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私から婚約者を略奪した無知な親友は、結局死ぬまで不幸を背負う事となりました。
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訳あって、私はこの地の領主様のご子息と婚約する事に─。
だがその直後、幼い頃に引っ越して行った親友がこの地に戻って来て…彼女は、私の婚約者となった彼を好きになってしまった。
すると彼女は、地味で大人しい私に彼の相手は務まらない…美人で明るい私の方がお似合いだ、親友なのだから私に彼を譲れと言って来た。
しかし私は、そんな事は出来ないと彼女に告げた。
「あの人の婚約者が務まるのは、私だけなの。」
「何よそれ…私の事を馬鹿にしてるの!?」
私の言葉に親友は激怒したが…婚約の理由を許可なく口にするなと彼に言われて居た為、私は親友の要求を断るしかなかった。
すると彼女は、私を説得するのではなく…その容姿を武器に、彼を誘惑する様になった。
幼い頃から可愛かった彼女は、成長した今は美しさも備わり…彼は、そんな彼女にあっという間に夢中になった。
そして私と婚約を破棄し、彼女を新たな婚約者に迎える事を決めてしまった。
私はそんな彼女に、本当にそれでいいのかと問うた。
「…あなたは、きっとこれから辛い思いをする事になるわ。」
「そんなの、あなたには関係無いわ。負け犬の言葉など、誰が真面目に聞くものですか。」
そう言って、意地悪な笑みを浮かべる彼女を見て…もう彼女は親友などではない、この先どうなっても私には関係ないと思う事にした。
そして、それから一ヶ月後…元親友の彼女が、突然私を訪て来た。
彼女は酷くやつれ、以前の面影は全く無かった。
「彼と婚約してからと言うもの、ろくでも無い事ばかり起きて…。事故に遭って怪我をしたり、病にかかって死にかけたり…もう散々よ!でもそんな不幸な目に遭うのは私だけで、彼は何とも無いの。それで、私は彼と婚約した事で呪われてしまったのだと思い…その犯人は元婚約者のあなただと考え、こうして事情を聴きに来たの!」
「…確かに、それは呪いだけれど…でも、私のせいではないわ。」
「どういう事─?」
昔、領主様の先祖がある人物を虐めた事で呪いを受けた。
そしてその呪いは今も続いて居るが…呪いを跳ね返せるような清い心を持った相手と結ばれれば、その呪いから身を守る事が出来ると言われて居た。
「それで、その相手に私が選ばれ…彼と婚約したの。でも婚約する際は、ちゃんとそう言う説明があったと思うけれど?清い心を持ち続けなければ、その呪いに巻き込まれ…生涯その身に不幸を背負う事になるが、それでも大丈夫か。その身を犠牲にしてでも、この家の者と一生添い遂げる事が出来るかって。」
「確かに、何か真面目な話をされたけれど…私は彼と結ばれた事が嬉しくて、まともに話を聞いて居なくて─。そんな事と知って居たら、彼と婚約などしなかったのに…あなたから、彼を奪おうとはしなかったのに─!」
事実を知った彼女は、その場に崩れ落ち落ち涙した。
その後…彼女は度重なる不幸に精神を病み、こんな女はもう愛せないと彼に捨てらる事に─。
そして実家に帰されたのだが…そんな不幸に見舞われた娘が居るなど縁起が悪いと言う両親に、彼女は山奥の診療所に入れられてしまった。
彼女の家には可愛い妹が居て、名家のご子息との婚約が決まって居たから…きっと彼女は、厄介払いされてしまったのでしょう。
そして、彼女の件が世間で噂になると…領主様の相手に選ばれる程、心の清い娘だと私は評判となり…そのおかげか、多くの殿方から求愛される事に─。
私はその中でも一番優しくてて真面目な方を新たな婚約者とし、幸せな毎日を送って居る。
次期領主様の婚約者に選ばれるなど、名誉な事で嬉しくはあったが…一生その身を犠牲にする婚約は果たして本当に幸せかと言う疑問はあったから、これで良かったのかもしれないわ。
どちらか一方が不幸を背負う事で、片方が幸せで居られるのではなく…お互いに寄り添い生きて行く事で、共に幸せになろうと考えてくれる今の婚約者の方が、私は生涯幸せで居られる気がするから─。
だがその直後、幼い頃に引っ越して行った親友がこの地に戻って来て…彼女は、私の婚約者となった彼を好きになってしまった。
すると彼女は、地味で大人しい私に彼の相手は務まらない…美人で明るい私の方がお似合いだ、親友なのだから私に彼を譲れと言って来た。
しかし私は、そんな事は出来ないと彼女に告げた。
「あの人の婚約者が務まるのは、私だけなの。」
「何よそれ…私の事を馬鹿にしてるの!?」
私の言葉に親友は激怒したが…婚約の理由を許可なく口にするなと彼に言われて居た為、私は親友の要求を断るしかなかった。
すると彼女は、私を説得するのではなく…その容姿を武器に、彼を誘惑する様になった。
幼い頃から可愛かった彼女は、成長した今は美しさも備わり…彼は、そんな彼女にあっという間に夢中になった。
そして私と婚約を破棄し、彼女を新たな婚約者に迎える事を決めてしまった。
私はそんな彼女に、本当にそれでいいのかと問うた。
「…あなたは、きっとこれから辛い思いをする事になるわ。」
「そんなの、あなたには関係無いわ。負け犬の言葉など、誰が真面目に聞くものですか。」
そう言って、意地悪な笑みを浮かべる彼女を見て…もう彼女は親友などではない、この先どうなっても私には関係ないと思う事にした。
そして、それから一ヶ月後…元親友の彼女が、突然私を訪て来た。
彼女は酷くやつれ、以前の面影は全く無かった。
「彼と婚約してからと言うもの、ろくでも無い事ばかり起きて…。事故に遭って怪我をしたり、病にかかって死にかけたり…もう散々よ!でもそんな不幸な目に遭うのは私だけで、彼は何とも無いの。それで、私は彼と婚約した事で呪われてしまったのだと思い…その犯人は元婚約者のあなただと考え、こうして事情を聴きに来たの!」
「…確かに、それは呪いだけれど…でも、私のせいではないわ。」
「どういう事─?」
昔、領主様の先祖がある人物を虐めた事で呪いを受けた。
そしてその呪いは今も続いて居るが…呪いを跳ね返せるような清い心を持った相手と結ばれれば、その呪いから身を守る事が出来ると言われて居た。
「それで、その相手に私が選ばれ…彼と婚約したの。でも婚約する際は、ちゃんとそう言う説明があったと思うけれど?清い心を持ち続けなければ、その呪いに巻き込まれ…生涯その身に不幸を背負う事になるが、それでも大丈夫か。その身を犠牲にしてでも、この家の者と一生添い遂げる事が出来るかって。」
「確かに、何か真面目な話をされたけれど…私は彼と結ばれた事が嬉しくて、まともに話を聞いて居なくて─。そんな事と知って居たら、彼と婚約などしなかったのに…あなたから、彼を奪おうとはしなかったのに─!」
事実を知った彼女は、その場に崩れ落ち落ち涙した。
その後…彼女は度重なる不幸に精神を病み、こんな女はもう愛せないと彼に捨てらる事に─。
そして実家に帰されたのだが…そんな不幸に見舞われた娘が居るなど縁起が悪いと言う両親に、彼女は山奥の診療所に入れられてしまった。
彼女の家には可愛い妹が居て、名家のご子息との婚約が決まって居たから…きっと彼女は、厄介払いされてしまったのでしょう。
そして、彼女の件が世間で噂になると…領主様の相手に選ばれる程、心の清い娘だと私は評判となり…そのおかげか、多くの殿方から求愛される事に─。
私はその中でも一番優しくてて真面目な方を新たな婚約者とし、幸せな毎日を送って居る。
次期領主様の婚約者に選ばれるなど、名誉な事で嬉しくはあったが…一生その身を犠牲にする婚約は果たして本当に幸せかと言う疑問はあったから、これで良かったのかもしれないわ。
どちらか一方が不幸を背負う事で、片方が幸せで居られるのではなく…お互いに寄り添い生きて行く事で、共に幸せになろうと考えてくれる今の婚約者の方が、私は生涯幸せで居られる気がするから─。
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