【完結しました】こんなに好きになるつもりなんて、なかったのに~彼とわたしの愛欲にまみれた日々~

こうしき

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10/交わる身体(3)★

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「もしもし親父? 今何処だ?」

 口早に俺が問う目の前で、ほたるはせっせと着衣を開始した。下着を身に付けそれからブラウス。ストッキングを穿くのに手こずっているようだ。

『桃哉か! すまん、今中学校の手前なんだが』
「中学校? 随分と遅いじゃねえか」

 ほたるのアパートから中学校までだと、車での移動にしておよそ十五分。今となってはありがたいが、いくらなんでも時間がかかりすぎている。

『それが……どうやら事故があったみたいでな。ラッシュに巻き込まれた上にこの事故だ。そっちに着くまでにかなり時間がかかりそうでな、一旦電話を』

 ほたるはと言えば、着替えを完全に済ませ、俺の衣類をご丁寧に畳み、床に並べている。不思議そうに傾げる首筋に、吸い付きたくなってしまう。

「事故なら仕方ねえだろ。何時になるかわかんねえなら書類は……今日は諦めて、明日ほたるにうちの会社に寄ってもらえば……」
『そうじゃなあ……母ちゃんには叱られるだろうが、遅くなるのもほたるに悪いしなあ』
「ほたるも…………それで良いって言ってるし、親父そのまま家に帰れよ。俺はタクシーでも使って帰るから」

 状況をなんとなく理解したほたるが、そわそわとベッドの隅に膝を立てて縮こまる。通話を切った俺は裸のままほたるに迫ると、壁に彼女を追いやり、覆い被さった。

「……電話、なんだって?」
「事故があったらしい。親父にはそのまま帰れって言った。俺はタクシーで帰る。お前は明日、仕事帰りでも良いからうちに印鑑持って寄ってくれ」
「……勝手に決めちゃって」
「いいだろ、別に」

 先程目に入って仕方のなかった首筋に吸い付く。ぺろぺろと獣のように舌を這わせ、ほたるの様子を伺った。

「そんなに……したいの?」
「もう止める理由はないだろ?」
「ない……けど」
「けど何?」

 堪えきれず押し倒した彼女の、ブラウスのボタンを乱暴に外してゆく。ボタンだけを外したブラウスの前側を広げ、ブラジャーのホックを外し、両胸を撫で回した。

「んッ……あ、う……んッ……」
「こうしたら、どう?」
「いッ……あ、あ、あ、あッ!」

 両側の乳首を指先で摘み、くりくりと弄くると、ほたるの上半身が仰け反った。左胸に食らいつき吸い上げると、今度は腰がびくんと跳ねた。

「だッ……め、やさしく……して……」
「こう?」
「ひッ……ぅ、あッ……」

 その時ほたるの上げた声で既に、俺の体は準備が完全に整ってしまった。勃ち上がり固さを増した性器がほたるの太股に触れ、彼女の足がもぞもぞと動いた。

「……触るぞ」
「どこ……?」
「ここ」
「え、あ……あ、んッ、んッ……は、あ……ッ!」

 ストッキング越しに触れたほたるの入口は、ショーツを纏っているにも関わらず、ぐっしょりと濡れていた。ストッキングとショーツを足首まで下ろし、スカートを足の付け根ギリギリまで押し上げると、一呼吸置いてその──秘められた部分に、指を伸ばした。

「……あッあああッ! ああっ! やぁッ!!」

 ぷっくりと膨らみを増した、蕾のような部分を人差し指と中指でなぞると、ほたるが大きな声を上げた。気持ちが良いのか──足がぴくぴくと、痙攣したように小刻みに跳ね上がった。

「ここが俗に言うあれか……クリ──」
「や、や、やッだめ、言っちゃ、やだッ!」
「え、なんで?」
「恥ずかしい……じゃん……」
「ふうん……」

 しかしなんだろう、もっと思いきり触れるには一体どうすれば良いのか。

「……あ、そっか」

 まずスカートを剥ぎ取った。それから足首の部分で停滞していたショーツとストッキング──その右足側だけをするりと抜き去ると、ほたるの両足をぐい、と広げた。両足が全開になり、エロい色をした恥ずかしい部分が丸見えだ。モザイクのかかっていない女のを見るのは初めてのことで、緊張と興奮でそわそわしてしまう。

「そんなに……見ないでよ」
「だって俺初めてだぜ? 見ないと触れない」
「で……も……」
「ふうん」

 蕾の部分を弄くると、その下の──部分から──とろりと愛液が溢れ出した。指を伸ばし、触れると、ほたるの体が一瞬強ばったのがわかった。

「ここは触ったら駄目なのか?」
「……ううん」
「いい?」
「うん……」

 先程俺が性器を挿入していた部分だ。触れると温かく、今にも吸い込まれてしまいそうになる。顔を近づけスン、と嗅げば何ともいえない独特の香り。ぺろりと舐めると意外な味で、病み付きになりそうな美味しさだった。俺が唇で吸い付き何度も舌を這わすと、びくびくと震え上がるほたるの足回り。一旦顔を離して改めてそこを見つめる。女の身体にはこんなにもエロい色をした、最高の味の、恥ずかしい部分があったのかと、指先でひだを押し広げては記憶に焼き付けるようにひたすらそれを見つめた。


(この下の……この穴……)


 一本──いや、二本は入りそうだ。人差し指と中指をそっと挿れる。

「ッは、あ…………!」
「痛くない?」
「だいじょ、ぶ……指、動かして、とおや……」
「……こう?」

 円を描くようにそっとかき回す。痛くないのかと不安になるが、当の本人は気持ちが良いようで、甘い声を漏らしている。くちゅ──くちゅ──と奥まで指を挿し込み、抜き、また挿し込む。そのスピードを徐々に上げていくとほたるが啼き、愛液の量がどんどん増えてゆく。

「ッはあッ! あッ……んんッ、ん、ぅッ!」
「どう?」
「きもちい、ッあ……やぁあッ……あッあぁ……!」
「そんなに?」
「だって、ぇ、とおや……指、長いから……は、ッあ……きもちよくて……ッ」
「こっちのほうが気持ち良いんじゃねえの?」

 左手でほたるの中を弄くりながら、右手をチェストに伸ばす。引き出しから抜き取ったゴムをほたるに手渡すと、肘をつき上半身を起こした。

「はッ……あ、あ、んッ……着けるよ……」
「悪い、頼む」

 仕事を終えるとほたるは、再び仰向けに寝転んだ。視線は俺の性器に釘付けだった。

「そんなに見なくても、すぐ挿れてやっから」
「そういう、意味じゃ……」

 指を引き抜いた刹那、ほたるの股の間をじぃっと見つめる。くぱっ、くぱっ、と俺を求めるように開く膣口にぐい、と性器を押し込んだ。やはり熱い──それに心地が良い。

「……ッ……あッ…………はいったあ……! ほら……」
「ッ! ッ! ああッ…………とおや……あぅ、あッあッ!」
「さっきより保つかな」

 俺が腰を振ると、連動するようにほたるの腰と胸が揺れる。行き場を無くし彷徨う手は、頭の下の枕を力一杯掴んでいる。恍惚な顔──めちゃくちゃにエロい、ほたるの顔。

「あ……あ……ッ……とお、やぁ…………とおや……ッ」
「……なに」
「ん、あ、はぁッ……! う、あ……とおや、とおや……」
「なーに?」
「すき、すき……」
「俺のこと、好きか?」
「うん……すき……」
「俺もだ」

 勢いに任せて、激しくほたるのなかを突いた。ほたるから溢れる愛液で、シーツも、太股もベタベタだ。

「ああ……ああッ……きもちい、とおや……きもちい、い……」
「……うん」
「だめ、イキそ……イキそぉ……」

 ほたるの呼吸が、徐々に短く荒くなる。嬌声が甲高く、大きく──部屋の空気を震わせる。

「あ、う……あ……イク、イク、イクッ……あぅぅッ……!!」

 びくんと跳ねたほたるの腰を、俺は上から押さえ付ける。それでも尚暴れる彼女の下半身を、更に強い力で押さえた。

「俺も……ヤバい……そろそろ……ヤバい……」

「はぁッ……はぁッ……うッ、う……あ……ぅ……だして、だして……!」

「ああ……イクッ…………!!」

 達した直後、ほたるに口づけた。息が上がって苦しいが、その唇に触れたくて触れたくて──気が狂いそうなほど触れたくて。

「……ッ……出たぁ……」
「出るときって……そんなに、気持ち良いの?」
「ああ、凄い」
「女には……わかんないからね」

 腰を浮かせて体を離す。ゴムはまたしてもほたるが外してくれた。

「次は自分で外してよね」
「次?」
「……やだ、ベタベタ……」

 話の矛先を反らしたほたるは、ティッシュを取り自分の体を拭いている。シーツに触れると溜め息を吐いて、濡れた部分を優しく拭いた。

「洗わなきゃ」
「後で良いだろ」
「良いけど……わあ、凄い濡れてる、最悪」
「自分のだろお前」
「そうだけど……」

 恥ずかしいのか、汚れたシーツの上からブランケットを掛け、ほたるはそれを隠した。下着を身に付けブラウスのボタンを閉じるとそのまま立ちあがり、キッチンへ。

「お腹空かないー?」
「そうだな」
「今日、レトルトカレーにするつもりだったんだけど、それでも良かったら食べる?」
「いいのか?」
「いいよ、冷凍ごはんもあるし」
「助かる」


 俺が着替えを済ませキッチンへ行くと、ほたるは洗ったレタスとトマト、それにコーンを皿に盛り付けているところだった。

「サラダ作ってんの?」
「うん、作る予定だったし」
「なんか悪いな」
「気にしなくていいよ、だって──」

 勝手に冷蔵庫を開けると、ドレッシングを探す。よく整頓された、物の少ない冷蔵庫だった。

「だって、何?」

 カレーを盛り付ける手が、ぴたりと止まった。顔だけをこちらに向け、唇を突き出したほたるは、じいっと俺の顔を見上げたまま動かない。

「だって、彼氏でしょ?」
「え、あ……彼氏、なのか?」
「違うの?」

 言い終え、カレーの盛り付けを完了させたほたるは、カレー皿とスプーン、それに布巾を盆に乗せリビングへ。戻ってくると今度はサラダ、それに麦茶の入ったグラスを盆に乗せた。

「好きって言ってくれて、セックスしたのに彼氏じゃないの?」
「そうだな、彼氏だ」
「よかった」

 にこりと微笑むと、足早にほたるはリビングへ。ドレッシングを握り締めた俺は、そのあとを追う。

「彼氏……俺が、彼氏かあ」
「なに?」
「いや、嬉しくて」
「おじ様達には内緒にしておこ。親同士が変にギクシャクしたらやだもん」
「そうだな」

 カレーを食べながら、俺達は連絡先を交換した。色々と興奮していたせいか、あまり味を覚えていない。

 食後──ほたるが食器を洗い終えエプロンを外した直後、背後からそろりと抱き寄せ、俺達はもう一度交わった。


 何度交わっても、飽きることのないこの愛を紡ぐ行為は、まるで毒のようで──俺の体を、隅々まで支配し、
 





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