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第一章
第十三話 第四騎士団長との会遇
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植樹祭当日。長過ぎないドレスの裾を揺らし、夫のフォンに手を引かれながら馬車に乗り込むのはアンナの姉 マリーローラーン。銀の髪留めで上半分ほど纏めた美しい金髪が、腰の上で踊っている。あと数ヶ月後に出産を控えた彼女の腹は、ドレスの上からでもわかるくらい、せり出していた。
「大丈夫かい?」
「ええ、ありがとう」
フィアスシュムート城正面入口。そこに着けた六人乗りの豪奢な馬車の座席にはマリーへの配慮として、通常の何倍も柔らかな座面が用意されていた。あまりの柔らかさに、腰を下ろしたマリーは苦笑してしまった。
「こんなの、逆にお尻が跳ねちゃうわよ」
「安全運転で参りますから、大丈夫ですわ。ねえシナブル?」
「勿論でございます」
御者を務めるシナブルに声をかけるのは、彼の母であるサン・グランヴィ。子を五人生んだとは思えぬ若々しい容姿の彼女は、馬車に乗り込むとマリーの左手に腰を下ろした。その奥──マリーの右手には同じく彼女直属の臣下であるヴィウィが、腰を下ろしている。華奢な体躯、それに可愛らしい顔にそぐわぬ立派な刀を右腕で抱え込み、未だ苦笑する主の足を、暖かな膝掛けで覆った。
「ところで……アンナは馬車に乗らないのかしら」
「声はかけたんだけどなあ……」
予定としてアンナは、現在困惑中であるフォンの隣に座り、マリーを護衛する役割を担うことになっていた。しかし等の本人は「外の方が確実に守れるだろ」と言い張り、馬車の上に乗ろうと外で待機をしていた。
「姫……後生です、中にお入り下さい」
「何故だ?」
「外は私とシナブルで守りますので」
「馬車の中は落ち着かん」
「アンナ? 早く乗りなさい?」
外でのやり取りを見るに見かねたマリーが、声を張り上げてアンナを呼ぶ。姉の呼びかけに不満げに眉をひそめたアンナが馬車に乗り込むと、直ぐに扉が閉められた。
「おい! フォード!」
「出発致します」
「くそ、あの野郎……」
舌を打ったアンナは、フォンの隣にどかりと腰を下ろす。苦笑したフォンがアンナを嗜めると、マリーが呆れた声を上げた。
「あなたもいい加減、立場をわきまえなさいな」
「姉上もいい加減髪を切ったらどうなんだ」
「またそれ? いいじゃない。髪が長くても十分戦えるわ」
「どうだか」
姉妹の刺々しいいつものやり取りを、フォンは眼鏡の奥の瞳を綻ばせながら見つめる。にこにことマリーの腹に視線をやると、それに気が付いたアンナは義兄に倣った。
「随分と、物珍しいものを見る目ね」
「その中に赤ん坊がいるってのが、不思議でならない」
まだ少女のアンナには、どういう理屈で姉の腹に赤ん坊が宿ったのか理解が出来ていない。本人もそれを「何故」、「どうやって」などと深く考えることがなかったので、「夫を持てば自然と子を授かるもの」なのだと勝手に思い込んでいた。
「この家を継ぐのはあなたなんだから、あなたもいずれこうなるのよ?」
「今はそんなこと、まだ考えられねえな」
「いつまでもお子様で困ったものね」
馬車の外に控える二人の臣下に向けて、マリーは少しだけ声を張り上げた。勿論返事など返ってくるはずもない。馬車の後ろで護衛に徹するフォードは、遠くを眺めながら溜め息を吐き、御者を務めるシナブルは、赤面してただ俯くだけであった。
*
二十分ほど馬車を走らせたところで、一行は無事に植樹祭の会場に到着した。海に面した半屋外の広い会場には、既に来賓や国民達が多く詰めかけていた。目立たぬよう会場の裏口に止められた馬車の扉をフォードが開くと、数名の騎士団員が腰を折って挨拶をした。どうやら、会場へと向かう間の護衛のようだ。
「マリー様、お加減は変わりありませんか?」
「大丈夫よ。ありがとう、サン」
くるりと振り返ったサンのボブヘアーが、肩の上で弾む。姉の後ろを歩くアンナは、きょろきょろと辺りを見渡しては目を光らせている。
「そんなに心配しなくても、そうそう人が襲ってくることなんてないわよ」
「……嫌な気配がするんだよな」
「騎士団もこんなに沢山警備と護衛についているというのに、あたしたちの命を狙う者がいるとしたら、相当の馬鹿者ね」
アンナとマリー、それにフォンを守る騎士団達からは、ただならぬ緊張が伝わってくる。王族、それにその臣下に何かあっては騎士団として面目が立たない。そんな動きの硬い彼らを「戦力になりそうにないな」とアンナが一睨みすると、前方から見覚えのあるような──ないような男が、歩み寄ってきた。
「騎士団長!」
先頭を行く騎士団員の一人が声を上げる。騎士団長と呼ばれたブルーラベンダー色の髪の男が足を止めると、彼の背後にいた団員達は膝をつき頭を垂れた。
「本日はご無理を言ってしまい申し訳ありません。第四騎士団長 デニア・デュランタと申します」
騎士団にしては柔らかな顔立ちの男に、アンナは肝を抜かれる。彼は自分達と同じくティリスであった。年齢はマリーより少し下だろうか、伸ばした前髪を額に上げ、後ろ髪と共に首の後ろで一纏めにしていた。
「デニア騎士団長、お久しぶり。息災でしたか」
「はい」
姉はデニアと面識があるようだ。国内行事に積極的に参加しているのだから当然と言えば当然であった。国内行事よりも仕事を優先しているアンナはといえば、デニア・デュランタという名前に対してはうろ覚えであった。勿論、姿形もである。
「きちんとお話しするのは初めてですね、アンナリリアン様」
屈託のない笑みを向けられ、アンナは困惑する。こういうことには不馴れであるので、なんと返したらよいかわからず口籠ってしまう。
「……アンナリリアン・ F・グランヴィだ」
「ごめんなさいね。この子、こういう場にはあまり慣れていなくて」
アンナのやや手前に立つマリーの表情を見て取ることは出来ないが、姉がどんな顔をしているのかアンナには容易に想像出来た。余所行き用の、零れ落ちるような笑みを浮かべているに違いない。それは身内からすれば、場合によって魅力的に見えることもあれば、呆れてしまうこともあった。
「アンナ様がお忙しいのは承知しております。本日はお目にかかれて光栄です。今後ともよろしくお願い致します」
「……ああ」
スッとデニアが差し出してきた手をアンナは握り返す。その際にまたしてもにこやかに微笑まれ、アンナはぎこちなく笑みを返すしかなかった。
その後、一行が会場へと移動し姿を現すや否や、国民達からは盛大な拍手と控え目な歓声が上がった。国民達の視線は、珍しく公の場に姿を現したアンナに注がれる。美しいドレス姿に見蕩れ、のぼせたように顔を赤らめる者が続々と現れる中、王族達は用意された席に腰を下ろした。
「こういった行事は、いつもこんなに騒がしいのか?」
「いえ。今回は非常に珍しいことに、アンナ様も参加なさっているからでしょう」
「嫌みか?」
「まさか」
脇に控えるヴィウィに、アンナは小声で訊ねた。唇を殆ど動かさず答えたヴィウィは、再び周囲への警戒心を高めることに徹する。
一通りの挨拶が終わり、最後に挨拶をするのはマリーだ。ヴィウィに手を引かれながら中央の壇上へ向かい挨拶を済ませた直後、記念樹の植樹を行うプログラムが執り行われた。幼い子供達が小さな苗の根本に土を被せた後、司会の男が唐突にアンナの名前を呼んだ。
「何も聞いてねえぞ」
「大変失礼しました」
「反省してねえだろ、お前」
「国民達も喜びます」
柳に風なフォードに対して舌を打ったアンナは、係りの女に促されるまま会場の端──先程子供達が植樹をした場所へと歩み出る。行儀よく並べられた小さな苗の列の端に、彼女の腰辺りの高さの苗が準備されていた。
「アンナ様、こちらを」
係りの男が緊張した面持ちで、アンナにシャベルを差し出す。隣に立つ市長に笑みを向け、礼を言って受け取った瞬間、複数の何かが風を切る音が彼女の耳へ届いた。
「サン! ヴィウィ!」
アンナが叫ぶと同時に、名を呼ばれた二人は抜刀し、マリーの前に飛び出した。火の着いた四本の矢が空中で叩き切られ、焼失する。
「チィッ……伏せろ!」
アンナ本人を目掛けて、複数の矢が飛び交う。彼女の近くにいた市長、係りの男女を無理矢理押し倒すと、四人の頭上を火の着いた矢が通りすぎて言った。
「何処の馬鹿共だ一体」
周囲を見回すが、賊の姿は捉えられない。騎士団員達が既に観客の避難誘導を始めており、それを飛び越えたフォードとシナブル、それにデニアがアンナの元へと駆け付けた。
「お前達、ここはいいから姉上と義兄上を」
「抜かりありませんよ。優秀な部下を、マリー様とフォン様にお付けしました」
迫り来る火矢を 神力で叩き落としてゆくデニアが、声を張り上げる。どうやら耳に付けた小型の通信機で部下達に指示を出しているようだ。彼が刀を振るう間にも、観客達は次々に会場の外へと避難して行く。
「……フォード、お前は姉上達の所へ」
「はい!」
「シナブルはあたしに着いてこい。賊の首を斬りに行くぞ」
「かしこまりました」
デニアを一瞥したアンナは、「あなたは好きにすると良い」と言って 飛行盤で飛び出した。一礼したシナブルが、すぐにそれを追う。
「……信用ないなあ、俺」
溜め息を吐いたデニアは、周囲に怪我人がいないことを確認すると空中へ飛び上がり、二人の後を追った。
「大丈夫かい?」
「ええ、ありがとう」
フィアスシュムート城正面入口。そこに着けた六人乗りの豪奢な馬車の座席にはマリーへの配慮として、通常の何倍も柔らかな座面が用意されていた。あまりの柔らかさに、腰を下ろしたマリーは苦笑してしまった。
「こんなの、逆にお尻が跳ねちゃうわよ」
「安全運転で参りますから、大丈夫ですわ。ねえシナブル?」
「勿論でございます」
御者を務めるシナブルに声をかけるのは、彼の母であるサン・グランヴィ。子を五人生んだとは思えぬ若々しい容姿の彼女は、馬車に乗り込むとマリーの左手に腰を下ろした。その奥──マリーの右手には同じく彼女直属の臣下であるヴィウィが、腰を下ろしている。華奢な体躯、それに可愛らしい顔にそぐわぬ立派な刀を右腕で抱え込み、未だ苦笑する主の足を、暖かな膝掛けで覆った。
「ところで……アンナは馬車に乗らないのかしら」
「声はかけたんだけどなあ……」
予定としてアンナは、現在困惑中であるフォンの隣に座り、マリーを護衛する役割を担うことになっていた。しかし等の本人は「外の方が確実に守れるだろ」と言い張り、馬車の上に乗ろうと外で待機をしていた。
「姫……後生です、中にお入り下さい」
「何故だ?」
「外は私とシナブルで守りますので」
「馬車の中は落ち着かん」
「アンナ? 早く乗りなさい?」
外でのやり取りを見るに見かねたマリーが、声を張り上げてアンナを呼ぶ。姉の呼びかけに不満げに眉をひそめたアンナが馬車に乗り込むと、直ぐに扉が閉められた。
「おい! フォード!」
「出発致します」
「くそ、あの野郎……」
舌を打ったアンナは、フォンの隣にどかりと腰を下ろす。苦笑したフォンがアンナを嗜めると、マリーが呆れた声を上げた。
「あなたもいい加減、立場をわきまえなさいな」
「姉上もいい加減髪を切ったらどうなんだ」
「またそれ? いいじゃない。髪が長くても十分戦えるわ」
「どうだか」
姉妹の刺々しいいつものやり取りを、フォンは眼鏡の奥の瞳を綻ばせながら見つめる。にこにことマリーの腹に視線をやると、それに気が付いたアンナは義兄に倣った。
「随分と、物珍しいものを見る目ね」
「その中に赤ん坊がいるってのが、不思議でならない」
まだ少女のアンナには、どういう理屈で姉の腹に赤ん坊が宿ったのか理解が出来ていない。本人もそれを「何故」、「どうやって」などと深く考えることがなかったので、「夫を持てば自然と子を授かるもの」なのだと勝手に思い込んでいた。
「この家を継ぐのはあなたなんだから、あなたもいずれこうなるのよ?」
「今はそんなこと、まだ考えられねえな」
「いつまでもお子様で困ったものね」
馬車の外に控える二人の臣下に向けて、マリーは少しだけ声を張り上げた。勿論返事など返ってくるはずもない。馬車の後ろで護衛に徹するフォードは、遠くを眺めながら溜め息を吐き、御者を務めるシナブルは、赤面してただ俯くだけであった。
*
二十分ほど馬車を走らせたところで、一行は無事に植樹祭の会場に到着した。海に面した半屋外の広い会場には、既に来賓や国民達が多く詰めかけていた。目立たぬよう会場の裏口に止められた馬車の扉をフォードが開くと、数名の騎士団員が腰を折って挨拶をした。どうやら、会場へと向かう間の護衛のようだ。
「マリー様、お加減は変わりありませんか?」
「大丈夫よ。ありがとう、サン」
くるりと振り返ったサンのボブヘアーが、肩の上で弾む。姉の後ろを歩くアンナは、きょろきょろと辺りを見渡しては目を光らせている。
「そんなに心配しなくても、そうそう人が襲ってくることなんてないわよ」
「……嫌な気配がするんだよな」
「騎士団もこんなに沢山警備と護衛についているというのに、あたしたちの命を狙う者がいるとしたら、相当の馬鹿者ね」
アンナとマリー、それにフォンを守る騎士団達からは、ただならぬ緊張が伝わってくる。王族、それにその臣下に何かあっては騎士団として面目が立たない。そんな動きの硬い彼らを「戦力になりそうにないな」とアンナが一睨みすると、前方から見覚えのあるような──ないような男が、歩み寄ってきた。
「騎士団長!」
先頭を行く騎士団員の一人が声を上げる。騎士団長と呼ばれたブルーラベンダー色の髪の男が足を止めると、彼の背後にいた団員達は膝をつき頭を垂れた。
「本日はご無理を言ってしまい申し訳ありません。第四騎士団長 デニア・デュランタと申します」
騎士団にしては柔らかな顔立ちの男に、アンナは肝を抜かれる。彼は自分達と同じくティリスであった。年齢はマリーより少し下だろうか、伸ばした前髪を額に上げ、後ろ髪と共に首の後ろで一纏めにしていた。
「デニア騎士団長、お久しぶり。息災でしたか」
「はい」
姉はデニアと面識があるようだ。国内行事に積極的に参加しているのだから当然と言えば当然であった。国内行事よりも仕事を優先しているアンナはといえば、デニア・デュランタという名前に対してはうろ覚えであった。勿論、姿形もである。
「きちんとお話しするのは初めてですね、アンナリリアン様」
屈託のない笑みを向けられ、アンナは困惑する。こういうことには不馴れであるので、なんと返したらよいかわからず口籠ってしまう。
「……アンナリリアン・ F・グランヴィだ」
「ごめんなさいね。この子、こういう場にはあまり慣れていなくて」
アンナのやや手前に立つマリーの表情を見て取ることは出来ないが、姉がどんな顔をしているのかアンナには容易に想像出来た。余所行き用の、零れ落ちるような笑みを浮かべているに違いない。それは身内からすれば、場合によって魅力的に見えることもあれば、呆れてしまうこともあった。
「アンナ様がお忙しいのは承知しております。本日はお目にかかれて光栄です。今後ともよろしくお願い致します」
「……ああ」
スッとデニアが差し出してきた手をアンナは握り返す。その際にまたしてもにこやかに微笑まれ、アンナはぎこちなく笑みを返すしかなかった。
その後、一行が会場へと移動し姿を現すや否や、国民達からは盛大な拍手と控え目な歓声が上がった。国民達の視線は、珍しく公の場に姿を現したアンナに注がれる。美しいドレス姿に見蕩れ、のぼせたように顔を赤らめる者が続々と現れる中、王族達は用意された席に腰を下ろした。
「こういった行事は、いつもこんなに騒がしいのか?」
「いえ。今回は非常に珍しいことに、アンナ様も参加なさっているからでしょう」
「嫌みか?」
「まさか」
脇に控えるヴィウィに、アンナは小声で訊ねた。唇を殆ど動かさず答えたヴィウィは、再び周囲への警戒心を高めることに徹する。
一通りの挨拶が終わり、最後に挨拶をするのはマリーだ。ヴィウィに手を引かれながら中央の壇上へ向かい挨拶を済ませた直後、記念樹の植樹を行うプログラムが執り行われた。幼い子供達が小さな苗の根本に土を被せた後、司会の男が唐突にアンナの名前を呼んだ。
「何も聞いてねえぞ」
「大変失礼しました」
「反省してねえだろ、お前」
「国民達も喜びます」
柳に風なフォードに対して舌を打ったアンナは、係りの女に促されるまま会場の端──先程子供達が植樹をした場所へと歩み出る。行儀よく並べられた小さな苗の列の端に、彼女の腰辺りの高さの苗が準備されていた。
「アンナ様、こちらを」
係りの男が緊張した面持ちで、アンナにシャベルを差し出す。隣に立つ市長に笑みを向け、礼を言って受け取った瞬間、複数の何かが風を切る音が彼女の耳へ届いた。
「サン! ヴィウィ!」
アンナが叫ぶと同時に、名を呼ばれた二人は抜刀し、マリーの前に飛び出した。火の着いた四本の矢が空中で叩き切られ、焼失する。
「チィッ……伏せろ!」
アンナ本人を目掛けて、複数の矢が飛び交う。彼女の近くにいた市長、係りの男女を無理矢理押し倒すと、四人の頭上を火の着いた矢が通りすぎて言った。
「何処の馬鹿共だ一体」
周囲を見回すが、賊の姿は捉えられない。騎士団員達が既に観客の避難誘導を始めており、それを飛び越えたフォードとシナブル、それにデニアがアンナの元へと駆け付けた。
「お前達、ここはいいから姉上と義兄上を」
「抜かりありませんよ。優秀な部下を、マリー様とフォン様にお付けしました」
迫り来る火矢を 神力で叩き落としてゆくデニアが、声を張り上げる。どうやら耳に付けた小型の通信機で部下達に指示を出しているようだ。彼が刀を振るう間にも、観客達は次々に会場の外へと避難して行く。
「……フォード、お前は姉上達の所へ」
「はい!」
「シナブルはあたしに着いてこい。賊の首を斬りに行くぞ」
「かしこまりました」
デニアを一瞥したアンナは、「あなたは好きにすると良い」と言って 飛行盤で飛び出した。一礼したシナブルが、すぐにそれを追う。
「……信用ないなあ、俺」
溜め息を吐いたデニアは、周囲に怪我人がいないことを確認すると空中へ飛び上がり、二人の後を追った。
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