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美しさで私の恋をずっと邪魔して来た姉は、その代償で孤独な人生を送る事となりました。

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 私の姉は、とても美しい容姿をして居た。

 おまけに性格も明るくおしゃべりで…すぐに色んな人と打ち解ける事が出来た。

 だからだろうか…私の恋人達は、いつも最後は私ではなく姉を選んだ。

 彼らは皆…地味な私には飽きた、お前と居てもつまらないとお決まりの台詞を言い、私の元を去って行く。

 そしてそれを見た姉は、あなたに殿方を繋ぎ止める魅力が無いのよと言い…私の事を逆恨みするのだけは止めてよねと、そう言って嘲笑った。



 そんな姉は、私から奪った彼らと交際を始めるが…すぐに飽きたと言い、彼らを捨ててしまった。

 彼らは姉の心を何とか繋ぎ止め様としたが…姉は一度手放したものには、何の情も涌かない様だった。



 その後…姉は、ある男に恋をした。

 そして、その人物に積極的に声をかけて居た様だが…彼は、そんな姉にはちっとも靡かなかった。

 今までこんな事は一度も無かった姉は、その事に対し大きな不満を持って居る様だった。


 
 そんな中…姉の身に、不幸が降りかかった。

 何と、私から奪った恋人の一人に逆恨みされ…その美しい顔を刃物で切り付けられてしまったのだ。

 そして姉の顔には大きな傷跡が残り…後遺症も残り、笑う事が出来なくなってしまった。


 
 そして、不幸はこれで終わらなかった。

 落ち込む姉を、気晴らしにとお茶会に誘った令嬢が…何と姉の紅茶に毒を入れ、疑う事無くそれを飲んだ姉は二度と声が出せなくなってしまったのだ。

 こうして、美しい顔や巧みな話術を奪われた姉は…そのせいで一気に暗い性格になり、遂には家に引きこもる様に─。



 すると、今まで彼女に群がって居た殿方達は、まるで潮が引く様に姉の元から去って行った。

 そしてそんな姉を女達は憐れまず…むしろ彼女の顔を見れば気味悪がり、避ける様になった。

 こうして、姉は誰からも見向きもされない女になったのだった。


 
 一方、私はと言うと…ある殿方と婚約が決まり、この家を出る事に─。
 
 その相手が誰かと姉に話せば…彼女は驚き、すぐに絶望の表情を見せた。
 
 それもそうだろう…。

 私の婚約者は、姉が何とかして手に入れようと必死になって居たあの彼だったのだから─。



 そんな姉に、私はこう言った。

「今まで私や他の女の恋人を奪って来たから、お姉様はそんな事になったんですよ?今までの事を反省し、この先は静かに生きて行って下さいね。」

 そして私は、涙する姉の元を去ったのだった─。



 しかし…まさかあの二人が、あそこまで過激な行動に出るとは思っても居なかったわ。

 私はただ…姉の心変わりに悩む彼や、姉に彼女を奪われ落ち込むあの令嬢を慰め…姉もあなたの様に、辛い思いを味わえばいいのにねと囁いただけなのに─。

 本当に、人生って何が起こるか分からないわよね─。
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