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第ニ部 loves
第七十七話 【マスターの秘密】
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式場を後にし、出勤をするためにカフェレストランへと向かう。そういえば、ほたるに昨日のお弁当を全て食べれらなかった理由を説明し、謝ることを完全に忘却していた。このまま黙っていれば、彼女も俺が食べたのだと思い込んだままであろうが、なんだかそれも後ろめたい。駐車場に車を停めたタイミングで謝罪の文面を送ったが、返信はくるだろうか。
建物内に足を踏み込むと、何やら騒がしい。俺の出勤にいち早く気が付いた花邑さんが、パタパタと駆け寄ってきた。
「マ、マスター! おはようございます、早いんですね」
「花邑さん、おはようございます。ちょっと式場の方で用事があって……それより、何かあったのですか?」
「電話をしようかと思っていたので、丁度良かったです……」
「……?」
現在、開店時間の約二時間前。客席の清掃の途中であろう花邑さんは、何やら慌てた様子。そこへ、キッチンから山岡さんと月山さんが姿を現した。
「マスター! おはようございます」
「おはようございます。何事ですか?」
「実は……今日出勤の緑川と星野が高熱で出勤出来ないと電話があって」
山岡さんが無精髭の奥の唇を、困ったように歪める。二人揃って発熱とは、なかなかに悪いタイミングだ。
「今日のご予約は八組、二十名様でしたよね?」
「はい」
「時間帯は?」
「えっと……ちょっと待って下さいね」
月山さんが予約確認に受付へと駆ける。予約台帳を手に戻ってきた彼女は、指でなぞりながら確認をしてゆく。
「十一時台に二組五名、十二時台に五組十三名、十三時台に一組二名様です」
ここ最近はフリーのお客様もかなり多い。流石に花邑さん一人でホールを回すのは難しいだろう。キッチンも普段なら二人で十分だが、手の空いた時に皿洗いに入ってくれるホールの人員がいないことを考えると……予約の時間帯的にも厳しいものがある。
「わかりました。私がフロアとキッチンの両方に入りましょう」
「えぇ!?」
「何か問題が?」
普段は事務仕事とピアノ演奏に徹しているが、これでも繁忙期には俺もフロアに入る。経営を任されているのだからメニューもレシピも頭に入っているから調理も可能であるし、それなりに接客も出来るつもりだったのだが。
「あ……邪魔になりますかね?」
「そ、そんなことあるわけがないじゃないですか! むしろありがとうございます!」
「調理の邪魔になるのなら、キッチンでは食器の洗浄に徹することも出来ますから」
「ええ!? マスターに皿洗いをさせるわけには!」
先程からやけに月山さんのリアクションが大きい。花邑さんもおろおろと落ち着かない様子で俺をちらちらと見ている──なんだろう?
「皿洗いなら家でもしてますし、問題ありませ──」
「「えっ!?」」
月山さんが手にしていた予約台帳を床に落とし、花邑さんは口をあんぐりと開く。間に挟まれた山岡さんは眉間に皺を寄せて腕を組み、唸り始める始末。一体何だというのか。
「マスター、家で食器を洗われるんですか……?」
「……? ええ、まあ」
「彼女さん……婚約者さんは洗わないんですか?」
「洗いますよ? そこは交代制で──」
(…………ん?)
どうして月山さんは、彼女の存在を知っているのだろうか。まさか兄が何か吹き込んだのか──?
「昨日、ホテル側のレストランに食事に行ったんですよ……僕が月山と河根田、それに遠山を誘って。そこで副支配人が女性と食事をする場面に遭遇しまして。マスターの婚約者だと、紹介されました」
月山さんと花邑さんの顔色を伺うように、山岡さんが気まずげに言う。何故そんなに気まずげなのかと思ったが、俺の個人情報を知ってしまったことに対する罪悪感だったのかもしれない。
「……そうでしたか」
「「マスター!!」」
月山さんと花邑さんが、物凄い形相で俺へと詰め寄る。花邑さんに至っては俺の腕に掴みかかったほどだ。その手を月山さんが払いのけ、二人は無言で睨み合った。
「な……なんですか?」
「本当に、本当にあの方はマスターの婚約者なんですか?」
「本当にご自分で選ばれた相手なんですか? 弱味を握られているとかじゃなくてですか?」
「皿洗いが交代制って、一緒に住んでるってことですか?」
「マスター、お名前が『しゅうごさん』というのは本当ですか?」
「漢字はどう書くんですか?」
「ええっと……」
何だこの矢継ぎ早な質問は。二人は何故こんなにも必死なのか──というか、こんなことをしている場合ではない。
「いい加減にしないか二人共。そんなことは後でゆっくり聞けばいいだろう。今は仕事だ、開店時間に間に合わなくなるぞ!」
山岡さんの厳しい声が二人の背中を打った。彼のとどめの一言があると、いつも皆焦り顔で仕事に戻るのだが、今回は別だった──初めてのことだ。
「すみません山岡さん。でも、このままだと仕事に集中出来ません! マスター!」
山岡さんを一番恐れているはずの花邑さんが、己を奮い立たせるように拳を握りしめ俺を見つめる。仕事に集中出来ないとあってはこちらとしても困る。俺は山岡さんを一瞥すると溜め息を一つ吐き、先程の質問に答えることにした。
「……お二人が昨日会った女性は、私の婚約者で間違いありません」
「「…………!!」」
「弱味など握られていませんし、握ってもいません。私達は互いに互いを愛していますし、その気持ちが変わることもありません。将来も約束しているので、同棲もしています。あとは……ああ、名前ですね」
俺はスーツの内側から名刺入れを取り出し、彼女達にそれぞれ名刺を差し出す。受け取った二人はわなわなと震えながら、食い入るように名刺を見つめている。
「柊に悟り──で柊悟さん……素敵な名前……冬生まれなんですか?」
「ええ」
「いつですか!?」
「……十二月二十日ですが」
「お祝いさせて下さい!!」
「あ……ありがとうございます?」
「け、血液型は……?」
「A型ですが」
「「きゃあああああ!」」
「花邑っ! 月山っ!」
痺れを切らした山岡さんが、奇声を上げた二人を怒鳴り付ける。顔を赤くして興奮気味のこの女性達は一体何なんだ。
「すみませんーっ! 仕事に戻ります!」
「さっさとしろ! 仕込みが間に合わん!」
「私はフロアの掃除を手伝いますので」
「本当ですかマスター!?」
掃除機を手にした花邑さんが、真っ赤な顔のまま振り返る。テーブルを拭くためにダスターを手にした俺が近寄ると、彼女は背伸びをして小声で俺に耳打ちした。
「……緑川も星野も、マスターに婚約者がいらっしゃると聞いて、ショックで熱が出たんですよ。今日休みの河根田さんもだそうです」
「……ショックで?」
「そうです」
ほたるの存在が、どうして彼女たちにとってショックな出来事なのか……よく理解が出来ないが、今はそんなことを深く考えている余裕などない。この少ないメンバーでいかに一日を乗りきるのか、考えながら指示を出すのも俺の仕事なのである。
「とりあえず……急いで掃除を終わらせてしまいましょう。ここが済んだら私は仕込みの手伝いに行きますから」
「あ……あの、マスター」
「なんですか?」
掃除機からモップへと持ち変えた花邑さんは、遠慮がちに口を開く。
「『私』じゃなくて、この前みたく『俺』でもいいと思いますよ」
「……へ?」
「素が出てるのも……その、素敵だと思いますので……きゃぁぁぁぁぁっ!」
叫びながら俺に背を向けた花邑さんは、モップを握りしめ駆け出してしまった。みるみるうちに床が磨き上げられてゆく。
(何なんだ……一体)
本当に、女性──特にここに勤めている女性達の言動はよくわからない。ほたると暮らし始めてだいぶ女心が理解出来てきたと思ったいたが、どうやらまだまだのようだった。
建物内に足を踏み込むと、何やら騒がしい。俺の出勤にいち早く気が付いた花邑さんが、パタパタと駆け寄ってきた。
「マ、マスター! おはようございます、早いんですね」
「花邑さん、おはようございます。ちょっと式場の方で用事があって……それより、何かあったのですか?」
「電話をしようかと思っていたので、丁度良かったです……」
「……?」
現在、開店時間の約二時間前。客席の清掃の途中であろう花邑さんは、何やら慌てた様子。そこへ、キッチンから山岡さんと月山さんが姿を現した。
「マスター! おはようございます」
「おはようございます。何事ですか?」
「実は……今日出勤の緑川と星野が高熱で出勤出来ないと電話があって」
山岡さんが無精髭の奥の唇を、困ったように歪める。二人揃って発熱とは、なかなかに悪いタイミングだ。
「今日のご予約は八組、二十名様でしたよね?」
「はい」
「時間帯は?」
「えっと……ちょっと待って下さいね」
月山さんが予約確認に受付へと駆ける。予約台帳を手に戻ってきた彼女は、指でなぞりながら確認をしてゆく。
「十一時台に二組五名、十二時台に五組十三名、十三時台に一組二名様です」
ここ最近はフリーのお客様もかなり多い。流石に花邑さん一人でホールを回すのは難しいだろう。キッチンも普段なら二人で十分だが、手の空いた時に皿洗いに入ってくれるホールの人員がいないことを考えると……予約の時間帯的にも厳しいものがある。
「わかりました。私がフロアとキッチンの両方に入りましょう」
「えぇ!?」
「何か問題が?」
普段は事務仕事とピアノ演奏に徹しているが、これでも繁忙期には俺もフロアに入る。経営を任されているのだからメニューもレシピも頭に入っているから調理も可能であるし、それなりに接客も出来るつもりだったのだが。
「あ……邪魔になりますかね?」
「そ、そんなことあるわけがないじゃないですか! むしろありがとうございます!」
「調理の邪魔になるのなら、キッチンでは食器の洗浄に徹することも出来ますから」
「ええ!? マスターに皿洗いをさせるわけには!」
先程からやけに月山さんのリアクションが大きい。花邑さんもおろおろと落ち着かない様子で俺をちらちらと見ている──なんだろう?
「皿洗いなら家でもしてますし、問題ありませ──」
「「えっ!?」」
月山さんが手にしていた予約台帳を床に落とし、花邑さんは口をあんぐりと開く。間に挟まれた山岡さんは眉間に皺を寄せて腕を組み、唸り始める始末。一体何だというのか。
「マスター、家で食器を洗われるんですか……?」
「……? ええ、まあ」
「彼女さん……婚約者さんは洗わないんですか?」
「洗いますよ? そこは交代制で──」
(…………ん?)
どうして月山さんは、彼女の存在を知っているのだろうか。まさか兄が何か吹き込んだのか──?
「昨日、ホテル側のレストランに食事に行ったんですよ……僕が月山と河根田、それに遠山を誘って。そこで副支配人が女性と食事をする場面に遭遇しまして。マスターの婚約者だと、紹介されました」
月山さんと花邑さんの顔色を伺うように、山岡さんが気まずげに言う。何故そんなに気まずげなのかと思ったが、俺の個人情報を知ってしまったことに対する罪悪感だったのかもしれない。
「……そうでしたか」
「「マスター!!」」
月山さんと花邑さんが、物凄い形相で俺へと詰め寄る。花邑さんに至っては俺の腕に掴みかかったほどだ。その手を月山さんが払いのけ、二人は無言で睨み合った。
「な……なんですか?」
「本当に、本当にあの方はマスターの婚約者なんですか?」
「本当にご自分で選ばれた相手なんですか? 弱味を握られているとかじゃなくてですか?」
「皿洗いが交代制って、一緒に住んでるってことですか?」
「マスター、お名前が『しゅうごさん』というのは本当ですか?」
「漢字はどう書くんですか?」
「ええっと……」
何だこの矢継ぎ早な質問は。二人は何故こんなにも必死なのか──というか、こんなことをしている場合ではない。
「いい加減にしないか二人共。そんなことは後でゆっくり聞けばいいだろう。今は仕事だ、開店時間に間に合わなくなるぞ!」
山岡さんの厳しい声が二人の背中を打った。彼のとどめの一言があると、いつも皆焦り顔で仕事に戻るのだが、今回は別だった──初めてのことだ。
「すみません山岡さん。でも、このままだと仕事に集中出来ません! マスター!」
山岡さんを一番恐れているはずの花邑さんが、己を奮い立たせるように拳を握りしめ俺を見つめる。仕事に集中出来ないとあってはこちらとしても困る。俺は山岡さんを一瞥すると溜め息を一つ吐き、先程の質問に答えることにした。
「……お二人が昨日会った女性は、私の婚約者で間違いありません」
「「…………!!」」
「弱味など握られていませんし、握ってもいません。私達は互いに互いを愛していますし、その気持ちが変わることもありません。将来も約束しているので、同棲もしています。あとは……ああ、名前ですね」
俺はスーツの内側から名刺入れを取り出し、彼女達にそれぞれ名刺を差し出す。受け取った二人はわなわなと震えながら、食い入るように名刺を見つめている。
「柊に悟り──で柊悟さん……素敵な名前……冬生まれなんですか?」
「ええ」
「いつですか!?」
「……十二月二十日ですが」
「お祝いさせて下さい!!」
「あ……ありがとうございます?」
「け、血液型は……?」
「A型ですが」
「「きゃあああああ!」」
「花邑っ! 月山っ!」
痺れを切らした山岡さんが、奇声を上げた二人を怒鳴り付ける。顔を赤くして興奮気味のこの女性達は一体何なんだ。
「すみませんーっ! 仕事に戻ります!」
「さっさとしろ! 仕込みが間に合わん!」
「私はフロアの掃除を手伝いますので」
「本当ですかマスター!?」
掃除機を手にした花邑さんが、真っ赤な顔のまま振り返る。テーブルを拭くためにダスターを手にした俺が近寄ると、彼女は背伸びをして小声で俺に耳打ちした。
「……緑川も星野も、マスターに婚約者がいらっしゃると聞いて、ショックで熱が出たんですよ。今日休みの河根田さんもだそうです」
「……ショックで?」
「そうです」
ほたるの存在が、どうして彼女たちにとってショックな出来事なのか……よく理解が出来ないが、今はそんなことを深く考えている余裕などない。この少ないメンバーでいかに一日を乗りきるのか、考えながら指示を出すのも俺の仕事なのである。
「とりあえず……急いで掃除を終わらせてしまいましょう。ここが済んだら私は仕込みの手伝いに行きますから」
「あ……あの、マスター」
「なんですか?」
掃除機からモップへと持ち変えた花邑さんは、遠慮がちに口を開く。
「『私』じゃなくて、この前みたく『俺』でもいいと思いますよ」
「……へ?」
「素が出てるのも……その、素敵だと思いますので……きゃぁぁぁぁぁっ!」
叫びながら俺に背を向けた花邑さんは、モップを握りしめ駆け出してしまった。みるみるうちに床が磨き上げられてゆく。
(何なんだ……一体)
本当に、女性──特にここに勤めている女性達の言動はよくわからない。ほたると暮らし始めてだいぶ女心が理解出来てきたと思ったいたが、どうやらまだまだのようだった。
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