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番外編
畑 2
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「わ! もうあんなに大きくなってますよ!」
さらに翌朝、畑には10センチ近くに成長したレタスがひしめき合っていた。
「うわ、一晩で育ち過ぎだろ。
これ、もう間引かないと」
俺は台所からボウルを持ってくると、タロと一緒にレタスが詰まり過ぎてるところや他のレタスに押されてあまり育ってないものを間引いていった。
間引いた小さなレタスは、さっそく洗って朝ご飯のサラダにする。
「お、うまいな」
「はい!
採れたてで柔らかくて美味しいです」
「あれだけ早く育つとなると、しばらくは毎日食べられそうだな」
「そうですね。
毎朝採れたてサラダが食べられるなんて贅沢ですね」
などと、その日はのんきなことを言っていたのだが。
————————————————
「うーわー……」
「すごいです!
このサニーレタス、八百屋さんで売ってるのと同じくらい大きいですよ!
こっちはサラダ菜かな?」
昨日10センチほどだったレタスは、今日はもう出荷出来そうなサイズにまで成長していた。
若芽を食べるはずだったのに、種をまいて4日でここまで大きくなるなんて、いくら神様の助けがあるとしてもあんまりだ。
「と、とりあえず大きいやつは収穫してしまおう。
2人じゃこんなに食べ切れないから、佐々木さんにもおすそ分けしようか」
「はい!」
俺たちは朝食前に育ちきったレタスを収穫した。
レタスは20個近くあったが、収穫した後の畑にもまだ小さいレタスの葉がたくさん残っているので、放っておいたら明日もまた大きいレタスが収穫できそうな気がして、ちょっと怖い。
収穫したレタスを1つ取って半分に割ってみたが、中までぎっしり葉っぱが詰まった立派なものだった。
山盛りのレタスサラダの朝食を食べた後、神社へお手伝いに行くタロと一緒にレタスが2つずつ入ったビニール袋を両手にさげて神社に向かった。
————————————————
「4日でこの大きさですか……」
おすそ分けに持って行ったレタスを見た佐々木さんは、さすがに絶句していた。
「あの、前にうちに住んでた人が作ってた時も、こんなにすぐに大きくなったんでしょうか?」
「いえ、前の方の畑は普通でしたよ。
『日当たりが悪い割には出来がいいから、土がいいみたい』とはおっしゃっていましたが。
おそらく今回は、タロくんが作った畑だからと神様が張り切って力を注いだのでしょうね。
母はタロくんのことを随分と気にいっているようですから」
「やっぱり、そういうことなんですか。
けど、さすがにこれは力を注ぎ過ぎのような気がするんですが……」
「まあ、母も最近は神通力を使う機会が少なくて力が有り余っているようですから、気にしなくてもいいと思いますよ。
タロくんも野菜がたくさん採れた方がいいですよね?」
「はい!
神様のおかげで美味しいレタスがいっぱい食べられてうれしいです!」
「うーん……。
まあ佐々木さんがそうおっしゃるんなら気にしないことにしますけど……」
若干納得できないものを感じながらも、タロも喜んでいるので、まあいいかと思うことにする。
その後、俺たちはホームセンターで野菜の種を買い込み、色々な野菜を少しずつ育てることにした。
日替わりで色々な野菜を次々と収穫できるので、タロは毎日張り切って料理をしてくれている。
時々採れた野菜を庭の稲荷神社にお供えして神様に感謝しつつ、俺たちは毎日ありがたく神通力のこもった野菜をいただくのであった。
さらに翌朝、畑には10センチ近くに成長したレタスがひしめき合っていた。
「うわ、一晩で育ち過ぎだろ。
これ、もう間引かないと」
俺は台所からボウルを持ってくると、タロと一緒にレタスが詰まり過ぎてるところや他のレタスに押されてあまり育ってないものを間引いていった。
間引いた小さなレタスは、さっそく洗って朝ご飯のサラダにする。
「お、うまいな」
「はい!
採れたてで柔らかくて美味しいです」
「あれだけ早く育つとなると、しばらくは毎日食べられそうだな」
「そうですね。
毎朝採れたてサラダが食べられるなんて贅沢ですね」
などと、その日はのんきなことを言っていたのだが。
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「うーわー……」
「すごいです!
このサニーレタス、八百屋さんで売ってるのと同じくらい大きいですよ!
こっちはサラダ菜かな?」
昨日10センチほどだったレタスは、今日はもう出荷出来そうなサイズにまで成長していた。
若芽を食べるはずだったのに、種をまいて4日でここまで大きくなるなんて、いくら神様の助けがあるとしてもあんまりだ。
「と、とりあえず大きいやつは収穫してしまおう。
2人じゃこんなに食べ切れないから、佐々木さんにもおすそ分けしようか」
「はい!」
俺たちは朝食前に育ちきったレタスを収穫した。
レタスは20個近くあったが、収穫した後の畑にもまだ小さいレタスの葉がたくさん残っているので、放っておいたら明日もまた大きいレタスが収穫できそうな気がして、ちょっと怖い。
収穫したレタスを1つ取って半分に割ってみたが、中までぎっしり葉っぱが詰まった立派なものだった。
山盛りのレタスサラダの朝食を食べた後、神社へお手伝いに行くタロと一緒にレタスが2つずつ入ったビニール袋を両手にさげて神社に向かった。
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「4日でこの大きさですか……」
おすそ分けに持って行ったレタスを見た佐々木さんは、さすがに絶句していた。
「あの、前にうちに住んでた人が作ってた時も、こんなにすぐに大きくなったんでしょうか?」
「いえ、前の方の畑は普通でしたよ。
『日当たりが悪い割には出来がいいから、土がいいみたい』とはおっしゃっていましたが。
おそらく今回は、タロくんが作った畑だからと神様が張り切って力を注いだのでしょうね。
母はタロくんのことを随分と気にいっているようですから」
「やっぱり、そういうことなんですか。
けど、さすがにこれは力を注ぎ過ぎのような気がするんですが……」
「まあ、母も最近は神通力を使う機会が少なくて力が有り余っているようですから、気にしなくてもいいと思いますよ。
タロくんも野菜がたくさん採れた方がいいですよね?」
「はい!
神様のおかげで美味しいレタスがいっぱい食べられてうれしいです!」
「うーん……。
まあ佐々木さんがそうおっしゃるんなら気にしないことにしますけど……」
若干納得できないものを感じながらも、タロも喜んでいるので、まあいいかと思うことにする。
その後、俺たちはホームセンターで野菜の種を買い込み、色々な野菜を少しずつ育てることにした。
日替わりで色々な野菜を次々と収穫できるので、タロは毎日張り切って料理をしてくれている。
時々採れた野菜を庭の稲荷神社にお供えして神様に感謝しつつ、俺たちは毎日ありがたく神通力のこもった野菜をいただくのであった。
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