42 / 135
グレン、出征前夜1
しおりを挟む
「面目次第も在りません。
有事にこの有り様。誠に申し訳ありません」
出征前日。カルヴァン侯爵邸にゴドフリーの
見舞いに来た。
ベッドの上で体を起こせるように回復した
ゴドフリー。上着を肩から掛け
プラチナブロンドの頭を下げる。
ジジイ堅苦しいぞ。
ワイバーンの毒にやられて生き残っただけで
僥倖。余計な事気にするな。ハゲるぞ。
「帝国におかしな動きがあると報告が。
今度の辺境での開戦。何かありますな?」
ゴドフリーの言葉に頷く。何かどころか
罠の臭いがぷんぷんする。
だが、北の国境を破られ交戦する辺境伯を
見殺しには出来ない。
行きたくないが行くしかない。
プリシラがいなければヤバイ戦況に
なっていたはず。
あいつの防衛結界は優れものだ。
辺境伯に嫁いでくれて助かった。
「王都への攻撃の第二波、第三波もあるだ
ろうしな。アシェンティの熊共に存分に
働いてもらおう。奴らの腕は確かだ」
「……あいつら少しは使えるようになりま
したか?腕っぷしは問題なくも何かと
残念な奴らですから」
アニエスの兄熊達。
姿形は似ていなくともどこか抜けているのが
似ている。血筋だな。
「ザルツコードの五男がしごいてくれた
からなんとかなるだろう。脇は頭の回る奴
で固めているしな」
「ザルツコードの五男というとマックスか。
あれは一番、オーウェンに似てますから
大丈夫でしょう」
「……それ、本人には言うなよ。泣くぞ?」
「ははは、確かに。
ところでグレン様。アニエスと婚約された
との事。おめでとうございます」
……婚約。したな。とうとう。
いかん。顔がにやける。
「ふっ、ふっ。お幸せそうで何よりです。
それにしてもオーウェンの奴、悔しがって
いるでしょうな。せっかく出来た義娘。
可愛いがってましたから」
「いい加減邪魔されたな。最後は王命を
使わせて貰った。恨まれているだろうな。
まあ、可愛い女の孫でも作って誤魔化すさ。
きっとデレデレのジジイになるぞ」
「はは!違いない先が楽しみだ。グレン様。
──無事のお戻りをお待ちしております」
カルヴァン侯爵邸から自分の屋敷に戻る。
明日は早朝の出立。
早めに休もうと思っていたが、
余計な来客が来た。
──実家の父だ。
なんだ面倒臭い。この忙しい時に邪魔臭い。
「やあ。明日出陣と聞いてね。
顔を見に寄せてもらったよ。もしかしたら、
いや、君の事だ。大丈夫だとは思うけれど
戦だ。まさかの事があるといけない。
だから一度きちんと君に謝りたくてね。
私達は君にはひどい親だった。
……すまないグレン」
父親だから当然面差しは俺に似ているが、
覇気のないぼんやりした印象の人。
俺の顔など見ても面白くないだろうに、
何しに来たんだ。
もしかしたら?大丈夫だとは思うけれど?
まさかの事?
──勝手に頭の中で俺を殺すな。縁起悪い。
今さら謝られてもなぁ。
母に関しては、いくら化け物とののしられ
ようとも、俺のような馬鹿魔力持ちを良く
産み落としてくれたと感謝しているが。
──この人はなぁ。
俺に他の人を重ねて怖れている。
そんなに似ているか?
まあ、とりあえず種の提供に関しては
感謝はしているのでサービスしとくか。
この人がいなければ、俺は存在しない。
親にかまって貰わなくても、余所で沢山
可愛がって貰ったので、俺はグレなかった。
偉いだろう?
「そうですね。確かにまさかの事があると
お知らせする機会がなくなるかもしれない。
あなたに朗報があります」
この人の重荷を少し、減らしてやるか。
一応、親だ。
労っておこう。
「朗報って?なんだいグレン」
「俺も最近知ったのですが安心して下さい。
先代のエルドバルド公は……あなたの兄は、
あなたが殺したのではありませんよ」
「は?なんの事だ。一体……」
あーあ、思い切り顔色変えちゃって。
腹芸が出来ない王族。
無能だな。本当に向いていない。
この人が国王にならなくて本当に良かった。
まあ、弟に出し抜かれている段階ですでに
落第しているが。
「先代の陛下に騙されてしまいましたね。
エルドバルド公は、あなたの兄は国のために
自ら白竜の生贄になりました。
あなたが差し向けた刺客に殺された
訳ではありません。
あなたは兄殺しではない。
もう、──俺の顔を見てびくびく
しなくてもいいんですよ?」
「は?なんだって?生贄って、なんの事だ」
面倒臭いが一連の流れを教えてやった。
もう白竜の存在も生贄の事も秘密じゃない。
秘密にするのを新しい国王である
アルバートがやめた。
先代の国王の功績は生まれた子供が皆、優秀
だという事だな。本人は凡庸だけど。
でも、兄を騙して王座を手に入れようとする
気概はあった訳だ。
乱世でなければ、まだ玉座に座っていてくれ
ても良かったのだがな。
時代が悪かったね。叔父上。
せっかく、うちの父に兄殺しの負い目を
背負わせて、それをネタに脅して継承権を
放棄させてまで座った椅子なのに。
簡単に息子に簒奪されちゃって。
可哀想だから助命しといたぞ。
離宮でのんびり、悠々自適の軟禁生活を
どうか健やかに、お過ごし下さい叔父上。
父の世代の王族は生贄になった伯父上。
先代のエルドバルド公爵が突出して出来が
良かった。
生贄に選ばれなければ良い国王になった
だろうにもったいない。
「……しかし、そんなに似ていますか?
俺の顔を見るたび、幽霊に会ったような
顔をして、罪悪感でいっぱいでしたよね。
まあ、甥だから似ていても不思議じゃない
ですけれどね。
そんなに死んだエルドバルド公に
俺は似ていますか父上?」
あーあ。今にも倒れそうだな。
精神的に弱いな。おい。一応、王族だよな?
「俺の事ならお気になさらず。
全く気にしておりません。
父上は御家族を大切にされて下さい。
では、お元気で」
ここで卒中でも起こされたらたまらない。
笑顔で家宰に命じて丁重に御自宅に
送り返した。ああ、面倒臭かった。
怖いなら近寄らなきゃいいのに。
ちゃんと気にしなくていいと伝えたのに
何だあの罪悪感満載の顔。
俺にどうしろというんだ。
出征前に余計な労力を使わせるなよ。
食欲失せたな。
夕食、食わずに早めに寝るか?
──よし。そうしよう。時間が早いから
少し寝酒を飲めるだろう。
「おい、来客はもう誰が来ても、取り次ぐ
なよ。俺は寝るからな?夕食はいらん。
寝酒の用意を頼む」
家宰のヨーゼフに声をかける。
シルバーグレーの髪を丁寧に撫で付けた
やたら姿勢のいい年寄り。
綺麗に整えた口髭がトレードマークの
いかにも家宰や執事といった風貌のジジイ。
こいつは侮れないジジイだ。
俺は一目を置いている。
このヨーゼフを始めこの屋敷の使用人は
ほとんどが先代のエルドバルド公に仕えて
いた者達で、長く勤める有能な使用人が
数多い。その代わり年齢がやや高め。
今は若い使用人を数人雇い教育中だ。
家の事で煩わされる事が一切ない。
ありがたい事だ。
先代似の俺は大事にしてもらっている。
だが、陰で俺に両手を合わせて拝んだり。
瞠目したり、……涙ぐんだり。
生暖かい見守り視線を送ってくるのは
やめていただきたい。
「おや、本当によろしいので?」
「ああ、本当に緊急なのは伝令鳥が来る。
出征前にわざわざ押しかけてくる阿保が
多くて困る。少しは気遣えというんだ。
とにかく俺は寝るからな?」
「それは残念。とても可愛らしいお客様が
お見えですのに。お帰り頂きますか?」
とてもいい笑顔でさらりと言うヨーゼフ。
待て、可愛らしい客?
ひょっとしたら……。
「待て、誰だ?」
「アニエス・ザルツコード侯爵令嬢。
あなたの可愛い、可愛い婚約者様が
いらしてますが?」
ヨーゼフ。意地悪はやめろ。
「会う!会うに決まっているだろう。
ヨーゼフ、さっさと通せ。意地悪するな」
「もうすでに、それはそれは丁重に侍女頭が
もてなしてますとも。いや可愛らしいお嬢様
ですなぁ。皆の喜びようが……ははは。
ただお嬢様、お顔が……」
「顔?どうかしたのか?」
「目がぱんぱんに腫れています。
氷で冷やしてますが……結構酷いですよ」
……泣いたな。
オーウェン、あれほど一度に話すと泣くと
言っておいたのに。
何をどの順番でどう話したんだ。
俺はため息をつくとヨーゼフの先導で
アニエスのいる部屋に急いだ。
有事にこの有り様。誠に申し訳ありません」
出征前日。カルヴァン侯爵邸にゴドフリーの
見舞いに来た。
ベッドの上で体を起こせるように回復した
ゴドフリー。上着を肩から掛け
プラチナブロンドの頭を下げる。
ジジイ堅苦しいぞ。
ワイバーンの毒にやられて生き残っただけで
僥倖。余計な事気にするな。ハゲるぞ。
「帝国におかしな動きがあると報告が。
今度の辺境での開戦。何かありますな?」
ゴドフリーの言葉に頷く。何かどころか
罠の臭いがぷんぷんする。
だが、北の国境を破られ交戦する辺境伯を
見殺しには出来ない。
行きたくないが行くしかない。
プリシラがいなければヤバイ戦況に
なっていたはず。
あいつの防衛結界は優れものだ。
辺境伯に嫁いでくれて助かった。
「王都への攻撃の第二波、第三波もあるだ
ろうしな。アシェンティの熊共に存分に
働いてもらおう。奴らの腕は確かだ」
「……あいつら少しは使えるようになりま
したか?腕っぷしは問題なくも何かと
残念な奴らですから」
アニエスの兄熊達。
姿形は似ていなくともどこか抜けているのが
似ている。血筋だな。
「ザルツコードの五男がしごいてくれた
からなんとかなるだろう。脇は頭の回る奴
で固めているしな」
「ザルツコードの五男というとマックスか。
あれは一番、オーウェンに似てますから
大丈夫でしょう」
「……それ、本人には言うなよ。泣くぞ?」
「ははは、確かに。
ところでグレン様。アニエスと婚約された
との事。おめでとうございます」
……婚約。したな。とうとう。
いかん。顔がにやける。
「ふっ、ふっ。お幸せそうで何よりです。
それにしてもオーウェンの奴、悔しがって
いるでしょうな。せっかく出来た義娘。
可愛いがってましたから」
「いい加減邪魔されたな。最後は王命を
使わせて貰った。恨まれているだろうな。
まあ、可愛い女の孫でも作って誤魔化すさ。
きっとデレデレのジジイになるぞ」
「はは!違いない先が楽しみだ。グレン様。
──無事のお戻りをお待ちしております」
カルヴァン侯爵邸から自分の屋敷に戻る。
明日は早朝の出立。
早めに休もうと思っていたが、
余計な来客が来た。
──実家の父だ。
なんだ面倒臭い。この忙しい時に邪魔臭い。
「やあ。明日出陣と聞いてね。
顔を見に寄せてもらったよ。もしかしたら、
いや、君の事だ。大丈夫だとは思うけれど
戦だ。まさかの事があるといけない。
だから一度きちんと君に謝りたくてね。
私達は君にはひどい親だった。
……すまないグレン」
父親だから当然面差しは俺に似ているが、
覇気のないぼんやりした印象の人。
俺の顔など見ても面白くないだろうに、
何しに来たんだ。
もしかしたら?大丈夫だとは思うけれど?
まさかの事?
──勝手に頭の中で俺を殺すな。縁起悪い。
今さら謝られてもなぁ。
母に関しては、いくら化け物とののしられ
ようとも、俺のような馬鹿魔力持ちを良く
産み落としてくれたと感謝しているが。
──この人はなぁ。
俺に他の人を重ねて怖れている。
そんなに似ているか?
まあ、とりあえず種の提供に関しては
感謝はしているのでサービスしとくか。
この人がいなければ、俺は存在しない。
親にかまって貰わなくても、余所で沢山
可愛がって貰ったので、俺はグレなかった。
偉いだろう?
「そうですね。確かにまさかの事があると
お知らせする機会がなくなるかもしれない。
あなたに朗報があります」
この人の重荷を少し、減らしてやるか。
一応、親だ。
労っておこう。
「朗報って?なんだいグレン」
「俺も最近知ったのですが安心して下さい。
先代のエルドバルド公は……あなたの兄は、
あなたが殺したのではありませんよ」
「は?なんの事だ。一体……」
あーあ、思い切り顔色変えちゃって。
腹芸が出来ない王族。
無能だな。本当に向いていない。
この人が国王にならなくて本当に良かった。
まあ、弟に出し抜かれている段階ですでに
落第しているが。
「先代の陛下に騙されてしまいましたね。
エルドバルド公は、あなたの兄は国のために
自ら白竜の生贄になりました。
あなたが差し向けた刺客に殺された
訳ではありません。
あなたは兄殺しではない。
もう、──俺の顔を見てびくびく
しなくてもいいんですよ?」
「は?なんだって?生贄って、なんの事だ」
面倒臭いが一連の流れを教えてやった。
もう白竜の存在も生贄の事も秘密じゃない。
秘密にするのを新しい国王である
アルバートがやめた。
先代の国王の功績は生まれた子供が皆、優秀
だという事だな。本人は凡庸だけど。
でも、兄を騙して王座を手に入れようとする
気概はあった訳だ。
乱世でなければ、まだ玉座に座っていてくれ
ても良かったのだがな。
時代が悪かったね。叔父上。
せっかく、うちの父に兄殺しの負い目を
背負わせて、それをネタに脅して継承権を
放棄させてまで座った椅子なのに。
簡単に息子に簒奪されちゃって。
可哀想だから助命しといたぞ。
離宮でのんびり、悠々自適の軟禁生活を
どうか健やかに、お過ごし下さい叔父上。
父の世代の王族は生贄になった伯父上。
先代のエルドバルド公爵が突出して出来が
良かった。
生贄に選ばれなければ良い国王になった
だろうにもったいない。
「……しかし、そんなに似ていますか?
俺の顔を見るたび、幽霊に会ったような
顔をして、罪悪感でいっぱいでしたよね。
まあ、甥だから似ていても不思議じゃない
ですけれどね。
そんなに死んだエルドバルド公に
俺は似ていますか父上?」
あーあ。今にも倒れそうだな。
精神的に弱いな。おい。一応、王族だよな?
「俺の事ならお気になさらず。
全く気にしておりません。
父上は御家族を大切にされて下さい。
では、お元気で」
ここで卒中でも起こされたらたまらない。
笑顔で家宰に命じて丁重に御自宅に
送り返した。ああ、面倒臭かった。
怖いなら近寄らなきゃいいのに。
ちゃんと気にしなくていいと伝えたのに
何だあの罪悪感満載の顔。
俺にどうしろというんだ。
出征前に余計な労力を使わせるなよ。
食欲失せたな。
夕食、食わずに早めに寝るか?
──よし。そうしよう。時間が早いから
少し寝酒を飲めるだろう。
「おい、来客はもう誰が来ても、取り次ぐ
なよ。俺は寝るからな?夕食はいらん。
寝酒の用意を頼む」
家宰のヨーゼフに声をかける。
シルバーグレーの髪を丁寧に撫で付けた
やたら姿勢のいい年寄り。
綺麗に整えた口髭がトレードマークの
いかにも家宰や執事といった風貌のジジイ。
こいつは侮れないジジイだ。
俺は一目を置いている。
このヨーゼフを始めこの屋敷の使用人は
ほとんどが先代のエルドバルド公に仕えて
いた者達で、長く勤める有能な使用人が
数多い。その代わり年齢がやや高め。
今は若い使用人を数人雇い教育中だ。
家の事で煩わされる事が一切ない。
ありがたい事だ。
先代似の俺は大事にしてもらっている。
だが、陰で俺に両手を合わせて拝んだり。
瞠目したり、……涙ぐんだり。
生暖かい見守り視線を送ってくるのは
やめていただきたい。
「おや、本当によろしいので?」
「ああ、本当に緊急なのは伝令鳥が来る。
出征前にわざわざ押しかけてくる阿保が
多くて困る。少しは気遣えというんだ。
とにかく俺は寝るからな?」
「それは残念。とても可愛らしいお客様が
お見えですのに。お帰り頂きますか?」
とてもいい笑顔でさらりと言うヨーゼフ。
待て、可愛らしい客?
ひょっとしたら……。
「待て、誰だ?」
「アニエス・ザルツコード侯爵令嬢。
あなたの可愛い、可愛い婚約者様が
いらしてますが?」
ヨーゼフ。意地悪はやめろ。
「会う!会うに決まっているだろう。
ヨーゼフ、さっさと通せ。意地悪するな」
「もうすでに、それはそれは丁重に侍女頭が
もてなしてますとも。いや可愛らしいお嬢様
ですなぁ。皆の喜びようが……ははは。
ただお嬢様、お顔が……」
「顔?どうかしたのか?」
「目がぱんぱんに腫れています。
氷で冷やしてますが……結構酷いですよ」
……泣いたな。
オーウェン、あれほど一度に話すと泣くと
言っておいたのに。
何をどの順番でどう話したんだ。
俺はため息をつくとヨーゼフの先導で
アニエスのいる部屋に急いだ。
1
お気に入りに追加
310
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?
せいめ
恋愛
政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。
喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。
そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。
その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。
閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。
でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。
家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。
その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。
まずは亡くなったはずの旦那様との話から。
ご都合主義です。
設定は緩いです。
誤字脱字申し訳ありません。
主人公の名前を途中から間違えていました。
アメリアです。すみません。
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
君は番じゃ無かったと言われた王宮からの帰り道、本物の番に拾われました
ゆきりん(安室 雪)
恋愛
ココはフラワーテイル王国と言います。確率は少ないけど、番に出会うと匂いで分かると言います。かく言う、私の両親は番だったみたいで、未だに甘い匂いがするって言って、ラブラブです。私もそんな両親みたいになりたいっ!と思っていたのに、私に番宣言した人からは、甘い匂いがしません。しかも、番じゃなかったなんて言い出しました。番婚約破棄?そんなの聞いた事無いわっ!!
打ちひしがれたライムは王宮からの帰り道、本物の番に出会えちゃいます。
忌むべき番
藍田ひびき
恋愛
「メルヴィ・ハハリ。お前との婚姻は無効とし、国外追放に処す。その忌まわしい姿を、二度と俺に見せるな」
メルヴィはザブァヒワ皇国の皇太子ヴァルラムの番だと告げられ、強引に彼の後宮へ入れられた。しかしヴァルラムは他の妃のもとへ通うばかり。さらに、真の番が見つかったからとメルヴィへ追放を言い渡す。
彼は知らなかった。それこそがメルヴィの望みだということを――。
※ 8/4 誤字修正しました。
※ なろうにも投稿しています。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる