36 / 50
第二章
第三十五話 羞恥心にかられて
しおりを挟む
ものの数分もしないうちにマンダリーヌがアリシアを連れてやって来た。アリシアはすぐにアンナの止血を開始し、血が完全に止まった所で医務室へと運ばれた。
「あんな男に串刺しにされるとは……情けねえ」
「いえ、急所を避けたのですから、流石としか言いようがありません」
医務室のベッドの上で、アンナは不満げに眉を寄せる。それを取り囲むのは医師のアリシア、それにマンダリーヌの二人であった。ルヴィスはというと、別室で医師長のハクラと助手のルーチェによる治療を続けるエリックの監視中だ。
「ハァ……シャワー浴びたい……」
「アンナ様、とりあえず怪我の治療を」
「……汚い格好で申し訳ないな」
「滅相もありません」
「ほんっと……あのクソ野郎、許さん。一刻も早くシャワーを浴びたいというのに、刺しやがって」
「終わりましたら医務室のシャワールームを使って頂いて構いませんので」
「ありがとう、アリシア」
手慣れたもので、アリシアはアンナの治療をテキパキと開始する。胸の傷は何としても完治させようと張り切り、白衣の袖を捲った。
「…………万全の状態であれば絶対に傷など受けなかった」
「わかっております」
「……なあマンダリーヌ。あたしの神力量は少ないか?」
「いえ、そんなまさか」
アンナは先程目にしたエリックの莫大な神力量を気にしているのか、眉間に皺を寄せ視線を遠くに投げた。
「あの男……神力の扱いにかなり長けていた。量もあたしを凌駕していた」
「エリック・P・ローランドは母がエルフなのでしょう?」
「……ティリスではエルフの神力量に敵わないということか」
「それは事実ですが……扱い方次第では、優位に立てる思います」
「剣術と体術をもっと極めねば、いつかあの男に負けてしまうのは目に見えている」
「向上心が高いのは素晴らしいことです」
「……まだまだだ、あたしも」
そこからアンナは口を閉ざし、うとうとと微睡みながらアリシアの治療を受けた。この一週間、牢では気を張りまともに眠れていなかったので、目を覚まし時計の針の進み具合を見た時、自分が熟睡していたことに気がつき驚いた。
「すまない……眠るつもりはなかったんだが」
「たったの三十分ですよ。傷も綺麗になりました」
「腕を上げたな、アリシア。いつもすまない」
「いいえ」
「シャワー、借りるぞ」
「ゆっくりなさって下さい」
アンナは黒椿を手に、医務室の奥に備え付けられた簡素なシャワールームへと向かう。エリックは先に治療を終えたのか、隣の治療室は静かであった。
戸に鍵をかけ、衣服を脱ぎ去る。流石に着替えはないので同じものを着なければならないのが苦痛ではあるが、自室ではない以上仕方のないことであった。
(シナブルかフォードがいてくれれば……ここに来ていないということは、あたしの状況を知らされていないのか)
こういう怪我をした時はいつも、彼等のどちらかが必ず傍にいてくれた。なんとなく物足りなさを感じながら、蛇口を捻り湯を浴びた。
「はぁ……」
一週間ぶりに浴びる湯は最高であった。海水を被ってしまったせいで髪は軋み、肌はベタつきを増していた。それがいっぺんに流れてゆくのが心地よく、二度も洗髪をしたほどであった。
──ガシャァン!!
突然、シャワールーム入口のドアが激しい音を立て内側に吹き飛んだ。何事かとアンナは黒椿を抜刀し──。
「いっ……やああああああああああああっ!!!」
叫んだ。
「うるさいな」
ドアを吹き飛ばした犯人はエリックであった。医師のハクラもルーチェもエルフではなくティリスである為、アリシアのような回復術は使えない。ということはエリックはまだアンナのように完全に傷が癒えていないということだ。巻かれた包帯は少ないが、体の動きに精彩を欠いていた。
「アンナ様!」
声を聞きつけ、マンダリーヌとルヴィスがすぐに駆けつけた。ルヴィスは全裸のアンナを見て慌てて目を逸らし、マンダリーヌはといえば、背後からエリックを蹴り飛ばしアンナに駆け寄ると、タオルを手に取り彼女の体を男共の目から遮った。
「お前っ……人がシャワー浴びるてるときに襲うか、普通!?」
「関係ねえよ。お前何故生きている。俺は急所を貫いたぞ?」
「関係あるわ! ふざけんな! 男として最低だぞお前! それに急所なんてちゃんと刃が触れた瞬間にずらしたわ!」
タオルだけではアンナの魅惑的な肉体を隠し切ることができないようで、マンダリーヌは上着を彼女にかけようとボタンに手をかける。が、それにいち早く気が付いたルヴィスがサッと己の上着を脱ぎ足早にアンナに歩み寄る。
「急所をずらす? 意味がわからん」
「お前に教えるわけがないだろうが!」
「……ひょっとしてお前、裸を見られたことを怒っているのか? 前にも見ただろ?」
「あれは治療だろ! おまけに暗がりだったし! なんで全裸でお前と戦わないといけねえんだよ!」
「そうよ! 最低よ!」
と、ここでマンダリーヌの援護射撃がエリックを襲う。まさかの反撃に一瞬怯んだ隙に、ルヴィスはアンナの元へと辿り着いた。
「姉上。俺のほうが大きいので、こちらをアンナ様に」
「ああ……ありがとうルヴィス」
マンダリーヌの上着を脱ぎ、ルヴィスの上着を受け取るアンナ。その際目の前で再び露わになった肉体を、ルヴィスは遠慮がちに見つめてしまう。
「あんたなんて、レン様に叱られればいいのよ!」
「……あの妹溺愛変態兄貴か」
「言い過ぎだけど……正しいわね」
「あの男が何故こんな女を溺愛しているのかさっぱりわからんな」
「あなた……アンナ様の魅力がわからないの?」
「この女のどこに魅力がある」
「全部よ!」
「あの、マ……マンダリーヌ?」
マンダリーヌがここまで白熱する姿を見るのは初めてのことであった。余程気が立っているのか、彼女はエリックに詰め寄り下から睨みつけた。
「人は皆アンナ様のことを見かけの美しさでしか評価しないけれど……アンナ様は内面こそ美しいのよ。ご自分には厳しいのに、家族に対してどれだけお優しいか知ってる? お心も強いのよ、責任感も強くて芯のあるお方よ。それに──」
「マンダリーヌやめてくれ、恥ずかしい」
「こんな口の悪い女、願い下げだ。外見はコレなのに、口の悪さで台無しだ」
「それはあなたもでしょう?」
「俺は……別に、男だからいいだろ」
「男も女も関係ないわよ。昔……レン様もそうだったけれど、そういうお年頃なのよ。格好をつけたいお年頃なのよ。あなたもでしょう?」
「マンダリーヌ! あたしは別に、そういう訳じゃ……」
「違いました? レン様はそうだったので、ご兄妹で同じなのかと」
マンダリーヌの主であるレンも確かに、アンナと同じ年の頃、同じような姿であった。品はあるものの言葉遣いだけがどうも刺々しい兄と妹。
「お二人共見目麗しいのですから、お言葉も美しければ更に魅力が増すでしょうに。まあ、そういうお年頃ですから、仕方ありませんよね……」
ルヴィスは呆気に取られる。アンナの言葉遣いはいつかは正さねばならないのだろうと誰もが思っていたが、まさかこんな形で矯正が入るとは。故意か過失か、姉はかなりの策士であった。
「マ……マンダリーヌ、お前」
「さあアンナ様。私のように喋って下さいまし」
「ハッ。こんな女には無理な話だろ」
「エリック様もですよ? お二人のどちらが先に身につけられますかね。そんなに難しいことではないとは思うのですが」
マンダリーヌは大層命知らずな発言をしたというのに、アンナはそれを気にも留めず、エリックを睨みつける。彼は余裕のある表情で、挑発するように鼻でアンナを笑った。
「まあ俺は、こんなこと簡単だけどな」
「……はぁ?」
「そのくらい出来ると言っている。簡単だよ、アンナ」
呆気に取られるアンナは、怒りが湧いてきたのかはたまた羞恥心か、身を震わせ立ち上がると黒椿を握り直し、その切っ先をエリックに向かって付きつけた。
「やってやろうじゃ……ないの!」
「君に出来るのかな」
「君って言うな気持ち悪い!!」
「照れ隠すと恥ずかしいぞ? 俺もシャワーを浴びるから早く出てくれないか?」
「ぎゃあああああああっ!! 目の前で脱ぐな!! 馬鹿っ! クソッもうやだ! 帰る!」
脱いだ衣服を引っ掴み、アンナはシャワールームから足早に去った。治療室で着替えを済ますとルヴィスに上着を返し、逃げるように自室へと向かったのであった。
「あんな男に串刺しにされるとは……情けねえ」
「いえ、急所を避けたのですから、流石としか言いようがありません」
医務室のベッドの上で、アンナは不満げに眉を寄せる。それを取り囲むのは医師のアリシア、それにマンダリーヌの二人であった。ルヴィスはというと、別室で医師長のハクラと助手のルーチェによる治療を続けるエリックの監視中だ。
「ハァ……シャワー浴びたい……」
「アンナ様、とりあえず怪我の治療を」
「……汚い格好で申し訳ないな」
「滅相もありません」
「ほんっと……あのクソ野郎、許さん。一刻も早くシャワーを浴びたいというのに、刺しやがって」
「終わりましたら医務室のシャワールームを使って頂いて構いませんので」
「ありがとう、アリシア」
手慣れたもので、アリシアはアンナの治療をテキパキと開始する。胸の傷は何としても完治させようと張り切り、白衣の袖を捲った。
「…………万全の状態であれば絶対に傷など受けなかった」
「わかっております」
「……なあマンダリーヌ。あたしの神力量は少ないか?」
「いえ、そんなまさか」
アンナは先程目にしたエリックの莫大な神力量を気にしているのか、眉間に皺を寄せ視線を遠くに投げた。
「あの男……神力の扱いにかなり長けていた。量もあたしを凌駕していた」
「エリック・P・ローランドは母がエルフなのでしょう?」
「……ティリスではエルフの神力量に敵わないということか」
「それは事実ですが……扱い方次第では、優位に立てる思います」
「剣術と体術をもっと極めねば、いつかあの男に負けてしまうのは目に見えている」
「向上心が高いのは素晴らしいことです」
「……まだまだだ、あたしも」
そこからアンナは口を閉ざし、うとうとと微睡みながらアリシアの治療を受けた。この一週間、牢では気を張りまともに眠れていなかったので、目を覚まし時計の針の進み具合を見た時、自分が熟睡していたことに気がつき驚いた。
「すまない……眠るつもりはなかったんだが」
「たったの三十分ですよ。傷も綺麗になりました」
「腕を上げたな、アリシア。いつもすまない」
「いいえ」
「シャワー、借りるぞ」
「ゆっくりなさって下さい」
アンナは黒椿を手に、医務室の奥に備え付けられた簡素なシャワールームへと向かう。エリックは先に治療を終えたのか、隣の治療室は静かであった。
戸に鍵をかけ、衣服を脱ぎ去る。流石に着替えはないので同じものを着なければならないのが苦痛ではあるが、自室ではない以上仕方のないことであった。
(シナブルかフォードがいてくれれば……ここに来ていないということは、あたしの状況を知らされていないのか)
こういう怪我をした時はいつも、彼等のどちらかが必ず傍にいてくれた。なんとなく物足りなさを感じながら、蛇口を捻り湯を浴びた。
「はぁ……」
一週間ぶりに浴びる湯は最高であった。海水を被ってしまったせいで髪は軋み、肌はベタつきを増していた。それがいっぺんに流れてゆくのが心地よく、二度も洗髪をしたほどであった。
──ガシャァン!!
突然、シャワールーム入口のドアが激しい音を立て内側に吹き飛んだ。何事かとアンナは黒椿を抜刀し──。
「いっ……やああああああああああああっ!!!」
叫んだ。
「うるさいな」
ドアを吹き飛ばした犯人はエリックであった。医師のハクラもルーチェもエルフではなくティリスである為、アリシアのような回復術は使えない。ということはエリックはまだアンナのように完全に傷が癒えていないということだ。巻かれた包帯は少ないが、体の動きに精彩を欠いていた。
「アンナ様!」
声を聞きつけ、マンダリーヌとルヴィスがすぐに駆けつけた。ルヴィスは全裸のアンナを見て慌てて目を逸らし、マンダリーヌはといえば、背後からエリックを蹴り飛ばしアンナに駆け寄ると、タオルを手に取り彼女の体を男共の目から遮った。
「お前っ……人がシャワー浴びるてるときに襲うか、普通!?」
「関係ねえよ。お前何故生きている。俺は急所を貫いたぞ?」
「関係あるわ! ふざけんな! 男として最低だぞお前! それに急所なんてちゃんと刃が触れた瞬間にずらしたわ!」
タオルだけではアンナの魅惑的な肉体を隠し切ることができないようで、マンダリーヌは上着を彼女にかけようとボタンに手をかける。が、それにいち早く気が付いたルヴィスがサッと己の上着を脱ぎ足早にアンナに歩み寄る。
「急所をずらす? 意味がわからん」
「お前に教えるわけがないだろうが!」
「……ひょっとしてお前、裸を見られたことを怒っているのか? 前にも見ただろ?」
「あれは治療だろ! おまけに暗がりだったし! なんで全裸でお前と戦わないといけねえんだよ!」
「そうよ! 最低よ!」
と、ここでマンダリーヌの援護射撃がエリックを襲う。まさかの反撃に一瞬怯んだ隙に、ルヴィスはアンナの元へと辿り着いた。
「姉上。俺のほうが大きいので、こちらをアンナ様に」
「ああ……ありがとうルヴィス」
マンダリーヌの上着を脱ぎ、ルヴィスの上着を受け取るアンナ。その際目の前で再び露わになった肉体を、ルヴィスは遠慮がちに見つめてしまう。
「あんたなんて、レン様に叱られればいいのよ!」
「……あの妹溺愛変態兄貴か」
「言い過ぎだけど……正しいわね」
「あの男が何故こんな女を溺愛しているのかさっぱりわからんな」
「あなた……アンナ様の魅力がわからないの?」
「この女のどこに魅力がある」
「全部よ!」
「あの、マ……マンダリーヌ?」
マンダリーヌがここまで白熱する姿を見るのは初めてのことであった。余程気が立っているのか、彼女はエリックに詰め寄り下から睨みつけた。
「人は皆アンナ様のことを見かけの美しさでしか評価しないけれど……アンナ様は内面こそ美しいのよ。ご自分には厳しいのに、家族に対してどれだけお優しいか知ってる? お心も強いのよ、責任感も強くて芯のあるお方よ。それに──」
「マンダリーヌやめてくれ、恥ずかしい」
「こんな口の悪い女、願い下げだ。外見はコレなのに、口の悪さで台無しだ」
「それはあなたもでしょう?」
「俺は……別に、男だからいいだろ」
「男も女も関係ないわよ。昔……レン様もそうだったけれど、そういうお年頃なのよ。格好をつけたいお年頃なのよ。あなたもでしょう?」
「マンダリーヌ! あたしは別に、そういう訳じゃ……」
「違いました? レン様はそうだったので、ご兄妹で同じなのかと」
マンダリーヌの主であるレンも確かに、アンナと同じ年の頃、同じような姿であった。品はあるものの言葉遣いだけがどうも刺々しい兄と妹。
「お二人共見目麗しいのですから、お言葉も美しければ更に魅力が増すでしょうに。まあ、そういうお年頃ですから、仕方ありませんよね……」
ルヴィスは呆気に取られる。アンナの言葉遣いはいつかは正さねばならないのだろうと誰もが思っていたが、まさかこんな形で矯正が入るとは。故意か過失か、姉はかなりの策士であった。
「マ……マンダリーヌ、お前」
「さあアンナ様。私のように喋って下さいまし」
「ハッ。こんな女には無理な話だろ」
「エリック様もですよ? お二人のどちらが先に身につけられますかね。そんなに難しいことではないとは思うのですが」
マンダリーヌは大層命知らずな発言をしたというのに、アンナはそれを気にも留めず、エリックを睨みつける。彼は余裕のある表情で、挑発するように鼻でアンナを笑った。
「まあ俺は、こんなこと簡単だけどな」
「……はぁ?」
「そのくらい出来ると言っている。簡単だよ、アンナ」
呆気に取られるアンナは、怒りが湧いてきたのかはたまた羞恥心か、身を震わせ立ち上がると黒椿を握り直し、その切っ先をエリックに向かって付きつけた。
「やってやろうじゃ……ないの!」
「君に出来るのかな」
「君って言うな気持ち悪い!!」
「照れ隠すと恥ずかしいぞ? 俺もシャワーを浴びるから早く出てくれないか?」
「ぎゃあああああああっ!! 目の前で脱ぐな!! 馬鹿っ! クソッもうやだ! 帰る!」
脱いだ衣服を引っ掴み、アンナはシャワールームから足早に去った。治療室で着替えを済ますとルヴィスに上着を返し、逃げるように自室へと向かったのであった。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
ブレイブエイト〜異世界八犬伝伝説〜
蒼月丸
ファンタジー
異世界ハルヴァス。そこは平和なファンタジー世界だったが、新たな魔王であるタマズサが出現した事で大混乱に陥ってしまう。
魔王討伐に赴いた勇者一行も、タマズサによって壊滅してしまい、行方不明一名、死者二名、捕虜二名という結果に。このままだとハルヴァスが滅びるのも時間の問題だ。
それから数日後、地球にある後楽園ホールではプロレス大会が開かれていたが、ここにも魔王軍が攻め込んできて多くの客が殺されてしまう事態が起きた。
当然大会は中止。客の生き残りである東零夜は魔王軍に怒りを顕にし、憧れのレスラーである藍原倫子、彼女のパートナーの有原日和と共に、魔王軍がいるハルヴァスへと向かう事を決断したのだった。
八犬士達の意志を継ぐ選ばれし八人が、魔王タマズサとの戦いに挑む!
地球とハルヴァス、二つの世界を行き来するファンタジー作品、開幕!
Nolaノベル、PageMeku、ネオページ、なろうにも連載しています!

非公式怪異対策組織『逢魔ヶ刻』
メイ
ファンタジー
人気たこ焼き店の不正摘発、原因はタコと偽った得体の知れない食品の混入。
都内の下町にて一人暮らしの老婆の不可解な死。家の中には大量のお札が貼られていて、書き遺された手紙には「湧いて出る、湧いて出る」の一言のみ。
錯乱した通り魔による無差別殺傷事件、犯人は現行犯により警官二名にその場にて取り押さえられたものの、異様なほどに何かに怯えていたらしい。
その時の発言が、「もうじきイビツガミがやってくる」
私たちの知らないところで、何かが起きてる。
得体の知れないものが不気味に蠢いていて、人智の及ばないことが始まろうとしてる。
これは、私と怪異により描かれる不思議なお話
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。

秋月の鬼
凪子
ファンタジー
時は昔。吉野の国の寒村に生まれ育った少女・常盤(ときわ)は、主都・白鴎(はくおう)を目指して旅立つ。領主秋月家では、当主である京次郎が正室を娶るため、国中の娘から身分を問わず花嫁候補を募っていた。
安曇城へたどりついた常盤は、美貌の花魁・夕霧や、高貴な姫君・容花、おきゃんな町娘・春日、おしとやかな令嬢・清子らと出会う。
境遇も立場もさまざまな彼女らは候補者として大部屋に集められ、その日から当主の嫁選びと称する試練が始まった。
ところが、その試練は死者が出るほど苛酷なものだった……。
常盤は試練を乗り越え、領主の正妻の座を掴みとれるのか?
治癒術師の非日常―辺境の治癒術師と異世界から来た魔術師による成長物語―
物部妖狐
ファンタジー
小さな村にある小さな丘の上に住む治癒術師
そんな彼が出会った一人の女性
日々を平穏に暮らしていたい彼の生活に起こる変化の物語。
小説家になろう様、カクヨム様、ノベルピア様へも投稿しています。
表紙画像はAIで作成した主人公です。
キャラクターイラストも、執筆用のイメージを作る為にAIで作成しています。
更新頻度:月、水、金更新予定、投稿までの間に『箱庭幻想譚』と『氷翼の天使』及び、【魔王様のやり直し】を読んで頂けると嬉しいです。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
独身寮のふるさとごはん まかないさんの美味しい献立
水縞しま
ライト文芸
旧題:独身寮のまかないさん ~おいしい故郷の味こしらえます~
第7回ライト文芸大賞【料理・グルメ賞】作品です。
◇◇◇◇
飛騨高山に本社を置く株式会社ワカミヤの独身寮『杉野館』。まかない担当として働く有村千影(ありむらちかげ)は、決まった予算の中で献立を考え、食材を調達し、調理してと日々奮闘していた。そんなある日、社員のひとりが失恋して落ち込んでしまう。食欲もないらしい。千影は彼の出身地、富山の郷土料理「ほたるいかの酢味噌和え」をこしらえて励まそうとする。
仕事に追われる社員には、熱々がおいしい「味噌煮込みうどん(愛知)」。
退職しようか思い悩む社員には、じんわりと出汁が沁みる「聖護院かぶと鯛の煮物(京都)」。
他にも飛騨高山の「赤かぶ漬け」「みだらしだんご」、大阪の「モダン焼き」など、故郷の味が盛りだくさん。
おいしい故郷の味に励まされたり、癒されたり、背中を押されたりするお話です。
千年巡礼
石田ノドカ
ファンタジー
妖怪たちの住まう世界に、一人の少年が迷い込んだ。
見た事もない異形の蔓延る世界だったが、両親の顔を知らず、友人もいない少年にとって、そこは次第に唯一の楽しみへと変わっていった。
そんなある日のこと。
少年はそこで、友達の咲夜を護る為、命を落としてかけてしまう。
幸い、咲夜の特別な力によって一命は取り留めたが、その過程で半妖となってしまったことで、元居た世界へは帰れなくなってしまった。
『方法はないの?』
方法は一つだけ。
妖たちの宿敵である妖魔の長、『酒吞童子』を、これまでと同じ『封印』ではなく、滅することのみ。
『ぼく、こんどこそ、さくやさまをまもるヒーローになる!』
そんな宣言を、仲の良かった妖らは馬鹿にもしたが。
十年の修行の末——
青年となった少年は、妖たちの住まう国『桜花』を護るための部隊へ所属することとなる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる