14 / 170
第二章
2-2
しおりを挟む
「————え?何?」
「お、と、も、だ、ち、が、ほ、し、い、で、す」
ごめん、雪。聞こえてたよ。
ゆっくり喋ってくれた雪に心の中で謝罪すると、久賀はまず頭の中を整理した。
お友達とは?金で買えたっけ?
「雪。お金で買えるものじゃないと俺は買ってあげられないよ」
はははと笑いながら首を振る。
着物なら買ってあげられるけど…。
「お金で買うとかじゃないんです、同じ年のお友達が欲しいんです。なので許可が欲しいなって…」
「何故?近所に子供がいるじゃないか」
雄、の子供が。
その子と友達になると言われたら、腸煮えくりかえるほど…腹はたつ…。
「男の子じゃなくて女の子のお友達が欲しいんです…」
「この近所にはいないけど、少し離れたところになら居た筈だよ。雪、自分で話しかけられるの?初対面の人には話しかけられてからじゃないと喋れないよね?話しかけれないから、同じ年の子の友達居ないんでしょ?」
痛い所を突かれたのか、雪は目を泳がせた。
「相談したいなぁって思って…」
「由希が居るだろ。わざわざ友達を作らなくて良いじゃないか。相談事があるなら由希にすれば良い」
「駄目です!」
咄嗟に否定され驚きはしたが、その倍雪が狼狽しているせいで驚きは飛んで行ってしまった。
「えっと、同年代の人間のお友達を作った方が人生豊かになるって言われたんです」
「誰に?」
「北さんです」
近所の老医師だ。
雪を診て貰ってから気にかけているようで、喋りかけてくるらしい。雪の性別が女だと気付いているだろうが、何も言ってきてはいなかった。
ん?
「————人間の?って言った?」
「はい」
まるで、人間じゃない友達が居るような言い回しだ。
雪は急に真剣な面持ちになると「会ってもらえますか?」と言った。思わず久賀はつばを飲み込んでしまう。
人間ではない友達とはなんだ??
雪は形の良い唇を尖らせると、口笛を響かせた。
一回、二回————。
バサリと音を立てながら、二人の頭上に黒い影がぐるぐると現れ、飛び回った。
三回目————口笛が鳴り終わると同時に、頭上から何かがこちら目掛けて飛んできたのである。
バッさと大きく音を立て、雪の肩に乗ったのは、一羽の鷹が降り立った。
「お友達の慶ちゃんです!!」
ぱぁああああっと輝かしい顔をされた。
鷹はといえば、そんな雪の左肩に乗り満足そうに雪の顔にすり寄っていた。
毛並みのととった鷹は身体は小さく、まだ子供のようだった。
「————————返してきなさい」
「怪我しているところを助けたんです!折角元気になったんですよ…」
しゅんと落ち込まれると、鷹は芸達者のようで雪と同じように首を竦め落ち込むような仕草をした。
「ここ数日、遠出をしないのって…」
「慶ちゃんの手当てしてたんです」
「あぁ…なるほど…」
「この子、すごく頭が良いんですよ。久賀さまの匂いをたどってお手紙だって運べます」
と雪がパンパンと手を叩くと、慶ちゃんは飛び去って行った。
暫くすると雪の肩に戻ってきて、慶ちゃんは久賀に前足を出してきた。その態度が非常にふてぶてしく見えてしまう。
その前足に文が括り付けられていた。それを外して中を開けば、この文字は由希だ。
由希からは一言「許してあげて」とあった。
許すとは何か?友達作りか?
「このように、お手紙をつけて同じ年の女の子の前で文を落としてもらって、その女の子が慶ちゃんの足にお手紙を付けるんです。手紙のやり取りをしてまずは交流するんです。駄目ですか?」
「自分で届けたほうが確実じゃない?」
「それはそうですけけど」
雪は同年代から話しかけられない。自分よりも綺麗な男の子に話しかけ辛いのか、幼いながらも女の勘が働いて話しかけないのかは分からないが。
自分からは話しかけにくいし、でもお喋りしたい…。手紙でなら話せるし、何度かやりとりすれば、実際に会って喋れるのではないかと考えた。自分で届けては、相手が私だとばれてしまう。
「それが本当に相手が女の子か定かじゃないし、今のを見てもまだ信じられないかな。相手が男の子、それか大人の男性だったら雪はどうするの?まして雪は手紙の中で女の子として書くの?じゃあいざ会う時は男装を解いて女の子として会いに行くって事?それって危険な事じゃないかな?追手がいる事忘れてないよね?」
「うっ」
「何を相談したいの?」
「えっ?」
「同じ年の子の友達作ってお喋りというか…それよりも女の子としての悩みを聞いて欲しいんでしょ。何を相談したいの?」
「それは…その…」
「俺に言えないの?」
じっと見つめたら、視線を外された。
気まずそうに、俯かれた。久賀の表情から笑みが消えた。ひたすら作り笑いを浮かべる。
指で胡坐を掻いている膝をトントンと叩いた。精神を落ち着かせるためだ。
気のせいではない。
避けられている。
何かした記憶もなければ、相談したい程の悩みを持たせた事もないはずだ。
しかし、ふとした瞬間、目を合わせば視線を外される事が多くなった。気付かれていないとでも思っただろうか。
しかしだ。
手を握れば、繋いでくれるし、お風呂上りに髪を拭いてあげる事は嫌がらないし、髪を拭いてあげる時なんて、無意識なのだろう布を巻いた手に頬を摺り寄せてくるのだ。可愛いのだ。思いっきしその顔を両手で掴んで嘗め回したいと思うほどに。それとさらしを巻いてあげる事も嫌がらなかった。
雪は久賀の言いつけはきちんと守っていた。久賀が帰るまで、帰りついている事。自分から大人に話しかけない事。
可愛い笑顔は相変わらず見せてくれる。
何かした覚えが全くないが。
しかし邪な想いは抱いていた。
最近では雪に対してむくむくと欲望が沸いている事に久賀は戸惑うのを止めた。
ひたすら可愛いと思うから、沸くだけ、という結論に辿り着く。
行動に移す事はない。
何故なら俺は、そういう大人が大嫌いだからだ。
それに大人の女にも反応するし、女は抱いている。
といっても最近では由希のみなのだが…。
雪に食事を作り、久賀自身が雪の世話を焼くようになったら、女に時間を割いている時間が惜しくなったのである。でも性欲は沸く。だから手近の由希の穴を使っているだけで。
「おいで、雪」
と久賀が自分の膝の叩けば、雪は久賀の胡坐の上に腰かけた。
すっぽりと入ったその体を背後から抱き締めると、雪の首筋に顔を埋めた。
吸いつきたくなるような首だな、と漠然に思った。
「その手紙が本当に女の子に届くかは分からないから絶対に駄目。近所の子にしなさい」
「———————はい」
雪が逆らわない事を久賀は知っていた。
「最近寒くなってきたから————今晩から一緒に寝ようか?」
約束してたよね、と雪の右耳で囁いた。
雪の細い腰に腕を回し、ギュッと抱き締めたのだった。
久賀はここまでして自分の気持ちを自覚していなかった。
「お、と、も、だ、ち、が、ほ、し、い、で、す」
ごめん、雪。聞こえてたよ。
ゆっくり喋ってくれた雪に心の中で謝罪すると、久賀はまず頭の中を整理した。
お友達とは?金で買えたっけ?
「雪。お金で買えるものじゃないと俺は買ってあげられないよ」
はははと笑いながら首を振る。
着物なら買ってあげられるけど…。
「お金で買うとかじゃないんです、同じ年のお友達が欲しいんです。なので許可が欲しいなって…」
「何故?近所に子供がいるじゃないか」
雄、の子供が。
その子と友達になると言われたら、腸煮えくりかえるほど…腹はたつ…。
「男の子じゃなくて女の子のお友達が欲しいんです…」
「この近所にはいないけど、少し離れたところになら居た筈だよ。雪、自分で話しかけられるの?初対面の人には話しかけられてからじゃないと喋れないよね?話しかけれないから、同じ年の子の友達居ないんでしょ?」
痛い所を突かれたのか、雪は目を泳がせた。
「相談したいなぁって思って…」
「由希が居るだろ。わざわざ友達を作らなくて良いじゃないか。相談事があるなら由希にすれば良い」
「駄目です!」
咄嗟に否定され驚きはしたが、その倍雪が狼狽しているせいで驚きは飛んで行ってしまった。
「えっと、同年代の人間のお友達を作った方が人生豊かになるって言われたんです」
「誰に?」
「北さんです」
近所の老医師だ。
雪を診て貰ってから気にかけているようで、喋りかけてくるらしい。雪の性別が女だと気付いているだろうが、何も言ってきてはいなかった。
ん?
「————人間の?って言った?」
「はい」
まるで、人間じゃない友達が居るような言い回しだ。
雪は急に真剣な面持ちになると「会ってもらえますか?」と言った。思わず久賀はつばを飲み込んでしまう。
人間ではない友達とはなんだ??
雪は形の良い唇を尖らせると、口笛を響かせた。
一回、二回————。
バサリと音を立てながら、二人の頭上に黒い影がぐるぐると現れ、飛び回った。
三回目————口笛が鳴り終わると同時に、頭上から何かがこちら目掛けて飛んできたのである。
バッさと大きく音を立て、雪の肩に乗ったのは、一羽の鷹が降り立った。
「お友達の慶ちゃんです!!」
ぱぁああああっと輝かしい顔をされた。
鷹はといえば、そんな雪の左肩に乗り満足そうに雪の顔にすり寄っていた。
毛並みのととった鷹は身体は小さく、まだ子供のようだった。
「————————返してきなさい」
「怪我しているところを助けたんです!折角元気になったんですよ…」
しゅんと落ち込まれると、鷹は芸達者のようで雪と同じように首を竦め落ち込むような仕草をした。
「ここ数日、遠出をしないのって…」
「慶ちゃんの手当てしてたんです」
「あぁ…なるほど…」
「この子、すごく頭が良いんですよ。久賀さまの匂いをたどってお手紙だって運べます」
と雪がパンパンと手を叩くと、慶ちゃんは飛び去って行った。
暫くすると雪の肩に戻ってきて、慶ちゃんは久賀に前足を出してきた。その態度が非常にふてぶてしく見えてしまう。
その前足に文が括り付けられていた。それを外して中を開けば、この文字は由希だ。
由希からは一言「許してあげて」とあった。
許すとは何か?友達作りか?
「このように、お手紙をつけて同じ年の女の子の前で文を落としてもらって、その女の子が慶ちゃんの足にお手紙を付けるんです。手紙のやり取りをしてまずは交流するんです。駄目ですか?」
「自分で届けたほうが確実じゃない?」
「それはそうですけけど」
雪は同年代から話しかけられない。自分よりも綺麗な男の子に話しかけ辛いのか、幼いながらも女の勘が働いて話しかけないのかは分からないが。
自分からは話しかけにくいし、でもお喋りしたい…。手紙でなら話せるし、何度かやりとりすれば、実際に会って喋れるのではないかと考えた。自分で届けては、相手が私だとばれてしまう。
「それが本当に相手が女の子か定かじゃないし、今のを見てもまだ信じられないかな。相手が男の子、それか大人の男性だったら雪はどうするの?まして雪は手紙の中で女の子として書くの?じゃあいざ会う時は男装を解いて女の子として会いに行くって事?それって危険な事じゃないかな?追手がいる事忘れてないよね?」
「うっ」
「何を相談したいの?」
「えっ?」
「同じ年の子の友達作ってお喋りというか…それよりも女の子としての悩みを聞いて欲しいんでしょ。何を相談したいの?」
「それは…その…」
「俺に言えないの?」
じっと見つめたら、視線を外された。
気まずそうに、俯かれた。久賀の表情から笑みが消えた。ひたすら作り笑いを浮かべる。
指で胡坐を掻いている膝をトントンと叩いた。精神を落ち着かせるためだ。
気のせいではない。
避けられている。
何かした記憶もなければ、相談したい程の悩みを持たせた事もないはずだ。
しかし、ふとした瞬間、目を合わせば視線を外される事が多くなった。気付かれていないとでも思っただろうか。
しかしだ。
手を握れば、繋いでくれるし、お風呂上りに髪を拭いてあげる事は嫌がらないし、髪を拭いてあげる時なんて、無意識なのだろう布を巻いた手に頬を摺り寄せてくるのだ。可愛いのだ。思いっきしその顔を両手で掴んで嘗め回したいと思うほどに。それとさらしを巻いてあげる事も嫌がらなかった。
雪は久賀の言いつけはきちんと守っていた。久賀が帰るまで、帰りついている事。自分から大人に話しかけない事。
可愛い笑顔は相変わらず見せてくれる。
何かした覚えが全くないが。
しかし邪な想いは抱いていた。
最近では雪に対してむくむくと欲望が沸いている事に久賀は戸惑うのを止めた。
ひたすら可愛いと思うから、沸くだけ、という結論に辿り着く。
行動に移す事はない。
何故なら俺は、そういう大人が大嫌いだからだ。
それに大人の女にも反応するし、女は抱いている。
といっても最近では由希のみなのだが…。
雪に食事を作り、久賀自身が雪の世話を焼くようになったら、女に時間を割いている時間が惜しくなったのである。でも性欲は沸く。だから手近の由希の穴を使っているだけで。
「おいで、雪」
と久賀が自分の膝の叩けば、雪は久賀の胡坐の上に腰かけた。
すっぽりと入ったその体を背後から抱き締めると、雪の首筋に顔を埋めた。
吸いつきたくなるような首だな、と漠然に思った。
「その手紙が本当に女の子に届くかは分からないから絶対に駄目。近所の子にしなさい」
「———————はい」
雪が逆らわない事を久賀は知っていた。
「最近寒くなってきたから————今晩から一緒に寝ようか?」
約束してたよね、と雪の右耳で囁いた。
雪の細い腰に腕を回し、ギュッと抱き締めたのだった。
久賀はここまでして自分の気持ちを自覚していなかった。
1
お気に入りに追加
125
あなたにおすすめの小説
獣人の里の仕置き小屋
真木
恋愛
ある狼獣人の里には、仕置き小屋というところがある。
獣人は愛情深く、その執着ゆえに伴侶が逃げ出すとき、獣人の夫が伴侶に仕置きをするところだ。
今夜もまた一人、里から出ようとして仕置き小屋に連れられてきた少女がいた。
仕置き小屋にあるものを見て、彼女は……。
明智さんちの旦那さんたちR
明智 颯茄
恋愛
あの小高い丘の上に建つ大きなお屋敷には、一風変わった夫婦が住んでいる。それは、妻一人に夫十人のいわゆる逆ハーレム婚だ。
奥さんは何かと大変かと思いきやそうではないらしい。旦那さんたちは全員神がかりな美しさを持つイケメンで、奥さんはニヤケ放題らしい。
ほのぼのとしながらも、複数婚が巻き起こすおかしな日常が満載。
*BL描写あり
毎週月曜日と隔週の日曜日お休みします。
執着系狼獣人が子犬のような伴侶をみつけると
真木
恋愛
獣人の里で他の男の狼獣人に怯えていた、子犬のような狼獣人、ロシェ。彼女は海の向こうの狼獣人、ジェイドに奪われるように伴侶にされるが、彼は穏やかそうに見えて殊更執着の強い獣人で……。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。
すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。
そこで私は一人の男の人と出会う。
「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」
そんな言葉をかけてきた彼。
でも私には秘密があった。
「キミ・・・目が・・?」
「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」
ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。
「お願いだから俺を好きになって・・・。」
その言葉を聞いてお付き合いが始まる。
「やぁぁっ・・!」
「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」
激しくなっていく夜の生活。
私の身はもつの!?
※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
では、お楽しみください。
軽い気持ちで超絶美少年(ヤンデレ)に告白したら
夕立悠理
恋愛
容姿平凡、頭脳平凡、なリノアにはひとつだけ、普通とちがうところがある。
それは極度の面食いということ。
そんなリノアは冷徹と名高い公爵子息(イケメン)に嫁ぐことに。
「初夜放置? ぜーんぜん、問題ないわ!
だって旦那さまってば顔がいいもの!!!」
朝食をたまに一緒にとるだけで、満足だ。寝室別でも、他の女の香水の香りがしてもぜーんぜん平気。……なーんて、思っていたら、旦那さまの様子がおかしい?
「他の誰でもない君が! 僕がいいっていったんだ。……そうでしょ?」
あれ、旦那さまってば、どうして手錠をお持ちなのでしょうか?
それをわたしにつける??
じょ、冗談ですよね──!?!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる