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ダンジョン
決着
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「マルク様! 続けてお願いします!」
「分かった! 風の加護のもとに…………【暴風龍】!」
断末魔を上げて膝を地につけた魔族に向かってマルクは暴風を放った。
かすっただけでも皮膚が避けそうなほどの暴風。
かの魔族でもまともに食らえば無傷では済まないはずだ。
「ク! コザカシイマネヲ、シヤガッテ!」
魔族は焼けた背中を押さえながらもその暴風を避けようと体をねじらせる。
しかし、避けた場所にすかさずキールが門を開く。
「【転移】!」
その暴風はきれいに消滅し、またもや魔族の背後に出現する。
やはりこの二人の連携には目を見張るものがある。
こんな方法で戦われたら打開策など見いだせる気がしない。
しかし、
「ニドモ、オナジテガ、ツウヨウスルカヨ!」
魔族はまるで分っていたかのように背後を振り向き、魔法を切り裂いた。
そして、そのままキールが行使した門へと体を投げ出す。
「オラヨッ!」
「…………ぐはっ!」
上手く転移を利用されたのだ。
キールの横の突如現れた魔族はキールを横蹴りで壁へと吹っ飛ばす。
キールはその場で血反吐を吐いて気絶してしまった。やはり威力が桁違いなのだろう。
「キール!」
「オマエノ、マホウハ、ナカナカヨカッタゾ!」
「…………うっ!」
数メートルの距離を魔族は一瞬で詰めて、マルクの腹に拳をめり込ませた。
マルクはその場で跪き、気を失ってしまう。
この一瞬で二人も気絶させられた。やはり魔族は実力が違うようだ。
となると残りは私とアレンだけである。
「ちっ! エリス! 下がってくれ!」
「分かったわ」
先ほど吹っ飛ばされたアレンは満身創痍で戦場に戻ってきた。
そして、何か策があるのか大楯をその場に捨てる。
そのアレンの命令によって私は二人から距離を置く。
魔族はその様子を見て少しつまらなそうに発する。
「ナンダ? モットタノシク、コロシアオウゼ!」
「…………ふぅ。【聖剣の顕現】」
その瞬間、アレンの手から一本の光の刃が顕現する。
それはまるで聖なる光。神々しく輝いていた。
まるでおとぎ話の勇者を見ているかのようだ。
「…………ソウカ。ナラ、オレモゼンリョクデ、コタエヨウ!」
魔族もそれを一目見て危ない武器だと理解したのだろう。
真剣な表情を浮かべて使ってこなかった長剣を構える。
しかし、今度はアレンが無気力だと言わんばかりに口にした。
「いや、全力は出さなくていい。出す前に終わるから」
「ナ、ナニ、ナメタコトイッテン――」
「死ね。害虫が」
その魔族の言葉を遮るようにアレンは光の剣を振り下ろす。
それは無慈悲なる一撃であり、すべての悪を滅ぼすような斬撃である。
流石にこの斬撃をまともに食らえば魔族でも死ぬであろう。
私の【殺戮の鉄鍋】でも受け流せるかどうか。
しかし、そんな斬撃であるにもかかわらず、
「ア、アブナカッタ! アンナコウゲキ、ハンソクダロ!」
「…………は?」
飄々とした魔族を見てアレンは驚愕を顕わにする。
アレンの絶対的なスキルが破られたのだから。
スキルとはその本人の最後の頼りの綱。必殺技と言っていもいい。
そして、そんなアレンに魔族は、
「サッキノオカエシダ!」
「…………あああぁぁ!」
鋭く重たい拳がアレンの顔面にめり込まれる。
そして、そのまま三回ほど転がされて吹っ飛んだ。
「ジャア、ヒーラーノオンナ。オマエデサイゴダ」
残った私を見て魔族はにんまり笑みを浮かべた。
そして、同じように私も笑みを浮かべたのだった。
「分かった! 風の加護のもとに…………【暴風龍】!」
断末魔を上げて膝を地につけた魔族に向かってマルクは暴風を放った。
かすっただけでも皮膚が避けそうなほどの暴風。
かの魔族でもまともに食らえば無傷では済まないはずだ。
「ク! コザカシイマネヲ、シヤガッテ!」
魔族は焼けた背中を押さえながらもその暴風を避けようと体をねじらせる。
しかし、避けた場所にすかさずキールが門を開く。
「【転移】!」
その暴風はきれいに消滅し、またもや魔族の背後に出現する。
やはりこの二人の連携には目を見張るものがある。
こんな方法で戦われたら打開策など見いだせる気がしない。
しかし、
「ニドモ、オナジテガ、ツウヨウスルカヨ!」
魔族はまるで分っていたかのように背後を振り向き、魔法を切り裂いた。
そして、そのままキールが行使した門へと体を投げ出す。
「オラヨッ!」
「…………ぐはっ!」
上手く転移を利用されたのだ。
キールの横の突如現れた魔族はキールを横蹴りで壁へと吹っ飛ばす。
キールはその場で血反吐を吐いて気絶してしまった。やはり威力が桁違いなのだろう。
「キール!」
「オマエノ、マホウハ、ナカナカヨカッタゾ!」
「…………うっ!」
数メートルの距離を魔族は一瞬で詰めて、マルクの腹に拳をめり込ませた。
マルクはその場で跪き、気を失ってしまう。
この一瞬で二人も気絶させられた。やはり魔族は実力が違うようだ。
となると残りは私とアレンだけである。
「ちっ! エリス! 下がってくれ!」
「分かったわ」
先ほど吹っ飛ばされたアレンは満身創痍で戦場に戻ってきた。
そして、何か策があるのか大楯をその場に捨てる。
そのアレンの命令によって私は二人から距離を置く。
魔族はその様子を見て少しつまらなそうに発する。
「ナンダ? モットタノシク、コロシアオウゼ!」
「…………ふぅ。【聖剣の顕現】」
その瞬間、アレンの手から一本の光の刃が顕現する。
それはまるで聖なる光。神々しく輝いていた。
まるでおとぎ話の勇者を見ているかのようだ。
「…………ソウカ。ナラ、オレモゼンリョクデ、コタエヨウ!」
魔族もそれを一目見て危ない武器だと理解したのだろう。
真剣な表情を浮かべて使ってこなかった長剣を構える。
しかし、今度はアレンが無気力だと言わんばかりに口にした。
「いや、全力は出さなくていい。出す前に終わるから」
「ナ、ナニ、ナメタコトイッテン――」
「死ね。害虫が」
その魔族の言葉を遮るようにアレンは光の剣を振り下ろす。
それは無慈悲なる一撃であり、すべての悪を滅ぼすような斬撃である。
流石にこの斬撃をまともに食らえば魔族でも死ぬであろう。
私の【殺戮の鉄鍋】でも受け流せるかどうか。
しかし、そんな斬撃であるにもかかわらず、
「ア、アブナカッタ! アンナコウゲキ、ハンソクダロ!」
「…………は?」
飄々とした魔族を見てアレンは驚愕を顕わにする。
アレンの絶対的なスキルが破られたのだから。
スキルとはその本人の最後の頼りの綱。必殺技と言っていもいい。
そして、そんなアレンに魔族は、
「サッキノオカエシダ!」
「…………あああぁぁ!」
鋭く重たい拳がアレンの顔面にめり込まれる。
そして、そのまま三回ほど転がされて吹っ飛んだ。
「ジャア、ヒーラーノオンナ。オマエデサイゴダ」
残った私を見て魔族はにんまり笑みを浮かべた。
そして、同じように私も笑みを浮かべたのだった。
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