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元捨て子の私にいつも文句を付け、自身の婚約者に意地悪く紹介した義姉には不幸が待って居ました。
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まだ幼い頃に両親を病で亡くした私は、遠い親戚に引き取られた。
だが後に三つ子が生まれ…他人の子など育てる余裕がなくなった為、結局私は捨てられる事に─。
そして行き場がなくさ迷って居た私はお金持ちの夫婦に拾われ、娘として育てて貰える事になった。
夫婦はとても優しく、私は良い人達に巡り合えた事に心から感謝した。
しかし、そんな私を歓迎しない者が─。
それはこの夫婦の娘で、私の義姉となった人物だ。
彼女は自分と違い地味で大人しく…元は捨て子と言う身分の私を毛嫌いし、私のやる事なす事にいつも文句を付けて来た。
その為、私は極力義姉に関わらないよう努めた。
そんな私に、育ての両親は申し訳ないと謝って来たが…私は気にして居ないから大丈夫と言い、二人に心配をかけないようにした。
それから幾年が過ぎ…年ごろになった義姉に、ある名家のご子息との婚約話が舞い込んだ。
お金持ちで美形の殿方と結ばれる事になった義姉は大層舞い上がり…そして私に、お前のような卑しい身分の女では、一生手に入れない幸せを私は得た─。
お前もいつまでもつまらない研究ばかりしておらず、素敵な殿方を見つける努力をしろと意地悪を言うのだった。
その後、義姉の婚約相手となる殿方がこの家を訪ねて来る事に─。
義姉は朝からめかし込み、お相手の到着を待って居た。
そしてその相手が到着すると、自ら家族の紹介を始めた。
そうする事で、自分が如何に家族と仲が良いか…家族を大切にして居るかをアピールしたかったのだろう。
両親の事をとても素晴らしい人達だと紹介した義姉は、次に部屋の隅に控えて居る私を見た。
そして何を思ったのか、お相手の殿方にこんな事を言い始めた。
この子は私の妹と言う事になって居るが、元は捨て子だ。
昔からつまらない石ころの研究に没頭して居る変わり者で、このままではその卑しい身分も相まって結婚も無理だろう。
今は両親が養って居るから問題ないが…いずれ両親が死に私達に迷惑がかかるような事になれば、ちゃんと縁を切るので安心して欲しい─。
するとそれを聞いた義姉の婚約者は、彼女の言葉に驚き…そして何を言って居るのだと、義姉に私に謝るよう促した。
しかし義姉は、どうして私がこの子に謝らないといけないのか─。
あなたが将来心配する事の無いよう、今からこの子の処分を考えて居るのに酷いと訴えた。
が、その言葉を受け…今まで義姉に何も口答えしてこなかった私はこう言った。
私の将来について、お姉様に心配して貰う必要はありません。
私の将来は既に約束されており、結ばれる相手も決まって居ますから─。
その言葉に、義姉は訳が分からないと言った様子で私を見た。
義姉は大きな勘違いをして居る─。
私は石ではなく、それに付着する苔を研究して居たのだ。
そしてその苔の一部に、ある病に効く成分がある事を発見し…その効果を実験により立証させた私は、今この国の医学界から最も注目される事になった。
実は、実験にはその病に罹った育ての両親が協力してくれ…それが成功し、私は恩ある二人の命を救う事が出来たのだ。
心配症でやたら事を騒ぎ立てる義姉には言うなと二人から言われて居た為、彼女は何も気付かなかったが…本当に自分の両親を愛して居たら、まず病に侵されてしまった時点で気づくでしょうに─。
そしてその実験後…私の噂を聞きつけたある王族関係者の頼みで、育ての両親と同じ病に罹ったご子息の命までも私は救う事が出来た。
するとその縁で私はそのご子息から婚約を申し込まれ…その人柄に惹かれた私は、喜んでそれに応える事にしたのだった。
また義姉の婚約相手は、そのご子息と知り合いだったようで…実は見舞いの席で、私は既に一度会って居たのだった。
そこで義姉はどんな性格の人かと尋ねられた私は、敢えて家族思いの優しい性格だと答えて居たのだが…今回義姉は、自らそう言った性格では無い事をお相手の前で披露したのだった。
結局、義姉はお相手の殿方からその言動を問題視され…知り合いの命を救ってくれた人を悪く言う者とは絶対にやって行けないと、婚約を無かった事にされてしまった。
またこの様子を見て居た使用人の間でこの件が噂になると、自然とそれは外部に漏れてしまい…義姉は意地悪な性格の女だと世間で評判になり、新しい婚約話が全く来なくなった。
するとこの事態を重く見た両親は、その醜い心が全ての原因だと考えたようで…これ以上家の恥になる前にと、義姉を田舎の修道院へ入れてしまうのだった。
一方、私はと言うと…予定通りそのご子息と婚約し、今は彼の元で研究を続けて居る。
やがて新薬が次々と世に出る事になって居るし…そうなったら、私をここまで育ててくれ協力してくれた育ての両親にも恩返しが出来るわ─。
するとそれを知った婚約者は、私を立派だと褒めより一層愛してくれ…両親も実に良い娘を持った、誇りに思うと言って抱きしめてくれ…義姉の意地悪な言葉にめげる事無く頑張って来て本当に良かったと、私は心の底から思うのだった─。
だが後に三つ子が生まれ…他人の子など育てる余裕がなくなった為、結局私は捨てられる事に─。
そして行き場がなくさ迷って居た私はお金持ちの夫婦に拾われ、娘として育てて貰える事になった。
夫婦はとても優しく、私は良い人達に巡り合えた事に心から感謝した。
しかし、そんな私を歓迎しない者が─。
それはこの夫婦の娘で、私の義姉となった人物だ。
彼女は自分と違い地味で大人しく…元は捨て子と言う身分の私を毛嫌いし、私のやる事なす事にいつも文句を付けて来た。
その為、私は極力義姉に関わらないよう努めた。
そんな私に、育ての両親は申し訳ないと謝って来たが…私は気にして居ないから大丈夫と言い、二人に心配をかけないようにした。
それから幾年が過ぎ…年ごろになった義姉に、ある名家のご子息との婚約話が舞い込んだ。
お金持ちで美形の殿方と結ばれる事になった義姉は大層舞い上がり…そして私に、お前のような卑しい身分の女では、一生手に入れない幸せを私は得た─。
お前もいつまでもつまらない研究ばかりしておらず、素敵な殿方を見つける努力をしろと意地悪を言うのだった。
その後、義姉の婚約相手となる殿方がこの家を訪ねて来る事に─。
義姉は朝からめかし込み、お相手の到着を待って居た。
そしてその相手が到着すると、自ら家族の紹介を始めた。
そうする事で、自分が如何に家族と仲が良いか…家族を大切にして居るかをアピールしたかったのだろう。
両親の事をとても素晴らしい人達だと紹介した義姉は、次に部屋の隅に控えて居る私を見た。
そして何を思ったのか、お相手の殿方にこんな事を言い始めた。
この子は私の妹と言う事になって居るが、元は捨て子だ。
昔からつまらない石ころの研究に没頭して居る変わり者で、このままではその卑しい身分も相まって結婚も無理だろう。
今は両親が養って居るから問題ないが…いずれ両親が死に私達に迷惑がかかるような事になれば、ちゃんと縁を切るので安心して欲しい─。
するとそれを聞いた義姉の婚約者は、彼女の言葉に驚き…そして何を言って居るのだと、義姉に私に謝るよう促した。
しかし義姉は、どうして私がこの子に謝らないといけないのか─。
あなたが将来心配する事の無いよう、今からこの子の処分を考えて居るのに酷いと訴えた。
が、その言葉を受け…今まで義姉に何も口答えしてこなかった私はこう言った。
私の将来について、お姉様に心配して貰う必要はありません。
私の将来は既に約束されており、結ばれる相手も決まって居ますから─。
その言葉に、義姉は訳が分からないと言った様子で私を見た。
義姉は大きな勘違いをして居る─。
私は石ではなく、それに付着する苔を研究して居たのだ。
そしてその苔の一部に、ある病に効く成分がある事を発見し…その効果を実験により立証させた私は、今この国の医学界から最も注目される事になった。
実は、実験にはその病に罹った育ての両親が協力してくれ…それが成功し、私は恩ある二人の命を救う事が出来たのだ。
心配症でやたら事を騒ぎ立てる義姉には言うなと二人から言われて居た為、彼女は何も気付かなかったが…本当に自分の両親を愛して居たら、まず病に侵されてしまった時点で気づくでしょうに─。
そしてその実験後…私の噂を聞きつけたある王族関係者の頼みで、育ての両親と同じ病に罹ったご子息の命までも私は救う事が出来た。
するとその縁で私はそのご子息から婚約を申し込まれ…その人柄に惹かれた私は、喜んでそれに応える事にしたのだった。
また義姉の婚約相手は、そのご子息と知り合いだったようで…実は見舞いの席で、私は既に一度会って居たのだった。
そこで義姉はどんな性格の人かと尋ねられた私は、敢えて家族思いの優しい性格だと答えて居たのだが…今回義姉は、自らそう言った性格では無い事をお相手の前で披露したのだった。
結局、義姉はお相手の殿方からその言動を問題視され…知り合いの命を救ってくれた人を悪く言う者とは絶対にやって行けないと、婚約を無かった事にされてしまった。
またこの様子を見て居た使用人の間でこの件が噂になると、自然とそれは外部に漏れてしまい…義姉は意地悪な性格の女だと世間で評判になり、新しい婚約話が全く来なくなった。
するとこの事態を重く見た両親は、その醜い心が全ての原因だと考えたようで…これ以上家の恥になる前にと、義姉を田舎の修道院へ入れてしまうのだった。
一方、私はと言うと…予定通りそのご子息と婚約し、今は彼の元で研究を続けて居る。
やがて新薬が次々と世に出る事になって居るし…そうなったら、私をここまで育ててくれ協力してくれた育ての両親にも恩返しが出来るわ─。
するとそれを知った婚約者は、私を立派だと褒めより一層愛してくれ…両親も実に良い娘を持った、誇りに思うと言って抱きしめてくれ…義姉の意地悪な言葉にめげる事無く頑張って来て本当に良かったと、私は心の底から思うのだった─。
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