四人の関係

鳴神楓

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実験

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佳暁様が家にいる夜は、たいていは四人で過ごすオレたちだが、たまには用事などで誰かが欠けて、三人になることもある。

その夜は聡が友達の結婚式の二次会に出るということで出掛けたので、佳暁様と護とオレの三人で佳暁様の寝室に入った。
オレが一人でしている姿を見ながら佳暁様と護が繋がった後、佳暁様を真ん中にして三人で時間をかけてじっくりと交わった。

たかぶった体が収まってから、佳暁様を真ん中にして川の字になってベッドに横たわる。
こうして横になる時いつも後ろに感じる聡のぬくもりがないのを何となくさみしく思っていると、佳暁様が「健太」とオレを呼んだ。

「最近ちょっと様子がおかしいね。
 何か悩み事でもあるの?」
「えっ?
 あー……、えっと、悩み事っていうか……」
「話したくなかったら無理にとは言わないけど、よかったら話してごらん。
 話すだけでもちょっとは楽になるし、それに一人で考えて答えが出ないことでも、別の人間の視点で見ると解決する場合もあるよ」
「……それじゃあ、聞いてもらってもいいですか?
 実は聡のことなんですけど……。
 オレ、いいかげん聡の告白に答えを出さなきゃいけないって思うんですけど、どうすればいいのかわからなくて……」

聡に告白されてからそのことはずっと頭の中にはあったのだが、この前、テレビ電話を使ってしたときから、いっそう早く答えなければと思うようになった。
あの時、画面の向こうには二人がいたとはいえ、実際には聡と二人きりで抱き合い、そしてその後、聡の腕の中で眠って、聡がオレのことを大事に思ってくれているのだということを改めて実感した。
けれども聡がそうやってオレを想ってくれているのに、オレの方は相変わらず聡のことを利用しているだけで、このままではいけないと思うようになったのだ。

だから佳暁様から見てオレが悩んでいるように見えるのならそのことだろうと、先ほどの言葉を口にしたのだが、真剣な顔をしてオレの話を聞いている佳暁様の後ろで、護がなぜか驚いたように目を見開いていた。

「お前……まだ返事してなかったのか」
「う……ごめん……」

自分でも悪いことをしているという自覚があったので、護の言葉に反射的に謝ると、佳暁様が「いや、健太、そうじゃないよ」と言った。

「護はお前のことを責めているわけじゃないよ。
 ただ護は、もうとっくに聡と健太は付き合ってるって思ってただけなんだよね?」
「はい、そうです」

二人の会話に、今度はオレの方が驚く。

「えっ! いったいどうやったらそんな誤解を……」
「誤解なのか?
 聡はお前のことを溺愛しているし、お前も聡のことを信頼しているようだから、わざわざ俺たちに言っていないだけで、すでに思いが通じ合っているのだとばかり思っていたのだが」
「ええー……、なんでそうなるんだよ……。
 それは確かに聡のことは信頼してるけど、それは告白される前からずっとそうだし、好きかどうかとはまた別の話だよ」
「うーん、それ、本当にそうなのかな?」

オレの説明に、佳暁様が首を傾げる。

「僕から見ても、健太は聡のことをちゃんと恋愛の意味で好きなように見えるけれどね。
 そうでなければ、あんなふうに聡にすべてをゆだねるみたいにして抱かれたりは出来ないと思うよ?」
「えっ……でもそれは聡がオレのことを一番いい形で佳暁様に見せてくれるって信用しているから安心して任せられるっていうだけで、別に聡のことが好きってわけじゃ……」
「そんなことはないだろう」

オレの説明に、今度は護が反論する。

「佳暁様にお前が感じているところを見せるというだけなら、俺もしているだろう。
 だが、お前は俺が触っている時は、聡の時とは全然違うぞ?」
「それはそうだよ。
 だって、護はオレのこと最後まで抱くわけじゃないし、聡とは比べられないよ」
「本当にそうか?
 前戯だけで比べても、全然反応が違うように見えるんだが」
「えー……そうかな……」

オレが護の言葉を信じられないでいると、佳暁様が口を開いた。

「だったら、一度試しに護と最後までやってみたら?
 僕から見たら、護と聡はそれぞれやり方は違うけれど同じくらいセックスが上手いと思うよ。
 だから健太が護に抱かれてみて、もし聡の時ほどに感じられなかったら、それはやっぱり二人に対する気持ちの差だっていうことになるでしょ?
 どう? 健太。
 丁度今日は聡がいないし、今から試してみる?」
「えっ……、で、でも、それって護が困りますよね?
 いきなりオレのこと抱けって言われても、好きでもないのに抱けないでしょうし」
「いや……オレの方は問題ないが。
 前に言わなかったか?
 お前が協力して欲しいなら、たぶん抱くことはできると。
 今まではお前も聡も嫌がるだろうと思って最後まではしなかったが、必要ならいつでもできるぞ」

そう言えば忘れていたけれど、オレがまだ四人での関係に踏み出せないでいた時に、護はそう言っていたのだった。

「あの、でも、聡の方はやっぱりオレが護に抱かれたらいやな思いをするんじゃ……。
 相手が佳暁様なら、聡はオレが佳暁様を好きなままでいいって言ってますから問題ないですけど、護が相手だとどう思うか……」
「うーん、それはどうだろうね」

と、今度は佳暁様が答える。

「確かに聡はいい気はしないだろうけど、結果的にそれで健太が答えを出せるなら、納得してくれると思うけれどね。
 いいかげん、聡の方も焦れてきているだろうし。
 ……あ、それともやっぱり健太が護に抱かれるのが嫌なの?」
「……いえ、それは別に。
 護とは最後まではしたことないですけどいつも触ってもらってるし、それに佳暁様に感じているところを見せるために協力してもらうんだったら、聡でも護でも同じですから」

オレがそう答えると、護が少し考える様子で口を開いた。

「……しかし、どちらにしろ、やるなら聡がいる時の方がいいでしょうね。
 あいつは自分の知らないところでやられるより、多少つらくても全てを見届けたがるような気がします」
「ああ、それは確かにそうかもしれないね。
 じゃあ、明日、聡に聞いてみてからにしよう。
 それで聡が嫌がるならやめればいいし、見たくないと言うなら聡抜きで試してみればいいしね。
 健太も、それでいい?」
「……はい」

何となく落ち着かない気持ちになりながらも、それ以上反対する理由も見つからず、オレは結局うなずいた。

「じゃあ、今日はもう寝ようか。
 護、電気消して」

佳暁様の言葉に護が「はい」と答え、明かりが消えた。
そうしていつものように、おやすみなさいと挨拶を交わしてから目を閉じたのだが、なぜか無性に背中が寒い気がして、オレはなかなか寝付くことができなかった。



聡は深夜遅くに帰ってきて、そのまま自分の部屋で寝たようだ。
翌朝、朝食を食べに降りてな聡は、二日酔いらしくいつもよりも眠そうだった。
先に聡にだけ水を出してやると、聡は「ありがとう」と言ってちょっと微笑んだ。
その笑顔を見ると何となく後ろめたいような気がして、オレは返事もせずに作業に戻る。

「……健太、どうかしたのか?」

明らかにおかしいオレの態度に、聡が不審そうな声を上げると、佳暁様がぷっと吹き出した。

「ごめんごめん。
 でも、それについては後でね。
 あ、健太にも聞いちゃ駄目だからね」
「……わかりました」

オレの態度を不思議に思いつつも、佳暁様にそう言われては聡もそれ以上追求することは出来なかったらしい。
笑われたことはともかくとして、佳暁様のフォローはありがたく、オレはそのまま作業を続けた。


そうして、昼間は出来るだけ聡と顔を合わせないようにして過ごし、夜になった。
いつものように佳暁様の寝室に集まり、裸になってベッドに上がると、佳暁様はなぜか護を自分の方に呼び寄せた。

「比べてみた方がわかりやすいでしょ?」

オレが不思議そうな顔になっていたせいか、佳暁様はそう説明してくれた。

「あ……はい」

オレはうなずきながらも、後ろの聡が今のやり取りをどう思っているのかと思って不安になってしまう。
隠し事をされていらだっているのか、オレに触れる聡の手つきはいつもよりも心なしか乱暴な気がする。
いつものように向き合った佳暁様と触れ合い、後ろの聡に触られて、徐々にたかぶっていった体が太いモノを欲し始めた頃、佳暁様がオレに軽く口づけてから言った。

「そろそろ、試してみる?」
「あ……はい」

少し躊躇しながらもうなずくと、後ろの聡が少しいらだったような声で言った。

「佳暁様、試すとはいったい?」
「うん、実はね……」
「あ、待って下さい。オレから言わせてください」

少しでも聡に悪いと思っているなら、ここは佳暁様に任せずに自分で話すべきだろうと、オレは佳暁様をさえぎって、聡と向かい合うように座り直した。

「あのね、オレ、いいかげんそろそろ聡の告白に答えなきゃいけないと思って、夕べ佳暁様と護にそのことを相談したんだ。
 そうしたら二人とも、オレはすでに聡のこと、その、好きなんじゃないかって……、それがわからないなら、試しに護に抱かれてみて、聡の時と比べてみたらわかるんじゃないかって言われて……。
 でも、あの! 聡が嫌だったら、やっぱりやめておくけど……」
「……なるほど、そういうことか。
 それで健太、お前はどうなんだ。
 佳暁様に言われたからということじゃなく、お前自身も護に抱かれたいと思うのか」

聡自身の口から改めてそう聞かれると、やっぱりまだ、自分の中にためらいがあることに気付かされる。
それでもオレは、聡に今の正直な気持ちを話すことにする。

「正直、護には抱かれても抱かれなくてもどっちでもいいんだけど……」

と言いかけて、それはそれで護に失礼だと気付いて護に「ごめん」と謝ると、護は「気にするな」と言ってくれたので話を続ける。

「でも、それでオレ自身の聡に対する気持ちがわかるかもしれないっていうのなら試したい。
 だって今まで自分一人でずっと考えてきたけど結局わからなかったから、このままだと何年も聡のこと待たせてしまうかもしれないし……」
「そうか……わかった。
 オレは平気だから、健太が試してみたいならやってみろ。
 その代わり、もし少しでも嫌だと感じたら、すぐにやめてくれ。いいな?」
「うん、わかった」

オレと聡の話し合いが付いたのを見て、護がコンドームを取って準備を始めた。
佳暁様は少し離れて見守ってくれるつもりなのか、ベッドの端へと移動する。

「護、お願い」

オレが声を掛けると、護はうなずいてオレを抱きかかえた。
聡と比べると護の腕は太くたくましい。
横向きになったオレをその太い腕でしっかりと抱えながら、護は太い指でオレの中を探る。
あらかじめ風呂で準備してあるし、さっき聡にも少し触られたので、その中はすでに柔らかくなっている。

「入れるぞ」
「うん」

オレがうなずくと、聡はオレを後ろから抱きかかえ直した。
そうすると、すぐ側でこちらをじっと見ている聡と目が合った。
食い入るような目でオレを見ている聡を見ると、胸をぎゅっとつかまれたような苦しさを感じる。

「んっ、あぁー……」

オレが聡に気を取られている間に、護がオレの体を少し持ち上げて後ろからゆっくりと入って来た。

受け入れたことはなくても毎日見ているから知っているが、護のモノは聡ほど長くはないが聡のよりも太い。
その太いモノが中を押し広げていく感覚は強烈だった。
聡と話をしている間に少し萎えてしまっていた自分のモノが、中をこすられる快感にまた勃ち上がったのがわかる。
護はオレの中に全部を収めきると、下からオレを突き上げ始める。

すごい。
中をいっぱいにされて、力強く突き上げられて気持ちいい。

それは確かなのだけれども、それなのにオレはなぜかその快感に夢中になることは出来なかった。

聡がすぐ側で護に抱かれているオレを見ているせいで集中できないというのもあるだろう。
でもそれだけではない。
違和感、とでも言えばいいのだろうか。
自分でもうまく説明出来ないけれど、何かが違う気がして快感だけを追うことが出来ない。

いったい、何がどう違うというのか。
護と聡、それに佳暁様はそれぞれ別々の人間で、アレの大きさも形もやり方も違うのが当たり前なのに、初めて受け入れた護には、なぜか聡にも佳暁様にも感じなかった違和感を覚える。

オレがよっぽどおかしな顔をしていたのだろうか。
それまで見ていただけだった聡が、腰を浮かせてこちらに手を伸ばしてきた。
そうして心配そうに「健太」と呼びかける声と共に指先で触れられると、なぜだか泣きそうな気持ちになった。
そのくせ、聡に触れられた途端、妙に安心してしまったのも事実で、そこでようやく、オレは自分の本当の気持ちに気付いたのだった。

違うと感じたのは、間違っていなかった。
けれども、違うのは護ではなくて、むしろ聡と佳暁様の方だったのだ。
佳暁様を違和感なく受け入れているのと同じように、聡を受け入れることに違和感を覚えていなかったオレは、自分でも気付いていなかったけれども、聡のことを佳暁様と同じように大切に思っていたのだ。
護のことも仲間として好きだけど、聡に対する好きは護に対するものとは違う。

「ごめん、護。もういい」

自分の中で答えが出た以上、聡にあんな顔をさせてまで続ける必要もなくなったので、護にそう声をかけると、護は「ああ」と答えて動きを止めてくれた。
護に支えてもらいながら腰を浮かせて体の中から護のモノを抜くと、なんだか急に力が抜けて、オレはその場にぺたりと座りこんでしまった。

「びっくりした……」

偽りなく、それがオレの今の素直な気持ちだった。

「オレ、ちゃんと聡のこと好きだったんだ……」

誰に聞かせるつもりでもなくそう呟くと、いきなり側にいた聡に抱きしめられた。

「ちょっ、聡!」

慌てるオレには構わず、聡は佳暁様の方を向いた。

「申し訳ありませんが、今夜はこれで失礼してもよろしいでしょうか」
「えっ」
「うん、いいよ。
 明日は二人とも昼から出てきてくれたらいいから」
「ありがとうございます」
「えっ、ちょっと待って」

聡はベッドから降りて慌てているオレをかつぎあげると、さっさとドアの方へと歩き出した。

「す、すいません! 佳暁様」
「失礼します」

どうにか佳暁様に謝ったオレをかついだまま、聡は佳暁様の寝室を出て、聡の部屋の方へと向かった。
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