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第一部 owner&butler
第四十六話 【予感】
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店内は四人掛けのテーブル席がザッと見ても三十席程。ドームのような白い丸天井は高く、非常に開放感のある造りになっている。
テラス席に面した壁際は全面ガラス張りで、外にはウッドデッキが広がっている。その上に白パラソルを乗せたテーブルが二十席程。白い柵で囲まれたガーデンスペースはかなり広く、結婚式場にも面しているようだった。目線を遠くへ投げるとウェディングドレスを身に纏った花嫁さんが小さく見えた。
「葵、ネギケースいらないの?」
「いらん、いらん。私、そんなにネギ食べないもん」
注文したケーキと紅茶、それにオープンサンドを摘まみながら葵が顔の前でブンブンと手を振る。
「ほたるネギ好きなんだっけ?」
「セバスさんが好きなんだよね」
「どんだけ好きなのよ」
「ネギ?」
「違うよ、ほたるがセバ氏をだよ」
「う……ん」
「なに照れてんの?」
「だって」
好きだと認識したのは、本当につい最近のこと──失恋したと思った、あの時だった。ただの同居人──そんな風に思ったことなんて一度もなかったけれど、わたしは知らない間にセバスチャンのことを一人の男として見るようになっていたのだ。
「そりゃさー、一緒に住んでりゃいつかは惚れるでしょ。イケメンで料理も出来て掃除も得意? あとは?」
「気遣いが出来て優しい……あと、ちょっとした仕草も好き、かなあ」
「他には?」
「……ごはんも綺麗に食べるし、気品もあるし。ちょっと子供っぽいなってとこも可愛らしいし、わたしの意見も大事にしてくれる。それに……真面目なフリして実はちゃんと男の人だったり」
性欲は捨て置いた、などと言いながらも、わたしが着替える時には──勿論わたし自身も必ず背は向けるが──彼も席を外す。その辺の気遣いはしっかりするくせして、最近では入浴中に肌が触れようものなら跳ね上がって顔を赤らめるのだ。
「エロいってこと?」
「……そういう言い方は、ちょっと」
「ほたるさー、そういうの好きなくせに口にするのは恥ずかしがるよね」
「悪いかっ!」
「いーや、可愛いよ」
そう言って葵はケーキを頬張った。口に合ったようで、二口三口と頬張る。
「凄い好きなんだね、セバ氏のこと」
「……そうみたいだね」
「何よその言い方ー」
「だってここまで自覚なかったし……」
「裸で風呂場で抱きついたりしたのに?」
「そ、それは……その、あの時は必死だったし」
「そのまま抱かれてもいいって思うほどに必死だった?」
「……必死だった。お恥ずかしながら」
今思えば、本当に顔から火が出そうなほど恥ずかしい。恋人でもない男に対して、わたしはなんと大胆なことをしたのか。
「恥ずかしくないっしょ、別に」
「葵」
「ん?」
「ありがとね」
葵が口角を上げてニッと笑うと、遠くからピアノの音色が聴こえてきた。周りの会話からして、どうやら結婚式のプランの中に、オプションでピアノ演奏を追加できるサービスがあるようだった。
「この曲……」
距離はあるがマイクで音を拾っているのか、カフェにまでピアノのメロディが届く。聴き覚えのある曲にわたしは耳を澄ませた。
「……子犬のワルツ」
「へー、ほたる知ってんの?」
「うん……」
セバスチャンの車の中で聴いた曲だ。軽やかなテンポの可愛らしい曲。タイトルを訊くと、ハンドルを握る執事は微笑みながら教えてくれた。
「私さ、楽器とかよくわかんないんだけど、このピアノって上手いの?」
葵が紅茶を啜りながらわたしに問う。
「そんなの、わたしだってわかんな──」
「プロのピアニストと遜色ないですわよ!」
二人揃ってビクリと肩を跳ね上げると、隣の席の膨よかなマダムが、なんとも誇らしげに声を張り上げていた。その間にも曲目が変わる。
「あ……あはは、ありがとうございます……」
「お嬢さんたち、知らずに来たのかしら?」
「えっとー、何がですか?」
マダム曰く、このピアノ演奏のプランは基本的には平日限定らしい。どうしても、というお客がいるときに限り、土日にもそのプランが適用出来るのだそう。挙式の写真にピアノが入り込むのがお洒落だからといって、なかなか人気のあるプランらしい。
「ここの料理は勿論だけど、私達はこの演奏を聴くために平日によく来るの。日曜にもこの演奏が聴けるなんてラッキーですわよね~!」
「ラッキー?」
葵が首を傾げるので、わたしもつられてそれに倣う。いつの間にやらピアノの音は止まっていて、それに気が付くと同時に膨よかマダムの連れの細身マダムが黄色い歓声を上げた。
「な、なに?」
周りの席の女性たちも、細身マダム程ではないがキャッキャッと声を上げ、カフェの奥に視線を向けている。フロアにいるウエイトレス達までもが手を止め、チラチラとそちらの方を気にしている。
「あれ、ここピアノあるじゃん?」
「そう! そうなのよ!」
膨よかマダムが立ちあがり、カフェの奥のピアノ──グランドピアノに熱い視線を送っている。ピアノはカフェスペースよりも一段低いスペースに設置されているようだ。位置が低いのでよく見えないが、どうやら先程結婚式会場でピアノを弾いていた人物が現れたようだった。
「平日はこのカフェのマスターが、午前と午後にピアノを弾いて下さるの。日曜に聴けるなんて本当にラッキーだわ~!」
そうこうしている間にもピアノの演奏が始まった。ざわついていた店内が一気に静まり返る。
この曲にも聞き覚えがあった。確か──。
「──水の戯れ」
「ラヴェルですわね」
膨よかマダムがうっとりとした視線をピアノの方へと投げる。葵は興味無さげにオープンサンドを摘まんでいる。
わたしはといえば、水が流れるようなそのメロディにケーキを食べるのも忘れ、聴き入っていた。曲目が変わり、二曲目、三曲目と演奏が続く。
(全部、聴いたことのある曲だ)
朝、セバスチャンが口づさんでいる曲や、先日車内で聴いた曲。二曲目のタイトルは覚えていなかったが、最後の曲のタイトルがポロネーズだということはわかった。
曲が終わりに近づき、ふとピアノの方へと視線を投げると、演奏者の姿が人混みから垣間見えた。真っ白なカッターシャツを肘の下まで捲り上げ、左手首には銀の腕時計がきらりと輝いている。光沢のあるベストを羽織った体格の良い男性だった。ベストはウエイトレスの女性たちと揃いのようだ。髪が長いのか、頭の下の方で緩くお団子にして纏めあげていた。
「ちょっと待って……」
「どしたん、ほたる」
「いや、まさかね」
「なんぞ?」
落ち着くために、紅茶を飲もうとティーカップに口をつけた。マイクを持った店員の女性が、演奏者の挨拶があると言ってピアノの前にマイクを差し出した。
受け取ったマイクを手に、演奏者の立ち上がる気配。
「皆様、本日は御来店誠にありがとうございます。どうぞこの後もごゆっくり、御過ごし下さいませ」
マイクを持った演奏者が挨拶の後ににこりと微笑む。と同時に客席からまたしても歓声が上がった。
「ぶはっ!!」
「えええ!? ほたる!?」
「お客様! 大丈夫ですか!?」
驚きのあまり紅茶を吹き出す。駆け寄ってきたウエイトレスが────。
「た、珠緒さん!?」
「あれ、偽物……!? 失礼、ほたるさん……?」
ベストにカフェエプロン姿の珠緒 彩芽さんは、大きな瞳を見開きながら、わたしにタオルを差し出した。
「なんで、どういうこと……?」
ピアノの前では、マイクを片手に呆然とこちらを見やるセバスチャンの姿がはっきりと見えた。
テラス席に面した壁際は全面ガラス張りで、外にはウッドデッキが広がっている。その上に白パラソルを乗せたテーブルが二十席程。白い柵で囲まれたガーデンスペースはかなり広く、結婚式場にも面しているようだった。目線を遠くへ投げるとウェディングドレスを身に纏った花嫁さんが小さく見えた。
「葵、ネギケースいらないの?」
「いらん、いらん。私、そんなにネギ食べないもん」
注文したケーキと紅茶、それにオープンサンドを摘まみながら葵が顔の前でブンブンと手を振る。
「ほたるネギ好きなんだっけ?」
「セバスさんが好きなんだよね」
「どんだけ好きなのよ」
「ネギ?」
「違うよ、ほたるがセバ氏をだよ」
「う……ん」
「なに照れてんの?」
「だって」
好きだと認識したのは、本当につい最近のこと──失恋したと思った、あの時だった。ただの同居人──そんな風に思ったことなんて一度もなかったけれど、わたしは知らない間にセバスチャンのことを一人の男として見るようになっていたのだ。
「そりゃさー、一緒に住んでりゃいつかは惚れるでしょ。イケメンで料理も出来て掃除も得意? あとは?」
「気遣いが出来て優しい……あと、ちょっとした仕草も好き、かなあ」
「他には?」
「……ごはんも綺麗に食べるし、気品もあるし。ちょっと子供っぽいなってとこも可愛らしいし、わたしの意見も大事にしてくれる。それに……真面目なフリして実はちゃんと男の人だったり」
性欲は捨て置いた、などと言いながらも、わたしが着替える時には──勿論わたし自身も必ず背は向けるが──彼も席を外す。その辺の気遣いはしっかりするくせして、最近では入浴中に肌が触れようものなら跳ね上がって顔を赤らめるのだ。
「エロいってこと?」
「……そういう言い方は、ちょっと」
「ほたるさー、そういうの好きなくせに口にするのは恥ずかしがるよね」
「悪いかっ!」
「いーや、可愛いよ」
そう言って葵はケーキを頬張った。口に合ったようで、二口三口と頬張る。
「凄い好きなんだね、セバ氏のこと」
「……そうみたいだね」
「何よその言い方ー」
「だってここまで自覚なかったし……」
「裸で風呂場で抱きついたりしたのに?」
「そ、それは……その、あの時は必死だったし」
「そのまま抱かれてもいいって思うほどに必死だった?」
「……必死だった。お恥ずかしながら」
今思えば、本当に顔から火が出そうなほど恥ずかしい。恋人でもない男に対して、わたしはなんと大胆なことをしたのか。
「恥ずかしくないっしょ、別に」
「葵」
「ん?」
「ありがとね」
葵が口角を上げてニッと笑うと、遠くからピアノの音色が聴こえてきた。周りの会話からして、どうやら結婚式のプランの中に、オプションでピアノ演奏を追加できるサービスがあるようだった。
「この曲……」
距離はあるがマイクで音を拾っているのか、カフェにまでピアノのメロディが届く。聴き覚えのある曲にわたしは耳を澄ませた。
「……子犬のワルツ」
「へー、ほたる知ってんの?」
「うん……」
セバスチャンの車の中で聴いた曲だ。軽やかなテンポの可愛らしい曲。タイトルを訊くと、ハンドルを握る執事は微笑みながら教えてくれた。
「私さ、楽器とかよくわかんないんだけど、このピアノって上手いの?」
葵が紅茶を啜りながらわたしに問う。
「そんなの、わたしだってわかんな──」
「プロのピアニストと遜色ないですわよ!」
二人揃ってビクリと肩を跳ね上げると、隣の席の膨よかなマダムが、なんとも誇らしげに声を張り上げていた。その間にも曲目が変わる。
「あ……あはは、ありがとうございます……」
「お嬢さんたち、知らずに来たのかしら?」
「えっとー、何がですか?」
マダム曰く、このピアノ演奏のプランは基本的には平日限定らしい。どうしても、というお客がいるときに限り、土日にもそのプランが適用出来るのだそう。挙式の写真にピアノが入り込むのがお洒落だからといって、なかなか人気のあるプランらしい。
「ここの料理は勿論だけど、私達はこの演奏を聴くために平日によく来るの。日曜にもこの演奏が聴けるなんてラッキーですわよね~!」
「ラッキー?」
葵が首を傾げるので、わたしもつられてそれに倣う。いつの間にやらピアノの音は止まっていて、それに気が付くと同時に膨よかマダムの連れの細身マダムが黄色い歓声を上げた。
「な、なに?」
周りの席の女性たちも、細身マダム程ではないがキャッキャッと声を上げ、カフェの奥に視線を向けている。フロアにいるウエイトレス達までもが手を止め、チラチラとそちらの方を気にしている。
「あれ、ここピアノあるじゃん?」
「そう! そうなのよ!」
膨よかマダムが立ちあがり、カフェの奥のピアノ──グランドピアノに熱い視線を送っている。ピアノはカフェスペースよりも一段低いスペースに設置されているようだ。位置が低いのでよく見えないが、どうやら先程結婚式会場でピアノを弾いていた人物が現れたようだった。
「平日はこのカフェのマスターが、午前と午後にピアノを弾いて下さるの。日曜に聴けるなんて本当にラッキーだわ~!」
そうこうしている間にもピアノの演奏が始まった。ざわついていた店内が一気に静まり返る。
この曲にも聞き覚えがあった。確か──。
「──水の戯れ」
「ラヴェルですわね」
膨よかマダムがうっとりとした視線をピアノの方へと投げる。葵は興味無さげにオープンサンドを摘まんでいる。
わたしはといえば、水が流れるようなそのメロディにケーキを食べるのも忘れ、聴き入っていた。曲目が変わり、二曲目、三曲目と演奏が続く。
(全部、聴いたことのある曲だ)
朝、セバスチャンが口づさんでいる曲や、先日車内で聴いた曲。二曲目のタイトルは覚えていなかったが、最後の曲のタイトルがポロネーズだということはわかった。
曲が終わりに近づき、ふとピアノの方へと視線を投げると、演奏者の姿が人混みから垣間見えた。真っ白なカッターシャツを肘の下まで捲り上げ、左手首には銀の腕時計がきらりと輝いている。光沢のあるベストを羽織った体格の良い男性だった。ベストはウエイトレスの女性たちと揃いのようだ。髪が長いのか、頭の下の方で緩くお団子にして纏めあげていた。
「ちょっと待って……」
「どしたん、ほたる」
「いや、まさかね」
「なんぞ?」
落ち着くために、紅茶を飲もうとティーカップに口をつけた。マイクを持った店員の女性が、演奏者の挨拶があると言ってピアノの前にマイクを差し出した。
受け取ったマイクを手に、演奏者の立ち上がる気配。
「皆様、本日は御来店誠にありがとうございます。どうぞこの後もごゆっくり、御過ごし下さいませ」
マイクを持った演奏者が挨拶の後ににこりと微笑む。と同時に客席からまたしても歓声が上がった。
「ぶはっ!!」
「えええ!? ほたる!?」
「お客様! 大丈夫ですか!?」
驚きのあまり紅茶を吹き出す。駆け寄ってきたウエイトレスが────。
「た、珠緒さん!?」
「あれ、偽物……!? 失礼、ほたるさん……?」
ベストにカフェエプロン姿の珠緒 彩芽さんは、大きな瞳を見開きながら、わたしにタオルを差し出した。
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ピアノの前では、マイクを片手に呆然とこちらを見やるセバスチャンの姿がはっきりと見えた。
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