151 / 215
私が大事にして居る婚約指輪を盗んだ意地悪な義姉は、後にその報いを受けました。
しおりを挟む
私は念願叶い、昔から好きだった彼と婚約する事に─。
優しい彼は、その証として代々家に伝わると言う指輪を私に贈ってくれた。
それ以降、私は指輪を宝物のように大事にして居たが…密かにそれを狙う者が居た。
その人物は、私の義姉だった。
彼女は、父の再婚相手の連れ子だった。
義姉はとても美しいが、性格はとんでもなく意地悪で…地味な私は、いつも彼女に馬鹿にされ虐められて居た。
義姉は私の婚約者となった彼の事を密かに好いて居て…自分が彼と結ばれなかった悔しさから、余計に私に対して腹が立つのでしょう─。
そんな中、私は彼から貰った指輪を紛失してしまった。
すると必死に指輪を探す私に、使用人が申し訳なさそうな顔でこう言った。
「実は、お嬢様の部屋の鍵を強引にあの方に奪われてしまい…指輪は、恐らくその時に─。」
だが、直接その現場を使用人も私も見ておらず…当然、義姉も自分がそれを盗んだとは言わない。
私は、このまま泣き寝入りするしかないのだろうか。
でも、せっかく彼が私にくれた大事な指輪だ…何とかして取り戻したい─。
そう思って居た時、婚約者が私の元を訪ねて来た。
そして、つい先ほどあの指輪を嵌めた義姉が彼の家を訪れ…驚く彼にこう言ったと言う─。
『妹は、本当はあなたと婚約などしたくは無いの。それ故に、私にこの指輪を預けてくれたの。そして、婚約者であるあなたも私に譲ると言ってくれたわ。』
それを聞いた私は、間違ってもそんな事はして居ないし…あなたを義姉に譲るつもりも無いと彼に訴えた。
すると彼は、勿論そんな事は分かって居るから大丈夫だと言ってくれた。
そして、義姉は嘘を付き自分を騙そうとした罰で地下牢に閉じ込めておいたと言う。
「あの指輪に嵌められた石は、持ち主に幸運を授ける不思議な力を持った魔法石だ。そして、あの魔法石は持ち主の記憶を宿す事が出来る。俺はその石に籠められた君の記憶と…それから、君の部屋からその指輪を盗み自分の物にする彼女の記憶の両方を見た。その為、それについて彼女に説明を求めたら…彼女は結局嘘を付いた事を認めたよ。」
特別な指輪だと彼は言って居たが、まさかそんな力がある石を嵌め込んだ物だったとは─。
でもそのおかげで、義姉の悪事が明らかになって良かった─。
その後、義姉は指輪の石に込められた彼女の記憶から友人や知り合いからもお金や貴金属を盗み取って居た事が判明…彼の家の地下牢ではなく、本当の牢に入れられる事となった。
そうなって、怒った父は義姉やその母親とすっぱり縁を切ってしまった。
そのせいで保釈金を出して貰えなくなった義姉は、当分牢から出る事は出来ないのだった─。
そして、再び私の元に帰って来た指輪だが…悪女が嵌めた指輪をまた嵌めるのは可哀相だからと、彼は新しい指輪を作り私に贈ってくれた。
そして改めて愛の誓いを交わし合った私達は、より一層その仲が深まる事となり…今は穏やかで幸せな日々を送って居る─。
優しい彼は、その証として代々家に伝わると言う指輪を私に贈ってくれた。
それ以降、私は指輪を宝物のように大事にして居たが…密かにそれを狙う者が居た。
その人物は、私の義姉だった。
彼女は、父の再婚相手の連れ子だった。
義姉はとても美しいが、性格はとんでもなく意地悪で…地味な私は、いつも彼女に馬鹿にされ虐められて居た。
義姉は私の婚約者となった彼の事を密かに好いて居て…自分が彼と結ばれなかった悔しさから、余計に私に対して腹が立つのでしょう─。
そんな中、私は彼から貰った指輪を紛失してしまった。
すると必死に指輪を探す私に、使用人が申し訳なさそうな顔でこう言った。
「実は、お嬢様の部屋の鍵を強引にあの方に奪われてしまい…指輪は、恐らくその時に─。」
だが、直接その現場を使用人も私も見ておらず…当然、義姉も自分がそれを盗んだとは言わない。
私は、このまま泣き寝入りするしかないのだろうか。
でも、せっかく彼が私にくれた大事な指輪だ…何とかして取り戻したい─。
そう思って居た時、婚約者が私の元を訪ねて来た。
そして、つい先ほどあの指輪を嵌めた義姉が彼の家を訪れ…驚く彼にこう言ったと言う─。
『妹は、本当はあなたと婚約などしたくは無いの。それ故に、私にこの指輪を預けてくれたの。そして、婚約者であるあなたも私に譲ると言ってくれたわ。』
それを聞いた私は、間違ってもそんな事はして居ないし…あなたを義姉に譲るつもりも無いと彼に訴えた。
すると彼は、勿論そんな事は分かって居るから大丈夫だと言ってくれた。
そして、義姉は嘘を付き自分を騙そうとした罰で地下牢に閉じ込めておいたと言う。
「あの指輪に嵌められた石は、持ち主に幸運を授ける不思議な力を持った魔法石だ。そして、あの魔法石は持ち主の記憶を宿す事が出来る。俺はその石に籠められた君の記憶と…それから、君の部屋からその指輪を盗み自分の物にする彼女の記憶の両方を見た。その為、それについて彼女に説明を求めたら…彼女は結局嘘を付いた事を認めたよ。」
特別な指輪だと彼は言って居たが、まさかそんな力がある石を嵌め込んだ物だったとは─。
でもそのおかげで、義姉の悪事が明らかになって良かった─。
その後、義姉は指輪の石に込められた彼女の記憶から友人や知り合いからもお金や貴金属を盗み取って居た事が判明…彼の家の地下牢ではなく、本当の牢に入れられる事となった。
そうなって、怒った父は義姉やその母親とすっぱり縁を切ってしまった。
そのせいで保釈金を出して貰えなくなった義姉は、当分牢から出る事は出来ないのだった─。
そして、再び私の元に帰って来た指輪だが…悪女が嵌めた指輪をまた嵌めるのは可哀相だからと、彼は新しい指輪を作り私に贈ってくれた。
そして改めて愛の誓いを交わし合った私達は、より一層その仲が深まる事となり…今は穏やかで幸せな日々を送って居る─。
130
お気に入りに追加
911
あなたにおすすめの小説

【完結】ずっとやっていれば良いわ。※暗い復讐、注意。
BBやっこ
恋愛
幼い頃は、誰かに守られたかった。
後妻の連れ子。家も食事も教育も与えられたけど。
新しい兄は最悪だった。
事あるごとにちょっかいをかけ、物を壊し嫌がらせ。
それくらい社交界でよくあるとは、家であって良い事なのか?
本当に嫌。だけどもう我慢しなくて良い

婚約破棄した令嬢の帰還を望む
基本二度寝
恋愛
王太子が発案したとされる事業は、始まる前から暗礁に乗り上げている。
実際の発案者は、王太子の元婚約者。
見た目の美しい令嬢と婚約したいがために、婚約を破棄したが、彼女がいなくなり有能と言われた王太子は、無能に転落した。
彼女のサポートなしではなにもできない男だった。
どうにか彼女を再び取り戻すため、王太子は妙案を思いつく。

どんなに私が愛しても
豆狸
恋愛
どんなに遠く離れていても、この想いがけして届かないとわかっていても、私はずっと殿下を愛しています。
これからもずっと貴方の幸せを祈り続けています。
※子どもに関するセンシティブな内容があります。

思い出してしまったのです
月樹《つき》
恋愛
同じ姉妹なのに、私だけ愛されない。
妹のルルだけが特別なのはどうして?
婚約者のレオナルド王子も、どうして妹ばかり可愛がるの?
でもある時、鏡を見て思い出してしまったのです。
愛されないのは当然です。
だって私は…。

誰でもイイけど、お前は無いわw
猫枕
恋愛
ラウラ25歳。真面目に勉強や仕事に取り組んでいたら、いつの間にか嫁き遅れになっていた。
同い年の幼馴染みランディーとは昔から犬猿の仲なのだが、ランディーの母に拝み倒されて見合いをすることに。
見合いの場でランディーは予想通りの失礼な発言を連発した挙げ句、
「結婚相手に夢なんて持ってないけど、いくら誰でも良いったってオマエは無いわww」
と言われてしまう。

バカ二人のおかげで優秀な婿と結婚できるお話
下菊みこと
恋愛
バカ二人が自滅するだけ。ゴミを一気に処分できてスッキリするお話。
ルルシアは義妹と自分の婚約者が火遊びをして、子供が出来たと知る。ルルシアは二人の勘違いを正しつつも、二人のお望み通り婚約者のトレードはしてあげる。結果、本来より良い婿を手に入れることになる。
小説家になろう様でも投稿しています。

異世界転移聖女の侍女にされ殺された公爵令嬢ですが、時を逆行したのでお告げと称して聖女の功績を先取り実行してみた結果
富士とまと
恋愛
公爵令嬢が、異世界から召喚された聖女に婚約者である皇太子を横取りし婚約破棄される。
そのうえ、聖女の世話役として、侍女のように働かされることになる。理不尽な要求にも色々耐えていたのに、ある日「もう飽きたつまんない」と聖女が言いだし、冤罪をかけられ牢屋に入れられ毒殺される。
死んだと思ったら、時をさかのぼっていた。皇太子との関係を改めてやり直す中、聖女と過ごした日々に見聞きした知識を生かすことができることに気が付き……。殿下の呪いを解いたり、水害を防いだりとしながら過ごすあいだに、運命の時を迎え……え?ええ?

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる