最弱ランクの異能使い〜Dランク異能でも最強な件〜

最深部で待つ男

　ジギルドは高速でパンチを繰りだし、オードはそれを全て剣ではじく。

「おらおらおらおらぁ！」
「遅い弱い雑魚い惨め」

　オードの言葉が辛辣でひでぇな。めっちゃどくはいてるやん。

「あーあ。社長の悪い癖というがなんというか。ま、あいつはかわいそうやな」
「え、何でだ？」

　俺がアモウに聞くとアモウは

「そりゃ社長は最初からある人のことしか認めとらんらしいからなぁ。他のやつにはああいう感じなんやで。相手するのはマジ可哀想やと思うわ」

　アモウが俺に言った後にジギルドは息をきらしながら

「はぁ、はぁ。ばけもんかよ。お前」
「女性に対してお前とは口の聞き方がなっていないわね。それに私は敵になるやつに対しては徹底的にやるわ。2度と逆らおうとは思わないようにね」

　ジギルドの両腕には細かくきりきずがきざまれており両腕は既に血まみれだった。

「こう、なった、ら時短、でやる、しかねぇ、な。異能、かい」
「させるわけないでしょ」

　ふらつきながら異能解放をしようとするジギルドの首をオードは速攻で斬り落とす。
　今の攻撃、はやいな。それに異能も使ってない状態でここまでだなんて。なんて強さだ。暗黒企業の社長、オード・ブライア！

「ゴミ掃除は終わったわ。最深部に向かいましょう。おそらく奴がいるわ」
「せやな。おるやろぉな。学園長のけじめつけたらなあかんな」

　アモウが怖い顔でオードに言う。は？けじめ？どういうことだ？お前が殺したんじゃないのか？

「何やその顔？わいがエンドレアス学園長を殺したと思うてるんか？」
「は？違うのかよ。お前が攻めてきた時に死んだんだからお前が殺したんだろ？」
「わいが殺すわけないやろ。学園長には恩義しかないわ。わいの目的は最初からやつや。ま、最深部に行けばわかるやろ。はよいくで」

　アモウとオードは先に進むと俺たちも2人の後に続いた。
　地下4階からさらにおりるとそこは今までの牢屋とは違い、牢屋が５つだけで円のように丸い形の部屋になっていた。今までは縦長の四角みたいな感じだったのに。

「やっときたのか。遅いぞいお前ら」

　俺たちが階段から降りると白衣を着たおじさんが俺たちにいう。

「まさかお前も最初からうらぎっていたとはな」
「ふおっふおっ！今の雇い主の方が研究ははかどるからのう」
「ならあとは地獄で研究しな！」

　オードは白衣を着たおじさんに斬りかかるとおじさんの前に長い黒髪の女性がわってはいりオードの剣を蹴りとばした。