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第一章
第十五話 第四騎士団副団長
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アンナとデニアの間に友好関係が芽生えるほんの少し前──植樹祭会場では、デニアが残した「優秀な部下」が指揮を執り、事は殆ど収束しつつあった。会場に入っていた民間人の避難は完全に完了し、残っているのは騎士団員数十名とマリー達一行だけであった。
「ご苦労様でしたね」
「恐れ入ります、マリーローラーン様」
まだ幼さの残る顔立ちの男が、マリーとフォンの前で膝をつき頭を垂れた。セルリアンブルーの短い髪のその男は、マリーに促されるとスッと立ち上がった。
「いやぁ、若い副団長さんだというのに優秀だね」
「勿体ないお言葉です。自分など、まだまだ団長の足元にも及びません」
フォンの言葉に応じたこの若い副団長こそ、デニアの言い残した優秀な部下であった。彼の統率力は見事なもので、部下をまとめ上げあっという間に避難誘導まで済ませてしまった。避難誘導の済んだ後は「下手に王族の方々を外に出しては、まだ危険かもしれない」と言い、団長であるデニアの指示があるまでここで待機をするようマリー達に頭を下げていた所だ。
現在彼は賊の攻撃によって破壊された会場の後片付けの指示を出している。
「──と、少し失礼します。はい、イダールです」
彼が耳につけた通信機が、控え目な受信音を鳴らす。名を名乗り通信を受信した副団長は、何度か間抜けな声を上げ驚きながらも通信を終えた。先程までの緊張感を張り付けた表情は何処へやら。彼は驚きを隠せない複雑な表情のまま、部下達へと指示を出し始めた。
「デニア団長からの指示だ。アンナリリアン様達が、賊を捕らえたらしい。捕獲した人数が多い……第一班と第二班は賊を連行するために団長の元へ向かってくれ」
彼が指示を出すとおよそ四十名の団員達が、列を成し会場を後にした。残された団員は彼一人となった。
「全員行かせてしまってよかったのかい?」
「ええ、ここの後片付けは大方済みましたし、後は自分一人でなんとか」
「君はデニア団長が戻ってくるのを待つのだろう? その間に僕も手伝うよ」
「え、いや、フォン様!」
瓦礫の散らばっていた箇所の掃き掃除を開始しようとするフォンの手から、イダールは箒を取り上げた。ぶんぶん、と首を横に振る彼を、フォンは不思議そうに見つめた。
「フォン様にそのようなことは!」
「うーん、僕、王族っていっても婿入りした身だし、元は一般市民で君より立場は下なんだけどなあ」
「下だなんて!」
取り乱すイダールの元へ、一歩踏み出したのはマリーだった。フォンが気が付き、たった今言葉に出した事実を彼に確認する為であった。
「ああ、あなた……インパチエンス家の長男なのね」
「はい。イダール・インパチエンスと申します」
「フォンも気が付いたなら教えてよね」
「ごめんごめん。わざわざ言うことでもないかなと思って」
第四騎士団 副団長イダール・インパチエンス。ティリスである彼──インパチエンス家は、ファイアランス王国とは離れたトゥード王国──ティリスの治める国の貴族である。別国とはいえ国同士で貿易のやり取りもあるのだが、イダール本人がそれを口にすることは、彼の立場的にまず無いことであった。
「ファーストネームだけで気が付くなんて、流石はフォンね」
マリーの称賛の言葉にも、フォンはにこりと微笑むだけで得意気な様子など全く顔に出さない。元来謙虚な性格の男であるので、これが通常運転なのである。
「お若いのに本当にしっかりしていらっしゃる。イダール副団長、お歳は?」
「七十です」
「七十!?」
ティリスでいうところの七十歳は人間でいうと十四歳。その若さで副団長を任されているのだから、このイダールという男──否、少年は相当な実力者なのであった。
「うちのアンナと大して変わらない年齢なのに、大違いね」
「アンナリリアン様……! 先程のアンナリリアン様の刀捌きは本当に素晴らしかったです!」
熱を込めた声のイダールは瞳を輝かせ、先程のアンナの姿に思いを馳せる。この事件が契機となり、後にイダールはアンナに対し熱烈な憧れと尊敬の念を抱くようになるのであった。
「ふふ、ありがとう──あら、どうぞ?」
「すみません、失礼します」
マリーとの会話の途中でイダールの通信機が再び受信音を鳴らした。頭を下げて通信を繋ぐ──相手はまたしても彼の上司 第四騎士団長 デニア・デュランタだった。
「団長、どうかなさいましたか?」
先程通信があったばかりだというのに、何か伝達漏れでもあったのだろうかとイダールは首を捻る。
「団長?」
『え……ああ……周囲の安全が確認できたのであれば、お前は王族の方々護衛し、城までお送りしろ。事後処理はその後で構わない。俺は今からそちらに戻る』
イダールは通信機の向こう側のデニアの声が、先程に比べて弱々しいことに気が付き、一人首を捻る。常に明朗快活なデニアの初めて聴く低い声に、イダールの胸には形容しがたい不安が立ち込めた。
「団長、どうかなさいましたか?」
『えっ……ああ、その…………ちょ、アンナ様!?』
「団長?」
通信機の向こう側で、何やら言い争う声が聴こえる。ややあってがさごそ、という音の後、イダールの耳に届いたのはデニアではなく、鋭いアルトの聞き慣れない声であった。
『デニアの部下か?』
「え……あの?」
『アンナリリアン・ F・グランヴィだ』
「アンナリリアン様っ!?」
飛び上がって動揺を隠せないイダールの後ろで、マリーとフォンは怪訝そうに視線を絡ませる。上司と話をしていた筈のイダールの口から、何故アンナの名前が出てきたのか、二人は不思議でならない。
『お前、名前と役職は?』
「だ……第四騎士団副団長 イダール・インパチエンスです」
『チッ……インパチエンス家か。聞くが、お前の団長、明日は非番か?』
「いえ……団長は明日は出勤で──」
『非番だな?』
「えっ……あの……」
『非番だな?』
「……はい、非番です」
『それなら一日借りるぞ』
乱暴に途切れた通信に、ただ呆然とするしかないイダール。振り返り一瞬困惑した表情でマリーとフォンを見つめるも、すぐさま我に返り制服の襟を正した。
「マリー様、フォン様。間もなくデニア団長はこちらに戻るとのことでしたので、アンナリリアン様とシナブル様もお戻りになられると思います。今から自分が城まで護衛致しますので」
「護衛は結構ですよ。あなたもまだ仕事が残っているのでしょう?」
「そうですが、しかし……」
城まで送るというイダールの申し出をマリーは丁寧に断った。微笑みながら彼に自分の仕事を優先するようにと告げると、部下達を引き連れ馬車に乗り込んだ。
「後はよろしくお願いしますね、副団長さん」
「はい。事後報告も含めまして、また改めてご挨拶に伺います」
馬車が見えなくなるまで頭を下げる若き副団長。まさか自分の上司が、次期国王となる姫君と友人関係になっているとは露知らず。立て掛けてあった箒を手に取ると、残された小さな瓦礫屑の片付けを再開したのであった。
「ご苦労様でしたね」
「恐れ入ります、マリーローラーン様」
まだ幼さの残る顔立ちの男が、マリーとフォンの前で膝をつき頭を垂れた。セルリアンブルーの短い髪のその男は、マリーに促されるとスッと立ち上がった。
「いやぁ、若い副団長さんだというのに優秀だね」
「勿体ないお言葉です。自分など、まだまだ団長の足元にも及びません」
フォンの言葉に応じたこの若い副団長こそ、デニアの言い残した優秀な部下であった。彼の統率力は見事なもので、部下をまとめ上げあっという間に避難誘導まで済ませてしまった。避難誘導の済んだ後は「下手に王族の方々を外に出しては、まだ危険かもしれない」と言い、団長であるデニアの指示があるまでここで待機をするようマリー達に頭を下げていた所だ。
現在彼は賊の攻撃によって破壊された会場の後片付けの指示を出している。
「──と、少し失礼します。はい、イダールです」
彼が耳につけた通信機が、控え目な受信音を鳴らす。名を名乗り通信を受信した副団長は、何度か間抜けな声を上げ驚きながらも通信を終えた。先程までの緊張感を張り付けた表情は何処へやら。彼は驚きを隠せない複雑な表情のまま、部下達へと指示を出し始めた。
「デニア団長からの指示だ。アンナリリアン様達が、賊を捕らえたらしい。捕獲した人数が多い……第一班と第二班は賊を連行するために団長の元へ向かってくれ」
彼が指示を出すとおよそ四十名の団員達が、列を成し会場を後にした。残された団員は彼一人となった。
「全員行かせてしまってよかったのかい?」
「ええ、ここの後片付けは大方済みましたし、後は自分一人でなんとか」
「君はデニア団長が戻ってくるのを待つのだろう? その間に僕も手伝うよ」
「え、いや、フォン様!」
瓦礫の散らばっていた箇所の掃き掃除を開始しようとするフォンの手から、イダールは箒を取り上げた。ぶんぶん、と首を横に振る彼を、フォンは不思議そうに見つめた。
「フォン様にそのようなことは!」
「うーん、僕、王族っていっても婿入りした身だし、元は一般市民で君より立場は下なんだけどなあ」
「下だなんて!」
取り乱すイダールの元へ、一歩踏み出したのはマリーだった。フォンが気が付き、たった今言葉に出した事実を彼に確認する為であった。
「ああ、あなた……インパチエンス家の長男なのね」
「はい。イダール・インパチエンスと申します」
「フォンも気が付いたなら教えてよね」
「ごめんごめん。わざわざ言うことでもないかなと思って」
第四騎士団 副団長イダール・インパチエンス。ティリスである彼──インパチエンス家は、ファイアランス王国とは離れたトゥード王国──ティリスの治める国の貴族である。別国とはいえ国同士で貿易のやり取りもあるのだが、イダール本人がそれを口にすることは、彼の立場的にまず無いことであった。
「ファーストネームだけで気が付くなんて、流石はフォンね」
マリーの称賛の言葉にも、フォンはにこりと微笑むだけで得意気な様子など全く顔に出さない。元来謙虚な性格の男であるので、これが通常運転なのである。
「お若いのに本当にしっかりしていらっしゃる。イダール副団長、お歳は?」
「七十です」
「七十!?」
ティリスでいうところの七十歳は人間でいうと十四歳。その若さで副団長を任されているのだから、このイダールという男──否、少年は相当な実力者なのであった。
「うちのアンナと大して変わらない年齢なのに、大違いね」
「アンナリリアン様……! 先程のアンナリリアン様の刀捌きは本当に素晴らしかったです!」
熱を込めた声のイダールは瞳を輝かせ、先程のアンナの姿に思いを馳せる。この事件が契機となり、後にイダールはアンナに対し熱烈な憧れと尊敬の念を抱くようになるのであった。
「ふふ、ありがとう──あら、どうぞ?」
「すみません、失礼します」
マリーとの会話の途中でイダールの通信機が再び受信音を鳴らした。頭を下げて通信を繋ぐ──相手はまたしても彼の上司 第四騎士団長 デニア・デュランタだった。
「団長、どうかなさいましたか?」
先程通信があったばかりだというのに、何か伝達漏れでもあったのだろうかとイダールは首を捻る。
「団長?」
『え……ああ……周囲の安全が確認できたのであれば、お前は王族の方々護衛し、城までお送りしろ。事後処理はその後で構わない。俺は今からそちらに戻る』
イダールは通信機の向こう側のデニアの声が、先程に比べて弱々しいことに気が付き、一人首を捻る。常に明朗快活なデニアの初めて聴く低い声に、イダールの胸には形容しがたい不安が立ち込めた。
「団長、どうかなさいましたか?」
『えっ……ああ、その…………ちょ、アンナ様!?』
「団長?」
通信機の向こう側で、何やら言い争う声が聴こえる。ややあってがさごそ、という音の後、イダールの耳に届いたのはデニアではなく、鋭いアルトの聞き慣れない声であった。
『デニアの部下か?』
「え……あの?」
『アンナリリアン・ F・グランヴィだ』
「アンナリリアン様っ!?」
飛び上がって動揺を隠せないイダールの後ろで、マリーとフォンは怪訝そうに視線を絡ませる。上司と話をしていた筈のイダールの口から、何故アンナの名前が出てきたのか、二人は不思議でならない。
『お前、名前と役職は?』
「だ……第四騎士団副団長 イダール・インパチエンスです」
『チッ……インパチエンス家か。聞くが、お前の団長、明日は非番か?』
「いえ……団長は明日は出勤で──」
『非番だな?』
「えっ……あの……」
『非番だな?』
「……はい、非番です」
『それなら一日借りるぞ』
乱暴に途切れた通信に、ただ呆然とするしかないイダール。振り返り一瞬困惑した表情でマリーとフォンを見つめるも、すぐさま我に返り制服の襟を正した。
「マリー様、フォン様。間もなくデニア団長はこちらに戻るとのことでしたので、アンナリリアン様とシナブル様もお戻りになられると思います。今から自分が城まで護衛致しますので」
「護衛は結構ですよ。あなたもまだ仕事が残っているのでしょう?」
「そうですが、しかし……」
城まで送るというイダールの申し出をマリーは丁寧に断った。微笑みながら彼に自分の仕事を優先するようにと告げると、部下達を引き連れ馬車に乗り込んだ。
「後はよろしくお願いしますね、副団長さん」
「はい。事後報告も含めまして、また改めてご挨拶に伺います」
馬車が見えなくなるまで頭を下げる若き副団長。まさか自分の上司が、次期国王となる姫君と友人関係になっているとは露知らず。立て掛けてあった箒を手に取ると、残された小さな瓦礫屑の片付けを再開したのであった。
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