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運命の会合
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真っ暗な視界が明るくなった時にはもう遅かった。
「…………うッ!」
隣にいたランドロフが膝から崩れ落ちているのが視界に入る。
俺は急いで手を握っていた三人に向いて叫ぶ。
「みんな敵がいる!」
すると、隣にいたリーシャが脊髄反射のようにすぐ魔法を行使した。
「闇の加護のもとにぃ! 影の軍勢となって我らを守護せよぉ! 【影の侵攻】!」
木や俺たちの影から何十もの、影の兵士たちが出現する。
そして、肉壁になるように俺たちを囲んだ。これですぐにノックダウンということはないだろう。
「ほいっ!」
俺はうずくまっているランドロフに向けて【インベントリ】から取り出したポーションを投げつける。
すると、その瓶はランドロフの肩に当たって砕け、ランドロフの傷が一気にすべて癒えた。
えぐられていた腹も塞がっている。
「普通に危ないかもしれない。僕のみぞを一気にえぐれるほどの攻撃力。多分人間じゃないよ」
ランドロフはゆっくりと立ち上がりながら言う。
影の兵士の隙間から周りの現状を見ようとするが、敵の姿は一人も見つからない。
ということは召喚を解除された獣か、もしくは【テレポート】を使えるものだけだ。
その場合、準魔王級以上の実力が必要となる。
「【偽装】」
すると、ランドロフが俺の頭に手を置いて魔法を行使した。
人間の容姿をしていた俺は二年間使っていた懐かしの魔族の容姿になる。
「ここからは危険だ。人間が魔族と獣人と手を組んでいたとなればアレンの人間としての立場がなくなるからね」
まぁ悪者として認定されている獣人と人間が一緒にいたとなれば問題になるのは間違いないだろう。
俺はそのことに感謝を伝えようと右後ろを振り向く。
そして、口を開こうとしている時にはもう遅かった。
「ラン君。ありが――」
「…………げろ!」
敵のテレポートに呑まれていたランドロフがこちらに向かって手を伸ばそうとしていた。
俺も手を伸ばすも、【テレポート】が完了した方が早い。俺の手は綺麗に空中をすかぶってしまう。
「リーシャ! リール、テール!」
俺はすぐさま反対方向から悪寒を感じ、左後ろを見る。
しかし、それもランドロフ同様。【テレポート】で三人とも連れ去れ終わるところだった。
そして術者のリーシャがいなくなったため【影の侵攻】の術も無効化されてしまう。
「っ! 一人一人相手しようってか」
魔力残滓を辿っていけば皆のもとへ行くことも可能であろう。
しかし、敵さん側はそのような行動を許してはくれないようだ。
コツコツコツ
足跡をながらしながら徐々に姿を現しながらこちらへ向かってきている人影が見える。
【テレポート】を使ってきた魔術師とは別の敵である。
最初にランドロフの腹に攻撃をいれた敵である。【テレポート】ではなく、どうやら【透明化】を使っていたようだ。
「主様の命令だ。ここから先は魔族だろうと人間だろうと通さない」
男は黒の仮面をかぶり、黒のコートで包まれた、まるで暗殺者のような容姿をしている。
その敵は腰に差していた長剣を抜刀した。
しかし、俺はここで何か違和感が心に残ってしまう。
「…………君……俺とどこか会ったことあるよね?」
「ふざけるな。僕が魔族などとつるむはずがないだろう」
敵の男は少し殺気をあらわにしながらそう答えた。
しかし、今ので確信が出来た。この敵とはどこかで会ったことがある。
顔が隠されているため分からないが、俺の耳が、脳がこの男を覚えている。
「子供を殺すのは心苦しいので拘束させてもらう。今帰るというなら見逃してやってもいいけど?」
「いや、俺はこの先に行かないといけない。手加減よろしくね」
俺は【インベントリ】から短剣を取り出して、戦闘態勢に入る。
これは、一年間の研磨をかけやっと手にした最上級の短剣だ。
ちなみにこの素材は最上級素材であるユニコーンの角を使っている。そう。俺が捨てられた時に父親の契約獣からもらった角だ。
絶対に折れることはないし、状態異常にかかればこの短剣に触れるだけで解除できる。
「…………ッ! いや、そんなはずがない」
その光景を見た敵は一瞬息をのんだ。
こんな子供がユニコーンの角の武器を使っていることに驚いたのだろう。
だが、そんなことはありえないとわりきったようだ。
「じゃあいかせてもらうよ。はああああぁぁぁ!」
男は長剣を俺に向けて振りかざすように突進してきたのだった。
「…………うッ!」
隣にいたランドロフが膝から崩れ落ちているのが視界に入る。
俺は急いで手を握っていた三人に向いて叫ぶ。
「みんな敵がいる!」
すると、隣にいたリーシャが脊髄反射のようにすぐ魔法を行使した。
「闇の加護のもとにぃ! 影の軍勢となって我らを守護せよぉ! 【影の侵攻】!」
木や俺たちの影から何十もの、影の兵士たちが出現する。
そして、肉壁になるように俺たちを囲んだ。これですぐにノックダウンということはないだろう。
「ほいっ!」
俺はうずくまっているランドロフに向けて【インベントリ】から取り出したポーションを投げつける。
すると、その瓶はランドロフの肩に当たって砕け、ランドロフの傷が一気にすべて癒えた。
えぐられていた腹も塞がっている。
「普通に危ないかもしれない。僕のみぞを一気にえぐれるほどの攻撃力。多分人間じゃないよ」
ランドロフはゆっくりと立ち上がりながら言う。
影の兵士の隙間から周りの現状を見ようとするが、敵の姿は一人も見つからない。
ということは召喚を解除された獣か、もしくは【テレポート】を使えるものだけだ。
その場合、準魔王級以上の実力が必要となる。
「【偽装】」
すると、ランドロフが俺の頭に手を置いて魔法を行使した。
人間の容姿をしていた俺は二年間使っていた懐かしの魔族の容姿になる。
「ここからは危険だ。人間が魔族と獣人と手を組んでいたとなればアレンの人間としての立場がなくなるからね」
まぁ悪者として認定されている獣人と人間が一緒にいたとなれば問題になるのは間違いないだろう。
俺はそのことに感謝を伝えようと右後ろを振り向く。
そして、口を開こうとしている時にはもう遅かった。
「ラン君。ありが――」
「…………げろ!」
敵のテレポートに呑まれていたランドロフがこちらに向かって手を伸ばそうとしていた。
俺も手を伸ばすも、【テレポート】が完了した方が早い。俺の手は綺麗に空中をすかぶってしまう。
「リーシャ! リール、テール!」
俺はすぐさま反対方向から悪寒を感じ、左後ろを見る。
しかし、それもランドロフ同様。【テレポート】で三人とも連れ去れ終わるところだった。
そして術者のリーシャがいなくなったため【影の侵攻】の術も無効化されてしまう。
「っ! 一人一人相手しようってか」
魔力残滓を辿っていけば皆のもとへ行くことも可能であろう。
しかし、敵さん側はそのような行動を許してはくれないようだ。
コツコツコツ
足跡をながらしながら徐々に姿を現しながらこちらへ向かってきている人影が見える。
【テレポート】を使ってきた魔術師とは別の敵である。
最初にランドロフの腹に攻撃をいれた敵である。【テレポート】ではなく、どうやら【透明化】を使っていたようだ。
「主様の命令だ。ここから先は魔族だろうと人間だろうと通さない」
男は黒の仮面をかぶり、黒のコートで包まれた、まるで暗殺者のような容姿をしている。
その敵は腰に差していた長剣を抜刀した。
しかし、俺はここで何か違和感が心に残ってしまう。
「…………君……俺とどこか会ったことあるよね?」
「ふざけるな。僕が魔族などとつるむはずがないだろう」
敵の男は少し殺気をあらわにしながらそう答えた。
しかし、今ので確信が出来た。この敵とはどこかで会ったことがある。
顔が隠されているため分からないが、俺の耳が、脳がこの男を覚えている。
「子供を殺すのは心苦しいので拘束させてもらう。今帰るというなら見逃してやってもいいけど?」
「いや、俺はこの先に行かないといけない。手加減よろしくね」
俺は【インベントリ】から短剣を取り出して、戦闘態勢に入る。
これは、一年間の研磨をかけやっと手にした最上級の短剣だ。
ちなみにこの素材は最上級素材であるユニコーンの角を使っている。そう。俺が捨てられた時に父親の契約獣からもらった角だ。
絶対に折れることはないし、状態異常にかかればこの短剣に触れるだけで解除できる。
「…………ッ! いや、そんなはずがない」
その光景を見た敵は一瞬息をのんだ。
こんな子供がユニコーンの角の武器を使っていることに驚いたのだろう。
だが、そんなことはありえないとわりきったようだ。
「じゃあいかせてもらうよ。はああああぁぁぁ!」
男は長剣を俺に向けて振りかざすように突進してきたのだった。
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