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私の容姿を馬鹿にする意地の悪い義妹は、結婚式で好きな相手に捨てられる事となりました。

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 私には、血の繋がらない妹が居る。
 
 彼女は父の再婚相手の連れ子で、昔からとても可愛らしい容姿をして居た。



 そしてそれは成長しても変わらず…その愛らしさから、彼女はある名家のご子息に見初められる事に─。

 その結果、義妹は姉の私よりも早く結婚が決まり家を出る事となった。



 しかしこの義妹、結婚相手の前では随分しおらしく清楚な女として振舞って居るが…私に対する態度はそれは酷いものだった。



 彼女は昔から、顔に傷がある私の容姿を醜いと馬鹿にしており…そんな傷持ちの女は一生独り身だとか、結婚できず年老いても面倒は見ないからなどと意地悪な事ばかり言って居た。
  
 その為、私は人前では彼女の結婚を祝って居たが…彼女が家を出て行ってくれる事に、内心安堵して居た。



 その後、義妹は結婚式を迎えたが…そこで思わぬ事件が起きた。

 父が良かれと思い、義妹の成長記録を綴った写真付きのアルバムを新郎に渡したのだが…そこには過去の私の姿も収められており、その頃の私にはまだ傷が無かった。



 するとそれを見た新郎が、傷のないお姉さんの顔を見られて嬉しいなどとお世辞のような言葉を述べた。

 しかし、義妹はそれに過剰に反応─。

 祝いの酒をたらふく飲み酔っぱらって居た事もあり、新郎に悪態をつき始めた。



 そんな女、傷が無かったとしても地味で田舎臭い事に代わりは無い─。

 あの傷は昔階段から落ちた私を助けようと庇って付いたもので自業自得で、あなたが気に掛ける必要は全く無いとアルバムを新郎から奪うと床に投げ捨てた。


 
 それを見た父や継母が、慌てて彼女を止めようとしたが…義妹はそれを無視し、更に言葉を続けた。

 あんな傷持ちの女を私は姉だとは思って居ないから、あなたもあの人をお姉さんなどと呼ばないで!
 
 あんな醜い女を気にする暇があるなら、可愛い私の事を褒め称えなさいよ─!



 すると今まで義妹の言葉を黙って聞いて居た新郎は、呆れたような顔で席を立ち…なおも言葉を続けようとする義妹にこう言った。


 
 醜いなどど…自分を救ってくれた恩ある人に対し、君は何て酷い事を言うんだ。

 この件で君の本性に気付く事が出来た…。

 俺は人の容姿を悪く言うような者とは一緒になりたくない。

 今回の結婚は無かった事にさせた貰う─。

 そう言って、新郎は義妹に別れを告げ去って行った。

 

 それを呆然と見て居た義妹は、我に返りすぐその後を追いかけ復縁を迫ったが…結局、相手の気持ちが変わる事は無かった。



 その後、義妹は結婚を一方的に無かった事にされたと相手側に慰謝料を請求したが…実は彼女はお相手に隠れ男友達と浮気をして居たようで、それを相手に調べ上げられ逆に慰謝料を請求される事になってしまった。



 困った義妹は、父にそれを払って貰おうとしたが…恥を晒し続ける義妹に父の怒りは頂点に─。

 父は継母と離縁した後、継母と義妹を家から追放…金輪際この家と関りを持たぬ事を約束させた。



 すると継母は、そんな義妹を見捨て新しい男の元へと姿を消し…義妹は自身の力だけで慰謝料を支払う事に─。
 
 だが賢くも無い上に怠け者の義妹は何処へ行っても役に立たず…ある仕事場でサボって居た所を主人に見つかり鞭で打たれ、その可愛い顔に一生消えない傷を負う羽目になった。

 そしてその住み込みの仕事をクビになった義妹は、今は顔を隠し路上で売春婦をして居るようで…彼女は自身の身を売る事でお金を得て、お相手への慰謝料の支払いに充てて居ると言う。



 一方、私はと言うと…あの時の結婚式に招待され一部始終を見て居た招待客の殿方に見初められ、結婚する事が決まった。
 
 彼は、自分を顧みず血の繋がらない妹を助けた私の行動に心打たれたらしく…私の心は何て美しいのだろうと言い、外見よりも内面を好きになってくれた。



 そんな殿方に会うのは初めてだった私は、彼を気に掛けるようになり…交流を深めて行く内に優しく心の広い彼に強く惹かれ、その気持ちに応える事にしたと言う訳だ。



 こうして彼と結ばれた私は、その後もずっと大事にされ…とても幸せな結婚生活を送って居る─。
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