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第二章
第三十四話 解放と衝突
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アンナとエリックが同じ牢に投獄され、一週間目の朝。痣だらけの身体よりも、質素な食事よりも、まともに寝れていないことよりも、いい加減ベタつく体にアンナはうんざりしていた。
「今日で一週間か」
「いい加減お前を殴るのも飽きてきた。俺の刀……ちゃんとこの国にあるんだろうか」
「知らねえ」
朝食として出された白湯と柔らかいパンを食べ終えた二人は、揃って壁に背を預けていた。最早殴り合う気力もないようだった。
「はぁ……肌荒れ酷いんだけど。どうしてくれんだ、あの親父。いい加減シャワー浴びたい。ゆっくりお湯に浸かりたい」
「賛成」
「意見が合うのは初めてか?」
「そうかもな」
エリックの瞳に、殺意の色がないことにアンナは驚く。恐らくはこの環境のせいだろう。一国の元王子が、一週間も牢に閉じ込められるなど未経験であることは明白であった。
「……アンナ様、エリック様」
「どうした、ルヴィス」
牢の外に立つルヴィスが、左手首の銀の腕時計で時刻を確認する。パッと顔を上げると、スーツの右ポケットから鍵を取り出し、ガシャン、と牢の鍵を開けた。
「お疲れさまでした。陛下の定めた時刻になりましたので、解錠致しました。お二人の刀はこちらに……エリック様、お部屋へのご案内は俺が致します」
「はぁ、やっとかよ。シャワーだシャワー」
「……」
外に出るとアンナはグッと腕を伸ばし、ルヴィスから受け取った刀──黒椿を腰に差した。それに続いたエリックも受け取った刀を腰に差し、背を向けたままのアンナを睨みつけた。
「…………なっ!」
静かに抜刀したエリックの気配に、アンナは一瞬反応が遅れた。振り返ると眼前に迫る刃。間に合わない──そう判断するとアンナは、咄嗟に前に出た右腕を神力で強化し、エリックの刃を防ぐ。
「ぐっ……! お前っ!!」
────ドンッ!!
──ドドドドッ!!
アンナの背が牢外の石壁に衝突すると、前方からの攻撃の衝撃で背中で壁を突き破っていた。尚も押し続けるエリックの攻撃を防ぐも、背中は分厚い壁を貫き続け、上昇し、突き抜け、数秒後には屋外に投げ出されていた。
「アンナ様っ!!」
ルヴィスの叫び声が僅かに聞こえる。地下から急に外に飛び出したせいか、眩しさで目が眩んでしまう。地下から上昇しつつ外に押し出された為、二人の体は崖を飛び越え宙を飛び、遥か下には海面が迫る。
「お前さっきの話は嘘かっ!」
「それとこれとは別だ! 刀が手元に戻れば、お前を殺すことが最優先だからな!」
「ふざけやがって! この嘘つきが!」
無限空間から飛行盤を取り出し装着するも、エリックの飛行盤が纏う圧倒的な神力に押し負けてしまうアンナ。そのまま勢いよく海面に衝突し、体が海に沈んでゆく。
「……がっ!」
潜水する為に必要な空気量を吸いそこねたアンナの息が、エリックに首を絞められることにより泡となりと口から漏れ出す。
(息が……! こうなったら……!)
飛行盤から放出する神力を抑え、全身から最大出力の神力を放つ。アンナの殺気を悟ったエリックは自身の体の周りに神力を纏い、守りを固めた。アンナの放った火の神力によって辺り一帯の海水が蒸発し、彼女は漸く肺いっぱいの酸素を吸い込んだ。
「はぁっ……はぁっ……」
「こんなもんかよ、お前の神力は!」
「んなわけ──!」
──キィンッ!!
エリックの振り下ろした刃を受け止め、弾き返す。このままこんな場所で戦えば、国に被害が及ぶことは目に見えていた。なんとか場所を移したいアンナは渋々エリックに背を向け、お構いなしに放たれる攻撃を弾きながら、城内の闘技台──壱番へと彼を誘導した。三十メートル四方の白練色の闘技台に着地すると、二人を追ってきたルヴィスの姿が隅の方に見えた。邪魔をするなと釘を刺すと、彼は後退して二人を見守った。
「シャワー代わりになっただろ?」
「はぁ? 海水でベタついて最悪だっての。本当にお前、戦うことしか頭にねえのか」
「お前もだろ? それに俺は一刻も早く仇を取りたいだけだ」
「……ふぅん」
首を振って髪に纏わりついた海水を払い、アンナは刀を構え、エリックの出方を伺った。
「──っ!」
無策なのか、それとも自信の表れなのか、エリックは真っ直ぐにアンナへと突き進んでくる。挑発しているのか、刀に神力を爛々と纏わせ、刃と刃がぶつかりあった刹那それは弾け、アンナの全身を包みこんだ。
「鬱陶しいっ!」
自身の体に神力を纏い、エリックの神力を押し返すアンナ。エリックが一瞬怯んだ隙に、右足を振り上げ彼の顎先を蹴り上げた。
「ぐっ……!」
エリックの体が宙に浮く。その間腹部に一太刀入れたアンナは、彼の背後に回り込むと更にもう一太刀。そこで一旦距離を取り様子を伺った。
「あーっ、クソッ! 気持ち悪い!」
海水の入ったブーツが動きを鈍らせていたのか、両足とも脱ぎ捨て、アンナは裸足になった。二太刀入れられたがなんとか踏み止まったエリックも同様に革靴を脱ぎ捨て、裸足になる。
(この女……神力量は俺に及ばないというのに、なんて体の使い方が上手いんだ。あの親父によく鍛えられてやがる……)
その細い身体からは想像もできないほどの圧倒的な筋力と速度に、エリックは危機感を募らせていた。
それはアンナも同様であった。
(こいつ……神力量が多すぎる。神力の絶対量を増やすのは容易いことではない……生まれ持った天賦の才か。あたしの体力が尽きれば、負けは目に見えているな)
王族であるアンナの神力量も本人が力を引き出せていないだけで、相当多い方ではあった。彼女の欠点は、未だ引き出せないその膨大な力と、力が大きすぎるが故、繊細な扱いが出来ないということであった。
「お前、神力使うのヘッタクソだな!」
「お前だって鈍いんだよ! 体力も全然なさそうだしなあ!」
「その細い体のどこに筋力を隠してやがる」
「馬鹿め。筋肉ってのは使い方なんだよ。お前に教える義理はないがな!」
たんっ──と地を蹴り、エリックの目の前でパッと姿を消す。背後に回り込むが流石にエリックに気づかれ、今度は頭上に移動──。
──ざしゅっ!
正面上段から左肩を斬りつけられたエリックは、一本後退する。振り上げ、即座に振り下ろされたアンナの一撃を受け止めるが、傷が深く左腕に力が入らない。
「そういえばお前、虐殺王子って呼ばれてるんだったか?」
「……っ……なんだよ」
飛行盤で宙を舞うアンナの一撃に、より力が籠もる。ガチガチと刃が鳴り、エリックの腕が追いやられ肘が曲がってゆく。
「虐殺とはこんなものか! もっと本気を出せ!」
「舐め過ぎだ!」
エリックが叫んだ直後、彼の操る神力が蜘蛛の巣のように広がった。即座に反応して後退するが、糸の速度はアンナを上回った。炎の糸は彼女の四肢を絡め取り体の自由を奪うと、彼女を闘技台に頭から叩きつけた。
「がッ……!」
顔面から血を流しながら、肘を付き身を起こそうとしたところに、エリックの一撃が入る。背後から胸を一刺しされ、アンナの体は闘技台に串刺し状態となった。そのままうつ伏せ、動けぬアンナに止めを刺そうと、エリックはアンナを貫く刀の柄に手をかけた。
「ゔ……! お前っ……!」
「やめろ」
エリックの背後を取ったのは、様子を見ていたルヴィスであった。己の刀でエリックの脇腹を貫き、押し倒し、踏みつけた。
「これ以上はおやめ下さい。って、アンナ様! それ抜いたら駄目ですよ! 絶対駄目!」
「クソ……まだ……」
「喋ったら駄目ですって! 終わりです! 人を呼ぶので待って下さい……!」
アンナが刀を抜かぬよう柄を握り、エリックを踏みつけたままルヴィスは通信機に手を添えた。短い呼び出し音の後、相手はすぐに応答した。
「父上! 大変なことになりました! 至急壱番まで応援願います!」
『ルヴィスか。何事だ』
「アンナ様とエリック様が交戦されて……これ以上戦わせるわけにはいきません、二人を止めるのに俺一人では無理です!」
通信相手はルヴィスの父コラーユであった。アンナの臣下達に連絡をすれば血相を変えて飛んでくるだろうが、このような状況を見せるわけにはいかない。となればルヴィスが一番に助けを求める相手は彼の他にいなかった。
『シナブルとフォードには連絡をしたのか?』
「あいつらにこのような所を見せるわけにはいきません、手に負えなくなりますよ!」
『それもそうか。私が行きたいところだが、陛下に悟られるわけにはいかない……よし、マンダリーヌを向かわせる。レン様はカルディナルを連れて行かれたから好都合だろう』
「アリシアも一緒にお願いします」
『わかった』
通信が切れたあとも尚動こうとするアンナとエリックを、ルヴィスは無理矢理押さえつける。血を流しすぎているアンナの顔は徐々に白くなってゆく。この状態では止血もできず、歯がゆいばかりであった。
「今日で一週間か」
「いい加減お前を殴るのも飽きてきた。俺の刀……ちゃんとこの国にあるんだろうか」
「知らねえ」
朝食として出された白湯と柔らかいパンを食べ終えた二人は、揃って壁に背を預けていた。最早殴り合う気力もないようだった。
「はぁ……肌荒れ酷いんだけど。どうしてくれんだ、あの親父。いい加減シャワー浴びたい。ゆっくりお湯に浸かりたい」
「賛成」
「意見が合うのは初めてか?」
「そうかもな」
エリックの瞳に、殺意の色がないことにアンナは驚く。恐らくはこの環境のせいだろう。一国の元王子が、一週間も牢に閉じ込められるなど未経験であることは明白であった。
「……アンナ様、エリック様」
「どうした、ルヴィス」
牢の外に立つルヴィスが、左手首の銀の腕時計で時刻を確認する。パッと顔を上げると、スーツの右ポケットから鍵を取り出し、ガシャン、と牢の鍵を開けた。
「お疲れさまでした。陛下の定めた時刻になりましたので、解錠致しました。お二人の刀はこちらに……エリック様、お部屋へのご案内は俺が致します」
「はぁ、やっとかよ。シャワーだシャワー」
「……」
外に出るとアンナはグッと腕を伸ばし、ルヴィスから受け取った刀──黒椿を腰に差した。それに続いたエリックも受け取った刀を腰に差し、背を向けたままのアンナを睨みつけた。
「…………なっ!」
静かに抜刀したエリックの気配に、アンナは一瞬反応が遅れた。振り返ると眼前に迫る刃。間に合わない──そう判断するとアンナは、咄嗟に前に出た右腕を神力で強化し、エリックの刃を防ぐ。
「ぐっ……! お前っ!!」
────ドンッ!!
──ドドドドッ!!
アンナの背が牢外の石壁に衝突すると、前方からの攻撃の衝撃で背中で壁を突き破っていた。尚も押し続けるエリックの攻撃を防ぐも、背中は分厚い壁を貫き続け、上昇し、突き抜け、数秒後には屋外に投げ出されていた。
「アンナ様っ!!」
ルヴィスの叫び声が僅かに聞こえる。地下から急に外に飛び出したせいか、眩しさで目が眩んでしまう。地下から上昇しつつ外に押し出された為、二人の体は崖を飛び越え宙を飛び、遥か下には海面が迫る。
「お前さっきの話は嘘かっ!」
「それとこれとは別だ! 刀が手元に戻れば、お前を殺すことが最優先だからな!」
「ふざけやがって! この嘘つきが!」
無限空間から飛行盤を取り出し装着するも、エリックの飛行盤が纏う圧倒的な神力に押し負けてしまうアンナ。そのまま勢いよく海面に衝突し、体が海に沈んでゆく。
「……がっ!」
潜水する為に必要な空気量を吸いそこねたアンナの息が、エリックに首を絞められることにより泡となりと口から漏れ出す。
(息が……! こうなったら……!)
飛行盤から放出する神力を抑え、全身から最大出力の神力を放つ。アンナの殺気を悟ったエリックは自身の体の周りに神力を纏い、守りを固めた。アンナの放った火の神力によって辺り一帯の海水が蒸発し、彼女は漸く肺いっぱいの酸素を吸い込んだ。
「はぁっ……はぁっ……」
「こんなもんかよ、お前の神力は!」
「んなわけ──!」
──キィンッ!!
エリックの振り下ろした刃を受け止め、弾き返す。このままこんな場所で戦えば、国に被害が及ぶことは目に見えていた。なんとか場所を移したいアンナは渋々エリックに背を向け、お構いなしに放たれる攻撃を弾きながら、城内の闘技台──壱番へと彼を誘導した。三十メートル四方の白練色の闘技台に着地すると、二人を追ってきたルヴィスの姿が隅の方に見えた。邪魔をするなと釘を刺すと、彼は後退して二人を見守った。
「シャワー代わりになっただろ?」
「はぁ? 海水でベタついて最悪だっての。本当にお前、戦うことしか頭にねえのか」
「お前もだろ? それに俺は一刻も早く仇を取りたいだけだ」
「……ふぅん」
首を振って髪に纏わりついた海水を払い、アンナは刀を構え、エリックの出方を伺った。
「──っ!」
無策なのか、それとも自信の表れなのか、エリックは真っ直ぐにアンナへと突き進んでくる。挑発しているのか、刀に神力を爛々と纏わせ、刃と刃がぶつかりあった刹那それは弾け、アンナの全身を包みこんだ。
「鬱陶しいっ!」
自身の体に神力を纏い、エリックの神力を押し返すアンナ。エリックが一瞬怯んだ隙に、右足を振り上げ彼の顎先を蹴り上げた。
「ぐっ……!」
エリックの体が宙に浮く。その間腹部に一太刀入れたアンナは、彼の背後に回り込むと更にもう一太刀。そこで一旦距離を取り様子を伺った。
「あーっ、クソッ! 気持ち悪い!」
海水の入ったブーツが動きを鈍らせていたのか、両足とも脱ぎ捨て、アンナは裸足になった。二太刀入れられたがなんとか踏み止まったエリックも同様に革靴を脱ぎ捨て、裸足になる。
(この女……神力量は俺に及ばないというのに、なんて体の使い方が上手いんだ。あの親父によく鍛えられてやがる……)
その細い身体からは想像もできないほどの圧倒的な筋力と速度に、エリックは危機感を募らせていた。
それはアンナも同様であった。
(こいつ……神力量が多すぎる。神力の絶対量を増やすのは容易いことではない……生まれ持った天賦の才か。あたしの体力が尽きれば、負けは目に見えているな)
王族であるアンナの神力量も本人が力を引き出せていないだけで、相当多い方ではあった。彼女の欠点は、未だ引き出せないその膨大な力と、力が大きすぎるが故、繊細な扱いが出来ないということであった。
「お前、神力使うのヘッタクソだな!」
「お前だって鈍いんだよ! 体力も全然なさそうだしなあ!」
「その細い体のどこに筋力を隠してやがる」
「馬鹿め。筋肉ってのは使い方なんだよ。お前に教える義理はないがな!」
たんっ──と地を蹴り、エリックの目の前でパッと姿を消す。背後に回り込むが流石にエリックに気づかれ、今度は頭上に移動──。
──ざしゅっ!
正面上段から左肩を斬りつけられたエリックは、一本後退する。振り上げ、即座に振り下ろされたアンナの一撃を受け止めるが、傷が深く左腕に力が入らない。
「そういえばお前、虐殺王子って呼ばれてるんだったか?」
「……っ……なんだよ」
飛行盤で宙を舞うアンナの一撃に、より力が籠もる。ガチガチと刃が鳴り、エリックの腕が追いやられ肘が曲がってゆく。
「虐殺とはこんなものか! もっと本気を出せ!」
「舐め過ぎだ!」
エリックが叫んだ直後、彼の操る神力が蜘蛛の巣のように広がった。即座に反応して後退するが、糸の速度はアンナを上回った。炎の糸は彼女の四肢を絡め取り体の自由を奪うと、彼女を闘技台に頭から叩きつけた。
「がッ……!」
顔面から血を流しながら、肘を付き身を起こそうとしたところに、エリックの一撃が入る。背後から胸を一刺しされ、アンナの体は闘技台に串刺し状態となった。そのままうつ伏せ、動けぬアンナに止めを刺そうと、エリックはアンナを貫く刀の柄に手をかけた。
「ゔ……! お前っ……!」
「やめろ」
エリックの背後を取ったのは、様子を見ていたルヴィスであった。己の刀でエリックの脇腹を貫き、押し倒し、踏みつけた。
「これ以上はおやめ下さい。って、アンナ様! それ抜いたら駄目ですよ! 絶対駄目!」
「クソ……まだ……」
「喋ったら駄目ですって! 終わりです! 人を呼ぶので待って下さい……!」
アンナが刀を抜かぬよう柄を握り、エリックを踏みつけたままルヴィスは通信機に手を添えた。短い呼び出し音の後、相手はすぐに応答した。
「父上! 大変なことになりました! 至急壱番まで応援願います!」
『ルヴィスか。何事だ』
「アンナ様とエリック様が交戦されて……これ以上戦わせるわけにはいきません、二人を止めるのに俺一人では無理です!」
通信相手はルヴィスの父コラーユであった。アンナの臣下達に連絡をすれば血相を変えて飛んでくるだろうが、このような状況を見せるわけにはいかない。となればルヴィスが一番に助けを求める相手は彼の他にいなかった。
『シナブルとフォードには連絡をしたのか?』
「あいつらにこのような所を見せるわけにはいきません、手に負えなくなりますよ!」
『それもそうか。私が行きたいところだが、陛下に悟られるわけにはいかない……よし、マンダリーヌを向かわせる。レン様はカルディナルを連れて行かれたから好都合だろう』
「アリシアも一緒にお願いします」
『わかった』
通信が切れたあとも尚動こうとするアンナとエリックを、ルヴィスは無理矢理押さえつける。血を流しすぎているアンナの顔は徐々に白くなってゆく。この状態では止血もできず、歯がゆいばかりであった。
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