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敵対
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「聖なる加護のもとに…………【聖なる矢】!」
仮面をかぶった男は俺に向かって突進しながら魔法を詠唱した。
そして、男の背後に幾つもの光の矢が出現する。
もし、この男が人間であれば相当な強者だろう。魔法の詠唱中に別行動となると脳が焼き切れそうになるのだ。
俺の場合、配下たちのつながりで助けてもらっているという部分があるため余裕で出来る。
「…………くっ!」
「はああぁぁぁ!」
俺は襲い掛かってきた男の長剣に短剣で相殺する。
そして、男はそれを想定していたのか、後ろでスタンバイさせていた【聖なる矢】を放ってきた。
もし、俺がここで下がれば長剣で切り刻まれる。何もしなかったら矢で撃ち抜かれる。
どっちの選択肢をとっても死ぬという考え抜かれた戦闘スタイルだ。
まぁ俺にはそんなこと関係ないが。
「【テレポート】!」
俺は無詠唱で男の背後に【テレポート】をする。
当然、空間魔法で逃げられる、ましてや、無詠唱を俺が使うなど想定できるはずもない。
「…………は?」
今までの必殺の自分のパターンがきまらなかったためか、男は素っ頓狂な声をあげた。
今頃、男の頭の中は何が起こった? という疑問だけだろう。
しかし、その疑問もすぐに終わる。
「【転移】!」
俺は男の背中に触れて男をこの場の上空二百メートルに【転移】させた。
このまま落ちてくるのを待てば男は地面に衝突した瞬間、四肢が雲散し、跡形もなくなるだろう。
だが、同時並列思考を持っている男だ。魔法で衝撃を相殺するかもしれない。
「【テレポート】!」
俺は落下している男の数メートル上に【テレポート】する。すると、ジタバタしている男の様子が視界に映った。
正直に言うと、これで人間なら驚愕ものだ。かの勇者をも超える実力があるのではないだろうか。容姿からは魔族ではなく人間の雰囲気がする。
この男が告げた主という言葉。この男より強いとなると魔族でも拮抗して戦えるものはそういない。
もしかしたら、何か人間の世界でも革新が起ころうとしているのではなかろうか。
まぁ今の俺にはそんなこと関係ないが。
「おらっ!」
「ふざける………ぐはっ!」
俺はじたばたして抵抗しようとしていた男の腹にキックをめり込ませる。
仮面をつけていたらかの国民的アニメの仮面ラ〇ダーではないの? と思ってしまうほどの蹴りだ。
男の落下速度は二倍、いや、何十倍にも膨れ上がる。
そして、男は地面に巨大な音をたてて衝突し…………
「ふぅ。危ない危ない」
衝突しなかった。誰かが地面すれすれのところで助けたようだ。
そして男を助けたフードを被った少年は男を地面に下ろしてこちらに相対する。
「いやぁ。まさかここまで主を苦しめる敵がいるなんてねぇ…………ちょっと俺も本気出しちゃうよ?」
「…………君……獣人だね?」
俺は少し威圧的な態度で少年に向かってそう口にした。
すると、少年は少し驚いたような様子を見せるも、ゆっくりとフードを脱いだ。
「まさか俺の正体までバレるとはねぇ」
銀色の毛並みに狼のような容姿。
グレードに角と尻尾が生えていない感じと言えばいいだろうか。この少年は灰色狼の進化個体であると想像がつく。
すると、
「「「「主。遅くなり申し訳ございません」」」」
「…………いや、よく召喚もしてないのに来てくれた」
男は獣人の少年の後ろで頭を下げたさらに幼い獣人たちに向かってそう口にした。
見た感じ、獣人になって一、二年と言ったところか。リーダー格の少年以外、俺が素手でも倒せそうなレベルだ。
逆に言えばリーダー格の少年は少し苦戦するかもしれない。
「じゃあ魔族の子供一人に数で潰すのも可哀想だからすぐに終わらすね」
「「「「りょーかい!」」」」
するとリーダーの獣人が【念話】でも使っているのか息ぴったりに四人の獣人の子供たちが俺に向かって突進してきた。
この状況であれば、今までの俺ならすぐに死んでいただろう。
獣人五人を相手するのは流石に骨がなる。今までの俺なら、
「じゃあ俺も本気出しちゃいますか」
俺は少しにんまりした笑みを浮かべて言ったのだった。
***********************✫
始まりました! 第1回ファンタジーカップ!
今、現在は18位です!👏👏👏
読者様にお願いです。
もし、よろしければ皆様の清きベットを今作に使っていただけないでしょうか。
少し強欲かもしれませんが、皆さんのお力があれば1桁も夢じゃないと思ってます!
今日から今作も毎日更新を頑張ろうと思うので、是非ご協力お願い致します。
目指せ! 1桁!٩(´・ω・`)و
仮面をかぶった男は俺に向かって突進しながら魔法を詠唱した。
そして、男の背後に幾つもの光の矢が出現する。
もし、この男が人間であれば相当な強者だろう。魔法の詠唱中に別行動となると脳が焼き切れそうになるのだ。
俺の場合、配下たちのつながりで助けてもらっているという部分があるため余裕で出来る。
「…………くっ!」
「はああぁぁぁ!」
俺は襲い掛かってきた男の長剣に短剣で相殺する。
そして、男はそれを想定していたのか、後ろでスタンバイさせていた【聖なる矢】を放ってきた。
もし、俺がここで下がれば長剣で切り刻まれる。何もしなかったら矢で撃ち抜かれる。
どっちの選択肢をとっても死ぬという考え抜かれた戦闘スタイルだ。
まぁ俺にはそんなこと関係ないが。
「【テレポート】!」
俺は無詠唱で男の背後に【テレポート】をする。
当然、空間魔法で逃げられる、ましてや、無詠唱を俺が使うなど想定できるはずもない。
「…………は?」
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しかし、その疑問もすぐに終わる。
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だが、同時並列思考を持っている男だ。魔法で衝撃を相殺するかもしれない。
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まぁ今の俺にはそんなこと関係ないが。
「おらっ!」
「ふざける………ぐはっ!」
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男の落下速度は二倍、いや、何十倍にも膨れ上がる。
そして、男は地面に巨大な音をたてて衝突し…………
「ふぅ。危ない危ない」
衝突しなかった。誰かが地面すれすれのところで助けたようだ。
そして男を助けたフードを被った少年は男を地面に下ろしてこちらに相対する。
「いやぁ。まさかここまで主を苦しめる敵がいるなんてねぇ…………ちょっと俺も本気出しちゃうよ?」
「…………君……獣人だね?」
俺は少し威圧的な態度で少年に向かってそう口にした。
すると、少年は少し驚いたような様子を見せるも、ゆっくりとフードを脱いだ。
「まさか俺の正体までバレるとはねぇ」
銀色の毛並みに狼のような容姿。
グレードに角と尻尾が生えていない感じと言えばいいだろうか。この少年は灰色狼の進化個体であると想像がつく。
すると、
「「「「主。遅くなり申し訳ございません」」」」
「…………いや、よく召喚もしてないのに来てくれた」
男は獣人の少年の後ろで頭を下げたさらに幼い獣人たちに向かってそう口にした。
見た感じ、獣人になって一、二年と言ったところか。リーダー格の少年以外、俺が素手でも倒せそうなレベルだ。
逆に言えばリーダー格の少年は少し苦戦するかもしれない。
「じゃあ魔族の子供一人に数で潰すのも可哀想だからすぐに終わらすね」
「「「「りょーかい!」」」」
するとリーダーの獣人が【念話】でも使っているのか息ぴったりに四人の獣人の子供たちが俺に向かって突進してきた。
この状況であれば、今までの俺ならすぐに死んでいただろう。
獣人五人を相手するのは流石に骨がなる。今までの俺なら、
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