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サウザンドへ
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「【偽装】ツインズ」
ランドロフは自分と俺に容姿を偽装する魔法をかけた。
すると、ランドロフは人間の容姿になる。
当然、街中に獣人が現れたとなるとどうなることか想像すらできない。
しかし、何故俺までしなければならないのだろうか。
このまま魔大陸に帰ったら誰も俺だとは気づかないだろう。
だが、ランドロフはいずれ分かると言ったっきり、何も答えてくれなかった。
「まずは冒険者にならないと。じゃないと戦闘許可も出してもらえないはず」
ということで、俺たちはまず、次の国に入ったら冒険者になることにした。
魔物との交戦も冒険者か軍人でなければ認められないのだ。
獣人の場合でも同じであろう。
そんな会話を交えながら俺たちは暗闇の中、ひたすら走り続けた。
そして日が昇り始めたころにこの全大陸の西端にある『サウザンド』にたどり着いた。
「…………はぁ。良かった」
俺はその高き城壁に四方を守られているサウザンドの様子を見て安堵の声を漏らす。
どうやら、サウザンドは陥落していなかったようだ。
「ここは五大国の中でも一番守備に力を入れているからね。後回しにされたんだろう」
俺は今にでも体力切れで倒れそうだというのに、隣にいるランドロフはいつものスカした表情のまま口にした。
そのランドロフの表情は太陽の光に照らされ、黄土色の短髪の髪がキラキラと輝いている。
そして、それがまるで付属品かと思うほどの整った顔立ち。
ってか、俺の周りイケメン多くない?
進化をすればするほど容姿は整うことは知っている。
しかし、ドラやラーク、グレードにランドロフ。そして最近では顔立ちではなくともその優しさであのゴブくんまでもがモテているという噂まで耳にした。
ちょっと待ってほしい。俺だってもう十五歳だ。
恋バナだってしてみたい年ごろである。
だが、現実を見てみよう。
まぁ俺だって時々だけど女性と話すことはあるんだよ?
でも、その時に俺が少しでも笑ったり、嬉しそうにしたりしたら奴がやってくるのだ。
そう、いつも夜になると俺に抱き着いてきて、俺の肌を青白くしてくる奴が!
本当に血欲しさによくあそこまで出来るものだ。
おっと話がそれてしまった。
だからですね? 正直言ってそんなことしてる暇ないのは理解してるつもりなんですけど、先ほどランドロフ君に少しイケメンになるように再びお願いしました。
すると、
「……………………いやだ」
なんでだよおおおおおおぉぉぉ!
と叫びそうになったが叫ばなかった俺を誰か褒めてほしい。
ってか普通はしてくれるもんじゃないの? ってかランドロフって捕虜の身のはずだよね?
まぁこの話はここら辺にしておこう。
「…………みんな疲れてるね」
サウザンドのレンガの街並みをランドロフと二人で歩きながら俺はそう口にする。
通行人や商売をしている人たちの表情には深いしわが刻まれており、誰一人笑みを浮かべている人はいない。
それはそうだろう。ここだっていつ獣人の軍勢に襲われるか分からないのだから。
ランドロフは少し視線を逸らしながら言った。
「さっさと冒険者ギルドに行こう」
ランドロフもランドロフで表情にはそこまで見せないものの非はかなり認めているのだろう。
隠しているつもりなのだろうが、今でもランドロフの拳は血でにじみそうになっている。
「…………うん。そうだね」
俺はその様子を見て少し口角を上げた。
やはり、誰も悪くないのだ。
誰も悪くないからこそ戦争が起きる。そして悲しい現状が生まれてしまう。
まだまだ俺とランドロフの間には深い深い溝が出来ている。
そんな溝がこの一年で埋めることが出来たらいいなと俺は冒険者ギルドに足を進めながら思った。
ランドロフは自分と俺に容姿を偽装する魔法をかけた。
すると、ランドロフは人間の容姿になる。
当然、街中に獣人が現れたとなるとどうなることか想像すらできない。
しかし、何故俺までしなければならないのだろうか。
このまま魔大陸に帰ったら誰も俺だとは気づかないだろう。
だが、ランドロフはいずれ分かると言ったっきり、何も答えてくれなかった。
「まずは冒険者にならないと。じゃないと戦闘許可も出してもらえないはず」
ということで、俺たちはまず、次の国に入ったら冒険者になることにした。
魔物との交戦も冒険者か軍人でなければ認められないのだ。
獣人の場合でも同じであろう。
そんな会話を交えながら俺たちは暗闇の中、ひたすら走り続けた。
そして日が昇り始めたころにこの全大陸の西端にある『サウザンド』にたどり着いた。
「…………はぁ。良かった」
俺はその高き城壁に四方を守られているサウザンドの様子を見て安堵の声を漏らす。
どうやら、サウザンドは陥落していなかったようだ。
「ここは五大国の中でも一番守備に力を入れているからね。後回しにされたんだろう」
俺は今にでも体力切れで倒れそうだというのに、隣にいるランドロフはいつものスカした表情のまま口にした。
そのランドロフの表情は太陽の光に照らされ、黄土色の短髪の髪がキラキラと輝いている。
そして、それがまるで付属品かと思うほどの整った顔立ち。
ってか、俺の周りイケメン多くない?
進化をすればするほど容姿は整うことは知っている。
しかし、ドラやラーク、グレードにランドロフ。そして最近では顔立ちではなくともその優しさであのゴブくんまでもがモテているという噂まで耳にした。
ちょっと待ってほしい。俺だってもう十五歳だ。
恋バナだってしてみたい年ごろである。
だが、現実を見てみよう。
まぁ俺だって時々だけど女性と話すことはあるんだよ?
でも、その時に俺が少しでも笑ったり、嬉しそうにしたりしたら奴がやってくるのだ。
そう、いつも夜になると俺に抱き着いてきて、俺の肌を青白くしてくる奴が!
本当に血欲しさによくあそこまで出来るものだ。
おっと話がそれてしまった。
だからですね? 正直言ってそんなことしてる暇ないのは理解してるつもりなんですけど、先ほどランドロフ君に少しイケメンになるように再びお願いしました。
すると、
「……………………いやだ」
なんでだよおおおおおおぉぉぉ!
と叫びそうになったが叫ばなかった俺を誰か褒めてほしい。
ってか普通はしてくれるもんじゃないの? ってかランドロフって捕虜の身のはずだよね?
まぁこの話はここら辺にしておこう。
「…………みんな疲れてるね」
サウザンドのレンガの街並みをランドロフと二人で歩きながら俺はそう口にする。
通行人や商売をしている人たちの表情には深いしわが刻まれており、誰一人笑みを浮かべている人はいない。
それはそうだろう。ここだっていつ獣人の軍勢に襲われるか分からないのだから。
ランドロフは少し視線を逸らしながら言った。
「さっさと冒険者ギルドに行こう」
ランドロフもランドロフで表情にはそこまで見せないものの非はかなり認めているのだろう。
隠しているつもりなのだろうが、今でもランドロフの拳は血でにじみそうになっている。
「…………うん。そうだね」
俺はその様子を見て少し口角を上げた。
やはり、誰も悪くないのだ。
誰も悪くないからこそ戦争が起きる。そして悲しい現状が生まれてしまう。
まだまだ俺とランドロフの間には深い深い溝が出来ている。
そんな溝がこの一年で埋めることが出来たらいいなと俺は冒険者ギルドに足を進めながら思った。
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