49 / 61
49/堕ちてゆく(6)★
しおりを挟む
わたしはなんと愚かな女なのだろう。クズで最低で本当に救いようがない馬鹿だ。とおやは優しいから、嫌だと抵抗すればきっと止めてくれるだろうと期待していた。そうでもしないと自分で止まれる自信がなかった。目の前にあんなものを突き付けられて、退ける筈などない。わたしだって……──セックスもフェラも好きなのだから、あんなに大きくなった艶やかなモノを差し出されて退けるほど、出来た女ではなかったということだ。
「駄目だよ……こんな関係、絶対に駄目……」
口に出してはみたものの、身体にほんのりと残る彼の香りに体温、それに快楽の余韻。心の底から彼を憎まない限り、今後も拒絶できる自信がなかった。嫌い嫌いと言いながら、本当はわたしはまだ──。
「やっぱり……こんなことがあってもまだわたし……とおやのことが好きなの……? 馬鹿じゃないの……」
自分の気持ちがわからなかった。けれど彼を受け入れたということはそういうことであって。だからといって今までと同じように好きだ、愛していると堂々と口にすることは憚られた。他の女性と関係をもった男を、堂々と恋人だなんて言えっこない。そこだけは絶対に許せなかった。
(だから……なんとしてもこの関係を断たなきゃ駄目。こんなの、まるでセフレだもの)
シャワーと着替えを済ませ、散らかった部屋を片付ける。大晦日で天気もいいので、ついでにカーテンも洗っておいた。カーテンレールに吊るしておけば自然に乾くので、その間に窓を拭きベランダの掃除もしてしまった。とおやのことだから、帰宅したところで年末の大掃除なんてしないだろうし。
「何やってるんだろわたし……」
別れた男の部屋の大掃除をするなんてどうかしている。気が付けば部屋はピカピカで、時計は十五時を回った所だった。そういえば朝から何も食べていない。とおやも何も食べずに出掛けて行ったけれど、大丈夫だろうか。
(またとおやのこと考えてる、わたし……)
溜め息を吐いてソファに腰を下ろす。コンビニで何か買って帰ろうかなとぼんやりと考え始めた時だった。玄関の鍵が開き、ドタドタと早足で帰宅したとおやがリビングに姿を現した。
「あ……おかえり」
「まだいるとは思わなかった」
「大丈夫、もう帰るところだから」
鞄を持つと同時にわたしの腹の虫が派手に鳴いた。大笑いしたとおやを睨み付けると、彼は何やら茶色い紙袋を差し出した。よく知ったスタンプの押された袋からは焼きたてのパンの香りがふわりと鼻を掠める。
「これ、お前が好きなサンドイッチの店の」
「どうしたの?」
「昼飯と、余ったのは明日の朝食おうと思って。気が付いたら足が向いてた。一緒に食おうぜ」
「でも……」
「腹減ってるならとりあえず食ってからどうするか考えろ」
「うん……」
「コーヒー? 紅茶?」
「紅茶。淹れるよ? 着替えてきたら?」
「いいから座ってろよ」
去り際に軽いキスを落とされ、驚いてソファに尻餅をついてしまった。これじゃあまるで仲睦まじいカップルだ。ソファに並んで遅い昼食をとりながらテレビをつけると、恋愛ものの古い洋画が流れていた。
「……ねえ、とおや」
「何?」
寄ってきた尻の距離が詰り、わたしの腰にとおやの腕が回される。ぴったりと身を寄せる光景は本当に良い雰囲気の恋人たちのようで。
「ちゃんと別れよう? こんな関係イヤ……駄目だよ……」
「こんな関係って?」
「好きでもないのに、身体だけ重ねる関係」
「俺はお前が好きだし」
「わたしは……! 好きじゃない!」
腰に回された腕を解こうにも、力が強くて敵わない。捲ったセーターの袖から覗く筋肉が浮き上がった腕に目を奪われてしまう。少し見ない間にこんな──……。
(駄目、とおやの中に男を見ては駄目……!)
この腕に抱き寄せられたいと、その先に繋がった長い指に触れられたいと──考えた刹那、身体がじんじんと熱を帯び始める。
(そうだ……わたしはこの、長い指に犯されるのが大好きだった)
無意識だった。吸い寄せられるようにその指に触れていた。ハッとして手を引っ込めた時には時既に遅く、手首と顎を掴まれ身動きがとれなくなっていた。
「本当に好きじゃない?」
「……」
「なあ、ほたる」
「あんたのことなんか……もっともっと嫌いになりたいのにっ!」
目頭が熱い。涙を堪えるのに必死だというのに、柔らかい顔のとおやは啄むようにわたしに唇を落とす。こういうのは本当に駄目、反則だ。いつものぶっきらぼうな口調ではなく、わたしに寄り添うような優しい口調。一体何処でこんなテクニックを身に付けたのだろうか。
「お願い……もう、わたしに優しくしないで」
「別に、いつも通りだけど?」
「……お願い、嫌いになりたいの、お願い……」
「どうやったら嫌いになるんだろうな」
「んっ……!」
ソファに組み敷かれ、乱暴に唇を塞がれる。センターテーブルに足がぶつかり、衝撃で食器が派手な音を上げた。
「お前が嫌がることすれば、嫌いになるんじゃね?」
「それは……」
「試してみようぜ。お前、俺とヤりたくねえんだろ?」
「そう……だけど……」
「それとも……俺の身体に依存して、逆に離れられなくなるかも?」
そんなことない、と否定する間もなく唇は塞がれ、上から順々に衣服が剥ぎ取られてゆく。わたしもそれ倣って負けじと彼の衣服を奪い取る。夕刻のまだ明るい空からの光に照らされる、とおやの露になった肉体に自然と頬が緩んだ。
「待って……さっきカーテン洗って、少しだけ窓開けてるから閉めないと」
「カーテン洗ってくれたのか?」
「うん……」
「ありがとな」
「あっ……ちょっと!」
嫌いになりたいと言っているのに、どうして優しくするのだろう。結局窓を閉めることも叶わず革張りのひんやりとしたソファに押し倒され、胸に吸い付かれてしまう。
「あッ……や、やッ……ん……」
「は……あ、ほたる、ほたる……」
「んッ、んぁッ……ん……」
愛撫の合間に脱いだのか、既に臨戦態勢のとおやの陰茎が口内に捩じ込まれる。仰向けのわたしの上に跨がり、性器だけを突き出したとおやの表情は見てとることができない。
「あ……あぅ、う、気持ち、ぃ……あ゛……!」
とおやの先走りとわたしの唾液が混じりあって、口回りはベタベタだ。彼の可愛い声がもっともっと聴きたくて、髪が張り付くのも厭わず何度も──何度も絶頂に達する寸前で手を止め口を止め、限界まで苛め尽くした。
「ほたる……ほたるッ、い、挿れたい……挿れたい……!」
「……うん」
泣き出す寸前のような掠れた声に頷くと、ふらりと立ち上がったとおやは避妊具を取りに寝室へと向かう。一人残されたわたしは、ぼんやりと己の愛液で濡れたソファに視線を落とした。
(何やってるんだろ、わたし)
とおやの言う通り、セックスをすれば本当に彼のことを嫌いになれるのか。その問に胸を張ってイエスと言える筈なんてなかった。冗談めかして言った、とおやのあの台詞──。
「──俺の身体に依存して、逆に離れられなくなるかも?」
依存。それはもっとも怖い言葉。彼無しでは──彼の身体無しでは駄目な女になってしまうだなんて、そんなことは嫌だった。
人が懸命に考え事をしているというのに、そんなことなど露知らず。とおやはわたしの足を開きながら待ちきれないと言わんばかりに熱い身体を押込み、熱の籠った吐息を漏らす。
「あ……あッあ……きもちいい……あッ、熱い……い゛……とおやッ……おっきい……よぉ……」
「お前……案外チョロいよな」
「な……ぁに?」
「いや、なんでもねえ」
「んッ……」
快感に頭が眩み、とおやの声が頭に入ってこなかった。悪口を言った後の意地の悪い顔をしていたというのに、一体何と言ったのだろう。
「ほら、もっと足開けよ……」
「やッ……奥ッ、おくだめッだからッ……ああ、ん、ああぁッ……!」
仰け反る腰を、とおやのあの──筋肉質な腕が押さえつける。長い指が腹に食い込み、無理矢理犯されていることに興奮してしまう。
「うぁッ……お前、ちょっと濡れすぎ……何? 興奮してんの?」
「ち……ちが……!」
「ふーん?」
「ああぁッ! やッやッやッ……ちょっと! だめッだめッ突きすぎ……あああい゛イクイク、いッちゃ……う……はッ……あ……!!」
びくん、と全身が跳ね、絶頂の余韻に足が痺れる。なんだろう、いつもと同じセックスな筈なのにこんなにも心地よく興奮してしまうのは何故──。
「ほんとすぐイクよなー」
「ちがッ……ちが、うッ……」
「何? イッてなかった? あんな顔しといてそれはねえだろ」
(だめ……嫌いに……なれない……)
「とおや……わたし……」
「なんだよ」
「どうしたらいいか……わからない……」
「気持ち良くてパニクったか? 足開いて、喘いでくれてりゃそれでいいけど」
そういう意味じゃないと否定したいのに、喘ぎすぎて乾いた口から言葉を絞り出すことは難しくて。結局そのまま時間を忘れて混じり合い、昨夜の寝不足も手伝って誘われるままベッドで眠ってしまった。目覚めた時には元旦の朝で、一人反省会をする間もなく起き抜けのとおやに犯されてしまったのだった。
その日のうちはもう考えることが面倒になって、結局何度も身体を重ねてしまった。気持ち良ければそれでいい──交わっている間はそうやって納得しているというのに、熱が覚め冷静になると、何を馬鹿なことをしているのかと自分に呆れてしまうのだ。
そんなことをもう一日繰り返したというのに、とおやを嫌いになったかと聞かれれば──答えはノーだった。
「駄目だよ……こんな関係、絶対に駄目……」
口に出してはみたものの、身体にほんのりと残る彼の香りに体温、それに快楽の余韻。心の底から彼を憎まない限り、今後も拒絶できる自信がなかった。嫌い嫌いと言いながら、本当はわたしはまだ──。
「やっぱり……こんなことがあってもまだわたし……とおやのことが好きなの……? 馬鹿じゃないの……」
自分の気持ちがわからなかった。けれど彼を受け入れたということはそういうことであって。だからといって今までと同じように好きだ、愛していると堂々と口にすることは憚られた。他の女性と関係をもった男を、堂々と恋人だなんて言えっこない。そこだけは絶対に許せなかった。
(だから……なんとしてもこの関係を断たなきゃ駄目。こんなの、まるでセフレだもの)
シャワーと着替えを済ませ、散らかった部屋を片付ける。大晦日で天気もいいので、ついでにカーテンも洗っておいた。カーテンレールに吊るしておけば自然に乾くので、その間に窓を拭きベランダの掃除もしてしまった。とおやのことだから、帰宅したところで年末の大掃除なんてしないだろうし。
「何やってるんだろわたし……」
別れた男の部屋の大掃除をするなんてどうかしている。気が付けば部屋はピカピカで、時計は十五時を回った所だった。そういえば朝から何も食べていない。とおやも何も食べずに出掛けて行ったけれど、大丈夫だろうか。
(またとおやのこと考えてる、わたし……)
溜め息を吐いてソファに腰を下ろす。コンビニで何か買って帰ろうかなとぼんやりと考え始めた時だった。玄関の鍵が開き、ドタドタと早足で帰宅したとおやがリビングに姿を現した。
「あ……おかえり」
「まだいるとは思わなかった」
「大丈夫、もう帰るところだから」
鞄を持つと同時にわたしの腹の虫が派手に鳴いた。大笑いしたとおやを睨み付けると、彼は何やら茶色い紙袋を差し出した。よく知ったスタンプの押された袋からは焼きたてのパンの香りがふわりと鼻を掠める。
「これ、お前が好きなサンドイッチの店の」
「どうしたの?」
「昼飯と、余ったのは明日の朝食おうと思って。気が付いたら足が向いてた。一緒に食おうぜ」
「でも……」
「腹減ってるならとりあえず食ってからどうするか考えろ」
「うん……」
「コーヒー? 紅茶?」
「紅茶。淹れるよ? 着替えてきたら?」
「いいから座ってろよ」
去り際に軽いキスを落とされ、驚いてソファに尻餅をついてしまった。これじゃあまるで仲睦まじいカップルだ。ソファに並んで遅い昼食をとりながらテレビをつけると、恋愛ものの古い洋画が流れていた。
「……ねえ、とおや」
「何?」
寄ってきた尻の距離が詰り、わたしの腰にとおやの腕が回される。ぴったりと身を寄せる光景は本当に良い雰囲気の恋人たちのようで。
「ちゃんと別れよう? こんな関係イヤ……駄目だよ……」
「こんな関係って?」
「好きでもないのに、身体だけ重ねる関係」
「俺はお前が好きだし」
「わたしは……! 好きじゃない!」
腰に回された腕を解こうにも、力が強くて敵わない。捲ったセーターの袖から覗く筋肉が浮き上がった腕に目を奪われてしまう。少し見ない間にこんな──……。
(駄目、とおやの中に男を見ては駄目……!)
この腕に抱き寄せられたいと、その先に繋がった長い指に触れられたいと──考えた刹那、身体がじんじんと熱を帯び始める。
(そうだ……わたしはこの、長い指に犯されるのが大好きだった)
無意識だった。吸い寄せられるようにその指に触れていた。ハッとして手を引っ込めた時には時既に遅く、手首と顎を掴まれ身動きがとれなくなっていた。
「本当に好きじゃない?」
「……」
「なあ、ほたる」
「あんたのことなんか……もっともっと嫌いになりたいのにっ!」
目頭が熱い。涙を堪えるのに必死だというのに、柔らかい顔のとおやは啄むようにわたしに唇を落とす。こういうのは本当に駄目、反則だ。いつものぶっきらぼうな口調ではなく、わたしに寄り添うような優しい口調。一体何処でこんなテクニックを身に付けたのだろうか。
「お願い……もう、わたしに優しくしないで」
「別に、いつも通りだけど?」
「……お願い、嫌いになりたいの、お願い……」
「どうやったら嫌いになるんだろうな」
「んっ……!」
ソファに組み敷かれ、乱暴に唇を塞がれる。センターテーブルに足がぶつかり、衝撃で食器が派手な音を上げた。
「お前が嫌がることすれば、嫌いになるんじゃね?」
「それは……」
「試してみようぜ。お前、俺とヤりたくねえんだろ?」
「そう……だけど……」
「それとも……俺の身体に依存して、逆に離れられなくなるかも?」
そんなことない、と否定する間もなく唇は塞がれ、上から順々に衣服が剥ぎ取られてゆく。わたしもそれ倣って負けじと彼の衣服を奪い取る。夕刻のまだ明るい空からの光に照らされる、とおやの露になった肉体に自然と頬が緩んだ。
「待って……さっきカーテン洗って、少しだけ窓開けてるから閉めないと」
「カーテン洗ってくれたのか?」
「うん……」
「ありがとな」
「あっ……ちょっと!」
嫌いになりたいと言っているのに、どうして優しくするのだろう。結局窓を閉めることも叶わず革張りのひんやりとしたソファに押し倒され、胸に吸い付かれてしまう。
「あッ……や、やッ……ん……」
「は……あ、ほたる、ほたる……」
「んッ、んぁッ……ん……」
愛撫の合間に脱いだのか、既に臨戦態勢のとおやの陰茎が口内に捩じ込まれる。仰向けのわたしの上に跨がり、性器だけを突き出したとおやの表情は見てとることができない。
「あ……あぅ、う、気持ち、ぃ……あ゛……!」
とおやの先走りとわたしの唾液が混じりあって、口回りはベタベタだ。彼の可愛い声がもっともっと聴きたくて、髪が張り付くのも厭わず何度も──何度も絶頂に達する寸前で手を止め口を止め、限界まで苛め尽くした。
「ほたる……ほたるッ、い、挿れたい……挿れたい……!」
「……うん」
泣き出す寸前のような掠れた声に頷くと、ふらりと立ち上がったとおやは避妊具を取りに寝室へと向かう。一人残されたわたしは、ぼんやりと己の愛液で濡れたソファに視線を落とした。
(何やってるんだろ、わたし)
とおやの言う通り、セックスをすれば本当に彼のことを嫌いになれるのか。その問に胸を張ってイエスと言える筈なんてなかった。冗談めかして言った、とおやのあの台詞──。
「──俺の身体に依存して、逆に離れられなくなるかも?」
依存。それはもっとも怖い言葉。彼無しでは──彼の身体無しでは駄目な女になってしまうだなんて、そんなことは嫌だった。
人が懸命に考え事をしているというのに、そんなことなど露知らず。とおやはわたしの足を開きながら待ちきれないと言わんばかりに熱い身体を押込み、熱の籠った吐息を漏らす。
「あ……あッあ……きもちいい……あッ、熱い……い゛……とおやッ……おっきい……よぉ……」
「お前……案外チョロいよな」
「な……ぁに?」
「いや、なんでもねえ」
「んッ……」
快感に頭が眩み、とおやの声が頭に入ってこなかった。悪口を言った後の意地の悪い顔をしていたというのに、一体何と言ったのだろう。
「ほら、もっと足開けよ……」
「やッ……奥ッ、おくだめッだからッ……ああ、ん、ああぁッ……!」
仰け反る腰を、とおやのあの──筋肉質な腕が押さえつける。長い指が腹に食い込み、無理矢理犯されていることに興奮してしまう。
「うぁッ……お前、ちょっと濡れすぎ……何? 興奮してんの?」
「ち……ちが……!」
「ふーん?」
「ああぁッ! やッやッやッ……ちょっと! だめッだめッ突きすぎ……あああい゛イクイク、いッちゃ……う……はッ……あ……!!」
びくん、と全身が跳ね、絶頂の余韻に足が痺れる。なんだろう、いつもと同じセックスな筈なのにこんなにも心地よく興奮してしまうのは何故──。
「ほんとすぐイクよなー」
「ちがッ……ちが、うッ……」
「何? イッてなかった? あんな顔しといてそれはねえだろ」
(だめ……嫌いに……なれない……)
「とおや……わたし……」
「なんだよ」
「どうしたらいいか……わからない……」
「気持ち良くてパニクったか? 足開いて、喘いでくれてりゃそれでいいけど」
そういう意味じゃないと否定したいのに、喘ぎすぎて乾いた口から言葉を絞り出すことは難しくて。結局そのまま時間を忘れて混じり合い、昨夜の寝不足も手伝って誘われるままベッドで眠ってしまった。目覚めた時には元旦の朝で、一人反省会をする間もなく起き抜けのとおやに犯されてしまったのだった。
その日のうちはもう考えることが面倒になって、結局何度も身体を重ねてしまった。気持ち良ければそれでいい──交わっている間はそうやって納得しているというのに、熱が覚め冷静になると、何を馬鹿なことをしているのかと自分に呆れてしまうのだ。
そんなことをもう一日繰り返したというのに、とおやを嫌いになったかと聞かれれば──答えはノーだった。
0
お気に入りに追加
168
あなたにおすすめの小説
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。


包んで、重ねて ~歳の差夫婦の極甘新婚生活~
吉沢 月見
恋愛
ひたすら妻を溺愛する夫は50歳の仕事人間の服飾デザイナー、新妻は23歳元モデル。
結婚をして、毎日一緒にいるから、君を愛して君に愛されることが本当に嬉しい。
何もできない妻に料理を教え、君からは愛を教わる。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。


甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

忙しい男
菅井群青
恋愛
付き合っていた彼氏に別れを告げた。忙しいという彼を信じていたけれど、私から別れを告げる前に……きっと私は半分捨てられていたんだ。
「私のことなんてもうなんとも思ってないくせに」
「お前は一体俺の何を見て言ってる──お前は、俺を知らな過ぎる」
すれ違う想いはどうしてこうも上手くいかないのか。いつだって思うことはただ一つ、愛おしいという気持ちだ。
※ハッピーエンドです
かなりやきもきさせてしまうと思います。
どうか温かい目でみてやってくださいね。
※本編完結しました(2019/07/15)
スピンオフ &番外編
【泣く背中】 菊田夫妻のストーリーを追加しました(2019/08/19)
改稿 (2020/01/01)
本編のみカクヨムさんでも公開しました。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる