4 / 30
対談 2(side:佐藤くん)
しおりを挟む
斉藤先生がうまく話のペースを作ってくれたおかげで、対談では読者が興味を持ってくれそうな話がたくさんできた。
これは良い対談記事になりそうだ。
「はい、ありがとうございました。
それでは最後に斉藤先生の写真をお願いします」
僕は多くのラノベ作家がそうしているように顔は出さないことにしたので、記事には斉藤先生が僕の受賞作と斉藤先生の新刊を持った写真が入ることになっている。
「せっかくだから、佐藤さんと一緒の写真も撮ろうよ。
記事にはならなくても記念になるから」
「あ、はい、ぜひお願いします」
斉藤先生にそう言われ、僕は受賞作を手に持ち斉藤先生に肩を組まれて写真に収まった。
後で担当さんにデータを送ってもらって部屋に飾ろうと思う。
「あ、すいません、斉藤先生。
サインをお願いしてもいいですか?」
「ああ、もちろん」
斉藤先生がうなずいたので、僕は持ってきた最初に読んだ斉藤先生の本とサインペンを差し出す。
「為書きはペンネームと本名どっちにする?」
「ペンネームでお願いします」
今日の対談の報告がてらSNSに上げたいし、それに僕の本名はちょっとアレなのでペンネームの方がいい。
僕が答えると、斉藤先生は「佐藤みのるさんへ」と入れてサインをしてくれた。
「ありがとうございます。
あ、これ後でSNSにアップさせてもらっていいですか?」
「どうぞどうぞ。
ところで佐藤さん。
なんかまだ話し足りないから、良かったらこの後一緒に晩飯でもどうですか?
もし帰りの新幹線の時間が問題なければだけど」
「あ、ぜひご一緒させて下さい!
時間の方は今日はネットカフェに泊まって明日秋葉原とか行く予定だったので、何時まででも大丈夫です」
「え?
ネットカフェに泊まるの?
出版社の方でホテル代経費で落とす……のは厳しいか」
斉藤先生が担当さんの方を見ると、担当さんは申し訳なさそうな顔でうなずいた。
「はい、最近は経理が厳しいんで宿泊費までは出なくて……。
ごめんね、佐藤くん」
「あ、いえ、そんな。
交通費出してもらえるだけでもありがたいです」
僕と担当さんがやり取りをしている横で、何かを考えているような表情をしていた斉藤先生が口を開いた。
「佐藤さん、良かったら今夜は僕のうちに泊まらない?
布団くらいしか用意できないけど、ネットカフェよりはいいと思うよ」
「え⁈ いえ、そんないきなり申し訳ないですよ」
斉藤先生のご自宅にはちょっと興味があるけれど、さすがに初対面でいきなり泊めてもらうのは図々しいと思う。
「けど、僕のうちに泊まれば夜遅くまで話せるだろう?
よく友達が泊まりにくるから人を泊めるのは慣れてるから遠慮しなくていいよ」
「佐藤くん、そうさせてもらいなよ。
その方が僕も安心だし」
担当さんにもそう言われ、結局僕は斉藤先生のおうちに泊まらせてもらうことになった。
これは良い対談記事になりそうだ。
「はい、ありがとうございました。
それでは最後に斉藤先生の写真をお願いします」
僕は多くのラノベ作家がそうしているように顔は出さないことにしたので、記事には斉藤先生が僕の受賞作と斉藤先生の新刊を持った写真が入ることになっている。
「せっかくだから、佐藤さんと一緒の写真も撮ろうよ。
記事にはならなくても記念になるから」
「あ、はい、ぜひお願いします」
斉藤先生にそう言われ、僕は受賞作を手に持ち斉藤先生に肩を組まれて写真に収まった。
後で担当さんにデータを送ってもらって部屋に飾ろうと思う。
「あ、すいません、斉藤先生。
サインをお願いしてもいいですか?」
「ああ、もちろん」
斉藤先生がうなずいたので、僕は持ってきた最初に読んだ斉藤先生の本とサインペンを差し出す。
「為書きはペンネームと本名どっちにする?」
「ペンネームでお願いします」
今日の対談の報告がてらSNSに上げたいし、それに僕の本名はちょっとアレなのでペンネームの方がいい。
僕が答えると、斉藤先生は「佐藤みのるさんへ」と入れてサインをしてくれた。
「ありがとうございます。
あ、これ後でSNSにアップさせてもらっていいですか?」
「どうぞどうぞ。
ところで佐藤さん。
なんかまだ話し足りないから、良かったらこの後一緒に晩飯でもどうですか?
もし帰りの新幹線の時間が問題なければだけど」
「あ、ぜひご一緒させて下さい!
時間の方は今日はネットカフェに泊まって明日秋葉原とか行く予定だったので、何時まででも大丈夫です」
「え?
ネットカフェに泊まるの?
出版社の方でホテル代経費で落とす……のは厳しいか」
斉藤先生が担当さんの方を見ると、担当さんは申し訳なさそうな顔でうなずいた。
「はい、最近は経理が厳しいんで宿泊費までは出なくて……。
ごめんね、佐藤くん」
「あ、いえ、そんな。
交通費出してもらえるだけでもありがたいです」
僕と担当さんがやり取りをしている横で、何かを考えているような表情をしていた斉藤先生が口を開いた。
「佐藤さん、良かったら今夜は僕のうちに泊まらない?
布団くらいしか用意できないけど、ネットカフェよりはいいと思うよ」
「え⁈ いえ、そんないきなり申し訳ないですよ」
斉藤先生のご自宅にはちょっと興味があるけれど、さすがに初対面でいきなり泊めてもらうのは図々しいと思う。
「けど、僕のうちに泊まれば夜遅くまで話せるだろう?
よく友達が泊まりにくるから人を泊めるのは慣れてるから遠慮しなくていいよ」
「佐藤くん、そうさせてもらいなよ。
その方が僕も安心だし」
担当さんにもそう言われ、結局僕は斉藤先生のおうちに泊まらせてもらうことになった。
0
お気に入りに追加
60
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
男の子たちの変態的な日常
M
BL
主人公の男の子が変態的な目に遭ったり、凌辱されたり、攻められたりするお話です。とにかくHな話が読みたい方向け。
※この作品はムーンライトノベルズにも掲載しています。
【R18】孕まぬΩは皆の玩具【完結】
海林檎
BL
子宮はあるのに卵巣が存在しない。
発情期はあるのに妊娠ができない。
番を作ることさえ叶わない。
そんなΩとして生まれた少年の生活は
荒んだものでした。
親には疎まれ味方なんて居ない。
「子供できないとか発散にはちょうどいいじゃん」
少年達はそう言って玩具にしました。
誰も救えない
誰も救ってくれない
いっそ消えてしまった方が楽だ。
旧校舎の屋上に行った時に出会ったのは
「噂の玩具君だろ?」
陽キャの三年生でした。
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
山本さんのお兄さん〜同級生女子の兄にレ×プされ気に入られてしまうDCの話〜
ルシーアンナ
BL
同級生女子の兄にレイプされ、気に入られてしまう男子中学生の話。
高校生×中学生。
1年ほど前に別名義で書いたのを手直ししたものです。
【BL】SNSで人気の訳あり超絶イケメン大学生、前立腺を子宮化され、堕ちる?【R18】
NichePorn
BL
スーパーダーリンに犯される超絶イケメン男子大学生
SNSを開設すれば即10万人フォロワー。
町を歩けばスカウトの嵐。
超絶イケメンなルックスながらどこか抜けた可愛らしい性格で多くの人々を魅了してきた恋司(れんじ)。
そんな人生を謳歌していそうな彼にも、児童保護施設で育った暗い過去や両親の離婚、SNS依存などといった訳ありな点があった。
愛情に飢え、性に奔放になっていく彼は、就活先で出会った世界規模の名門製薬会社の御曹司に手を出してしまい・・・。
溺愛執事と誓いのキスを
水無瀬雨音
BL
日本有数の大企業の社長の息子である周防。大学進学を機に、一般人の生活を勉強するため一人暮らしを始めるがそれは建前で、実際は惹かれていることに気づいた世話係の流伽から距離をおくためだった。それなのに一人暮らしのアパートに流伽が押し掛けてきたことで二人での生活が始まり……。
ふじょっしーのコンテストに参加しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる