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身体が弱いからと私の婚約者にすり寄る妹ですが、結果この家から追放される事になりました。
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私には妹が居るが、その彼女が留学先から急に家に戻って来た。
妹は留学先で体を悪くしてしまい、暫く実家で静養するのだと言う。
しかしその妹が、一緒に住んで居る私の婚約者にやたらすり寄る様になった。
苦しいからから背中を撫でてだの、部屋まで手を引いて行って欲しいだの…姉の私や両親を頼らず、彼にばかり甘える。
彼は穏やかで優しい性格をして居るから、そんな妹を無下に扱いはしないが…どうしたものかと困って居る様だった。
両親が注意しても、妹は一向に言う事を聞かないし…自分の婚約者にあの様にベタベタされては、普段温厚な私も流石に腹が立つ。
そもそも、見た限り妹は食欲はあるし、夜もちゃんと眠れて居る。
顔色だって特別悪くは無いし…そこまで体調が悪そうには見えない。
あの子の言ってる事は、どこまで本当なのか怪しいものね─。
そんなある日の事─。
妹は外の空気が吸いたいと、私の婚約者を連れ家の周りを散歩に出かけた。
すると、妹に用があると言う客人がやって来て…彼女に代わり私が対応する事に─。
そこで、私は驚くべき話を聞く事になった。
そして両親を呼び…私達は、妹と縁を切る事にしたのだ─。
そんな事とは知らない妹は、彼と腕を組みご機嫌で帰って来た。
しかし…部屋の中に居たその客人を見て、妹の顔は真っ青になった。
「ど、どうしてあなたがここに居るの!?」
「俺と婚約してくれると言ったのに…それを果たさず自国へ逃げ帰った君を、俺は連れ戻しに来たんだ。」
その客人は、妹が留学先で深い仲となった男だった。
そんな彼は、妹を深く愛して居たが…だが、彼女は違って居た様だ。
妹は彼に上手い事を言ってお金を貢がせ…彼のお金が底をつくと、それを返す事なくこの家に逃げ帰って来たのだ。
だが、そんな妹を彼は未だに諦めきれず…こうして迎えに来たのだった。
「俺は君と一緒に居られれば、貧乏暮らしも耐えられる。だから、俺と一緒に帰ろう?」
「嫌よ!私は、貧乏になったあなたにはもう用は無いの!それに…私は、この人の事が好きになっちゃったんだから!」
そう言って、妹は私の婚約者に再びすり寄ろうとしたが…彼はそんな妹に対し、きっぱりとこう言った。
「俺が君に優しくしたのは、婚約者の妹で病人だったから。でも、本当はそんな理由でこの家に戻って来た何て…君はただの悪女じゃないか。俺は、そう言う女は決して好きにはならない。」
「そ、そんな…。」
妹は、目に涙を滲ませた。
「この人の次に彼を手玉に取るつもりだったんでしょうが、残念だったわね。あなたはもうこの家を出て行きなさい…そして、これからはこの人に尽くすの。それが、あなたに出来る唯一の罪滅ぼしよ。」
「お、お姉様…私をここから追放する気!?」
「そうよ。これ以上私の愛する人にちょっかいをかけられても鬱陶しいし…早く出て行って頂戴。」
こうして妹は、迎えに来たその男と留学先に戻る事になってしまった。
そしてそこで彼と結婚し、一生彼に尽くし生きて行く事が決まったのだ。
そうなって、妹は初めて自分のやった事を後悔して居る様だが…もう遅いのだった。
一方、私はと言うと…妹が居なくなったおかげで、また彼と仲睦まじい日々を送る事に─。
彼の優しやさ愛情は、再び私だけに注がれ…私は、とても幸せな日々を送って居る─。
妹は留学先で体を悪くしてしまい、暫く実家で静養するのだと言う。
しかしその妹が、一緒に住んで居る私の婚約者にやたらすり寄る様になった。
苦しいからから背中を撫でてだの、部屋まで手を引いて行って欲しいだの…姉の私や両親を頼らず、彼にばかり甘える。
彼は穏やかで優しい性格をして居るから、そんな妹を無下に扱いはしないが…どうしたものかと困って居る様だった。
両親が注意しても、妹は一向に言う事を聞かないし…自分の婚約者にあの様にベタベタされては、普段温厚な私も流石に腹が立つ。
そもそも、見た限り妹は食欲はあるし、夜もちゃんと眠れて居る。
顔色だって特別悪くは無いし…そこまで体調が悪そうには見えない。
あの子の言ってる事は、どこまで本当なのか怪しいものね─。
そんなある日の事─。
妹は外の空気が吸いたいと、私の婚約者を連れ家の周りを散歩に出かけた。
すると、妹に用があると言う客人がやって来て…彼女に代わり私が対応する事に─。
そこで、私は驚くべき話を聞く事になった。
そして両親を呼び…私達は、妹と縁を切る事にしたのだ─。
そんな事とは知らない妹は、彼と腕を組みご機嫌で帰って来た。
しかし…部屋の中に居たその客人を見て、妹の顔は真っ青になった。
「ど、どうしてあなたがここに居るの!?」
「俺と婚約してくれると言ったのに…それを果たさず自国へ逃げ帰った君を、俺は連れ戻しに来たんだ。」
その客人は、妹が留学先で深い仲となった男だった。
そんな彼は、妹を深く愛して居たが…だが、彼女は違って居た様だ。
妹は彼に上手い事を言ってお金を貢がせ…彼のお金が底をつくと、それを返す事なくこの家に逃げ帰って来たのだ。
だが、そんな妹を彼は未だに諦めきれず…こうして迎えに来たのだった。
「俺は君と一緒に居られれば、貧乏暮らしも耐えられる。だから、俺と一緒に帰ろう?」
「嫌よ!私は、貧乏になったあなたにはもう用は無いの!それに…私は、この人の事が好きになっちゃったんだから!」
そう言って、妹は私の婚約者に再びすり寄ろうとしたが…彼はそんな妹に対し、きっぱりとこう言った。
「俺が君に優しくしたのは、婚約者の妹で病人だったから。でも、本当はそんな理由でこの家に戻って来た何て…君はただの悪女じゃないか。俺は、そう言う女は決して好きにはならない。」
「そ、そんな…。」
妹は、目に涙を滲ませた。
「この人の次に彼を手玉に取るつもりだったんでしょうが、残念だったわね。あなたはもうこの家を出て行きなさい…そして、これからはこの人に尽くすの。それが、あなたに出来る唯一の罪滅ぼしよ。」
「お、お姉様…私をここから追放する気!?」
「そうよ。これ以上私の愛する人にちょっかいをかけられても鬱陶しいし…早く出て行って頂戴。」
こうして妹は、迎えに来たその男と留学先に戻る事になってしまった。
そしてそこで彼と結婚し、一生彼に尽くし生きて行く事が決まったのだ。
そうなって、妹は初めて自分のやった事を後悔して居る様だが…もう遅いのだった。
一方、私はと言うと…妹が居なくなったおかげで、また彼と仲睦まじい日々を送る事に─。
彼の優しやさ愛情は、再び私だけに注がれ…私は、とても幸せな日々を送って居る─。
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