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私から婚約者を奪い幽閉までした姉が謝罪して来ましたが、当然受け入れはしないのでした。
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私には美しい姉が居るが…彼女は、とても性格が悪かった。
自分を良く見せる為に平気で嘘を付き…妹の私の事すら貶める、そんな女だった。
そしてその姉が、私から婚約者を奪った。
しかも姉は私が何人もの男と浮気をして居ると彼や私の両親に嘘を付き、罰を与えるべきだと言って私を家の地下室に幽閉したのだ。
「美形の彼が、あなたの婚約者となった事…私は前から許せなかった─。彼ね、あなたの裏切りを相当怒っていたわよ?そんな彼は、私が幸せにするから…あなたは一生、そこで大人しくして居なさい!」
そう言って、姉は彼の元へと行ってしまった。
しかし…それから僅か数日後…姉は、この家に戻って来たのだった─。
姉は、私にこう言った。
「あんな男、あなたから奪うんじゃなかった…。」
そう言って嘆く姉の顔には妙な痣が浮かび…以前の美しさは失われて居た。
「まさか、彼が病に侵された男だった何て…。しかもそれは、まだ治療法が見つからない病で…人に移るものだった何て─!」
「だから…彼の婚約相手には私が選ばれたんですよ?私は治癒能力を持って居るから…。でも…どうせお姉様は、彼に自分も治癒能力を持って居ると嘘を付いたんでしょう?」
「君は彼女の姉なんだから、当然力を持って居るだろう?しかも、姉なら力は上なんじゃないかと聞かれ…力が何の事かは分からなかったけれど、とりあえずそうだと言っておいたのよ!そしたら…彼が自身の本当の姿を見せると言って、痣だらけの醜い顔と体を晒し…驚いた私は逃げ様として…その時、彼に顔を触られたの。その時に、病が移ってしまったんだわ!」
「彼は、普段は魔道具の力を借り、体中の痣を消して居たんですけれど…その病を根本から直したいと考え、私との婚約を決めたんです。」
こうして全てを知った姉は、その場で泣き崩れた。
「私が嘘を付き、あなたから彼を奪ったからこんな事になってしまった…。どうか許して…!そして、私の顔をその治癒能力で元に戻して!」
「何を身勝手な事を…いくら謝られても、私はあなたを許しません。」
するとそこへ、姉を追いかけて来た元婚約者がやって来た。
そして…姉を捕まえると、こう言ったのだ。
「お前は、俺に治癒能力があると嘘を付いた。そして俺の本当の姿を知ったら、醜いと罵った。そんなお前を、俺は許さない!俺の秘密を知ったからには、逃しはしないぞ!」
彼は姉の腕を掴むと、そのまま地下を出て行ってしまった。
その後、姉が嘘付きである事が知られる所となり…私は、すぐに地下室から出る事が出来た。
今まで姉の嘘にすっかり騙され、姉の味方をして居た両親は私に心から謝罪し…そして、今度こそ間違いのない殿方を婚約者として迎える事を約束してくれた。
そして、それは現実のものとなり…健康的で性格も穏やかな素敵な方が、私の婚約者になって下さった。
一方、元婚約者に連れて行かれた姉だが…彼女は彼の秘密を知った事で、彼の家の地下牢に入れられてしまったらしい。
私は、あの嘘つきな姉の被害に遭うのはもう嫌だったので…彼の病を治す代わりに、一生その地下牢に彼女を入れておいて欲しいと密かにお願いした。
すると、彼は姉に騙された事が相当悔しかったのだろう、あっさり了承してくれた。
こうして嘘つきの姉は…私にも彼にも許される事無く、その一生を暗い地下牢で終える事が決まるのだった─。
自分を良く見せる為に平気で嘘を付き…妹の私の事すら貶める、そんな女だった。
そしてその姉が、私から婚約者を奪った。
しかも姉は私が何人もの男と浮気をして居ると彼や私の両親に嘘を付き、罰を与えるべきだと言って私を家の地下室に幽閉したのだ。
「美形の彼が、あなたの婚約者となった事…私は前から許せなかった─。彼ね、あなたの裏切りを相当怒っていたわよ?そんな彼は、私が幸せにするから…あなたは一生、そこで大人しくして居なさい!」
そう言って、姉は彼の元へと行ってしまった。
しかし…それから僅か数日後…姉は、この家に戻って来たのだった─。
姉は、私にこう言った。
「あんな男、あなたから奪うんじゃなかった…。」
そう言って嘆く姉の顔には妙な痣が浮かび…以前の美しさは失われて居た。
「まさか、彼が病に侵された男だった何て…。しかもそれは、まだ治療法が見つからない病で…人に移るものだった何て─!」
「だから…彼の婚約相手には私が選ばれたんですよ?私は治癒能力を持って居るから…。でも…どうせお姉様は、彼に自分も治癒能力を持って居ると嘘を付いたんでしょう?」
「君は彼女の姉なんだから、当然力を持って居るだろう?しかも、姉なら力は上なんじゃないかと聞かれ…力が何の事かは分からなかったけれど、とりあえずそうだと言っておいたのよ!そしたら…彼が自身の本当の姿を見せると言って、痣だらけの醜い顔と体を晒し…驚いた私は逃げ様として…その時、彼に顔を触られたの。その時に、病が移ってしまったんだわ!」
「彼は、普段は魔道具の力を借り、体中の痣を消して居たんですけれど…その病を根本から直したいと考え、私との婚約を決めたんです。」
こうして全てを知った姉は、その場で泣き崩れた。
「私が嘘を付き、あなたから彼を奪ったからこんな事になってしまった…。どうか許して…!そして、私の顔をその治癒能力で元に戻して!」
「何を身勝手な事を…いくら謝られても、私はあなたを許しません。」
するとそこへ、姉を追いかけて来た元婚約者がやって来た。
そして…姉を捕まえると、こう言ったのだ。
「お前は、俺に治癒能力があると嘘を付いた。そして俺の本当の姿を知ったら、醜いと罵った。そんなお前を、俺は許さない!俺の秘密を知ったからには、逃しはしないぞ!」
彼は姉の腕を掴むと、そのまま地下を出て行ってしまった。
その後、姉が嘘付きである事が知られる所となり…私は、すぐに地下室から出る事が出来た。
今まで姉の嘘にすっかり騙され、姉の味方をして居た両親は私に心から謝罪し…そして、今度こそ間違いのない殿方を婚約者として迎える事を約束してくれた。
そして、それは現実のものとなり…健康的で性格も穏やかな素敵な方が、私の婚約者になって下さった。
一方、元婚約者に連れて行かれた姉だが…彼女は彼の秘密を知った事で、彼の家の地下牢に入れられてしまったらしい。
私は、あの嘘つきな姉の被害に遭うのはもう嫌だったので…彼の病を治す代わりに、一生その地下牢に彼女を入れておいて欲しいと密かにお願いした。
すると、彼は姉に騙された事が相当悔しかったのだろう、あっさり了承してくれた。
こうして嘘つきの姉は…私にも彼にも許される事無く、その一生を暗い地下牢で終える事が決まるのだった─。
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