10 / 50
第一章
第九話 フェルメリアスの惨痛
しおりを挟む
ファイアランス王国の王室医師の一人であるアリシアは、エルフである。美しく輝くエルフ特有の金髪にエメラルドグリーンの瞳、それに上に伸びる耳輪の尖った耳はエルフの象徴であった。
エルフはティリスと同じく 火の み神力を扱うことが可能であるが、ティリスには無い能力を持っている──それが、傷を治癒するエルフ特有の力だ。例えば己の神力を手に纏い、負傷部位に触れることにより、負傷者の治癒能力を活性化させ完治させることが可能である。勿論それは己の肉体でも可能であるが、神力を多用しすぎると己の体力が尽きてしまう。そうなれば自己が死に至る可能性もある能力なので、自分自身に治癒の力を使用する場合には、匙加減の難しい部分もあった。
この能力はエルフの血が濃いティリス──エルフとティリスの間に生まれた子であれば、習得することが可能なものであった。勿論、エルフに比べ性能が落ちはするのであるが。
「姫!しっかりして下さい!姫!」
闘技台で応急措置を終え、一先ず腕の癒着の完了したアンナの身は担架に乗せられ、西第二棟一階の医務室へと運ばれていた。
担架の頭側を持ち駆けるシナブルの呼び掛けに、アンナは未だ反応しない。並走しながら治療を施すアリシアの額には玉のような汗が浮かんでいる。
「何事なの?」
医務室まであと一歩という所で、何者かに声をかけられる一行。声の主を振り返らずともわかる──まだ幼さの残るボーイソプラノの主は、アンナの二十五歳(人間でいうと五歳)年下の弟、フェルメリアスであった。
「…… 姉様っ!」
アンナと同じ血色の髪を振り乱し、エメラルドグリーンの瞳をこれでもかと見開いた彼は担架に駆け寄る。血塗れの右腕に赤く染まったシャツ。意識のない姉の手を握り、フェルメリアスは目に涙を浮かべた。
「父上か……」
「申し訳ありませんがフェル様」
「……わかっている。ごめん」
ハクラの言葉を聞き入れ、フェルはアンナから離れる。彼女を乗せた担架はすぐに医務室内の治療台へと移動され、アリシアによる治療が始まった。
邪魔にならぬよう治療台から離れた場所に置かれた丸椅子に腰掛けるシナブルとフェルは、その様子をただ見守るしかない。その間にもアリシアの神力(ミース)は着々とアンナの傷を癒していった。
「シナブル、どうしてこんな傷になったの」
「はい……」
「シナブル」
「はい……その、陛下が姫の腕を切り落としまして」
その言葉に肩を震わせたフェルは、その幼い顔にそぐわぬ険しい顔を見せる。悔しげに唇を噛みしめると、足元に視線を落とした。
「……僕が姉様よりも早く生まれていれば、こんなことには」
フェルの髪もアンナと同じく血の色だ。ファイアランス王国 グランヴィ家では、男女関係なくこの髪の色を持ち先に生まれてきたものが王位を継ぐことが決まっている。フェルはアンナにもしものことがあった時の保険として、他のきょうだい達よりも厳しく育てられている。──が、それはアンナの比ではなかった。
「……フェル……それは言わない約束だろう」
「姉様!?」
意識を取り戻したアンナは、シナブルとフェルへと視線を投げる。重い頭はまだ上げる出来ないのか、動いたのは鋭く赤い瞳だけだ。
「アンナ様、お加減は」
「……ああ、腕以外は大丈夫そうだ。ハクラ、アリシア……いつも悪いな」
断たれた骨の結合は済んだものの、血管や神経、それに外皮の修復にはまだ至っていないアンナの腕。アリシアの神力量と体力を見ながらの治療になるので、完全回復には二日程度はかかるであろう。
アンナの体調を窺いつつ、アリシアは神力(ミース)を流し込む。擦過傷などの小さな傷は、全てハクラが手早く処置を済ませていた。包帯やガーゼだらけになったアンナの姿は実に痛々しい。
「フェル、あたしはあんたの姉だよ。弟を守ることくらい、させてくれ」
伸ばした手はフェルの頬を撫でる。その先端に触れた小さな手は、ほっそりとした姉の指先を這い握りしめた。固く目を閉じた彼は一瞬口を開きかけるも、言葉を飲み込むようにそれを閉じた。
「僕は……そろそろ戻るよ」
「ああ、ありがとうフェル」
「そうだ姉様、耳に入れておきたいことがあるんだけど……」
「何だ?」
「でも、怪我が」
「いいから言ってみな」
「実は──」
フェルが言うに、三日後首都フィアスシュムート沿岸の町 ミズラルで開催される植樹祭──アンナ自身もそれは把握していたが、どうやら彼女の帰国を知った国民達の間で、「アンナ様にも是非ご出席して頂きたい」という話が上がっているようだ。
「今年、来賓として出席するのは誰なんだ?」
「姉上とフォン 義兄上だよ」
「で、そこにあたしも出ろってか」
「姉様、あまり国内に滞在しないからね。こういうタイミングで帰国すると『是非に』って声がかかるのは仕方がないと思うよ」
アンナは仕事で国を開けることが多い。国に滞在するのが嫌で、好き好んでそうしている訳ではないのたが、如何せん彼女は多忙だ。彼女自身も己の能力向上のため、積極的に仕事に出向いていたし、帰国すれば城に籠って鍛練をするばかりであった。それ故、彼女の人気を考えれば国民達から声がかかるのも無理はない──といった現状である。
「そういえば今回は騎士団長も来るみたいだよ」
「いつも多忙を理由に欠席してるくせにか?」
「今回は三十回記念だからじゃないのかな」
騎士団というのはこの世界に二十四の部隊を持つ、治安を維持する政府公認の武力集団だ。部隊のトップに君臨する実力者は騎士団長と呼ばれ、所有する二十の部隊に段階的に仕事を割り振っている。
治安維持以外にも戦争への参加や被災地の復興など活動は様々である。その騎士団長──ファイアランス王国に本拠地を置く第四騎士団長 デニア・デュランタが、この植樹祭に出席するとのこと。
「デニア・デュランタ?」
「姉様、まだちゃんと会ったことないでしょ? 騎士団と人脈を作るのも、仕事を円滑に進める為に──」
「フェル、言ってることが子供じみてなくて可愛いげがないぞ」
「姉様はまたそういうことを言う……。どうやら、デュランタ団長も姉様に会いたがってるらしいし」
フェルの言う通り、アンナはデニア・デュランタという男に正面から面会したことはない。会議や行事で姿を見かけたことはあったような気もするがはっきりとは記憶にない。良い機会であるし、フェルの言う通り顔を合わせておくのも悪くないかもしれないなと、アンナは思案する。
「怪我の治りが悪かったら、無理はしないでね。多分、話がまとまればコラーユから連絡が行くと思うから」
「ああ。ところで、祖母上はまだ戻られてないのか?」
「うん、まだ」
「わかった、ありがとうフェル」
手を振ったフェルが医務室から出ていくと、アンナの腕に管へと繋がる針が差し込まれた。治療再開の合図である。
「シナブル、お前も戻っていいぞ。忙しくなるだろうし」
「承知致しました。何かありましたらお呼びつけ下さい」
その背を見送ったアンナは、治療台の上で目を閉じた。目覚めた時にはきっと粗方治療は済んでいるだろう。
エルフはティリスと同じく 火の み神力を扱うことが可能であるが、ティリスには無い能力を持っている──それが、傷を治癒するエルフ特有の力だ。例えば己の神力を手に纏い、負傷部位に触れることにより、負傷者の治癒能力を活性化させ完治させることが可能である。勿論それは己の肉体でも可能であるが、神力を多用しすぎると己の体力が尽きてしまう。そうなれば自己が死に至る可能性もある能力なので、自分自身に治癒の力を使用する場合には、匙加減の難しい部分もあった。
この能力はエルフの血が濃いティリス──エルフとティリスの間に生まれた子であれば、習得することが可能なものであった。勿論、エルフに比べ性能が落ちはするのであるが。
「姫!しっかりして下さい!姫!」
闘技台で応急措置を終え、一先ず腕の癒着の完了したアンナの身は担架に乗せられ、西第二棟一階の医務室へと運ばれていた。
担架の頭側を持ち駆けるシナブルの呼び掛けに、アンナは未だ反応しない。並走しながら治療を施すアリシアの額には玉のような汗が浮かんでいる。
「何事なの?」
医務室まであと一歩という所で、何者かに声をかけられる一行。声の主を振り返らずともわかる──まだ幼さの残るボーイソプラノの主は、アンナの二十五歳(人間でいうと五歳)年下の弟、フェルメリアスであった。
「…… 姉様っ!」
アンナと同じ血色の髪を振り乱し、エメラルドグリーンの瞳をこれでもかと見開いた彼は担架に駆け寄る。血塗れの右腕に赤く染まったシャツ。意識のない姉の手を握り、フェルメリアスは目に涙を浮かべた。
「父上か……」
「申し訳ありませんがフェル様」
「……わかっている。ごめん」
ハクラの言葉を聞き入れ、フェルはアンナから離れる。彼女を乗せた担架はすぐに医務室内の治療台へと移動され、アリシアによる治療が始まった。
邪魔にならぬよう治療台から離れた場所に置かれた丸椅子に腰掛けるシナブルとフェルは、その様子をただ見守るしかない。その間にもアリシアの神力(ミース)は着々とアンナの傷を癒していった。
「シナブル、どうしてこんな傷になったの」
「はい……」
「シナブル」
「はい……その、陛下が姫の腕を切り落としまして」
その言葉に肩を震わせたフェルは、その幼い顔にそぐわぬ険しい顔を見せる。悔しげに唇を噛みしめると、足元に視線を落とした。
「……僕が姉様よりも早く生まれていれば、こんなことには」
フェルの髪もアンナと同じく血の色だ。ファイアランス王国 グランヴィ家では、男女関係なくこの髪の色を持ち先に生まれてきたものが王位を継ぐことが決まっている。フェルはアンナにもしものことがあった時の保険として、他のきょうだい達よりも厳しく育てられている。──が、それはアンナの比ではなかった。
「……フェル……それは言わない約束だろう」
「姉様!?」
意識を取り戻したアンナは、シナブルとフェルへと視線を投げる。重い頭はまだ上げる出来ないのか、動いたのは鋭く赤い瞳だけだ。
「アンナ様、お加減は」
「……ああ、腕以外は大丈夫そうだ。ハクラ、アリシア……いつも悪いな」
断たれた骨の結合は済んだものの、血管や神経、それに外皮の修復にはまだ至っていないアンナの腕。アリシアの神力量と体力を見ながらの治療になるので、完全回復には二日程度はかかるであろう。
アンナの体調を窺いつつ、アリシアは神力(ミース)を流し込む。擦過傷などの小さな傷は、全てハクラが手早く処置を済ませていた。包帯やガーゼだらけになったアンナの姿は実に痛々しい。
「フェル、あたしはあんたの姉だよ。弟を守ることくらい、させてくれ」
伸ばした手はフェルの頬を撫でる。その先端に触れた小さな手は、ほっそりとした姉の指先を這い握りしめた。固く目を閉じた彼は一瞬口を開きかけるも、言葉を飲み込むようにそれを閉じた。
「僕は……そろそろ戻るよ」
「ああ、ありがとうフェル」
「そうだ姉様、耳に入れておきたいことがあるんだけど……」
「何だ?」
「でも、怪我が」
「いいから言ってみな」
「実は──」
フェルが言うに、三日後首都フィアスシュムート沿岸の町 ミズラルで開催される植樹祭──アンナ自身もそれは把握していたが、どうやら彼女の帰国を知った国民達の間で、「アンナ様にも是非ご出席して頂きたい」という話が上がっているようだ。
「今年、来賓として出席するのは誰なんだ?」
「姉上とフォン 義兄上だよ」
「で、そこにあたしも出ろってか」
「姉様、あまり国内に滞在しないからね。こういうタイミングで帰国すると『是非に』って声がかかるのは仕方がないと思うよ」
アンナは仕事で国を開けることが多い。国に滞在するのが嫌で、好き好んでそうしている訳ではないのたが、如何せん彼女は多忙だ。彼女自身も己の能力向上のため、積極的に仕事に出向いていたし、帰国すれば城に籠って鍛練をするばかりであった。それ故、彼女の人気を考えれば国民達から声がかかるのも無理はない──といった現状である。
「そういえば今回は騎士団長も来るみたいだよ」
「いつも多忙を理由に欠席してるくせにか?」
「今回は三十回記念だからじゃないのかな」
騎士団というのはこの世界に二十四の部隊を持つ、治安を維持する政府公認の武力集団だ。部隊のトップに君臨する実力者は騎士団長と呼ばれ、所有する二十の部隊に段階的に仕事を割り振っている。
治安維持以外にも戦争への参加や被災地の復興など活動は様々である。その騎士団長──ファイアランス王国に本拠地を置く第四騎士団長 デニア・デュランタが、この植樹祭に出席するとのこと。
「デニア・デュランタ?」
「姉様、まだちゃんと会ったことないでしょ? 騎士団と人脈を作るのも、仕事を円滑に進める為に──」
「フェル、言ってることが子供じみてなくて可愛いげがないぞ」
「姉様はまたそういうことを言う……。どうやら、デュランタ団長も姉様に会いたがってるらしいし」
フェルの言う通り、アンナはデニア・デュランタという男に正面から面会したことはない。会議や行事で姿を見かけたことはあったような気もするがはっきりとは記憶にない。良い機会であるし、フェルの言う通り顔を合わせておくのも悪くないかもしれないなと、アンナは思案する。
「怪我の治りが悪かったら、無理はしないでね。多分、話がまとまればコラーユから連絡が行くと思うから」
「ああ。ところで、祖母上はまだ戻られてないのか?」
「うん、まだ」
「わかった、ありがとうフェル」
手を振ったフェルが医務室から出ていくと、アンナの腕に管へと繋がる針が差し込まれた。治療再開の合図である。
「シナブル、お前も戻っていいぞ。忙しくなるだろうし」
「承知致しました。何かありましたらお呼びつけ下さい」
その背を見送ったアンナは、治療台の上で目を閉じた。目覚めた時にはきっと粗方治療は済んでいるだろう。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
ブレイブエイト〜異世界八犬伝伝説〜
蒼月丸
ファンタジー
異世界ハルヴァス。そこは平和なファンタジー世界だったが、新たな魔王であるタマズサが出現した事で大混乱に陥ってしまう。
魔王討伐に赴いた勇者一行も、タマズサによって壊滅してしまい、行方不明一名、死者二名、捕虜二名という結果に。このままだとハルヴァスが滅びるのも時間の問題だ。
それから数日後、地球にある後楽園ホールではプロレス大会が開かれていたが、ここにも魔王軍が攻め込んできて多くの客が殺されてしまう事態が起きた。
当然大会は中止。客の生き残りである東零夜は魔王軍に怒りを顕にし、憧れのレスラーである藍原倫子、彼女のパートナーの有原日和と共に、魔王軍がいるハルヴァスへと向かう事を決断したのだった。
八犬士達の意志を継ぐ選ばれし八人が、魔王タマズサとの戦いに挑む!
地球とハルヴァス、二つの世界を行き来するファンタジー作品、開幕!
Nolaノベル、PageMeku、ネオページ、なろうにも連載しています!

非公式怪異対策組織『逢魔ヶ刻』
メイ
ファンタジー
人気たこ焼き店の不正摘発、原因はタコと偽った得体の知れない食品の混入。
都内の下町にて一人暮らしの老婆の不可解な死。家の中には大量のお札が貼られていて、書き遺された手紙には「湧いて出る、湧いて出る」の一言のみ。
錯乱した通り魔による無差別殺傷事件、犯人は現行犯により警官二名にその場にて取り押さえられたものの、異様なほどに何かに怯えていたらしい。
その時の発言が、「もうじきイビツガミがやってくる」
私たちの知らないところで、何かが起きてる。
得体の知れないものが不気味に蠢いていて、人智の及ばないことが始まろうとしてる。
これは、私と怪異により描かれる不思議なお話
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
独身寮のふるさとごはん まかないさんの美味しい献立
水縞しま
ライト文芸
旧題:独身寮のまかないさん ~おいしい故郷の味こしらえます~
第7回ライト文芸大賞【料理・グルメ賞】作品です。
◇◇◇◇
飛騨高山に本社を置く株式会社ワカミヤの独身寮『杉野館』。まかない担当として働く有村千影(ありむらちかげ)は、決まった予算の中で献立を考え、食材を調達し、調理してと日々奮闘していた。そんなある日、社員のひとりが失恋して落ち込んでしまう。食欲もないらしい。千影は彼の出身地、富山の郷土料理「ほたるいかの酢味噌和え」をこしらえて励まそうとする。
仕事に追われる社員には、熱々がおいしい「味噌煮込みうどん(愛知)」。
退職しようか思い悩む社員には、じんわりと出汁が沁みる「聖護院かぶと鯛の煮物(京都)」。
他にも飛騨高山の「赤かぶ漬け」「みだらしだんご」、大阪の「モダン焼き」など、故郷の味が盛りだくさん。
おいしい故郷の味に励まされたり、癒されたり、背中を押されたりするお話です。

秋月の鬼
凪子
ファンタジー
時は昔。吉野の国の寒村に生まれ育った少女・常盤(ときわ)は、主都・白鴎(はくおう)を目指して旅立つ。領主秋月家では、当主である京次郎が正室を娶るため、国中の娘から身分を問わず花嫁候補を募っていた。
安曇城へたどりついた常盤は、美貌の花魁・夕霧や、高貴な姫君・容花、おきゃんな町娘・春日、おしとやかな令嬢・清子らと出会う。
境遇も立場もさまざまな彼女らは候補者として大部屋に集められ、その日から当主の嫁選びと称する試練が始まった。
ところが、その試練は死者が出るほど苛酷なものだった……。
常盤は試練を乗り越え、領主の正妻の座を掴みとれるのか?
千年巡礼
石田ノドカ
ファンタジー
妖怪たちの住まう世界に、一人の少年が迷い込んだ。
見た事もない異形の蔓延る世界だったが、両親の顔を知らず、友人もいない少年にとって、そこは次第に唯一の楽しみへと変わっていった。
そんなある日のこと。
少年はそこで、友達の咲夜を護る為、命を落としてかけてしまう。
幸い、咲夜の特別な力によって一命は取り留めたが、その過程で半妖となってしまったことで、元居た世界へは帰れなくなってしまった。
『方法はないの?』
方法は一つだけ。
妖たちの宿敵である妖魔の長、『酒吞童子』を、これまでと同じ『封印』ではなく、滅することのみ。
『ぼく、こんどこそ、さくやさまをまもるヒーローになる!』
そんな宣言を、仲の良かった妖らは馬鹿にもしたが。
十年の修行の末——
青年となった少年は、妖たちの住まう国『桜花』を護るための部隊へ所属することとなる。
勘当貴族なオレのクズギフトが強すぎる! ×ランクだと思ってたギフトは、オレだけ使える無敵の能力でした
赤白玉ゆずる
ファンタジー
【コミックス第1巻発売です!】
早ければ、電子書籍版は2/18から販売開始、紙書籍は2/19に店頭に並ぶことと思います。
皆様どうぞよろしくお願いいたします。
【10/23コミカライズ開始!】
『勘当貴族なオレのクズギフトが強すぎる!』のコミカライズが連載開始されました!
颯希先生が描いてくださるリュークやアニスたちが本当に素敵なので、是非ご覧になってくださいませ。
【第2巻が発売されました!】
今回も改稿や修正を頑張りましたので、皆様どうぞよろしくお願いいたします。
イラストは蓮禾先生が担当してくださいました。サクヤとポンタ超可愛いですよ。ゾンダールもシブカッコイイです!
素晴らしいイラストの数々が載っておりますので、是非見ていただけたら嬉しいです。
【ストーリー紹介】
幼い頃、孤児院から引き取られた主人公リュークは、養父となった侯爵から酷い扱いを受けていた。
そんなある日、リュークは『スマホ』という史上初の『Xランク』スキルを授かる。
養父は『Xランク』をただの『バツランク』だと馬鹿にし、リュークをきつくぶん殴ったうえ、親子の縁を切って家から追い出す。
だが本当は『Extraランク』という意味で、超絶ぶっちぎりの能力を持っていた。
『スマホ』の能力――それは鑑定、検索、マップ機能、動物の言葉が翻訳ができるほか、他人やモンスターの持つスキル・魔法などをコピーして取得が可能なうえ、写真に撮ったものを現物として出せたり、合成することで強力な魔導装備すら製作できる最凶のものだった。
貴族家から放り出されたリュークは、朱鷺色の髪をした天才美少女剣士アニスと出会う。
『剣姫』の二つ名を持つアニスは雲の上の存在だったが、『スマホ』の力でリュークは成り上がり、徐々にその関係は接近していく。
『スマホ』はリュークの成長とともにさらに進化し、最弱の男はいつしか世界最強の存在へ……。
どん底だった主人公が一発逆転する物語です。
※別小説『ぶっ壊れ錬金術師(チート・アルケミスト)はいつか本気を出してみたい 魔導と科学を極めたら異世界最強になったので、自由気ままに生きていきます』も書いてますので、そちらもどうぞよろしくお願いいたします。
とあるおっさんのVRMMO活動記
椎名ほわほわ
ファンタジー
VRMMORPGが普及した世界。
念のため申し上げますが戦闘も生産もあります。
戦闘は生々しい表現も含みます。
のんびりする時もあるし、えぐい戦闘もあります。
また一話一話が3000文字ぐらいの日記帳ぐらいの分量であり
一人の冒険者の一日の活動記録を覗く、ぐらいの感覚が
お好みではない場合は読まれないほうがよろしいと思われます。
また、このお話の舞台となっているVRMMOはクリアする事や
無双する事が目的ではなく、冒険し生きていくもう1つの人生が
テーマとなっているVRMMOですので、極端に戦闘続きという
事もございません。
また、転生物やデスゲームなどに変化することもございませんので、そのようなお話がお好みの方は読まれないほうが良いと思われます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる