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第二部 バンドー皇国編 3章
192.若者に広がる説教効果。
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◇◇◇
ステイブル・ブリジまでの街道を一人トボトボと歩いている俺。まあ、頭の中でサンタナと会話しているので寂しい訳じゃないんだが。それにしてもサンタナがえらくご機嫌だ。
【だってご主人様を独り占め出来るなんて初めてなんですよ?】
そういやそうだな。いつもライムやアクア、ビートが一緒だったし俺にとっても珍しいシチュエーションか。
そんな他愛もない話をしながら歩いている訳だが超絶美女姿のサンタナが現出していると厄介を呼び込む事確定なので脳内で会話している。しかし。
「サンタナ、ゴメン。お前が居なくても俺、絡まれるわ。」
【フフフ、どうせ絡まれるのなら現出して腕を組んで歩きたいのですが。】
「ああ、でもお前とアクアは双子の皇女へのサプライズだからな。我慢してくれ。あいつらのリアクション面白いからさ。」
【仕方ないですね。】
「おいにいちゃん。ちょっと待てや。」
はい、来ました。道端にう〇こ座りしていたチンピラ2人組が絡んで来た。
「俺たちゃ腹減ってんだけどよ、金がねえんだ。ちょっと貸せやコラ。」
「そうか、そりゃ気の毒だな?ま、働けよ、真っ当に。それじゃ。」
そう言い残し去ろうとした俺だったが事もあろうに立ち塞がって来やがった。折角穏便に済ませてやろうと思ったのになぁ。
「おいおいおい、逃げようったってそうはいくかよ?」
そう言いチンピラ2人はナイフを抜いた。
《おい!待て待て!やめろ!》
なんか遠くからそんな声が聞こえたが知るか。武器を持ったら見過ごせないぞ。って事で2人に指弾を食らわせてやる。
「ぐぎゃ!」
「うわばら!」
変な悲鳴を上げて見事に転がっていく2人。
「ああ~、遅かったかぁ…」
なんだか見覚えのあるようなないような、ヒャッハー3人組が近付いて来た。
「ダンナ、ご無沙汰っす!戻って来たんすか?あの白い天使は?」
おお!思い出した。俺達に絡んできた情報通のヒャッハー達だな。それにしても白い天使ってライムの事か?じゃあ俺は何?黒い悪魔か?
「ライムならちょっと野暮用でロートブルクにでも入ってるんじゃないか?それよりこいつらはお前らの知り合いか?」
「ロートブルク…なんだってそんな魔物の巣窟に…まあいいや。こいつらは顔は見知ってますけど知り合いって程じゃないっすよ。俺達ダンナたちに諭されてからこういう旅人やカタギの人に因縁つけるようなボンクラ共を取り締まるっていうか、まあそんな活動をしてるんすよ。」
へえ?赤7人だけじゃなくてこいつらも改心した訳か。
「それはお上の命令か?それとも自主的に?」
「もちろん自主的にっすよ!それに仲間の方もちょいちょい増えて来まして。10人くらいっすかね。手分けして巡回してるんす。」
「へえ。見直したぞ、お前ら。どうだ?街の人からは感謝されるだろ?」
「そりゃもう!いやあ、いいモンっすね。感謝されるのって。ところでダンナ。南の方で赤備えとかいう連中が話題になってるらしいんすけどダンナの差し金で?」
「ああ、直接説教したのはライムだけどな。お前らと同じさ。チンピラが改心して皇女殿下の為に戦うってさ。結構根性あるし見どころあるぜ?」
「へえ…そりゃ負けてらんねえっすね!ところでダンナは何しにここへ?」
「ああ、領主殿にちょっと用があってな。そうだ、悪いけどお前ら案内してくれないか?ステイブル・ブリジの街は碌に見て回ってないんだよ。」
「そういう事なら喜んで。あ、ちょっとあの2人に説教してきますんで!」
まさかとは思うがこの調子でこの国の愚連隊もどきの奴らが皇女の親衛隊に早変わりしそうだな。
そんな事を考えながら連中の後を付いていく俺にサンタナが話し掛ける。
【何か勝手に戦力が増殖していきそうですね。ガラの悪い見た目の男達がこぞって皇女の元へ集って来る様は中々に見ものですね。】
確かにな。でもこいつらをライムが見たら『見た目が大事!』とか言って風紀委員みたくなりそうだな。
◇◇◇
「何で君たちまで付いてくるのさ!?」
【仕方なかろう。こやつらは我の眷属だ。我が従う者に従う。そういうものだ。】
【ガウガウ!】
ああ~、『そうだそうだ』って言ってるよ。私にもわかっちゃうのよ。これが眷属になるって事なのね。
「じゃあさ、エスプリは私についてもらうけど他のみんなはそれぞれ赤7人に付いてくれる?餌とか躾とかみんなきっちりやる事!これは命令です!」
「え?いいんすか?こんな毛並みのいい狼、かっこいいっすよね!」
「きゃあ!アタシももふもふできるのね!」
うん、みんな喜んでるし眷属たちもまんざらでもないみたい。
「あのぅ…ライムさん?俺達には…?」
んー。だって眷属ちょうど7匹しかいないし隊長さん達は代官さんの直属だし…
「ごめん!」
そんなにがっくりされても困るのよ、私も。
街に戻った私達を出迎えた代官さんは魂が抜けかけてたね。
「まさか主を眷属にして戻って来るとは…」
ステイブル・ブリジまでの街道を一人トボトボと歩いている俺。まあ、頭の中でサンタナと会話しているので寂しい訳じゃないんだが。それにしてもサンタナがえらくご機嫌だ。
【だってご主人様を独り占め出来るなんて初めてなんですよ?】
そういやそうだな。いつもライムやアクア、ビートが一緒だったし俺にとっても珍しいシチュエーションか。
そんな他愛もない話をしながら歩いている訳だが超絶美女姿のサンタナが現出していると厄介を呼び込む事確定なので脳内で会話している。しかし。
「サンタナ、ゴメン。お前が居なくても俺、絡まれるわ。」
【フフフ、どうせ絡まれるのなら現出して腕を組んで歩きたいのですが。】
「ああ、でもお前とアクアは双子の皇女へのサプライズだからな。我慢してくれ。あいつらのリアクション面白いからさ。」
【仕方ないですね。】
「おいにいちゃん。ちょっと待てや。」
はい、来ました。道端にう〇こ座りしていたチンピラ2人組が絡んで来た。
「俺たちゃ腹減ってんだけどよ、金がねえんだ。ちょっと貸せやコラ。」
「そうか、そりゃ気の毒だな?ま、働けよ、真っ当に。それじゃ。」
そう言い残し去ろうとした俺だったが事もあろうに立ち塞がって来やがった。折角穏便に済ませてやろうと思ったのになぁ。
「おいおいおい、逃げようったってそうはいくかよ?」
そう言いチンピラ2人はナイフを抜いた。
《おい!待て待て!やめろ!》
なんか遠くからそんな声が聞こえたが知るか。武器を持ったら見過ごせないぞ。って事で2人に指弾を食らわせてやる。
「ぐぎゃ!」
「うわばら!」
変な悲鳴を上げて見事に転がっていく2人。
「ああ~、遅かったかぁ…」
なんだか見覚えのあるようなないような、ヒャッハー3人組が近付いて来た。
「ダンナ、ご無沙汰っす!戻って来たんすか?あの白い天使は?」
おお!思い出した。俺達に絡んできた情報通のヒャッハー達だな。それにしても白い天使ってライムの事か?じゃあ俺は何?黒い悪魔か?
「ライムならちょっと野暮用でロートブルクにでも入ってるんじゃないか?それよりこいつらはお前らの知り合いか?」
「ロートブルク…なんだってそんな魔物の巣窟に…まあいいや。こいつらは顔は見知ってますけど知り合いって程じゃないっすよ。俺達ダンナたちに諭されてからこういう旅人やカタギの人に因縁つけるようなボンクラ共を取り締まるっていうか、まあそんな活動をしてるんすよ。」
へえ?赤7人だけじゃなくてこいつらも改心した訳か。
「それはお上の命令か?それとも自主的に?」
「もちろん自主的にっすよ!それに仲間の方もちょいちょい増えて来まして。10人くらいっすかね。手分けして巡回してるんす。」
「へえ。見直したぞ、お前ら。どうだ?街の人からは感謝されるだろ?」
「そりゃもう!いやあ、いいモンっすね。感謝されるのって。ところでダンナ。南の方で赤備えとかいう連中が話題になってるらしいんすけどダンナの差し金で?」
「ああ、直接説教したのはライムだけどな。お前らと同じさ。チンピラが改心して皇女殿下の為に戦うってさ。結構根性あるし見どころあるぜ?」
「へえ…そりゃ負けてらんねえっすね!ところでダンナは何しにここへ?」
「ああ、領主殿にちょっと用があってな。そうだ、悪いけどお前ら案内してくれないか?ステイブル・ブリジの街は碌に見て回ってないんだよ。」
「そういう事なら喜んで。あ、ちょっとあの2人に説教してきますんで!」
まさかとは思うがこの調子でこの国の愚連隊もどきの奴らが皇女の親衛隊に早変わりしそうだな。
そんな事を考えながら連中の後を付いていく俺にサンタナが話し掛ける。
【何か勝手に戦力が増殖していきそうですね。ガラの悪い見た目の男達がこぞって皇女の元へ集って来る様は中々に見ものですね。】
確かにな。でもこいつらをライムが見たら『見た目が大事!』とか言って風紀委員みたくなりそうだな。
◇◇◇
「何で君たちまで付いてくるのさ!?」
【仕方なかろう。こやつらは我の眷属だ。我が従う者に従う。そういうものだ。】
【ガウガウ!】
ああ~、『そうだそうだ』って言ってるよ。私にもわかっちゃうのよ。これが眷属になるって事なのね。
「じゃあさ、エスプリは私についてもらうけど他のみんなはそれぞれ赤7人に付いてくれる?餌とか躾とかみんなきっちりやる事!これは命令です!」
「え?いいんすか?こんな毛並みのいい狼、かっこいいっすよね!」
「きゃあ!アタシももふもふできるのね!」
うん、みんな喜んでるし眷属たちもまんざらでもないみたい。
「あのぅ…ライムさん?俺達には…?」
んー。だって眷属ちょうど7匹しかいないし隊長さん達は代官さんの直属だし…
「ごめん!」
そんなにがっくりされても困るのよ、私も。
街に戻った私達を出迎えた代官さんは魂が抜けかけてたね。
「まさか主を眷属にして戻って来るとは…」
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