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三章 暗躍
幹部集合
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「…………えぐすぎだろ」
俺の視界が開けた時にはそんな言葉しか残せなかった。
地獄絵図と言った方がいいだろうか。
俺と校長は少し豪華そうな部屋に転移させられた。
拷問かな? 脅迫かな? じらしプレイかな?
「じゃあさっさと話そうよん。面倒なこと私は嫌いなの」
マーリンは蒼白した俺の表情を見て優美な笑みを浮かべた。
まぁ正直、焦ることでもないがここは焦っておいた方がいいだろう。
ここで焦らなければいつ焦るというのだ。
「「「「「「このガキが魔王様の座を狙うやつか」」」」」」
マーリンと校長を除いた六人の幹部たちが俺を囲むように立って言った。
マーリンは絶世の美女。校長は叔父様的な感じ。
残りの六人の幹部もどのような人たちかと楽しみにしていたが、期待以上だった。
マッチョマッチョマッチョマッチョマッチョ!
全員筋肉マッチョだ。
男性が四人。女性が二人。女性も男性並みのマッチョだ。
完全に物理特化だろ。とツッコみたくなる容姿である。
「魔王様舐めてんなら考え改めた方がいいぞ?」
その言葉からは少し威圧が乗っている。普通の魔族なら気を失ってもおかしくない。
しょぼい覇気と言えばいいだろうか。
「ふ~ん。君がね~」
そしてその背後。玉座に堂々と座っているのが四天王の一人だろう。
魔王でもないのに貫禄がある。少々の手練れだろう。勇者時代なら負けていてもおかしくない。
「おい! どいうことだマーリン!」
校長は聞いてないぞ! と言わんばかりに吠える。
しかし、マーリンはたぶらかすように誤魔化した。
「え? 私は知らなーい。エルク様に命令された通りに行動しただけだわ」
「そうだよ。僕が頼んだんだ」
玉座に座っている四天王は頬杖をついた状態で言う。
そう。今の俺と校長は、
「はめたな! お前たち!」
相手の陣地のど真ん中に呼び出されてしまったのだ。
完全にはめられたと言っていいだろう。
「その答えには少し語弊があるな。説得してやろうと思ったんだよ」
エルクはにんまりと歪な笑みを浮かべて言った。
「説得という言葉に暴力が入っていないこと願うよ」
俺は皮肉のようにエルクに言う。
一瞬で理解した。今はこいつには敬意を表さなくていいと。
当然。今のこの現状では完全に俺たちの方が劣勢である。
校長が一人幹部を抑えてくれるとして、残り六人を相手するのは常識からして無理だ。
まぁ今の俺ならいけるだろうが。
そして、そんなことを考えていると同時にこちら側に四天王が一人しかいない理由が分かった気がする。
結局、力だけではこの世界は成り立たない。それを理解した大人の魔族たちが旧魔王の方についているだろう。
まぁ完全に大人になりきれていない。その言葉に尽きる。
「あぁ? 調子乗ってんのかこのガキ?」
一人の幹部が俺に向かってガンを飛ばしてくる。
豚頭族であろう。巨大な肉体に飛び込みたくなるような出た腹。
「校長。これってもみ消せる系?」
「…………はぁ。本当に若い者は…………いいですよ! やりたいならやってくださいよ!」
校長はもう割り切ったような表情をして俺に言ってきた。
どうやら許可が下りたと考えていだろう。
どこかハデスと似たようなものを感じた気がするのは置いておこう。
「何ごちゃごちゃ言ってんだよ!」
オークの巨体から大きな拳が俺の頬めがけて飛んでくる。
本当に魔族はすぐに暴力で解決しようとする。
まぁ今から俺も同じようにするのだけれど。
「【跪け】」
俺はただ一言ボソッと呟いた。
その瞬間、オークの目から黒い瞳孔が刈り取られる。
その後、力が抜けたように顔面から地面に倒れた。
バタッ! バタッ! バタッ!
その範囲はこの部屋全体にしている。
この幹部同様に、残りの幹部五人も気絶した。
ってか本当に便利だな。この能力。
俺のスキルの補助がなければ連発して使えていなかった。本当に今ではこのスキルに感謝している。
まぁスキルの話はあとでするとして、
「やっぱりマーリンさんはこちら側でしたか」
「そんな見分け方ってあるの!? びっくりしたわぁ!」
特に辛い表情をしていないマーリンは苦笑いしながら俺を見てくる。
この部屋で幹部であるにもかかわらず無害であるということは魔王の加護を受け取った者。校長と同じ側ということである。
「ちっ! 本当に幹部たちは使えねぇな!」
しかし、気絶していないエルクもそうなのかと聞かれると違うようだ。
俺の視界が開けた時にはそんな言葉しか残せなかった。
地獄絵図と言った方がいいだろうか。
俺と校長は少し豪華そうな部屋に転移させられた。
拷問かな? 脅迫かな? じらしプレイかな?
「じゃあさっさと話そうよん。面倒なこと私は嫌いなの」
マーリンは蒼白した俺の表情を見て優美な笑みを浮かべた。
まぁ正直、焦ることでもないがここは焦っておいた方がいいだろう。
ここで焦らなければいつ焦るというのだ。
「「「「「「このガキが魔王様の座を狙うやつか」」」」」」
マーリンと校長を除いた六人の幹部たちが俺を囲むように立って言った。
マーリンは絶世の美女。校長は叔父様的な感じ。
残りの六人の幹部もどのような人たちかと楽しみにしていたが、期待以上だった。
マッチョマッチョマッチョマッチョマッチョ!
全員筋肉マッチョだ。
男性が四人。女性が二人。女性も男性並みのマッチョだ。
完全に物理特化だろ。とツッコみたくなる容姿である。
「魔王様舐めてんなら考え改めた方がいいぞ?」
その言葉からは少し威圧が乗っている。普通の魔族なら気を失ってもおかしくない。
しょぼい覇気と言えばいいだろうか。
「ふ~ん。君がね~」
そしてその背後。玉座に堂々と座っているのが四天王の一人だろう。
魔王でもないのに貫禄がある。少々の手練れだろう。勇者時代なら負けていてもおかしくない。
「おい! どいうことだマーリン!」
校長は聞いてないぞ! と言わんばかりに吠える。
しかし、マーリンはたぶらかすように誤魔化した。
「え? 私は知らなーい。エルク様に命令された通りに行動しただけだわ」
「そうだよ。僕が頼んだんだ」
玉座に座っている四天王は頬杖をついた状態で言う。
そう。今の俺と校長は、
「はめたな! お前たち!」
相手の陣地のど真ん中に呼び出されてしまったのだ。
完全にはめられたと言っていいだろう。
「その答えには少し語弊があるな。説得してやろうと思ったんだよ」
エルクはにんまりと歪な笑みを浮かべて言った。
「説得という言葉に暴力が入っていないこと願うよ」
俺は皮肉のようにエルクに言う。
一瞬で理解した。今はこいつには敬意を表さなくていいと。
当然。今のこの現状では完全に俺たちの方が劣勢である。
校長が一人幹部を抑えてくれるとして、残り六人を相手するのは常識からして無理だ。
まぁ今の俺ならいけるだろうが。
そして、そんなことを考えていると同時にこちら側に四天王が一人しかいない理由が分かった気がする。
結局、力だけではこの世界は成り立たない。それを理解した大人の魔族たちが旧魔王の方についているだろう。
まぁ完全に大人になりきれていない。その言葉に尽きる。
「あぁ? 調子乗ってんのかこのガキ?」
一人の幹部が俺に向かってガンを飛ばしてくる。
豚頭族であろう。巨大な肉体に飛び込みたくなるような出た腹。
「校長。これってもみ消せる系?」
「…………はぁ。本当に若い者は…………いいですよ! やりたいならやってくださいよ!」
校長はもう割り切ったような表情をして俺に言ってきた。
どうやら許可が下りたと考えていだろう。
どこかハデスと似たようなものを感じた気がするのは置いておこう。
「何ごちゃごちゃ言ってんだよ!」
オークの巨体から大きな拳が俺の頬めがけて飛んでくる。
本当に魔族はすぐに暴力で解決しようとする。
まぁ今から俺も同じようにするのだけれど。
「【跪け】」
俺はただ一言ボソッと呟いた。
その瞬間、オークの目から黒い瞳孔が刈り取られる。
その後、力が抜けたように顔面から地面に倒れた。
バタッ! バタッ! バタッ!
その範囲はこの部屋全体にしている。
この幹部同様に、残りの幹部五人も気絶した。
ってか本当に便利だな。この能力。
俺のスキルの補助がなければ連発して使えていなかった。本当に今ではこのスキルに感謝している。
まぁスキルの話はあとでするとして、
「やっぱりマーリンさんはこちら側でしたか」
「そんな見分け方ってあるの!? びっくりしたわぁ!」
特に辛い表情をしていないマーリンは苦笑いしながら俺を見てくる。
この部屋で幹部であるにもかかわらず無害であるということは魔王の加護を受け取った者。校長と同じ側ということである。
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