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私の婚約を妬む姉は、自分の目の前にある幸せに気づく事は出来ないのでした。
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私には双子の姉が居るが、彼女は私の事を自分よりも下だと見て居る所があった。
だからだろう。
私が先に婚約者を作った事に対し、彼女は強い怒りを見せた。
そして姉は、周りに隠れ私に意地悪をしてくるようになってしまった。
その事を両親に相談しても、真面目なあの子がそんな事をするはずないと信じてくれないし…友人に相談したら既に姉によって根回しされていたらしく、双子なのだからもっと仲良くしたらと呆れられただけで終わってしまった。
自身の婚約者にも相談したかったが…彼は今、隣国に居る。
と言うのも彼は城の騎士団に所属して居て、まだこの国に戻れないと言って居たし…今は、姉の意地悪に一人で耐えるしかないのね─。
そんなある日の事─。
姉に、ある婚約話が舞い込んだ。
それを知った私は、姉の婚約が上手く行けばもう虐められる事は無くなると安堵としたのだが…結局、それは叶わなかった。
と言うのも、姉はその相手の容姿が気に入らなかったようで…どうして自分があんな不細工と婚約しないといけないのか、美形の男と婚約して居るあなたが許せないとその婚約話を蹴り更に私を虐め始めたのだ。
おまけに、今度私の婚約者が帰って来たら彼を誘惑し私から略奪するとまで言い始めた。
これまで私は、美しい姉の毒牙にかかった殿方を何人も見て来たわ…。
彼も、その中の一人になってしまうのだろうか─。
不安な中、遂に彼がこの地に戻る日がやって来た。
すると、彼は真っ先に私の家を訪ねて来てくれたのだが…姉はそんな彼を迎えた私を遮り、自分ばかり彼に話しかけた。
「…私、あなたの事を誰よりも心配してたんですよ?ご無事に帰って来られ何よりです!」
「ありがとうございます。ところで…俺の居ない間、何か彼女に変わった事はありませんでした?」
「あの子?あの子なら変わらず元気に過ごしてましたよ?あぁ…ちょっと羽目を外しすぎて、あなたに隠れ男遊びをして居た時もあったわね。」
お茶を用意しろと言われ、それを持って部屋に戻ってみたら…姉はとんでもない嘘を彼に言って居た。
「わ、私はそんな事─」
「あら、好きな人に嘘を付くのは良くないわ。そんなんじゃ彼に嫌われちゃうわよ?まぁそうなったら、私が彼と婚約するのも良いわね!ねぇ、あなたはどう思います?」
そんな姉の言葉に…彼は少し考え、こう言った。
「そうですね…俺は嘘付きや男にだらしない女は嫌いです。でもそれは彼女じゃない、あなたの方だ─。」
「わ、私が嘘付きって…何の証拠があってそんな事─」
「実は今回、騎士団に聖女様が同行して下さったんですが…その聖女様が、あなたの婚約者が大変な目に遭って居ると仰い現状を教えて下さったのです。そして聖女様が持つ水晶玉には、あなたに虐められる彼女の姿がしっかりと映し出されて居た。そして、彼女から俺を奪おうと企む様子も─。」
「何ですって!?」
「その為、俺は帰ったらすぐに彼女をあなたから引き離し、俺の家へ連れ帰る事を決めた。そして、早く結婚しようと─。そうすれば、彼女を守る事が出来るから。今日はその為に来た…あなたと話したくて来たんじゃない。」
彼のその言葉に…私は部屋のドアを開けると、嬉しさの余り彼の腕へと飛び込んだ。
そしてそんな私を、今まで一人にしてごめんと彼は優しく抱きしめてくれ…それを見る姉は、悔しそうに顔を歪ませた。
するとそんな姉に、彼はこう言った。
「実は、騎士団長が以前からあなたに好意を持って居て…帰ったらあなたに婚約を申し込みたいと仰って居た。」
「あ、あの美形の騎士団長が!?」
「だが俺からあなたの本性を聞いた騎士団長は、もうそんな気はすっかりなくなってしまったそいです。あなたは醜い嫉妬から妹の彼女に意地悪した事で、みすみす良縁を逃してしまったんだ。」
「そんな…!」
その事実に、姉はショックを受けその場に力なく座り込むのだった─。
その後…姉はその性格の悪さが騎士団で有名になり、やがてその話は瞬く間にこの地に広がる事に─。
すると、いくら美しくてもそこまで性格が悪い女は嫌だと殿方全員からそっぽを向かれてしまい、彼女は未だ独り身のままだ。
そんな姉は、結婚した私に変わらずしつこく敵意を抱いて居るようだが…夫となった彼がしっかり守ってくれるし、彼が不在の時は護衛も付けてくれるから、私はもう姉からの虐めを恐れる必要は無く幸せな新婚生活を送って居る─。
だからだろう。
私が先に婚約者を作った事に対し、彼女は強い怒りを見せた。
そして姉は、周りに隠れ私に意地悪をしてくるようになってしまった。
その事を両親に相談しても、真面目なあの子がそんな事をするはずないと信じてくれないし…友人に相談したら既に姉によって根回しされていたらしく、双子なのだからもっと仲良くしたらと呆れられただけで終わってしまった。
自身の婚約者にも相談したかったが…彼は今、隣国に居る。
と言うのも彼は城の騎士団に所属して居て、まだこの国に戻れないと言って居たし…今は、姉の意地悪に一人で耐えるしかないのね─。
そんなある日の事─。
姉に、ある婚約話が舞い込んだ。
それを知った私は、姉の婚約が上手く行けばもう虐められる事は無くなると安堵としたのだが…結局、それは叶わなかった。
と言うのも、姉はその相手の容姿が気に入らなかったようで…どうして自分があんな不細工と婚約しないといけないのか、美形の男と婚約して居るあなたが許せないとその婚約話を蹴り更に私を虐め始めたのだ。
おまけに、今度私の婚約者が帰って来たら彼を誘惑し私から略奪するとまで言い始めた。
これまで私は、美しい姉の毒牙にかかった殿方を何人も見て来たわ…。
彼も、その中の一人になってしまうのだろうか─。
不安な中、遂に彼がこの地に戻る日がやって来た。
すると、彼は真っ先に私の家を訪ねて来てくれたのだが…姉はそんな彼を迎えた私を遮り、自分ばかり彼に話しかけた。
「…私、あなたの事を誰よりも心配してたんですよ?ご無事に帰って来られ何よりです!」
「ありがとうございます。ところで…俺の居ない間、何か彼女に変わった事はありませんでした?」
「あの子?あの子なら変わらず元気に過ごしてましたよ?あぁ…ちょっと羽目を外しすぎて、あなたに隠れ男遊びをして居た時もあったわね。」
お茶を用意しろと言われ、それを持って部屋に戻ってみたら…姉はとんでもない嘘を彼に言って居た。
「わ、私はそんな事─」
「あら、好きな人に嘘を付くのは良くないわ。そんなんじゃ彼に嫌われちゃうわよ?まぁそうなったら、私が彼と婚約するのも良いわね!ねぇ、あなたはどう思います?」
そんな姉の言葉に…彼は少し考え、こう言った。
「そうですね…俺は嘘付きや男にだらしない女は嫌いです。でもそれは彼女じゃない、あなたの方だ─。」
「わ、私が嘘付きって…何の証拠があってそんな事─」
「実は今回、騎士団に聖女様が同行して下さったんですが…その聖女様が、あなたの婚約者が大変な目に遭って居ると仰い現状を教えて下さったのです。そして聖女様が持つ水晶玉には、あなたに虐められる彼女の姿がしっかりと映し出されて居た。そして、彼女から俺を奪おうと企む様子も─。」
「何ですって!?」
「その為、俺は帰ったらすぐに彼女をあなたから引き離し、俺の家へ連れ帰る事を決めた。そして、早く結婚しようと─。そうすれば、彼女を守る事が出来るから。今日はその為に来た…あなたと話したくて来たんじゃない。」
彼のその言葉に…私は部屋のドアを開けると、嬉しさの余り彼の腕へと飛び込んだ。
そしてそんな私を、今まで一人にしてごめんと彼は優しく抱きしめてくれ…それを見る姉は、悔しそうに顔を歪ませた。
するとそんな姉に、彼はこう言った。
「実は、騎士団長が以前からあなたに好意を持って居て…帰ったらあなたに婚約を申し込みたいと仰って居た。」
「あ、あの美形の騎士団長が!?」
「だが俺からあなたの本性を聞いた騎士団長は、もうそんな気はすっかりなくなってしまったそいです。あなたは醜い嫉妬から妹の彼女に意地悪した事で、みすみす良縁を逃してしまったんだ。」
「そんな…!」
その事実に、姉はショックを受けその場に力なく座り込むのだった─。
その後…姉はその性格の悪さが騎士団で有名になり、やがてその話は瞬く間にこの地に広がる事に─。
すると、いくら美しくてもそこまで性格が悪い女は嫌だと殿方全員からそっぽを向かれてしまい、彼女は未だ独り身のままだ。
そんな姉は、結婚した私に変わらずしつこく敵意を抱いて居るようだが…夫となった彼がしっかり守ってくれるし、彼が不在の時は護衛も付けてくれるから、私はもう姉からの虐めを恐れる必要は無く幸せな新婚生活を送って居る─。
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