって来た借金取りに追われ…逃げる様に私の元を去った。
きっと今頃は、どこか別の地に逃亡して居るんじゃないかしらね。
でも、それで良いわ。
小さかった我が子は、元夫の事などろくに覚えて居ないし…今は再婚予定の彼と、三人で仲良く幸せに暮らして居るから…その生活を邪魔されたくないもの─。
「好きな人が出来たんだよ…。俺は彼女と再婚したい。」
「急にそんな事言われても─」
「離縁が嫌なら…お前はお前で愛人を作れ。この先、決して俺に愛して貰おうとは考えるな。」
そう言って、夫は部屋を出て行った。
最近、彼の帰りが遅いから気になっては居たが…まさか、そう言う相手が居たとは─。
でも、余りに身勝手だわ。
だって…私達の間には、つい最近子供が生まれたばかりじゃない。
もしかしてあなたは…この子が私のお腹に居る内から、その女とそう言う関係にあったの…?
それを考えたら…私は、夫の事がとても許せなかった。
もうこの先、あの人と上手くやって行けるとは思えない。
それに、あの人は言った…。
お前も、愛人を作れと─。
ならば…私にも考えがあるわ─。
その後私は、夫に離縁を受け入れると伝えた。
ただし、慰謝料と養育費はまとめて払って貰う事を条件に付けて─。
すると夫は…俺が新しく妻に迎える女は名家の令嬢で金持ちだから、お前に今ここでその金を払っても全く困る事は無い…金なら好きなだけくれてやると言って笑って居た。
そして私と彼は離縁し…子供は、勿論私が育てる事に─。
ところが、その後…元夫が妻に迎え様としていた令嬢の家が破産…彼女は借金のカタに娼館に売られてしまった。
彼は彼女を迎える為に新しい家まで購入し、そのお金を彼女に払って貰おうとして居たが…この事で当てが外れた。
更に、彼の事業が急に傾き始め…彼は大きな負債を抱える事になってしまった。
こうなったのは…ある人物が、元夫の事業を支える者達の中でも優秀な人物ばかりを引き抜いた事が原因だった。
夫は、いつも大事な事は彼らに任せきりだったから…そんな者達が去ってしまえば、こうなるのも当然だった。
では、何故そんな事になったのか─。
それは…元夫が敵視して居たある実業家に、私が彼の事業の実情を事細かに教えたからだ。
そして、元夫が汚いやり方で儲け居て居るのを良く思って居なかったその人物は…それを機に、彼を潰す事にしたのだった。
「…だからか、おかしいと思ったんだ。まさか…彼女の家の事業が傾いたのも─!」
「あなたと同じ理由ね。」
私の元に押しかけて来た元夫に、私は真実を教えた。
「どうしてそんな事をした!」
「あなたが言ったんでしょう?私も、他に相手を作れって。だから私は、あなたよりも将来性のあるしっかりした彼に声をかけたの。その後の事は彼が決めた事よ。因みに、その時は彼とはいい友人だったから…私はあなたみたいに不貞を働いた訳じゃないからね。」
私の言葉に、夫は何も言い返せない様だった。
「でも…今はもう違うわ。あなたの所に居た優秀な人達が頑張ってくれて居るおかげで、あの人の事業はますます拡大し…おかげで、私や子供を養う事が出来るからと、再婚を申し込んでくれたの。私はそれに応え…あの人と家族になるつもりで居るわ。」
「そ、そんな…。」
「あなたもあの女の事は忘れ、早く別の相手を見つければ?でも…借金まみれになったあなたを愛する女など、もう居ないだろうけど。」
その後、元夫はやって来た借金取りに追われ…逃げる様に私の元を去った。
きっと今頃は、どこか別の地に逃亡して居るんじゃないかしらね。
でも、それで良いわ。
小さかった我が子は、元夫の事などろくに覚えて居ないし…今は再婚予定の彼と、三人で仲良く幸せに暮らして居るから…その生活を邪魔されたくないもの─。
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