46 / 61
46/堕ちてゆく(3)★
しおりを挟む
キュッとシーツを握りしめるとおやの手に触れる。長い指に整った爪。大きくて、男らしくて、ゴツゴツしているけれど優しい手──……その先の手首には、去年わたしがクリスマスに贈った腕時計。わたしはネックレスを外してきたというのに、とおやの腕時計はいつも通りの位置だった。
「あッ……あぁ……あ、う、うぅッ……!」
完全に勃起した陰茎に歯を添わせながら、優しくかぶり付く。歯の先端でそろりと亀頭を噛むと、とおやの腰がびくんと跳ね上がった。
「あ……ほた……ほたる……!」
「苛めてやる。とおやなんて苛めてやる」
「なッ……おまえッ……あぁッ……!」
滴る唾液を舐め取りながら、甘噛みをしつつ根元まで吸い付く。弱々しくわたしの頭を押すとおやの手首を掴み、ベッドへと捩じ伏せた。
「んッ……邪魔しないで」
「ぐ……うッぁ……」
顔を上げると赤面し、快感に歪んだとおやの顔。大好きだった──この顔も、情けない声も、大好きだったのに。
──全部、とおやが……とおやが壊したんだ。
「あぁあ゛ッ……あ゛ッやば、やばぃ゛……!」
「やめる?」
高速で激しく吸い付いた後、同じように手で扱くと、とおやの太腿ががくがくと震えだした。身を起こして対面して座り、逃がすまいと足裏で彼の両太腿を踏みつけた。
「やめよっか、とおや?」
一旦手を止め、指先で亀頭をくるくると弄くると先走りがねっとりと指に纏わりついた。それを見せつけるように指を上下に動かすと、泣き出ししそうなか細い声が耳を撫でた。
「いやッ……やだ、はあッ……やめないで……」
「いいよ。でも」
「何?」
「これで終わり。もう、帰るから」
返事を待たずに彼の陰茎を握りしめる。扱き始めてすぐにとおやの太腿がびくん、びくんと震え始めるので、足裏に力を込め踏みつける。
「い゛……あ゛イク……う、イク、イクッ……!!」
びゅっ、と飛び出す精液を指に絡め、そのまま扱き続ける。低くか細い嬌声が段々と小さくなってゆくことも気にかけず、白濁のものを全て出しきるまで何度も何度もゆっくり扱いた。
「はあッ……お前ッ、いつまで触って……」
「精液、全部出るまで」
「あぁッ……あッ……うぅ、やめろって……変になるッ……から……」
「嫌」
「もう、出ねえよ……はあッ……はあッ……う゛あぁッ……あッ……!」
「出るじゃん」
とうとうベッドに倒れ込んでしまったとおやの腰に跨がり、その姿を見下ろす。自分の放ったものでベタベタになった性器と陰毛をそのままに、わたしは勝ち誇ったようにその鼻っ柱を摘まんだ。
「じゃあ帰るから」
「待て……話が」
「一回って言ったのに嘘ついたあんたが悪いのよ」
「待てって!」
着替えようと手にした下着は床に落下し、掴まれた手首がベッドへと引き寄せられる。シーツの上で引きずられ、押し倒され、わたしの腕はとおやの両足で押さえつけられてしまった。
「ちょっと何やってんのよ!」
「帰さねえから」
「はあ!? ちょっと……なに、縛らないでよ!」
押さえつけられた腕はわたしの脱ぎ散らかしたストッキングで縛られ、ベッドフレームに結びつけられてしまった。解こうと藻搔く間にも両足はとおやのズボンとトップスで縛られ、ベッドの足に結びつけられる。両足全開の恥ずかしい格好でベッドに縛り付けられてしまったわたしの裸体を、満足そうにとおやが見下ろした。
「何のつもり?」
「別に、俺は話をしたいだけだ」
「じゃあ解いてよ! 流石にこれは……」
「恥ずかしいか?」
とおやは右手でピースサインを作り、チョキチョキとハサミのようにそれを動かす。何をするつもりなのかと身を震わすと、ピースサインを閉じた指でわたしの膣口を撫でつけて捏ね──……。
「あッ……いやッ……いやあぁッ……!」
「丸見え。触り放題だな」
「んあッ、ああッ……!」
ずぶッと挿し込まれて間もなく、そこはぐちゅぐちゅと音を立て始める。縛られ閉じることの叶わぬ両足をバタつかせ抵抗すればするほど、とおやの攻撃が激しくなってゆく。
「マンコとろっとろだな」
「や……や……いやッ……いやッ……あ、あ、あ……!」
「エロいなー。犯してえ」
「ああッ……! だめ……だめ……イッちゃうぅ……イッちゃうぅ……」
「お前イッたら俺シャワー浴びてくるわ。その後で話して、またセックスな」
「だから……あ、もうしないって……!」
「はあ?」
「あ、あッあッああぁんッ!!」
激しく指姦され、早々に達してしまう。こっちを向けと顎を掴まれ、いつものように恥ずかしい顔を見つめられる。上半身は汗、下半身は愛液に塗れて気持ちが悪いがとおやは満足そうだった。わたしの髪を撫で唇を落とした彼は、ご丁寧に身体にブランケットを被せてくれた後、電気を消すと着替えも持たず部屋を後にした。
すぐに風呂場に向かったのかと思いきや、とおやは寝室へとUターン。クローゼットを開け何やら取り出したようだが、背を向けているのでわたしには何も見えない。
「何? ちょ…………! ん゛っ……ふ、…………くっ…………はぁっ……ちょっと、何飲ませたの?」
頭を持ち上げられ、無理矢理液体を飲まされてしまった。とおやの手に収まるサイズの瓶なので、パッケージを見ることは叶わない。
「あとでお楽しみな」
そう言って風呂場に向かったとおやを見送った直後、全身が火照り始めた。なんだろう、頭もぼーっとするし、ふわふわと身体も心地よい。
(まさか……お酒?)
酔って抵抗出来なくなったわたしをまた抱くつもりなのだろうか。なんてタフな奴なんだと呆れてしまう。それなのになんだろう──早くお風呂を済ませて戻ってきてくれないかな──とか、早くセックスがしたい──とか──……考えてしまう。
(どれだけ強いお酒……飲ませたのよ……)
いつもお酒を飲むとこんな風になっていた記憶はない。脱衣癖はあるけれど、早くセックスがしたいとせがむことなんてなかった筈で。
(早く──戻ってきて──とおや……)
「お、どう?」
「なにが……」
三十分近く経っただろうか。湯舟にまでしっかり浸かってきたと言うとおやは、寝室をあとにした時と同じく全裸のまま。キザっぽくドアの縁に腕を預け、にやにやと楽しそうにわたしを見下ろした。
「あッ……あぁ……あ、う、うぅッ……!」
完全に勃起した陰茎に歯を添わせながら、優しくかぶり付く。歯の先端でそろりと亀頭を噛むと、とおやの腰がびくんと跳ね上がった。
「あ……ほた……ほたる……!」
「苛めてやる。とおやなんて苛めてやる」
「なッ……おまえッ……あぁッ……!」
滴る唾液を舐め取りながら、甘噛みをしつつ根元まで吸い付く。弱々しくわたしの頭を押すとおやの手首を掴み、ベッドへと捩じ伏せた。
「んッ……邪魔しないで」
「ぐ……うッぁ……」
顔を上げると赤面し、快感に歪んだとおやの顔。大好きだった──この顔も、情けない声も、大好きだったのに。
──全部、とおやが……とおやが壊したんだ。
「あぁあ゛ッ……あ゛ッやば、やばぃ゛……!」
「やめる?」
高速で激しく吸い付いた後、同じように手で扱くと、とおやの太腿ががくがくと震えだした。身を起こして対面して座り、逃がすまいと足裏で彼の両太腿を踏みつけた。
「やめよっか、とおや?」
一旦手を止め、指先で亀頭をくるくると弄くると先走りがねっとりと指に纏わりついた。それを見せつけるように指を上下に動かすと、泣き出ししそうなか細い声が耳を撫でた。
「いやッ……やだ、はあッ……やめないで……」
「いいよ。でも」
「何?」
「これで終わり。もう、帰るから」
返事を待たずに彼の陰茎を握りしめる。扱き始めてすぐにとおやの太腿がびくん、びくんと震え始めるので、足裏に力を込め踏みつける。
「い゛……あ゛イク……う、イク、イクッ……!!」
びゅっ、と飛び出す精液を指に絡め、そのまま扱き続ける。低くか細い嬌声が段々と小さくなってゆくことも気にかけず、白濁のものを全て出しきるまで何度も何度もゆっくり扱いた。
「はあッ……お前ッ、いつまで触って……」
「精液、全部出るまで」
「あぁッ……あッ……うぅ、やめろって……変になるッ……から……」
「嫌」
「もう、出ねえよ……はあッ……はあッ……う゛あぁッ……あッ……!」
「出るじゃん」
とうとうベッドに倒れ込んでしまったとおやの腰に跨がり、その姿を見下ろす。自分の放ったものでベタベタになった性器と陰毛をそのままに、わたしは勝ち誇ったようにその鼻っ柱を摘まんだ。
「じゃあ帰るから」
「待て……話が」
「一回って言ったのに嘘ついたあんたが悪いのよ」
「待てって!」
着替えようと手にした下着は床に落下し、掴まれた手首がベッドへと引き寄せられる。シーツの上で引きずられ、押し倒され、わたしの腕はとおやの両足で押さえつけられてしまった。
「ちょっと何やってんのよ!」
「帰さねえから」
「はあ!? ちょっと……なに、縛らないでよ!」
押さえつけられた腕はわたしの脱ぎ散らかしたストッキングで縛られ、ベッドフレームに結びつけられてしまった。解こうと藻搔く間にも両足はとおやのズボンとトップスで縛られ、ベッドの足に結びつけられる。両足全開の恥ずかしい格好でベッドに縛り付けられてしまったわたしの裸体を、満足そうにとおやが見下ろした。
「何のつもり?」
「別に、俺は話をしたいだけだ」
「じゃあ解いてよ! 流石にこれは……」
「恥ずかしいか?」
とおやは右手でピースサインを作り、チョキチョキとハサミのようにそれを動かす。何をするつもりなのかと身を震わすと、ピースサインを閉じた指でわたしの膣口を撫でつけて捏ね──……。
「あッ……いやッ……いやあぁッ……!」
「丸見え。触り放題だな」
「んあッ、ああッ……!」
ずぶッと挿し込まれて間もなく、そこはぐちゅぐちゅと音を立て始める。縛られ閉じることの叶わぬ両足をバタつかせ抵抗すればするほど、とおやの攻撃が激しくなってゆく。
「マンコとろっとろだな」
「や……や……いやッ……いやッ……あ、あ、あ……!」
「エロいなー。犯してえ」
「ああッ……! だめ……だめ……イッちゃうぅ……イッちゃうぅ……」
「お前イッたら俺シャワー浴びてくるわ。その後で話して、またセックスな」
「だから……あ、もうしないって……!」
「はあ?」
「あ、あッあッああぁんッ!!」
激しく指姦され、早々に達してしまう。こっちを向けと顎を掴まれ、いつものように恥ずかしい顔を見つめられる。上半身は汗、下半身は愛液に塗れて気持ちが悪いがとおやは満足そうだった。わたしの髪を撫で唇を落とした彼は、ご丁寧に身体にブランケットを被せてくれた後、電気を消すと着替えも持たず部屋を後にした。
すぐに風呂場に向かったのかと思いきや、とおやは寝室へとUターン。クローゼットを開け何やら取り出したようだが、背を向けているのでわたしには何も見えない。
「何? ちょ…………! ん゛っ……ふ、…………くっ…………はぁっ……ちょっと、何飲ませたの?」
頭を持ち上げられ、無理矢理液体を飲まされてしまった。とおやの手に収まるサイズの瓶なので、パッケージを見ることは叶わない。
「あとでお楽しみな」
そう言って風呂場に向かったとおやを見送った直後、全身が火照り始めた。なんだろう、頭もぼーっとするし、ふわふわと身体も心地よい。
(まさか……お酒?)
酔って抵抗出来なくなったわたしをまた抱くつもりなのだろうか。なんてタフな奴なんだと呆れてしまう。それなのになんだろう──早くお風呂を済ませて戻ってきてくれないかな──とか、早くセックスがしたい──とか──……考えてしまう。
(どれだけ強いお酒……飲ませたのよ……)
いつもお酒を飲むとこんな風になっていた記憶はない。脱衣癖はあるけれど、早くセックスがしたいとせがむことなんてなかった筈で。
(早く──戻ってきて──とおや……)
「お、どう?」
「なにが……」
三十分近く経っただろうか。湯舟にまでしっかり浸かってきたと言うとおやは、寝室をあとにした時と同じく全裸のまま。キザっぽくドアの縁に腕を預け、にやにやと楽しそうにわたしを見下ろした。
0
お気に入りに追加
168
あなたにおすすめの小説
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。


包んで、重ねて ~歳の差夫婦の極甘新婚生活~
吉沢 月見
恋愛
ひたすら妻を溺愛する夫は50歳の仕事人間の服飾デザイナー、新妻は23歳元モデル。
結婚をして、毎日一緒にいるから、君を愛して君に愛されることが本当に嬉しい。
何もできない妻に料理を教え、君からは愛を教わる。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。


甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

忙しい男
菅井群青
恋愛
付き合っていた彼氏に別れを告げた。忙しいという彼を信じていたけれど、私から別れを告げる前に……きっと私は半分捨てられていたんだ。
「私のことなんてもうなんとも思ってないくせに」
「お前は一体俺の何を見て言ってる──お前は、俺を知らな過ぎる」
すれ違う想いはどうしてこうも上手くいかないのか。いつだって思うことはただ一つ、愛おしいという気持ちだ。
※ハッピーエンドです
かなりやきもきさせてしまうと思います。
どうか温かい目でみてやってくださいね。
※本編完結しました(2019/07/15)
スピンオフ &番外編
【泣く背中】 菊田夫妻のストーリーを追加しました(2019/08/19)
改稿 (2020/01/01)
本編のみカクヨムさんでも公開しました。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる