いや、自由に生きろって言われても。

SHO

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西国編

実は凄い負担

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   ズザザザーッと土下座をしたまま三メートル程後ずさるサラマンダー。

   「許して下さい、です。」

   「先ずはアソを鎮めろ。話はそれからだ。」

   「は、はいぃっ!」

   サラマンダーは正座のまま両方の掌を地面に置き何やら集中し始めた。山の方向から魔力を集めているようだが。

   「火山を活性化させる地脈の魔力を吸い上げた。すぐにとはいかないが直に落ちつくはず。しかし…荒れ果てた大地が蘇るにはかなりの時間が…」

   まあな。あれだけ荒れてりゃ、な。だが、それは普通に考えればの話であって。

   「お前は熱と暖かさを以って人々に恵みを与える存在だがその反面破壊に特化した存在でもある。そんなお前には出来ない事を出来てしまう存在を俺は知っている。」

   そう言って俺は小麦色の少女に目を向ける。

   「あたしかー!?もごっ!?んまんま。」

   大口を開けた元気娘に飴玉を放り込む。コーラ味だ。スプライトだけどコーラ味だ。

   「こいつは大地の精霊王のスプライトだ。こいつの力で大地の力を復活させる。」

   次いで俺は融合シンセサイズを解除する。すると俺の両脇にサンタナとアクアが現れた。

   「こっちが風の精霊王サンタナ。そしてこっちが水の精霊王アクアだ。ここまでくればお前にも分かるだろ?お前がやらかした後始末は俺達がやってやる。」

  サラマンダーは俺の話を聞いてキョトンとした顔をしている。なんだ?どこか分かりにくい話があったか?

   「精霊王が三人も?しかも皆固有の名前が?」

   あ、成る程。自分以外の精霊王が皆俺の眷属になっている訳だからな。そりゃビックリするか。

   「あなたのさっきの強さは精霊王の力によるものなの?」

   そうでもあるけどそうでもないと言えるな。うーむ。

   「サラマンダーよ。先程のご主人様の力は精霊融合エレメンタル・シンセサイズによるものです。これがどういう事か精霊王たるあなたなら分かるでしょう。」

   「そうじゃ。我等のマスターは有史以来誰もなり得なかった存在へと昇華するお方じゃ。」

   サンタナとアクアが随分と俺を持ち上げる。精霊融合は精霊王を眷属にする事が条件なのか?普通の精霊が相手じゃダメなのかな?
 
   「あるじー。普通の精霊相手でも融合は可能なのだ。ただ、能力的にはかなり凄い魔法使いくらいの評価にとどまるのだー。」

   そうなのか。補足ありがとう、スプライト。それにしても。
 
   「ちょっと疲れた。流石に一度に二人と融合するのはしんどいぜ…」

   俺の視界は急に真っ白になった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

   今回もかなり短め。やっと病室内を歩いていい許可がおりました。

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