149 / 215
婚約者の浮気のせいで周囲から白い目で見られる私ですが、幼馴染の王子が助けてくれました。
しおりを挟む
私には婚約者が居るが…その彼が、最近になり浮気をして居る事が判明した。
ベッドには長い髪が落ちて居るし、彼の身体にはキスマークが付いて居たり色々と証拠はあるが…その相手までは突き止められずに居た。
それが、まさかこんな形で判明する事になるとは─。
その日、この国の第一王子の誕生日をお祝いするパーティーが催された。
私の両親はお城の楽師で…その縁で私は昔から王子と仲が良く、このパーティーに招かれる事に─。
そして、私の婚約者である彼も参加したのだが…その彼の姿が、途中で見えなくなった。
すると…パーティーの途中だと言うのに、兵達の怒号が響き渡り…彼とある女が、兵達に囲まれ項垂れる姿がそこにあった。
「この者達は、立ち入りを禁じられた部屋でいかがわしい事をして居た。全くけしからん奴らだ!」
それを聞いた招待客達は、一斉に顔を顰め…汚らわしい物を見る様な目で、二人を見つめた。
「よくもお城でそんなふしだらな事が─。」
「そんな奴らが、どうしてここに居るんだ!?」
そして、私はと言うと…周囲から白い目で見られる彼の隣に居る女を見て、その場で固まってしまって居た。
その女は、彼の妹よね…?
彼のお父様の再婚相手の連れ子で血の繋がりは無いから、義妹という事になるんだけれど…でも、それでも─。
するとそんな私を見た婚約者が、私に手を伸ばし声を荒げた。
「おい、見てないで助けろ!俺はお前の付き添いで来たんだぞ!?」
そしてそんな彼の言葉に…周りの者達は今度は私をじっと見つめ、ヒソヒソと囁き始めた。
ど、どうしよう…このままでは私も…それに、両親まで罰を受ける事に─。
その時…私の前に誰かが立ちはだかり、そしてこう言った。
「この男は、もう彼女とは何の関係も無い。この男は、本日をもって彼女から縁を切られる身だ─。」
それは、今回の主役である第一王子だった。
すると、その言葉を聞いた婚約者は激しく動揺した。
「お、俺が縁を切られるだと!?一体どうして─」
「お前の様な者に、彼女は釣り合わないからだ。その女を勝手に招いたのも、あの部屋でそんな事をしようと誘ったのもお前で、彼女には一切関係のない事。この者達は牢に入れておくから、皆はパーティーの続きを楽しんでくれ─。」
王子がそう言ってしまえば、招待客達はもう私に何も言えない。
ただ、悪者となった彼と義妹を冷ややかな目で見つめ…彼らは私達から離れて行った。
「お、俺が牢送りだって!?」
「どうして私達がこんな目に遭うのよ!」
二人は、真っ青な顔で震え泣いて居たが…王子がそう決めたのであれば、もう逆らう事は出来ない。
ついに二人は縄で縛られ、牢へと連行された─。
「王子、本当にありがとうございました。そして、ご迷惑をおかけして申し訳ありません!私を助ける為に、あんな事を仰ってくれたんですよね?」
そう言って頭を下げれば…王子は私の頭を優しく撫で、顔を上げる様に言った。
「気にしないでくれ、俺達の仲だ。あんな女好きの男、俺は前から君には相応しくないと思って居たんだ。君にはショックな事だろうが…俺は、君がこれ以上不幸になって欲しくなかった。だが君は…やはりあの男に未練があるだろうか?」
「ショックはショックでしたが…今更、彼に未練などありません。むしろ、このまま彼と別れる事しか考えて居ません。」
すると、そんな私に…王子は姿勢を正し、こう言った。
「俺は…本当はずっと前から、君の事が好きだった。でも、それを自覚した頃にはもう君はあの男と婚約していた。だから、諦めるしかなかったが…こうなった以上、もうそんな事をする必要は無い。どうか、俺の婚約者になってくれないだろうか。」
「私が、王子の…?」
王子とは、ずっと幼馴染として仲良くさせて貰って来た。
彼は、とても誠実で真面目で、おまけにとても優しくて…その優しさに、私は何度救われた事か…。
そして、それは先程も─。
そんな王子と婚約したら…きっと私は、今まで以上に彼に大事にされる事になる…。
そう思ったら、私の胸は大きく高鳴り…その頬は、バラ色にと染まった。
「私…あなたの婚約者になりたいです。この先も、あなたと一緒に居たいです─!」
こうして、私と王子はめでたく結ばれる事となった。
一方、牢に入れられたあの二人は…王様からも大変なお叱りを受け、罰としてこの国からの追放を命じられた。
そして、二人は泣く泣くこの国を去り…今はどこでどうして居るか、全く分からないで居るわ─。
ベッドには長い髪が落ちて居るし、彼の身体にはキスマークが付いて居たり色々と証拠はあるが…その相手までは突き止められずに居た。
それが、まさかこんな形で判明する事になるとは─。
その日、この国の第一王子の誕生日をお祝いするパーティーが催された。
私の両親はお城の楽師で…その縁で私は昔から王子と仲が良く、このパーティーに招かれる事に─。
そして、私の婚約者である彼も参加したのだが…その彼の姿が、途中で見えなくなった。
すると…パーティーの途中だと言うのに、兵達の怒号が響き渡り…彼とある女が、兵達に囲まれ項垂れる姿がそこにあった。
「この者達は、立ち入りを禁じられた部屋でいかがわしい事をして居た。全くけしからん奴らだ!」
それを聞いた招待客達は、一斉に顔を顰め…汚らわしい物を見る様な目で、二人を見つめた。
「よくもお城でそんなふしだらな事が─。」
「そんな奴らが、どうしてここに居るんだ!?」
そして、私はと言うと…周囲から白い目で見られる彼の隣に居る女を見て、その場で固まってしまって居た。
その女は、彼の妹よね…?
彼のお父様の再婚相手の連れ子で血の繋がりは無いから、義妹という事になるんだけれど…でも、それでも─。
するとそんな私を見た婚約者が、私に手を伸ばし声を荒げた。
「おい、見てないで助けろ!俺はお前の付き添いで来たんだぞ!?」
そしてそんな彼の言葉に…周りの者達は今度は私をじっと見つめ、ヒソヒソと囁き始めた。
ど、どうしよう…このままでは私も…それに、両親まで罰を受ける事に─。
その時…私の前に誰かが立ちはだかり、そしてこう言った。
「この男は、もう彼女とは何の関係も無い。この男は、本日をもって彼女から縁を切られる身だ─。」
それは、今回の主役である第一王子だった。
すると、その言葉を聞いた婚約者は激しく動揺した。
「お、俺が縁を切られるだと!?一体どうして─」
「お前の様な者に、彼女は釣り合わないからだ。その女を勝手に招いたのも、あの部屋でそんな事をしようと誘ったのもお前で、彼女には一切関係のない事。この者達は牢に入れておくから、皆はパーティーの続きを楽しんでくれ─。」
王子がそう言ってしまえば、招待客達はもう私に何も言えない。
ただ、悪者となった彼と義妹を冷ややかな目で見つめ…彼らは私達から離れて行った。
「お、俺が牢送りだって!?」
「どうして私達がこんな目に遭うのよ!」
二人は、真っ青な顔で震え泣いて居たが…王子がそう決めたのであれば、もう逆らう事は出来ない。
ついに二人は縄で縛られ、牢へと連行された─。
「王子、本当にありがとうございました。そして、ご迷惑をおかけして申し訳ありません!私を助ける為に、あんな事を仰ってくれたんですよね?」
そう言って頭を下げれば…王子は私の頭を優しく撫で、顔を上げる様に言った。
「気にしないでくれ、俺達の仲だ。あんな女好きの男、俺は前から君には相応しくないと思って居たんだ。君にはショックな事だろうが…俺は、君がこれ以上不幸になって欲しくなかった。だが君は…やはりあの男に未練があるだろうか?」
「ショックはショックでしたが…今更、彼に未練などありません。むしろ、このまま彼と別れる事しか考えて居ません。」
すると、そんな私に…王子は姿勢を正し、こう言った。
「俺は…本当はずっと前から、君の事が好きだった。でも、それを自覚した頃にはもう君はあの男と婚約していた。だから、諦めるしかなかったが…こうなった以上、もうそんな事をする必要は無い。どうか、俺の婚約者になってくれないだろうか。」
「私が、王子の…?」
王子とは、ずっと幼馴染として仲良くさせて貰って来た。
彼は、とても誠実で真面目で、おまけにとても優しくて…その優しさに、私は何度救われた事か…。
そして、それは先程も─。
そんな王子と婚約したら…きっと私は、今まで以上に彼に大事にされる事になる…。
そう思ったら、私の胸は大きく高鳴り…その頬は、バラ色にと染まった。
「私…あなたの婚約者になりたいです。この先も、あなたと一緒に居たいです─!」
こうして、私と王子はめでたく結ばれる事となった。
一方、牢に入れられたあの二人は…王様からも大変なお叱りを受け、罰としてこの国からの追放を命じられた。
そして、二人は泣く泣くこの国を去り…今はどこでどうして居るか、全く分からないで居るわ─。
124
お気に入りに追加
911
あなたにおすすめの小説

思い出してしまったのです
月樹《つき》
恋愛
同じ姉妹なのに、私だけ愛されない。
妹のルルだけが特別なのはどうして?
婚約者のレオナルド王子も、どうして妹ばかり可愛がるの?
でもある時、鏡を見て思い出してしまったのです。
愛されないのは当然です。
だって私は…。

【完結】ずっとやっていれば良いわ。※暗い復讐、注意。
BBやっこ
恋愛
幼い頃は、誰かに守られたかった。
後妻の連れ子。家も食事も教育も与えられたけど。
新しい兄は最悪だった。
事あるごとにちょっかいをかけ、物を壊し嫌がらせ。
それくらい社交界でよくあるとは、家であって良い事なのか?
本当に嫌。だけどもう我慢しなくて良い

バカ二人のおかげで優秀な婿と結婚できるお話
下菊みこと
恋愛
バカ二人が自滅するだけ。ゴミを一気に処分できてスッキリするお話。
ルルシアは義妹と自分の婚約者が火遊びをして、子供が出来たと知る。ルルシアは二人の勘違いを正しつつも、二人のお望み通り婚約者のトレードはしてあげる。結果、本来より良い婿を手に入れることになる。
小説家になろう様でも投稿しています。


婚約破棄は先手を取ってあげますわ
浜柔
恋愛
パーティ会場に愛人を連れて来るなんて、婚約者のわたくしは婚約破棄するしかありませんわ。
※6話で完結として、その後はエクストラストーリーとなります。
更新は飛び飛びになります。


拗れた恋の行方
音爽(ネソウ)
恋愛
どうしてあの人はワザと絡んで意地悪をするの?
理解できない子爵令嬢のナリレットは幼少期から悩んでいた。
大切にしていた亡き祖母の髪飾りを隠され、ボロボロにされて……。
彼女は次第に恨むようになっていく。
隣に住む男爵家の次男グランはナリレットに焦がれていた。
しかし、素直になれないまま今日もナリレットに意地悪をするのだった。

誰でもイイけど、お前は無いわw
猫枕
恋愛
ラウラ25歳。真面目に勉強や仕事に取り組んでいたら、いつの間にか嫁き遅れになっていた。
同い年の幼馴染みランディーとは昔から犬猿の仲なのだが、ランディーの母に拝み倒されて見合いをすることに。
見合いの場でランディーは予想通りの失礼な発言を連発した挙げ句、
「結婚相手に夢なんて持ってないけど、いくら誰でも良いったってオマエは無いわww」
と言われてしまう。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる