【立場逆転短編集】幸せを手に入れたのは、私の方でした。 

Nao*

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婚約破棄された私の為にとパーティーを開いた親友ですが、そこで窮地に立たされるのでした。

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 少し前に、婚約破棄されてしまった私。

 婚約者だった彼にいくらその理由を聞いても、性格の不一致としか答えてくれず…私は、仕方なく彼から身を引く事に─。

 そしてそれ以降落ち込む私を見かねた親友が、そんな私の為にパーティーを開いてくれると言う。

 

 少しは気晴らしになるだろうし、そこで新しく素敵な相手が見つかるかも知れない─。

 そう言って慰めてくれる親友に、私は心の底から感謝するのだった。



 そしてパーティー当日─。
 
 そこには私と同じく彼女に招待された複数の男女が居た。



 すると彼女は、自分の男友達だけを呼んで居るからあなたも気軽に話しかけて見ると良いと言って、私に積極的に新しい出会いを提供してくれるのだった。



 しかしそんな中、一人の殿方がお酒を飲み過ぎたのか周りの者にしつこく絡み始めた。

 すると彼は私に目を付けたようで、こちらにやって来るなり私の事を上から下まで値踏みするように見て来た。
 
 そして近くに居た親友に、こんな言葉をかけるのだった。



 この女がお前が紹介したいと言う女か─?

 話に聞かされたのと違い、お前よりも可愛くないし身体だって貧弱だ。

 お前はこの女から男を奪い満足して居るようだが、俺はこの女をあてがわれても満足出来ない。

 そもそも俺はお前とずっとそう言う関係で居たいのにと、彼女に不満を訴えた。


 
 その言葉を聞いた私は、今のは一体どういう事かと彼女に詰め寄り…そんな私に彼女は冷や汗をかきしどろもどろになってしまった。

 そして周りの者達は、そんな私達の様子を見守って居る。



 私は押し黙る彼女に、今すぐここに元婚約者の彼を呼ぶよう命じた。

 幸い彼の家はすぐ近くだった為、大して待つ事も無く彼はやって来たが…その顔は真っ青だった。


 
 すると彼は私を見るなり、俺はこの女に誘われただけだ…そんな事がなければ今も君の婚約者だった、自分も被害者だと矢継ぎ早に言葉を述べた。



 どうやら彼女は私の婚約者であった彼を密かに好きだったようで、その豊満な身体で彼に関係を迫ったらしい。

 そしてそんな彼女にすっかり魅せられた彼は、彼女と関係を持ってしまい…またその時に私と婚約破棄する事、そして彼女を新たな婚約者に迎える事を約束してしまったと言う。



 彼女の家には事業面で色々世話になって居るし断れなかった。

 それに彼女は近く君に新しい男を見繕ってやると言って居たから、ならばそれで良いと思ってと彼は持論を展開したが…私には到底納得できるものでは無かった。



 そもそも、私はその新しい男とやらについ先ほど酷評されたばかりだし…。

 そしてその男は彼女と肉体関係にあったようで、それをこの先も望んで居ると元婚約者に教えれば、彼にとってそれは初耳だったようで…自分には俺だけだ、俺以外男は知らないと言ったのは嘘だったのかと彼女に突っかかって行った。



 すると彼女の男友達はそれに対抗するかのように、こんな男より自分の方が良い男だ…婚約するなら俺にしないかと彼女に迫り、彼女と二人の男はその場で大揉めになってしまった。



 それを見た私は、もうすっかり婚約者への想いも冷め…そして彼女とは今日限りで縁を切る事を決めたのだった。



 その後、パーティーは混乱の中お開きとなった。

 そして私がこの件を父に報告すると、父は大層激怒し…元親友と元婚約者に慰謝料を請求した。


 
 またこちらがそれ以上の事をしなくても、当日そのパーティーに参加した者達が彼女の悪行を広めてしまい…元親友は世間から冷ややかな目で見られる事に─。



 そのせいで私に慰謝料を支払ったばかりの彼女の家の事業は傾き、そうなって彼女の家から事業面で世話になって居た元婚約者の家の事業も同じく傾いてしまった。

 
 そしてその後、両家は揃って破産…両家とも一家離散し、二人はこの地からひっそりと姿を消したのだった。



 するとその後、私はあのパーティーに居た別の令嬢から自身の開くパーティーに参加しないかと誘われた。

 彼女は数合わせであそこに呼ばれたらしいが、元親友のやった事が許せず…だったら自分が新しくパーティーを開き、私に楽しい思いをして貰いたいと考えたらしい。



 そしてよくよく話を聞けば、私と彼女はクラスは違えどもと同じ学園卒業者だった事が分かり意気投合─。

 それ以降交流を深め、今や彼女は私の大事な親友となった。


 
 そして彼女が開いてくれたパーティーで、私は彼女の幼馴染である殿方と仲良くなった。

 彼女曰く、彼は真面目で優しくてお勧めできる相手だそうで…彼女はその後も私と彼の仲を取り持ってくれた。



 おかげで私は彼と両想いになる事が出来て、それ以降順調な交際を続けて居る。

 そして近く婚約する事が決まり…私はこの事をいち早く親友の彼女に届けようと、彼女の元へと駆けて行くのだった─。
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