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狐族をテイム
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「ランドロフよ……………………お前の言いたいことが分かった気がする」
「ちなみにアレンは魔王の義理の息子だから。それも魔族全員が知っているよ」
その僕の言葉に父は息を吞む。
「……………………なッ! 人間でありながらあの魔王とも接点を持っているとは見た目で判断するものではないな」
「俺はそれで痛い目に遭っているからね」
あのアレンの爆弾発言から数時間経った。
ちなみにアレンは僕の家に泊まる予定だったのだが、
『俺は絶対に行かないといけない場所があるんだ! あの二人に囲まれて…………』
と、頬を緩めながら話し合いが終わった瞬間どこかへ去っていった。
あそこまで気迫のあるアレンの表所は見たことがなかったため、僕も一緒に行こうかと聞くと、
『俺の邪魔だけはしないでくれ! これは俺だけで行かないといけないんだ!』
今まで獣人の中でもトップクラスの実力を誇っていた僕が邪魔になると言われた時は衝撃で動けなかった。
そのため、無事に明日アレンと会えることが出来るのかと今も少し心配になっている。
「全種族平和協定か…………あんな子供なのにすごいこと考えるものだな」
「うん。そのためにはまず神獣以外の残りの三種族を味方につけないと」
あの話し合いでアレンは覚悟のこもった目で言った。
『俺は全種族が手を取り合えるような世界を作りたい。どの種族ともかかわった俺だから分かる。ただ皆は変化を恐れているだけだって…………そのために、どうしても力で解決したら駄目なんだ』
その言葉に多くの獣人の幹部が無理だと笑った。
だが、
『いいだろ。現族長だって賛成してるんだ。こんな子供の夢を叶えてやるのが大人の責務だろう』
元族長の言葉に少し幹部たちの心に火がつく。
そして、
『アレンはあのテイマーの一族の出身なんです』
『ら、ラン君? 今、そんなこと言わなくても――』
『いや、言わせてくれ。アレンは両親、親族諸共僕たち同胞に殺されているんですよ! それなのに、その憎悪の感情を胸の奥に押し殺してでも僕たちと手を取り合いたいって言ってるんです!』
自分で言うのもなんだが、僕の言葉でその火種が爆発するように燃え広がっていったのだ。
その後、元族長はどこかへ出ていき、数分後に何かをもってアレンの前に帰ってきた。
「あの時の父上の行動には本当に今でも驚いていますよ」
「べ、別にいいじゃないか! 悪いことじゃないんだから!」
「悪いとは言っていませんよ。でも、父上の名前はしっかりと歴史に刻まれましたね」
息子である僕の言葉にさらに感極まった父は種族の宝玉を持ってきて、アレンに渡したのだ。
理解していただけただろうか。事の重大さに。
「まさか全員が一段階も進化するとはな」
「先に言っておくべきでしたね。アレンの特異体質については」
そう。この狐の種族はほぼ全てが二段階、幹部に三段階がいるというレベルだった。
そして、ランドロフは準魔王級。あの戦争時は魔法で操られていたため、少し能力が向上していたのだ。
話がそれたので戻そう。
獣人以外にも零段階の獣が数百体いた。そう、いるのではない。いたのだ。
狐族。全千百名が三段階に。そして幹部が準魔王級。さらに僕は魔王級へと進化した。
ちなみに獣は全員獣人の一段階に進化したため契約することが可能になったようだ。
直接は無理でも間接ならいける。とアレンが喜んでいたのを覚えている。
「対等にいこうとか言っておきながらもう配下になってますからね。本当にアレンには驚かされっぱなしですよ」
「だから希望も見えた。違うか?」
父はにんまりと笑って僕の方を見てくる。
僕も笑い返すようにして言った。
「違いますよ。あの子自体が希望なんです」
「あっはっは! その通りだな!」
こうして二人は夜風に吹かれながら最後の会話をしたのだった。
***********************
ここまでお付き合いしてくださっている方、本当にありがとうございます!
自分の作品が96話も皆さんに読んでもらえるなんて本当に感激です。一人一人に頭下げたいぐらいです笑
もうすぐ百話! なぜか緊張までしてきました💦
明日の更新で一度、間章に入ります。
魔大陸でゴブくんは何をしていたのでしょうか?
是非読んでみてください!
「ちなみにアレンは魔王の義理の息子だから。それも魔族全員が知っているよ」
その僕の言葉に父は息を吞む。
「……………………なッ! 人間でありながらあの魔王とも接点を持っているとは見た目で判断するものではないな」
「俺はそれで痛い目に遭っているからね」
あのアレンの爆弾発言から数時間経った。
ちなみにアレンは僕の家に泊まる予定だったのだが、
『俺は絶対に行かないといけない場所があるんだ! あの二人に囲まれて…………』
と、頬を緩めながら話し合いが終わった瞬間どこかへ去っていった。
あそこまで気迫のあるアレンの表所は見たことがなかったため、僕も一緒に行こうかと聞くと、
『俺の邪魔だけはしないでくれ! これは俺だけで行かないといけないんだ!』
今まで獣人の中でもトップクラスの実力を誇っていた僕が邪魔になると言われた時は衝撃で動けなかった。
そのため、無事に明日アレンと会えることが出来るのかと今も少し心配になっている。
「全種族平和協定か…………あんな子供なのにすごいこと考えるものだな」
「うん。そのためにはまず神獣以外の残りの三種族を味方につけないと」
あの話し合いでアレンは覚悟のこもった目で言った。
『俺は全種族が手を取り合えるような世界を作りたい。どの種族ともかかわった俺だから分かる。ただ皆は変化を恐れているだけだって…………そのために、どうしても力で解決したら駄目なんだ』
その言葉に多くの獣人の幹部が無理だと笑った。
だが、
『いいだろ。現族長だって賛成してるんだ。こんな子供の夢を叶えてやるのが大人の責務だろう』
元族長の言葉に少し幹部たちの心に火がつく。
そして、
『アレンはあのテイマーの一族の出身なんです』
『ら、ラン君? 今、そんなこと言わなくても――』
『いや、言わせてくれ。アレンは両親、親族諸共僕たち同胞に殺されているんですよ! それなのに、その憎悪の感情を胸の奥に押し殺してでも僕たちと手を取り合いたいって言ってるんです!』
自分で言うのもなんだが、僕の言葉でその火種が爆発するように燃え広がっていったのだ。
その後、元族長はどこかへ出ていき、数分後に何かをもってアレンの前に帰ってきた。
「あの時の父上の行動には本当に今でも驚いていますよ」
「べ、別にいいじゃないか! 悪いことじゃないんだから!」
「悪いとは言っていませんよ。でも、父上の名前はしっかりと歴史に刻まれましたね」
息子である僕の言葉にさらに感極まった父は種族の宝玉を持ってきて、アレンに渡したのだ。
理解していただけただろうか。事の重大さに。
「まさか全員が一段階も進化するとはな」
「先に言っておくべきでしたね。アレンの特異体質については」
そう。この狐の種族はほぼ全てが二段階、幹部に三段階がいるというレベルだった。
そして、ランドロフは準魔王級。あの戦争時は魔法で操られていたため、少し能力が向上していたのだ。
話がそれたので戻そう。
獣人以外にも零段階の獣が数百体いた。そう、いるのではない。いたのだ。
狐族。全千百名が三段階に。そして幹部が準魔王級。さらに僕は魔王級へと進化した。
ちなみに獣は全員獣人の一段階に進化したため契約することが可能になったようだ。
直接は無理でも間接ならいける。とアレンが喜んでいたのを覚えている。
「対等にいこうとか言っておきながらもう配下になってますからね。本当にアレンには驚かされっぱなしですよ」
「だから希望も見えた。違うか?」
父はにんまりと笑って僕の方を見てくる。
僕も笑い返すようにして言った。
「違いますよ。あの子自体が希望なんです」
「あっはっは! その通りだな!」
こうして二人は夜風に吹かれながら最後の会話をしたのだった。
***********************
ここまでお付き合いしてくださっている方、本当にありがとうございます!
自分の作品が96話も皆さんに読んでもらえるなんて本当に感激です。一人一人に頭下げたいぐらいです笑
もうすぐ百話! なぜか緊張までしてきました💦
明日の更新で一度、間章に入ります。
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