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儀式2

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王の生殖器を舌で舐める。
ピクピクと反応するそれを上から下から
舐め回す。

「止せ!止すんだフェリシア!」

鎖で両手を繋がれているというのに
王は必死で逃げようとする。
逃げる王を私の脇腹から生えてきた
青黒い触手が拘束する。

王を身動きできないように押さえこみ
今度は舐めるどころか咥えて
前後に激しく口を動かし始めた。

大きなモノが喉の方まで入ってきて
思わずえずく。
苦しい。

何でこんな事。
子供を作るのに口はいらないでしょう!

王の息がさらに荒くなる。
時折、つらそうな喘ぎ声を洩らす。

つらいの?気持ちが悪い?
ごめんなさい。体がいう事をきかない。
やめてあげたいのに無理だ。


「止せ!ああ駄目だ。出る!フェリシア
やめろ!やめっ、あああっ!」

口の中で王のモノが爆ぜた。
勢いよく子種が吐き出される。
私はそれを飲み込んでいく。

もったいない!何で?
これじゃ子供はできないわよ?
海神様の馬鹿!!
心の中で海神様を罵倒する。

最後の一滴まできれいに舐めとる。
するとカッと一気に体の熱が上がる。
下腹が疼いて仕方がない。
まるで媚薬でも飲んだかのよう。
な、何これ?
ドクドクと鼓動が速くなる。

──欲しい。

子種が欲しい。
王の生殖器を見る。
王の男根はまだ固く反り反ったままだ。
荒い息をし真っ赤な顔で王は私を見る。
王の胸から腹にかけてある人面瘡達も
私を見る。

ずくんずくんと下腹が我慢できないほど
疼く。暑い。汗が流れる。下腹と秘所が
熱くて死にそう。

駄目我慢できない。
御使いに動かされているのか自分の
意思なのか分からないまま
私は王に跨がると一気に腰を落とした。

「ああっ!ああ~!!」

痛みなどなくただ強烈な快感が突き抜ける。
背を反らし強すぎる快楽に堪える。
堪えきれず王にしがみつく。

するとガツガツと下から
突き上げられる。

王が腰を叩きつけてきた。

気持ちが良すぎて頭が真っ白になる。
ピクピクと痙攣する体。
やがて弛緩し心臓が早鐘を打つ。
圧倒的な幸福感に酔いしれる。

……これが達するという事なの?
初めての絶頂に戸惑いまだ息も調わない
というのに王は容赦なく腰を振る。

「あっ…ふっああ!やぁぁ!!」

気持ちいい。いいの。あ、また来る!
波のように大きな快感が私をさらう。

あっけなく二度目の絶頂を迎えた。

仰け反りつき出した胸の頂を舌で
舐めころがされる。

「あっやああ!あ、駄目それ……ああ!」

舐められる。
ゾクゾクとした快感が背をはしり
膣壁が子種を絞り取ろうと収縮し
熱く王を包み込む。

王が喘ぎ声をあげる。
今度は私の口の中にも長い舌が入り込み
舌に絡みつく。
やだ。これ以上無理!

何でこんなに何本も舌があるの!

人面瘡だ。
人面瘡達が舌を伸ばし私の体を舐め回す。
やめて……そんな所まで舐めないで!
あまりの快感に頭がおかしくなりそう。

その間、ずっと王に揺す振られ続ける。
もう嬌声というより獣の唸り声のような
喘ぎ声しかでない。
何度も何度も達した。
王にしがみつき私も腰を振る。


朦朧とした意識で空を見上げた。
新月の細い細い月が私達を見ている。

水音と激しく肌がぶつかる音と
獣のような男女の喘ぎ声が辺りに
響き渡る。

もう何度目の絶頂だろう。
私の収縮に王がさらに激しく
腰を打ち付けるとぶるりと震えた。
体の中に放たれる熱い飛沫を確かに感じた。
私の子宮が待ちかねたように子種を
吸い上げる。

身籠った。確実に。
私の中に別の命を感じる。
私の産み落とす子は人?それとも……。

それでも……愛しい。

私はお腹に両手を添えると力尽き
どさりと王の体の上に倒れ込む。
体の自由が戻ってきた。

体の中から御使いが出て行った。
ズズズズ、ベタベタ。ズズズズ。
青白い光の塊だった御使いが
元の小山のような大きさのイソギンチャク
へと戻りゆっくり、ゆっくり月神殿から
離れて行く。
ズズズズ、ベタベタ。ズズズズ。

……終わった。

全てを見届け満足したのか、人魚達が
イソギンチャクの後を追い月神殿を
離れ海へと帰り始めた。
ズズズズ、ベタベタ。ズズズズズズ。

もう夜明け近い。
私はふらふらと立ち上がると脱ぎ捨てて
あった夜着をまた身につける。

血まみれで生臭いが仕方がない。
やはり血で汚れたショールを地面に
横たわる王にかけて巨石に立て掛けて
あった月神の剣を手に取る。

王に繋がれた鎖に剣を振り下ろす。
二度、三度と叩きつけると鎖が切れた。
もう片方の鎖を切断する頃には限界を
迎えた。

鎖を切る間、王は一言も話さない。
もう二度と口をきいてもらえないかも
しれない。

それでも後悔はない。

ガキンと鎖が切れて安堵すると
その場に崩れ落ちた。
もう無理。

指一本動かす力も残っていない。
地面に横たわる私を立ち上がった王が
見下ろす。

目蓋が重い。
王はどんな顔で私を見ているの?
駄目……目が開けられない。
私は深い眠りに落ちた。

この時の王がどんな顔をしていたのかは
結局分からないままになった。





















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