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私を悪女に仕立て悲劇のヒロインを演じた義妹は、好きな人の前で醜い姿を晒しました。

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 生まれつきキツイ顔立ちの私。

 おまけに感情の起伏も薄く口下手で、他人からの第一印象は余り良くなかった。



 そんな私に、血の繋がらない妹が出来たが…彼女は私と違い明るく愛嬌があり、何よりとても可愛かった。

 同じ家で暮らし始め、私は自分なりに彼女と仲良くしようと努力した。


 
 だが彼女は一方的に私を嫌い、陰で嫌がらせをするように─。

 そして周りの者に、お姉様が虐めて来る…そのせいで毎日辛い思いをして居ると悲劇のヒロインを演じ、嘘を付いて回った。


 
 周りの者達は可愛い義妹の言い分をあっさり信じ、私を悪女だと噂するように─。

 そのせいで私は家でも学園でも孤立し、いつも一人だった。


 
 だがある日、そんな私に話しかけて来る殿方が─。

 彼は、少し前にこの学園にやって来た転入生だそうだ。

 誰に言われた訳でも無いのに、学園内のゴミを拾い花壇を世話する私に興味を持ったと言う。



 一人になってもめげず、学園を良くする為に行動する私に心惹かれた…ぜひ自分と仲良くして欲しいと彼は言うが…私と一緒に居たら、彼まで皆から悪者扱いされると考えて一度はそれを断った。



 だが、自分もこの野暮ったい見た目で皆から嫌われ友達が居ない…だから、そんな事は気にしないで欲しいと彼は訴えた。



 そんな事があり、私はその日から彼と裏庭のベンチでよく話をするように─。



 だが義妹がそれに気づき…私と彼が一緒に過ごして居る所に現れると、私達を冷やかして来た。

 そして私が彼の為に焼いたクッキーが入った包みををわざと叩き落とすと、その足で踏みつけた。



 私は悲しくなり、砕け散ったそれを拾い上げたが…それを見た義妹は愉快そうに笑うと、嫌われ者同士が仲良くつるんで惨めなものだと嘲笑うのだった。



 しかしそれを横で見て居た彼が立ち上がり、構える義妹に詰め寄った。

 そして、以前から君から好意を持たれて居たが…君のような性格の悪い女は絶対好きにならない─。

 姉である彼女に虐められたと言うのも、どうせ全くの嘘なのだろうと言い切った。



 それを聞いた義妹は、誰があなたのような地味男など好きになるかと怒鳴ったが…それを聞いた彼は、分厚いレンズの入った眼鏡を外すと頭に手をやった。

 その瞬間、もじゃもじゃの黒髪は消え去り…その下からは美しい銀の髪が現れた。


 
 眼鏡もカツラも無くなった彼を見た義妹は、ハッと何かに気付いたような顔になり…あなたは、あの時のパーティーで私が運命を感じた相手だと呟いた。

 そして、あの日からあなたのお父上にあなたの婚約者にして欲しいとお願いし続けて居たのに、あなたはちっとも私の気持ちに応えてはくれなかったと嘆いた。

 また、せっかく美形なのにどうしてそんな野暮ったい男に変装して居るのかと問うた。



 すると彼は、容姿が原因で何人もの女に言い寄られるのに嫌気が差した…見た目では無く、自分の中身を見て好きになってくれる人と出会いたくて変装して居たのだと答えた。

 そして、漸くその相手を見つけたと言い…隣に居る私の手をそっと取るのだった。



 彼の私への好意は何となく感じて居たが…私も彼と一緒に居て楽しかったし、何時しか彼を特別に想うようになって居た。

 その為、私はそんな彼の手をギュッと握り返した。



 するとそれを見た義妹は、悔しそうに目に涙を滲ませ私を見て来たが…愛する彼に本性がバレた今、どうする事も出来ないのだった。



 その後、彼は本来の姿で学園に通う事になった。

 勿論、それを見て手のひらを返した女生徒達から彼は大層モテたが…彼は私一筋で、一切見向きもしないのだった。



 また、そんな彼が私がこれまでして来た事を学園の皆に教えた事で…次第に私を悪女と言う者は居なくなった。

 それどころか、私に話しかけてくれる者まで現れるように─。



 一方、義妹はと言うと…私達に酷い事をしたのを校舎の窓から数名の生徒に見られて居たようで、皆に意地悪な本性が知られてしまい…彼女は今や学園中の嫌われ者となった。
 
 そしてそれに耐えきれなくなった義妹は、自ら学園を退学…更にこの事を知ったお父様に見限られ、田舎の修道院へと送られてしまった。
 


 その後、学園を卒業した私と彼は婚約する事になり…今は同じ家に暮らし、幸せな日々を送って居るわ─。
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