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一話 一族から追放される
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「頑張れ! アレン!」
「頑張ってね! アレンちゃん!」
「うん! 行ってきます!」
そう。あれは俺が十二歳になった日。
俺が生まれた一族は先祖が竜を従えた歴代最強のテイマーの血が流れているテイマーの一族なのだ。
なので、十二歳になれば強制的に獣と契約をさせられる。
それは両親が用意した獣に契約をするという儀式のようなものだ。
当然両親は張り切って珍しい獣や強い獣などを用意する。
しかし、俺は三人兄弟の三男で、最弱テイマーと一族で呼ばれているほど才能がない。
なので族長に無理を言って俺だけ特別に自分で獣を見つけ、自分の力で契約するという方法になった。
それは俺が儀式に失敗して両親に恥をかかせるわけにはいかないと思ったからだ。
「よし頑張るぞ!」
俺はこうして試行錯誤しながら一日かけ一体の獣との契約を交わすことに成功したのだ。
「ただいま戻りました!」
俺が儀式の間に入るとそこには五十人も超える一族の全員が集まっていた。
族長は玉座に座っており、両親はその隣にいる。
そして残りは二階に俺を囲むように座っている。
「戻ったかアレン。獣との契約は交わせたのか?」
族長が表情を一切動かさず俺に問う。
俺は満面の笑みで答える。
「はい! 一体だけでしたが契約は交わすことが出来ました!」
「「「「おお!」」」」
二階からどよめきの声が聞こえる。
それはそうだ。この中で一番最弱。
しかも、俺は今まで練習で一度も契約魔法を成功させたことがなかったのだから。
「見せてみなさい」
「分かりました!」
俺は外で待機させていた獣を連れてもう一度中に入る。
「この子です! 初めて見る獣でしたが何という獣なのでしょうか?」
俺は今までで一番嬉しそうに一族のみんなに見せた。
今俺の隣で手を繋いでいる獣は少し体は緑であるものの、人間のような恰好をしている。
今まで獣について多くの知識を蓄えてきた俺だが一度も見たことのない獣だった。
みんなも俺が本当に契約を交わせたことに驚いているのか口を開けて唖然としている。
それも今まで微動だにしなかった村長までもだ。
「これで俺も立派なテイマーですよね?」
儀式で獣と契約できたテイマーは族長に認められ、この村を出て王都で冒険者として活動することが認められるのだ。
しかも、この一族出身のテイマーはブランドのようなものでそこらのテイマーなんかよりずっと待遇されるらしい。
今からでもすごく外での冒険者生活が楽しみだ。
そんなことを考えていると二階にいる俺の叔母に当たるソニアさんが急に、
「きゃああああああああああぁぁぁ!」
まるで断末魔と錯覚してしまうような声をだした。
それを境に多くの人がソニアさんのように叫び、恐れ、この建物から逃げるように去っていった。
「…………え? どういうことですか!」
「きゃああああ!」
「うわあああああぁぁ!」
そんな俺の声も叫び声にぶり潰され誰にも聞こえることはない。
そして一段落ついたころにはこの建物に両親と族長しか残っていなかった。
「…………何か悪いことでもしましたか?」
俺は恐る恐る族長に聞く。
すると族長は今まで見せたこともないような表情をして言った。
「アレン! 今すぐこの一族から出ていけ! サレロ、レーナ! あの忌み子をさっさとこの一族か連れ出せ!」
「「わ、分かりました!」」
両親は族長に頭を下げ、母は俺の腕を無理矢理引っ張り、父は俺の獣を紐で拘束し建物をからオレを連れ出した。
そしてそのまま連れられて行くこと数分――
「お前はもう俺たちの子じゃない!」
「なんで…………あなたみたいな子を産んでしまったの?」
父は血管を浮き上がらせながら、母は泣きながら言った。
「え…………どういう?」
まるで今までの両親とは別人のようだった。
「お前が契約をしたそれは魔物、『ゴブリン』なんだよ! 魔物と契約が出来るなんて忌み子しかいないんだ! お前は俺たちの子じゃない!」
「なんで…………お父さ――」
「早くここから出ていって!」
お母さんは俺を睨みながら言った。
「【ユニコーン】連れて行け!」
父は何もない場所から白く、大きな角を持った獣、ユニコーンを召喚した。
そしてユニコーンは俺を背中に乗せ、そのゴブリンと呼ばれた獣を口でくわえ、そのまま村を去るように走り始めた。
「お父さん! お母さん!」
その声は届くことなく夜の静けさにのまれてしまった。
「頑張ってね! アレンちゃん!」
「うん! 行ってきます!」
そう。あれは俺が十二歳になった日。
俺が生まれた一族は先祖が竜を従えた歴代最強のテイマーの血が流れているテイマーの一族なのだ。
なので、十二歳になれば強制的に獣と契約をさせられる。
それは両親が用意した獣に契約をするという儀式のようなものだ。
当然両親は張り切って珍しい獣や強い獣などを用意する。
しかし、俺は三人兄弟の三男で、最弱テイマーと一族で呼ばれているほど才能がない。
なので族長に無理を言って俺だけ特別に自分で獣を見つけ、自分の力で契約するという方法になった。
それは俺が儀式に失敗して両親に恥をかかせるわけにはいかないと思ったからだ。
「よし頑張るぞ!」
俺はこうして試行錯誤しながら一日かけ一体の獣との契約を交わすことに成功したのだ。
「ただいま戻りました!」
俺が儀式の間に入るとそこには五十人も超える一族の全員が集まっていた。
族長は玉座に座っており、両親はその隣にいる。
そして残りは二階に俺を囲むように座っている。
「戻ったかアレン。獣との契約は交わせたのか?」
族長が表情を一切動かさず俺に問う。
俺は満面の笑みで答える。
「はい! 一体だけでしたが契約は交わすことが出来ました!」
「「「「おお!」」」」
二階からどよめきの声が聞こえる。
それはそうだ。この中で一番最弱。
しかも、俺は今まで練習で一度も契約魔法を成功させたことがなかったのだから。
「見せてみなさい」
「分かりました!」
俺は外で待機させていた獣を連れてもう一度中に入る。
「この子です! 初めて見る獣でしたが何という獣なのでしょうか?」
俺は今までで一番嬉しそうに一族のみんなに見せた。
今俺の隣で手を繋いでいる獣は少し体は緑であるものの、人間のような恰好をしている。
今まで獣について多くの知識を蓄えてきた俺だが一度も見たことのない獣だった。
みんなも俺が本当に契約を交わせたことに驚いているのか口を開けて唖然としている。
それも今まで微動だにしなかった村長までもだ。
「これで俺も立派なテイマーですよね?」
儀式で獣と契約できたテイマーは族長に認められ、この村を出て王都で冒険者として活動することが認められるのだ。
しかも、この一族出身のテイマーはブランドのようなものでそこらのテイマーなんかよりずっと待遇されるらしい。
今からでもすごく外での冒険者生活が楽しみだ。
そんなことを考えていると二階にいる俺の叔母に当たるソニアさんが急に、
「きゃああああああああああぁぁぁ!」
まるで断末魔と錯覚してしまうような声をだした。
それを境に多くの人がソニアさんのように叫び、恐れ、この建物から逃げるように去っていった。
「…………え? どういうことですか!」
「きゃああああ!」
「うわあああああぁぁ!」
そんな俺の声も叫び声にぶり潰され誰にも聞こえることはない。
そして一段落ついたころにはこの建物に両親と族長しか残っていなかった。
「…………何か悪いことでもしましたか?」
俺は恐る恐る族長に聞く。
すると族長は今まで見せたこともないような表情をして言った。
「アレン! 今すぐこの一族から出ていけ! サレロ、レーナ! あの忌み子をさっさとこの一族か連れ出せ!」
「「わ、分かりました!」」
両親は族長に頭を下げ、母は俺の腕を無理矢理引っ張り、父は俺の獣を紐で拘束し建物をからオレを連れ出した。
そしてそのまま連れられて行くこと数分――
「お前はもう俺たちの子じゃない!」
「なんで…………あなたみたいな子を産んでしまったの?」
父は血管を浮き上がらせながら、母は泣きながら言った。
「え…………どういう?」
まるで今までの両親とは別人のようだった。
「お前が契約をしたそれは魔物、『ゴブリン』なんだよ! 魔物と契約が出来るなんて忌み子しかいないんだ! お前は俺たちの子じゃない!」
「なんで…………お父さ――」
「早くここから出ていって!」
お母さんは俺を睨みながら言った。
「【ユニコーン】連れて行け!」
父は何もない場所から白く、大きな角を持った獣、ユニコーンを召喚した。
そしてユニコーンは俺を背中に乗せ、そのゴブリンと呼ばれた獣を口でくわえ、そのまま村を去るように走り始めた。
「お父さん! お母さん!」
その声は届くことなく夜の静けさにのまれてしまった。
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