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私を使用人扱いし、妹だけを溺愛する両親と縁を切る事を決めたら幸せを手に出来ました!
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私には家同士の約束で結ばれた婚約者が居るが…彼は地味な私を気に入ってはおらず、私の妹を溺愛して居た。
それは、彼女がとても愛らしく可憐な容姿をして居たからだ。
そんな彼女を愛するのは…私の婚約者だけでなく、父と母もだった。
両親は地味な私など必要ない…可愛い妹だけ居れば十分だと言って、私を愛してはくれなかった。
その為、婚約者と両親は妹だけを大事にし…私の事はまるでこの家の使用人の如く粗末に扱った。
それについて私が何か言ったとしても、三人は一切聞く耳を持たず…妹の言う事ばかりに耳を貸して居た。
三人は常に妹の味方だったのだ。
そんな中、私はある噂を耳にした。
妹が、通って居る学園で多くの令嬢を虐め…その結果、妹は彼女達から恨みを買い近く報復されると言うものだった。
私は、すぐにその事を婚約者と両親に報告した。
「そもそも、そんな事をする妹が悪いのですから…あの子にはちゃんと罰を与えるべきです。そうすれば、その令嬢達も怒りも少しは収まりましょう。」
しかし三人は、妹がそんな酷い事をするはずが無いと言って聞かなかった。
「お姉様…そんなものは、私の可愛さに嫉妬した女達が出鱈目を言って居るだけよ。私は何も悪く無いわ!」
「ほらみろ、彼女は何もして居ないじゃないか。」
「お前は姉の癖に、妹を信じる事も出来ないのか!」
「本当にあなたは、顔だけでなく性格まで可愛くないんだから!」
妹の言葉を聞いた婚約者と両親は彼女の味方に付き、口々に私を責め立て罵った。
それを聞いた私は…この人達には、もう何を言っても無駄だと思った。
だったら、私だけでも災難から逃れる事にしよう。
この人たちがどうなろうが、もう私の知った事では無いわ─。
そして私は、荷物をまとめすぐに家を出る事にした。
幸い私には学があるし…家の事をいつもやらされて居たから、健康的な肉体も備わって居る。
自分一人くらいなら、どうとでもなるわ─。
そして、私が家を出た翌日─。
妹が虐めて居た令嬢達が揃って家を訪ねて来て、彼女を訴える…慰謝料を払えと迫った。
するとそんな彼女達から逃げようとした妹は、それを守ろうとした婚約者と共に勢い余って階段から落ち…妹はその美しい顔に傷を負った挙句に失明、彼は一生歩けない身体となった。
更に両親は、令嬢達から慰謝料を払えと訴えられる事になり…妹の顔の手術費用も重なり、家の財産全てを失う事となった。
そんな騒動に、私だけが巻き込まれる事無く事なきを得たのだ。
その頃、私は幼馴染の家に居た。
家を出た後…王都に仕事でも探しに行こうと街道を歩いて居た私を、通りかかった幼馴染が偶然見かけ、女の一人旅は危険だから考え直すように言い自身の家に連れ帰ってくれたのだ。
そして私から事の次第を聞いた彼は…自分もその噂を耳にした、君の安全を確保したいからこのまま家に居るように言ってくれたのだった。
どうしてそこまで私に良くしてくれるのか不思議に思い尋ねれば…幼馴染は、以前から私の事が好きだったと言い…私を大事にしない婚約者や両親、妹に憤りを感じて居た事を教えてくれた。
そして何か騒動が起きても…私だけは守るし、今後の事も任せて欲しいと言ってくれたのだった。
そしてあの騒動が起き…両親は消えた私にも慰謝料や妹の治療費を負担させようと躍起になりその行方を捜したが、幼馴染が守ってくれた事もあり私は遂に両親に見つかる事は無かった。
その結果、財産を失った両親は…家も人手に渡ると、目も見えず顔に傷痕の残った妹を連れこの地をひっそりと去る事に─。
また元婚約者も…歩けなくなった身では次期当主を任せられないと父親によって田舎の診療所に送られる事となり、それ以降彼の姿を見る事は無かった。
こうして妹の味方をした婚約者と両親は揃って不幸に身を落とし、私の前から揃って姿を消したのだった。
その後、私は幼馴染と深い仲となり…彼の婚約者となる事が決まった。
そして彼は、そんな私を今まで以上に愛してくれた。
また彼の両親も私と私の家族の事は別だと言い、賢く気立ての良い子が来てくれたと言って私を実の娘のように可愛がりとても大事にしてくれて居る。
婚約者や親からの愛を全く貰えなかった私は…今漸くその愛を手にする事が叶い、心の底から幸せを感じて居るわ─。
それは、彼女がとても愛らしく可憐な容姿をして居たからだ。
そんな彼女を愛するのは…私の婚約者だけでなく、父と母もだった。
両親は地味な私など必要ない…可愛い妹だけ居れば十分だと言って、私を愛してはくれなかった。
その為、婚約者と両親は妹だけを大事にし…私の事はまるでこの家の使用人の如く粗末に扱った。
それについて私が何か言ったとしても、三人は一切聞く耳を持たず…妹の言う事ばかりに耳を貸して居た。
三人は常に妹の味方だったのだ。
そんな中、私はある噂を耳にした。
妹が、通って居る学園で多くの令嬢を虐め…その結果、妹は彼女達から恨みを買い近く報復されると言うものだった。
私は、すぐにその事を婚約者と両親に報告した。
「そもそも、そんな事をする妹が悪いのですから…あの子にはちゃんと罰を与えるべきです。そうすれば、その令嬢達も怒りも少しは収まりましょう。」
しかし三人は、妹がそんな酷い事をするはずが無いと言って聞かなかった。
「お姉様…そんなものは、私の可愛さに嫉妬した女達が出鱈目を言って居るだけよ。私は何も悪く無いわ!」
「ほらみろ、彼女は何もして居ないじゃないか。」
「お前は姉の癖に、妹を信じる事も出来ないのか!」
「本当にあなたは、顔だけでなく性格まで可愛くないんだから!」
妹の言葉を聞いた婚約者と両親は彼女の味方に付き、口々に私を責め立て罵った。
それを聞いた私は…この人達には、もう何を言っても無駄だと思った。
だったら、私だけでも災難から逃れる事にしよう。
この人たちがどうなろうが、もう私の知った事では無いわ─。
そして私は、荷物をまとめすぐに家を出る事にした。
幸い私には学があるし…家の事をいつもやらされて居たから、健康的な肉体も備わって居る。
自分一人くらいなら、どうとでもなるわ─。
そして、私が家を出た翌日─。
妹が虐めて居た令嬢達が揃って家を訪ねて来て、彼女を訴える…慰謝料を払えと迫った。
するとそんな彼女達から逃げようとした妹は、それを守ろうとした婚約者と共に勢い余って階段から落ち…妹はその美しい顔に傷を負った挙句に失明、彼は一生歩けない身体となった。
更に両親は、令嬢達から慰謝料を払えと訴えられる事になり…妹の顔の手術費用も重なり、家の財産全てを失う事となった。
そんな騒動に、私だけが巻き込まれる事無く事なきを得たのだ。
その頃、私は幼馴染の家に居た。
家を出た後…王都に仕事でも探しに行こうと街道を歩いて居た私を、通りかかった幼馴染が偶然見かけ、女の一人旅は危険だから考え直すように言い自身の家に連れ帰ってくれたのだ。
そして私から事の次第を聞いた彼は…自分もその噂を耳にした、君の安全を確保したいからこのまま家に居るように言ってくれたのだった。
どうしてそこまで私に良くしてくれるのか不思議に思い尋ねれば…幼馴染は、以前から私の事が好きだったと言い…私を大事にしない婚約者や両親、妹に憤りを感じて居た事を教えてくれた。
そして何か騒動が起きても…私だけは守るし、今後の事も任せて欲しいと言ってくれたのだった。
そしてあの騒動が起き…両親は消えた私にも慰謝料や妹の治療費を負担させようと躍起になりその行方を捜したが、幼馴染が守ってくれた事もあり私は遂に両親に見つかる事は無かった。
その結果、財産を失った両親は…家も人手に渡ると、目も見えず顔に傷痕の残った妹を連れこの地をひっそりと去る事に─。
また元婚約者も…歩けなくなった身では次期当主を任せられないと父親によって田舎の診療所に送られる事となり、それ以降彼の姿を見る事は無かった。
こうして妹の味方をした婚約者と両親は揃って不幸に身を落とし、私の前から揃って姿を消したのだった。
その後、私は幼馴染と深い仲となり…彼の婚約者となる事が決まった。
そして彼は、そんな私を今まで以上に愛してくれた。
また彼の両親も私と私の家族の事は別だと言い、賢く気立ての良い子が来てくれたと言って私を実の娘のように可愛がりとても大事にしてくれて居る。
婚約者や親からの愛を全く貰えなかった私は…今漸くその愛を手にする事が叶い、心の底から幸せを感じて居るわ─。
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