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グレン、出征前夜1
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「面目次第も在りません。
有事にこの有り様。誠に申し訳ありません」
出征前日。カルヴァン侯爵邸にゴドフリーの
見舞いに来た。
ベッドの上で体を起こせるように回復した
ゴドフリー。上着を肩から掛け
プラチナブロンドの頭を下げる。
ジジイ堅苦しいぞ。
ワイバーンの毒にやられて生き残っただけで
僥倖。余計な事気にするな。ハゲるぞ。
「帝国におかしな動きがあると報告が。
今度の辺境での開戦。何かありますな?」
ゴドフリーの言葉に頷く。何かどころか
罠の臭いがぷんぷんする。
だが、北の国境を破られ交戦する辺境伯を
見殺しには出来ない。
行きたくないが行くしかない。
プリシラがいなければヤバイ戦況に
なっていたはず。
あいつの防衛結界は優れものだ。
辺境伯に嫁いでくれて助かった。
「王都への攻撃の第二波、第三波もあるだ
ろうしな。アシェンティの熊共に存分に
働いてもらおう。奴らの腕は確かだ」
「……あいつら少しは使えるようになりま
したか?腕っぷしは問題なくも何かと
残念な奴らですから」
アニエスの兄熊達。
姿形は似ていなくともどこか抜けているのが
似ている。血筋だな。
「ザルツコードの五男がしごいてくれた
からなんとかなるだろう。脇は頭の回る奴
で固めているしな」
「ザルツコードの五男というとマックスか。
あれは一番、オーウェンに似てますから
大丈夫でしょう」
「……それ、本人には言うなよ。泣くぞ?」
「ははは、確かに。
ところでグレン様。アニエスと婚約された
との事。おめでとうございます」
……婚約。したな。とうとう。
いかん。顔がにやける。
「ふっ、ふっ。お幸せそうで何よりです。
それにしてもオーウェンの奴、悔しがって
いるでしょうな。せっかく出来た義娘。
可愛いがってましたから」
「いい加減邪魔されたな。最後は王命を
使わせて貰った。恨まれているだろうな。
まあ、可愛い女の孫でも作って誤魔化すさ。
きっとデレデレのジジイになるぞ」
「はは!違いない先が楽しみだ。グレン様。
──無事のお戻りをお待ちしております」
カルヴァン侯爵邸から自分の屋敷に戻る。
明日は早朝の出立。
早めに休もうと思っていたが、
余計な来客が来た。
──実家の父だ。
なんだ面倒臭い。この忙しい時に邪魔臭い。
「やあ。明日出陣と聞いてね。
顔を見に寄せてもらったよ。もしかしたら、
いや、君の事だ。大丈夫だとは思うけれど
戦だ。まさかの事があるといけない。
だから一度きちんと君に謝りたくてね。
私達は君にはひどい親だった。
……すまないグレン」
父親だから当然面差しは俺に似ているが、
覇気のないぼんやりした印象の人。
俺の顔など見ても面白くないだろうに、
何しに来たんだ。
もしかしたら?大丈夫だとは思うけれど?
まさかの事?
──勝手に頭の中で俺を殺すな。縁起悪い。
今さら謝られてもなぁ。
母に関しては、いくら化け物とののしられ
ようとも、俺のような馬鹿魔力持ちを良く
産み落としてくれたと感謝しているが。
──この人はなぁ。
俺に他の人を重ねて怖れている。
そんなに似ているか?
まあ、とりあえず種の提供に関しては
感謝はしているのでサービスしとくか。
この人がいなければ、俺は存在しない。
親にかまって貰わなくても、余所で沢山
可愛がって貰ったので、俺はグレなかった。
偉いだろう?
「そうですね。確かにまさかの事があると
お知らせする機会がなくなるかもしれない。
あなたに朗報があります」
この人の重荷を少し、減らしてやるか。
一応、親だ。
労っておこう。
「朗報って?なんだいグレン」
「俺も最近知ったのですが安心して下さい。
先代のエルドバルド公は……あなたの兄は、
あなたが殺したのではありませんよ」
「は?なんの事だ。一体……」
あーあ、思い切り顔色変えちゃって。
腹芸が出来ない王族。
無能だな。本当に向いていない。
この人が国王にならなくて本当に良かった。
まあ、弟に出し抜かれている段階ですでに
落第しているが。
「先代の陛下に騙されてしまいましたね。
エルドバルド公は、あなたの兄は国のために
自ら白竜の生贄になりました。
あなたが差し向けた刺客に殺された
訳ではありません。
あなたは兄殺しではない。
もう、──俺の顔を見てびくびく
しなくてもいいんですよ?」
「は?なんだって?生贄って、なんの事だ」
面倒臭いが一連の流れを教えてやった。
もう白竜の存在も生贄の事も秘密じゃない。
秘密にするのを新しい国王である
アルバートがやめた。
先代の国王の功績は生まれた子供が皆、優秀
だという事だな。本人は凡庸だけど。
でも、兄を騙して王座を手に入れようとする
気概はあった訳だ。
乱世でなければ、まだ玉座に座っていてくれ
ても良かったのだがな。
時代が悪かったね。叔父上。
せっかく、うちの父に兄殺しの負い目を
背負わせて、それをネタに脅して継承権を
放棄させてまで座った椅子なのに。
簡単に息子に簒奪されちゃって。
可哀想だから助命しといたぞ。
離宮でのんびり、悠々自適の軟禁生活を
どうか健やかに、お過ごし下さい叔父上。
父の世代の王族は生贄になった伯父上。
先代のエルドバルド公爵が突出して出来が
良かった。
生贄に選ばれなければ良い国王になった
だろうにもったいない。
「……しかし、そんなに似ていますか?
俺の顔を見るたび、幽霊に会ったような
顔をして、罪悪感でいっぱいでしたよね。
まあ、甥だから似ていても不思議じゃない
ですけれどね。
そんなに死んだエルドバルド公に
俺は似ていますか父上?」
あーあ。今にも倒れそうだな。
精神的に弱いな。おい。一応、王族だよな?
「俺の事ならお気になさらず。
全く気にしておりません。
父上は御家族を大切にされて下さい。
では、お元気で」
ここで卒中でも起こされたらたまらない。
笑顔で家宰に命じて丁重に御自宅に
送り返した。ああ、面倒臭かった。
怖いなら近寄らなきゃいいのに。
ちゃんと気にしなくていいと伝えたのに
何だあの罪悪感満載の顔。
俺にどうしろというんだ。
出征前に余計な労力を使わせるなよ。
食欲失せたな。
夕食、食わずに早めに寝るか?
──よし。そうしよう。時間が早いから
少し寝酒を飲めるだろう。
「おい、来客はもう誰が来ても、取り次ぐ
なよ。俺は寝るからな?夕食はいらん。
寝酒の用意を頼む」
家宰のヨーゼフに声をかける。
シルバーグレーの髪を丁寧に撫で付けた
やたら姿勢のいい年寄り。
綺麗に整えた口髭がトレードマークの
いかにも家宰や執事といった風貌のジジイ。
こいつは侮れないジジイだ。
俺は一目を置いている。
このヨーゼフを始めこの屋敷の使用人は
ほとんどが先代のエルドバルド公に仕えて
いた者達で、長く勤める有能な使用人が
数多い。その代わり年齢がやや高め。
今は若い使用人を数人雇い教育中だ。
家の事で煩わされる事が一切ない。
ありがたい事だ。
先代似の俺は大事にしてもらっている。
だが、陰で俺に両手を合わせて拝んだり。
瞠目したり、……涙ぐんだり。
生暖かい見守り視線を送ってくるのは
やめていただきたい。
「おや、本当によろしいので?」
「ああ、本当に緊急なのは伝令鳥が来る。
出征前にわざわざ押しかけてくる阿保が
多くて困る。少しは気遣えというんだ。
とにかく俺は寝るからな?」
「それは残念。とても可愛らしいお客様が
お見えですのに。お帰り頂きますか?」
とてもいい笑顔でさらりと言うヨーゼフ。
待て、可愛らしい客?
ひょっとしたら……。
「待て、誰だ?」
「アニエス・ザルツコード侯爵令嬢。
あなたの可愛い、可愛い婚約者様が
いらしてますが?」
ヨーゼフ。意地悪はやめろ。
「会う!会うに決まっているだろう。
ヨーゼフ、さっさと通せ。意地悪するな」
「もうすでに、それはそれは丁重に侍女頭が
もてなしてますとも。いや可愛らしいお嬢様
ですなぁ。皆の喜びようが……ははは。
ただお嬢様、お顔が……」
「顔?どうかしたのか?」
「目がぱんぱんに腫れています。
氷で冷やしてますが……結構酷いですよ」
……泣いたな。
オーウェン、あれほど一度に話すと泣くと
言っておいたのに。
何をどの順番でどう話したんだ。
俺はため息をつくとヨーゼフの先導で
アニエスのいる部屋に急いだ。
有事にこの有り様。誠に申し訳ありません」
出征前日。カルヴァン侯爵邸にゴドフリーの
見舞いに来た。
ベッドの上で体を起こせるように回復した
ゴドフリー。上着を肩から掛け
プラチナブロンドの頭を下げる。
ジジイ堅苦しいぞ。
ワイバーンの毒にやられて生き残っただけで
僥倖。余計な事気にするな。ハゲるぞ。
「帝国におかしな動きがあると報告が。
今度の辺境での開戦。何かありますな?」
ゴドフリーの言葉に頷く。何かどころか
罠の臭いがぷんぷんする。
だが、北の国境を破られ交戦する辺境伯を
見殺しには出来ない。
行きたくないが行くしかない。
プリシラがいなければヤバイ戦況に
なっていたはず。
あいつの防衛結界は優れものだ。
辺境伯に嫁いでくれて助かった。
「王都への攻撃の第二波、第三波もあるだ
ろうしな。アシェンティの熊共に存分に
働いてもらおう。奴らの腕は確かだ」
「……あいつら少しは使えるようになりま
したか?腕っぷしは問題なくも何かと
残念な奴らですから」
アニエスの兄熊達。
姿形は似ていなくともどこか抜けているのが
似ている。血筋だな。
「ザルツコードの五男がしごいてくれた
からなんとかなるだろう。脇は頭の回る奴
で固めているしな」
「ザルツコードの五男というとマックスか。
あれは一番、オーウェンに似てますから
大丈夫でしょう」
「……それ、本人には言うなよ。泣くぞ?」
「ははは、確かに。
ところでグレン様。アニエスと婚約された
との事。おめでとうございます」
……婚約。したな。とうとう。
いかん。顔がにやける。
「ふっ、ふっ。お幸せそうで何よりです。
それにしてもオーウェンの奴、悔しがって
いるでしょうな。せっかく出来た義娘。
可愛いがってましたから」
「いい加減邪魔されたな。最後は王命を
使わせて貰った。恨まれているだろうな。
まあ、可愛い女の孫でも作って誤魔化すさ。
きっとデレデレのジジイになるぞ」
「はは!違いない先が楽しみだ。グレン様。
──無事のお戻りをお待ちしております」
カルヴァン侯爵邸から自分の屋敷に戻る。
明日は早朝の出立。
早めに休もうと思っていたが、
余計な来客が来た。
──実家の父だ。
なんだ面倒臭い。この忙しい時に邪魔臭い。
「やあ。明日出陣と聞いてね。
顔を見に寄せてもらったよ。もしかしたら、
いや、君の事だ。大丈夫だとは思うけれど
戦だ。まさかの事があるといけない。
だから一度きちんと君に謝りたくてね。
私達は君にはひどい親だった。
……すまないグレン」
父親だから当然面差しは俺に似ているが、
覇気のないぼんやりした印象の人。
俺の顔など見ても面白くないだろうに、
何しに来たんだ。
もしかしたら?大丈夫だとは思うけれど?
まさかの事?
──勝手に頭の中で俺を殺すな。縁起悪い。
今さら謝られてもなぁ。
母に関しては、いくら化け物とののしられ
ようとも、俺のような馬鹿魔力持ちを良く
産み落としてくれたと感謝しているが。
──この人はなぁ。
俺に他の人を重ねて怖れている。
そんなに似ているか?
まあ、とりあえず種の提供に関しては
感謝はしているのでサービスしとくか。
この人がいなければ、俺は存在しない。
親にかまって貰わなくても、余所で沢山
可愛がって貰ったので、俺はグレなかった。
偉いだろう?
「そうですね。確かにまさかの事があると
お知らせする機会がなくなるかもしれない。
あなたに朗報があります」
この人の重荷を少し、減らしてやるか。
一応、親だ。
労っておこう。
「朗報って?なんだいグレン」
「俺も最近知ったのですが安心して下さい。
先代のエルドバルド公は……あなたの兄は、
あなたが殺したのではありませんよ」
「は?なんの事だ。一体……」
あーあ、思い切り顔色変えちゃって。
腹芸が出来ない王族。
無能だな。本当に向いていない。
この人が国王にならなくて本当に良かった。
まあ、弟に出し抜かれている段階ですでに
落第しているが。
「先代の陛下に騙されてしまいましたね。
エルドバルド公は、あなたの兄は国のために
自ら白竜の生贄になりました。
あなたが差し向けた刺客に殺された
訳ではありません。
あなたは兄殺しではない。
もう、──俺の顔を見てびくびく
しなくてもいいんですよ?」
「は?なんだって?生贄って、なんの事だ」
面倒臭いが一連の流れを教えてやった。
もう白竜の存在も生贄の事も秘密じゃない。
秘密にするのを新しい国王である
アルバートがやめた。
先代の国王の功績は生まれた子供が皆、優秀
だという事だな。本人は凡庸だけど。
でも、兄を騙して王座を手に入れようとする
気概はあった訳だ。
乱世でなければ、まだ玉座に座っていてくれ
ても良かったのだがな。
時代が悪かったね。叔父上。
せっかく、うちの父に兄殺しの負い目を
背負わせて、それをネタに脅して継承権を
放棄させてまで座った椅子なのに。
簡単に息子に簒奪されちゃって。
可哀想だから助命しといたぞ。
離宮でのんびり、悠々自適の軟禁生活を
どうか健やかに、お過ごし下さい叔父上。
父の世代の王族は生贄になった伯父上。
先代のエルドバルド公爵が突出して出来が
良かった。
生贄に選ばれなければ良い国王になった
だろうにもったいない。
「……しかし、そんなに似ていますか?
俺の顔を見るたび、幽霊に会ったような
顔をして、罪悪感でいっぱいでしたよね。
まあ、甥だから似ていても不思議じゃない
ですけれどね。
そんなに死んだエルドバルド公に
俺は似ていますか父上?」
あーあ。今にも倒れそうだな。
精神的に弱いな。おい。一応、王族だよな?
「俺の事ならお気になさらず。
全く気にしておりません。
父上は御家族を大切にされて下さい。
では、お元気で」
ここで卒中でも起こされたらたまらない。
笑顔で家宰に命じて丁重に御自宅に
送り返した。ああ、面倒臭かった。
怖いなら近寄らなきゃいいのに。
ちゃんと気にしなくていいと伝えたのに
何だあの罪悪感満載の顔。
俺にどうしろというんだ。
出征前に余計な労力を使わせるなよ。
食欲失せたな。
夕食、食わずに早めに寝るか?
──よし。そうしよう。時間が早いから
少し寝酒を飲めるだろう。
「おい、来客はもう誰が来ても、取り次ぐ
なよ。俺は寝るからな?夕食はいらん。
寝酒の用意を頼む」
家宰のヨーゼフに声をかける。
シルバーグレーの髪を丁寧に撫で付けた
やたら姿勢のいい年寄り。
綺麗に整えた口髭がトレードマークの
いかにも家宰や執事といった風貌のジジイ。
こいつは侮れないジジイだ。
俺は一目を置いている。
このヨーゼフを始めこの屋敷の使用人は
ほとんどが先代のエルドバルド公に仕えて
いた者達で、長く勤める有能な使用人が
数多い。その代わり年齢がやや高め。
今は若い使用人を数人雇い教育中だ。
家の事で煩わされる事が一切ない。
ありがたい事だ。
先代似の俺は大事にしてもらっている。
だが、陰で俺に両手を合わせて拝んだり。
瞠目したり、……涙ぐんだり。
生暖かい見守り視線を送ってくるのは
やめていただきたい。
「おや、本当によろしいので?」
「ああ、本当に緊急なのは伝令鳥が来る。
出征前にわざわざ押しかけてくる阿保が
多くて困る。少しは気遣えというんだ。
とにかく俺は寝るからな?」
「それは残念。とても可愛らしいお客様が
お見えですのに。お帰り頂きますか?」
とてもいい笑顔でさらりと言うヨーゼフ。
待て、可愛らしい客?
ひょっとしたら……。
「待て、誰だ?」
「アニエス・ザルツコード侯爵令嬢。
あなたの可愛い、可愛い婚約者様が
いらしてますが?」
ヨーゼフ。意地悪はやめろ。
「会う!会うに決まっているだろう。
ヨーゼフ、さっさと通せ。意地悪するな」
「もうすでに、それはそれは丁重に侍女頭が
もてなしてますとも。いや可愛らしいお嬢様
ですなぁ。皆の喜びようが……ははは。
ただお嬢様、お顔が……」
「顔?どうかしたのか?」
「目がぱんぱんに腫れています。
氷で冷やしてますが……結構酷いですよ」
……泣いたな。
オーウェン、あれほど一度に話すと泣くと
言っておいたのに。
何をどの順番でどう話したんだ。
俺はため息をつくとヨーゼフの先導で
アニエスのいる部屋に急いだ。
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