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第一章
結婚記念日前日②
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「うん……」
オリヴィアは目を擦りながら、重たい瞼を持ち上げて目を覚ました。カーテンから漏れる光は明るみがあって、陽が差し出したようだ。
キョロキョロと見回すとイアンの姿がない。いつもなら隣で寝ているのにい。居た筈の場所に触れると冷たくなっていてオリヴィアは寂しそうに俯いた。
「初めてしたあとに居なくなるなんて、ひどいわ」
拗ねたようにプゥと頬を膨らませる。しかし、ベッド端に置かれたワゴンの上のケーキ皿が空になっていて、オリヴィアは目を輝かせた。
「食べてくれたんだわ……」
ベッドから起き上がることはせず、腹ばいでワゴンへ近付く。きっとアンが居たら行儀が悪いって注意されるだろうけど、今はアンは居ないからいくらしたって怒られない。
ケーキ皿を覗くとメモに気付いてオリヴィア手に取った。
『おはよう。
ヴィーにたくさんキスをしたいから予定より早めに切り上げる為に少し早いが仕事へ出かける。
今日も愛してるよ。
イアンより』
「フフッ」と顔を綻ばせ、オリヴィアは転がりならベッドの中央に戻る。起きる時間にしてはいつもより早いが、眠気はもう残っていない。それでも起き上がるのが面倒なオリヴィアはゴロゴロとベッドに転がったまま、イアンが帰宅したら彼に飛び付いて、私からキスをしようと計画を立てた。きっと驚くはず。
その表情を思い浮かべてニヤニヤする。
それから、うーんと寝転んだまま背伸びをした。
(とっても、身体が軽いわ)
腰も痛くない。
飛べそうなくらい身体が軽い。
(イアンと気持ちが通じ合って、心が軽くなったからね)
それが、身体に直結しているのね、と結論付けた。
「喉の調子も良い」
すっきりしている。いつもより声が高いような気もする。
「好きな人と繋がるって、身体に変化をもたらすのね……」
夜の情事を思い出して、赤くなる。イアンの声は低いとは知っていたけど、耳元で聞くと、その低音があんなに響くなんて知らなかった……。
「……好き」
早く会いたい。
「私が迎えに行けば良いかしら? 喜んでくれる?」
きっと喜ぶわ。
イアンからの愛を決して疑わないオリヴィアは、絶対に喜ぶに決まってると意気込んだ。アンへ外出用の服を見繕ってもらおうと飛び起きるも――バタンと背中から倒れてしまった。
「……?」
身体はどこも悪くない。でも頭が重くて、バランスを崩してしまったようだ。
(頭は痛くないけど……?)
天井を見上げたまま、オリヴィアは何ともなしに、チラッと横目で流れる髪を視界に映した――驚愕して目を見張った。
日を浴びてキラキラと輝く銀髪はベッドを占領してると言ってもおかしくない程の長さだった。つまりは、オリヴィアの身長より長い。
(好きな人と結ばれたら、身体に異変を起こすものなの??)
初めて聞いた。
一房髪を手に取って、腕を上げて天井に高く掲げてみる――その手が普段見慣れた手より小さかった。
「あ……ら……?」
両手を掲げると、白いふっくらした手がある。グーパーと動かすと、彼女の意思通りに動く。
「ふぇ……???」
ガバっと勢いよく立ち上がると、ナイトドレスの裾で派手に転んで、床に顔から落ちてしまった。運が良かったのはイアンが投げ捨てた枕の上に顔を強打した事だ。お陰で枕がクッションになってくれた。
「いたい……」
(夢じゃないみたい……)
鼻をさすりながら立ち上がった彼女は素っ裸だ。転んだはずみで服が破れてしまったようで足元に残骸が散らばっている。
オリヴィアが最も驚愕したのは──いつもなら肉丘が邪魔をして下半身が見えないのに自分の爪先が見えた事だった。
「えっ? えぇ????」
足も小さいし爪も丸っこくて小さい。
周囲を見渡すと家具がオリヴィアより遥かに大きい──違う。私の目線が低いんだわ……。
髪の毛が床を引き摺ってしまうのを気にせずに、姿見の前までオリヴィアは駆け寄った。ガッと姿見を両手で掴んで、自分の姿を覗き込む。そこにはオリヴィアは勿論映っていた。
小さい顔に、猫のように大きな瞳の色は琥珀色。その琥珀色を縁取るのは髪色と同じ銀色の長い睫毛。小さな鼻に、ふっくらしたピンクの唇は、果物のように瑞々しい──そんなオリヴィアが映し出されていた。ただ、違うのは──。
「わ、わたし、子供になってる!?」
自分の顔を両手で挟んでオリヴィアは叫び声を上げた。
鏡に映るオリヴィアは六歳の頃のオリヴィアだった。あんぐりと口をあけたまま、夢かと思って自分のお腹を抓ってみたが……痛い。と言ってもさっき顔を強打した時に夢ではないと立証済みである。
「うぇぇえぇぇぇぇぇぇぇ???」
(好きな人と一つになったら、若返るって効果があるの?)
「こんな姿でイアンにキスしたら、イアンが捕まっちゃうわね……」
「──奥様」と扉をコンコンと叩く音でオリヴィアはピョンと跳ね上がった。慌てて寝台へ戻り、シーツへ潜る。
「叫び声が聞こえましたが、どうされました?」
「エレン……だ、大丈夫、ベッドから寝ぼけて落ちたの!」
メイドのエレンだ。心配そうな声音で扉の前に彼女は立っていた。
「ケガはされていませんか? 救急箱をお持ちしましょうか?」
「だ、大丈夫よ! 痛くないから……!」
と言えばエレンは「しかし……そんな叫び声ではありませんでした」と食い下がらない。
「あ、あ、あの、お腹がちょっとだけ、痛くて」
「ではお腹を温める物をお持ちしましょう」
まずい。
この姿を見られたら、誰か分からずに追い出されてしまう。
「そ、その、痛いって言うのは、病気じゃなくて、その、イアンと、昨夜、あれを、したからなの! あれっていうのは、交わりね!!」
他人に言うとなると恥ずかしく、全身カァーと赤くなってしまう。
「奥様のお身体を考えず激しめにされたんですね?」
信じられない、と軽蔑の声が上がってオリヴィアは心中でイアンに謝罪した。昨夜の彼はとても優しかった。誤解を解こうと口を開いたものの、それを告げるには少々ばかり遅かったようである。
「あんなデカい身体で向かってこられたら、お腹痛いで済む筈ありませんわ。そんな奥様を一人放って置いてお勤めに出て行かれるなんて夫失格です。身を清めるお風呂の準備と医者の手配を致します」
「医者!?」
(大袈裟じゃない!?)
ドアの前を去ろうとするエレンをオリヴィアは呼び止めた。この姿でみんなの前に出るのはまずいし、医者を呼ばれるのもまずい。
「は、恥ずかしいのっ! イアンから激しく愛された跡が残ってるから……み、見られるのが……」
声を徐々に小さくして、オリヴィアはお腹に手を当てた。
(どうしてだか分かんないけど……ちっちゃくなっちゃって、その跡はもう残っていない……)
昨夜、確かに腹の奥に大量の子種を注がれた。躯中にイアンから愛された跡もあった。それなのに、目を覚ましたら跡形もなく消えていて、何事もなかったようになっている。それが無性に悲しくて、彼女の声音は弱々しく長い睫毛を悲し気に伏せた。
「さようでございますか」
一方、エレンはドアの前で赤面していた。彼女はまだ未婚で恋人はおらず、ロマンスに憧れる女性だ。そんな彼女が仕える奥様から「激しく愛された跡を見られるのが恥ずかしい」と言われ、つい想像してしまう。しかし、ここはプロらしく戸惑っている様子は見せなかった。
「では、奥様が落ち着いてから参りましょう。何かありましたら鈴を鳴らしてお呼びくださいませ」
「ありがとう、そうするわね」
部屋の前を去って行く足音がして、オリヴィアはホッと胸を撫で下ろした──が、大事な事を忘れていた。
「エレン、待って!」
「どうされました?」
「アンに当分の間は部屋に寄り付かないよう伝えてもらえる? 寄り付くなってだけ言って欲しいの。アンにはイアンとの事をまだ内緒にして……くれる?」
オリヴィアは『大事な事』──アンを思い出した。毎朝同じ時刻にイアンとオリヴィアの寝室を訪れてアンの身支度をする彼女の事を忘れてはいけない。事前説明なくイアンと何をしたか知れば、アンは私の事をとても心配するに決まっている。イアンと致した事を他人の口からではなく、私の口から説明したい。
(それに──もしかしたら、時間が経てば元に戻るかもしれない。イアンが帰る頃には戻っているかも。それから説明しても遅くないわ)
時間が経てば元に戻るだろうとオリヴィアは楽観視した。そして、実はこれは夢の中ではないか、と思ったりもしている。リアル過ぎる夢であるけども……。
「そうですね。アンが知れば発狂して旦那様の首をとりに行くでしょうしね」
(さすがにイアンと気が合わなくても首はとりにいかないわよ……?)
「お任せください。旦那様の首が刎ねられない為にアンの耳に入らないように致しますわ」
「では」とエレンはイアンの私室のドアの前を後にした。
オリヴィアはシーツへ包まったまま寝台にゴロンと横になる。エレンの足音が遠ざかって完全に人の気配がなくなって、ドッと疲れが襲ってきた。瞼がトロンとしだし、ウトウトと船を漕ぐ。
(目が覚めたら──夢でした、ってあるかも)
そこでプツン、と意識が途切れた。
オリヴィアは目を擦りながら、重たい瞼を持ち上げて目を覚ました。カーテンから漏れる光は明るみがあって、陽が差し出したようだ。
キョロキョロと見回すとイアンの姿がない。いつもなら隣で寝ているのにい。居た筈の場所に触れると冷たくなっていてオリヴィアは寂しそうに俯いた。
「初めてしたあとに居なくなるなんて、ひどいわ」
拗ねたようにプゥと頬を膨らませる。しかし、ベッド端に置かれたワゴンの上のケーキ皿が空になっていて、オリヴィアは目を輝かせた。
「食べてくれたんだわ……」
ベッドから起き上がることはせず、腹ばいでワゴンへ近付く。きっとアンが居たら行儀が悪いって注意されるだろうけど、今はアンは居ないからいくらしたって怒られない。
ケーキ皿を覗くとメモに気付いてオリヴィア手に取った。
『おはよう。
ヴィーにたくさんキスをしたいから予定より早めに切り上げる為に少し早いが仕事へ出かける。
今日も愛してるよ。
イアンより』
「フフッ」と顔を綻ばせ、オリヴィアは転がりならベッドの中央に戻る。起きる時間にしてはいつもより早いが、眠気はもう残っていない。それでも起き上がるのが面倒なオリヴィアはゴロゴロとベッドに転がったまま、イアンが帰宅したら彼に飛び付いて、私からキスをしようと計画を立てた。きっと驚くはず。
その表情を思い浮かべてニヤニヤする。
それから、うーんと寝転んだまま背伸びをした。
(とっても、身体が軽いわ)
腰も痛くない。
飛べそうなくらい身体が軽い。
(イアンと気持ちが通じ合って、心が軽くなったからね)
それが、身体に直結しているのね、と結論付けた。
「喉の調子も良い」
すっきりしている。いつもより声が高いような気もする。
「好きな人と繋がるって、身体に変化をもたらすのね……」
夜の情事を思い出して、赤くなる。イアンの声は低いとは知っていたけど、耳元で聞くと、その低音があんなに響くなんて知らなかった……。
「……好き」
早く会いたい。
「私が迎えに行けば良いかしら? 喜んでくれる?」
きっと喜ぶわ。
イアンからの愛を決して疑わないオリヴィアは、絶対に喜ぶに決まってると意気込んだ。アンへ外出用の服を見繕ってもらおうと飛び起きるも――バタンと背中から倒れてしまった。
「……?」
身体はどこも悪くない。でも頭が重くて、バランスを崩してしまったようだ。
(頭は痛くないけど……?)
天井を見上げたまま、オリヴィアは何ともなしに、チラッと横目で流れる髪を視界に映した――驚愕して目を見張った。
日を浴びてキラキラと輝く銀髪はベッドを占領してると言ってもおかしくない程の長さだった。つまりは、オリヴィアの身長より長い。
(好きな人と結ばれたら、身体に異変を起こすものなの??)
初めて聞いた。
一房髪を手に取って、腕を上げて天井に高く掲げてみる――その手が普段見慣れた手より小さかった。
「あ……ら……?」
両手を掲げると、白いふっくらした手がある。グーパーと動かすと、彼女の意思通りに動く。
「ふぇ……???」
ガバっと勢いよく立ち上がると、ナイトドレスの裾で派手に転んで、床に顔から落ちてしまった。運が良かったのはイアンが投げ捨てた枕の上に顔を強打した事だ。お陰で枕がクッションになってくれた。
「いたい……」
(夢じゃないみたい……)
鼻をさすりながら立ち上がった彼女は素っ裸だ。転んだはずみで服が破れてしまったようで足元に残骸が散らばっている。
オリヴィアが最も驚愕したのは──いつもなら肉丘が邪魔をして下半身が見えないのに自分の爪先が見えた事だった。
「えっ? えぇ????」
足も小さいし爪も丸っこくて小さい。
周囲を見渡すと家具がオリヴィアより遥かに大きい──違う。私の目線が低いんだわ……。
髪の毛が床を引き摺ってしまうのを気にせずに、姿見の前までオリヴィアは駆け寄った。ガッと姿見を両手で掴んで、自分の姿を覗き込む。そこにはオリヴィアは勿論映っていた。
小さい顔に、猫のように大きな瞳の色は琥珀色。その琥珀色を縁取るのは髪色と同じ銀色の長い睫毛。小さな鼻に、ふっくらしたピンクの唇は、果物のように瑞々しい──そんなオリヴィアが映し出されていた。ただ、違うのは──。
「わ、わたし、子供になってる!?」
自分の顔を両手で挟んでオリヴィアは叫び声を上げた。
鏡に映るオリヴィアは六歳の頃のオリヴィアだった。あんぐりと口をあけたまま、夢かと思って自分のお腹を抓ってみたが……痛い。と言ってもさっき顔を強打した時に夢ではないと立証済みである。
「うぇぇえぇぇぇぇぇぇぇ???」
(好きな人と一つになったら、若返るって効果があるの?)
「こんな姿でイアンにキスしたら、イアンが捕まっちゃうわね……」
「──奥様」と扉をコンコンと叩く音でオリヴィアはピョンと跳ね上がった。慌てて寝台へ戻り、シーツへ潜る。
「叫び声が聞こえましたが、どうされました?」
「エレン……だ、大丈夫、ベッドから寝ぼけて落ちたの!」
メイドのエレンだ。心配そうな声音で扉の前に彼女は立っていた。
「ケガはされていませんか? 救急箱をお持ちしましょうか?」
「だ、大丈夫よ! 痛くないから……!」
と言えばエレンは「しかし……そんな叫び声ではありませんでした」と食い下がらない。
「あ、あ、あの、お腹がちょっとだけ、痛くて」
「ではお腹を温める物をお持ちしましょう」
まずい。
この姿を見られたら、誰か分からずに追い出されてしまう。
「そ、その、痛いって言うのは、病気じゃなくて、その、イアンと、昨夜、あれを、したからなの! あれっていうのは、交わりね!!」
他人に言うとなると恥ずかしく、全身カァーと赤くなってしまう。
「奥様のお身体を考えず激しめにされたんですね?」
信じられない、と軽蔑の声が上がってオリヴィアは心中でイアンに謝罪した。昨夜の彼はとても優しかった。誤解を解こうと口を開いたものの、それを告げるには少々ばかり遅かったようである。
「あんなデカい身体で向かってこられたら、お腹痛いで済む筈ありませんわ。そんな奥様を一人放って置いてお勤めに出て行かれるなんて夫失格です。身を清めるお風呂の準備と医者の手配を致します」
「医者!?」
(大袈裟じゃない!?)
ドアの前を去ろうとするエレンをオリヴィアは呼び止めた。この姿でみんなの前に出るのはまずいし、医者を呼ばれるのもまずい。
「は、恥ずかしいのっ! イアンから激しく愛された跡が残ってるから……み、見られるのが……」
声を徐々に小さくして、オリヴィアはお腹に手を当てた。
(どうしてだか分かんないけど……ちっちゃくなっちゃって、その跡はもう残っていない……)
昨夜、確かに腹の奥に大量の子種を注がれた。躯中にイアンから愛された跡もあった。それなのに、目を覚ましたら跡形もなく消えていて、何事もなかったようになっている。それが無性に悲しくて、彼女の声音は弱々しく長い睫毛を悲し気に伏せた。
「さようでございますか」
一方、エレンはドアの前で赤面していた。彼女はまだ未婚で恋人はおらず、ロマンスに憧れる女性だ。そんな彼女が仕える奥様から「激しく愛された跡を見られるのが恥ずかしい」と言われ、つい想像してしまう。しかし、ここはプロらしく戸惑っている様子は見せなかった。
「では、奥様が落ち着いてから参りましょう。何かありましたら鈴を鳴らしてお呼びくださいませ」
「ありがとう、そうするわね」
部屋の前を去って行く足音がして、オリヴィアはホッと胸を撫で下ろした──が、大事な事を忘れていた。
「エレン、待って!」
「どうされました?」
「アンに当分の間は部屋に寄り付かないよう伝えてもらえる? 寄り付くなってだけ言って欲しいの。アンにはイアンとの事をまだ内緒にして……くれる?」
オリヴィアは『大事な事』──アンを思い出した。毎朝同じ時刻にイアンとオリヴィアの寝室を訪れてアンの身支度をする彼女の事を忘れてはいけない。事前説明なくイアンと何をしたか知れば、アンは私の事をとても心配するに決まっている。イアンと致した事を他人の口からではなく、私の口から説明したい。
(それに──もしかしたら、時間が経てば元に戻るかもしれない。イアンが帰る頃には戻っているかも。それから説明しても遅くないわ)
時間が経てば元に戻るだろうとオリヴィアは楽観視した。そして、実はこれは夢の中ではないか、と思ったりもしている。リアル過ぎる夢であるけども……。
「そうですね。アンが知れば発狂して旦那様の首をとりに行くでしょうしね」
(さすがにイアンと気が合わなくても首はとりにいかないわよ……?)
「お任せください。旦那様の首が刎ねられない為にアンの耳に入らないように致しますわ」
「では」とエレンはイアンの私室のドアの前を後にした。
オリヴィアはシーツへ包まったまま寝台にゴロンと横になる。エレンの足音が遠ざかって完全に人の気配がなくなって、ドッと疲れが襲ってきた。瞼がトロンとしだし、ウトウトと船を漕ぐ。
(目が覚めたら──夢でした、ってあるかも)
そこでプツン、と意識が途切れた。
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追記:ヒーローが物凄く気持ち悪いです。
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