9 / 135
アニエス、舞踏会に行く
しおりを挟む
成り行きでグレン様と王宮舞踏会に行く
ことになってしまった。姫様に報告したら
大笑いされた。何故?解せぬ。
「ところでドレスはどうするの?
オーウェン様にお願いするのかしら。
それとも私のドレスを仕立直して着る?」
今日も男装の姫様、何だか楽しそう。
いや、いや、いや。姫様のドレスとか
畏れ多くて無理です。
「それがグレン様から昨日、ドレスが届き
まして。それで着付けをどうしようかと」
「えっ!もう届いたの?だって申し込まれて
まだ三日でしょ。早くない?
でも、十日前のお誘いであまり時間がない
から既製のドレスを見繕ったのかしら」
「ですかねぇ」
ちらりと後ろにある箱を見る。
「あら、それ?ええ~見せて、見せて!」
「あっ!私も見た~い」
「うん。私にも見せて?」
アルマさんとアイリスさんもノリノリだ。
「まあ……これは既製品じゃないわ。
かなり前から作らせていたわね。
このレベルの物は手間も時間もかなり
かかるわよ。
刺繍もレースも素晴らしいものだわ。
新緑のドレス。アニエスの瞳の色ね。
でも、この豪華な金糸の刺繍……。
グレンの瞳の色を意識してるのかしら。
ふふふ、あのグレンにこんな芸当ができる
なんて……やだ、愛されてるわねアニエス」
「はい?」
あれ?姫様が変なことを言い出したぞ。
「アニエス、私達に任せなさい?
ふふふ、野生の子リスを華麗なご令嬢に
してあげる。うふふふ。
とりあえず入浴に香油でマッサージね。
あと一週間!!さあ、時間との闘いよ」
「まあ、腕が鳴るわ。アニエス、ほとんど
お手入れしてないものね。ふっふっふっ。
大丈夫。着付けに髪結い、お化粧もすべて
私達に任せなさい。ああ、楽しみ。こんな
楽しいイベント、他にないわ」
お姉さま達が怖いです。
助けを求め、思わず姫様を見る。
姫様は少し眉をさげながら困ったように
笑う。
その顔は諦めてと言っていた。
※※※※※※※※※※
アイリスさん、アルマさんの地獄のエステ
週間が終わり、あっという間に舞踏会当日。
一週間間でお姉さま二人に磨きに磨かれ
一皮剥けてツルツル、ツヤツヤです。
「まあ、アニエス!!素敵だわ」
出来上がった私を見て姫様が満面の笑顔。
アイリスさん、アルマさんも満足そう。
疲れたけど……着付けをお願いして良かった。
最初はグレン様のお屋敷で着付けをする
はずだったのだけれど、オーウェン様から
止められた。姫様達に相談するようにと勧め
てくれたのだ。
「それって連れ込み防止よね。着付けたら
帰りの着替えもお屋敷でとか言ってそのまま
お泊まりになりかねないもの。
私に頼んで正解。グレンも私には文句言え
ないしね。
駄目よ。簡単に連れ込まれちゃ。
グレンも油断も隙もないわね。
心配性のお義父様がいて良かったわ。
やだ、アニエス。お義父様からも愛されて
いるわね。ふふふ、あのオーウェンがねぇ」
「はい?」
あれ?また姫様が変なこと言い出したぞ。
「まあ、せっかく綺麗にできたのだもの
楽しんでらっしゃい。社交デビューでしょ」
「はい。姫様行って参ります」
何かよく分からないが、とりあえず返事を
しておこう。うん。
本宮に繋がる回廊は閉鎖されているので
女神像の庭に出る。本宮の庭園に入ると
すぐに月明かりの中、グレン様が静かに
佇んでいた。
今日は騎士服でなく礼服だ。見目麗しい方
は何を御召しになっても良くお似合いです。
思わず見惚れるが、
いけない。お待たせしてしまったようだ。
「お待たせして申し訳ありません」
「いや、俺が早く来すぎたんだ。アニエス
……綺麗だ。ドレスがよく似合っている。
すまないが左手を出しくれないか」
うん?エスコート?あれ、左手?
言われるまま左手を差し出すと、そっと手を
とられ左手の薬指に指輪が嵌められる。
黒い不思議な石が嵌め込められた細い金の
指輪。え~と。
「グレン様?」
「お守りだ。防御魔法の魔道具。何かあった
時のために身に付けておいて欲しい」
「何かあった時って……」
「ただのお守りだ。発動しなければそれで
いい。時間だ。行くぞ」
「はあ……」
何かよく分からないうちにエスコート
され会場に向かう。
ヤバい緊張してきた。
実は今日は社交界デビューです。
婚約破棄前はデビューできるレベルに
なっていないと言われてデビュタントすら
していない。
だから嫌だったのに。
古傷が痛むなぁ……。
元婚約者に、元養家。侯爵家に伯爵家だ。
王宮舞踏会でしょ?いるだろうな……。
やだなぁ。ロベルト様に会いたくないなぁ。
何か失敗して目立ちたくないなぁ。
入場待ちで扉の前にいると胃が痛くなっ
てきた。
つい、隣のグレン様を見る。
「君でも緊張するんだな」
「はい?緊張ぐらいしますよ。私だって
人間ですよ。何だと思っているのですか」
「はは!俺にそんな口きく奴が緊張だと?
大丈夫だ。俺にエリザベート、アーサーの
他に身分の高い奴なんてアルバートと国王
と王太子妃しかいない。
普段の環境を考えてみろ。
ましてや今夜は俺のエスコートだぞ?
何か言ってくるような身の程知らずが
いると思うか?」
「そういえばそうですね」
言われてみると確かにそうでした。
ふと、力が抜ける。変なの。
あんなに怖いと思っていたグレン様の
隣がこんなに安心できるなんて。
「せっかくの社交デビュー。
やっとの思いでオーウェンからアニエスの
エスコートする権利を奪ったんだ。
余計なことを考えず、楽しんで欲しい」
あ~。オーウェンお義父様ね。
私の社交デビューのエスコートは自分が
するとゴネてましたね。
結局、お義母様が風邪で寝込まれたので
付き添いのため、泣く泣くお許し下さった。
『だから、もっと早く私のエスコートで
デビュタントを済ませばよかったのに……』
怨めしそうにオーウェン様に言われたな。
そんなこと言われても……。
私だって賭けに負けていなければ
社交デビューなんて考えてもいなかったし。
そもそも、私をエスコートして何が楽しい
のだろう。解せぬ。
「 ザルツコード侯爵家が養女アニエスが
国王陛下にご挨拶申し上げます」
緊張しながらカーテシーをする。
「うむ。そなたがアニエスか。やっと会え
たな。一度会って礼が言いたかった。
エリザベートがいつも世話になっているな。
これからもよろしく頼むぞ」
姫様の目元と鼻筋は国王陛下ゆずりだった
のですね。良く似てらっしゃいる。
過分なお言葉を陛下からいただき挨拶は
何とか無事に終わった。
さて、どうしても避けられない国王陛下
への挨拶を無難に済ませ。やっとのことで
緊張タイム終了です。やった終わった~と
思っていたら。
ダンスタイムです。まあ、舞踏会だから。
当然、グレン様と踊るのだけれどこれが
ひどい。一曲目は普通に踊っていたのに。
二曲目、段々ステップが速くなる。
グレン様がニヤリと口角を上げた途端。
いや、速い。速い。速いってば!
身体強化使わないと間に合わないダンスって
一体ナニ?
ほら、他の方々が動きを止めて呆然とこちら
を見てます。
音楽も私達に合わせて段々速くなっていく。
「グレン様、速いです」
「ははは!さ、回るか」
イヤ~高速回転させるのやめて。
ぐるぐる回され目が回りそう。
このままいいようにされてたまるもの
ですか。
私もステップを速める。
でもグレン様はしれっと、さらに速く
しかも勝手にアレンジをいれてくる。
ムカつく。負けるものか。
もう、周りなんか関係ない。
すでに何かよく分からない勝負になってい
た。あっ、曲が終わる。決めなきゃ。
フィニッシュポーズを決める。
よし、決めたぞ。あれ?
しん。静寂に包まれる。
あっ、やっちゃいました?
ノリノリでグレン様に付き合ってポーズを
決めた自分が恥ずかしい。
と思ったら一斉にどよめきと拍手の嵐。
どっちにしろ恥ずかしい。
これもグレン様のせいだ。
「もう、なんてことさせるんですか!」
「よくついてきたな。面白かったぞ。
途中で身体強化を使っただろう。ダンスで
身体強化って馬鹿だろう」
「あなたが無理させたのでしょう!
もう、恥ずかしいです」
「ふはは。そんなに頬を膨らませて怒ると
リスみたいだぞ。たまらんな。その顔」
グレン様、お腹抱えて笑うのはやめて
下さいよ。まったく失礼な。
「……君たちは何をしているのかな?」
ふと、私達の背後から声をかけられる。
振り向くとやや呆れ顔の皇太子殿下が
シャンパングラスを片手に立っていた。
あっ、やっぱり。騒ぎすぎ?
やっちゃいました?
どうしよう……。
私は思わずグレン様の服の裾を握りしめ
すがるように目線を向けた。
頭の中を『不敬罪』という単語がぐるぐると
回っていた。
ことになってしまった。姫様に報告したら
大笑いされた。何故?解せぬ。
「ところでドレスはどうするの?
オーウェン様にお願いするのかしら。
それとも私のドレスを仕立直して着る?」
今日も男装の姫様、何だか楽しそう。
いや、いや、いや。姫様のドレスとか
畏れ多くて無理です。
「それがグレン様から昨日、ドレスが届き
まして。それで着付けをどうしようかと」
「えっ!もう届いたの?だって申し込まれて
まだ三日でしょ。早くない?
でも、十日前のお誘いであまり時間がない
から既製のドレスを見繕ったのかしら」
「ですかねぇ」
ちらりと後ろにある箱を見る。
「あら、それ?ええ~見せて、見せて!」
「あっ!私も見た~い」
「うん。私にも見せて?」
アルマさんとアイリスさんもノリノリだ。
「まあ……これは既製品じゃないわ。
かなり前から作らせていたわね。
このレベルの物は手間も時間もかなり
かかるわよ。
刺繍もレースも素晴らしいものだわ。
新緑のドレス。アニエスの瞳の色ね。
でも、この豪華な金糸の刺繍……。
グレンの瞳の色を意識してるのかしら。
ふふふ、あのグレンにこんな芸当ができる
なんて……やだ、愛されてるわねアニエス」
「はい?」
あれ?姫様が変なことを言い出したぞ。
「アニエス、私達に任せなさい?
ふふふ、野生の子リスを華麗なご令嬢に
してあげる。うふふふ。
とりあえず入浴に香油でマッサージね。
あと一週間!!さあ、時間との闘いよ」
「まあ、腕が鳴るわ。アニエス、ほとんど
お手入れしてないものね。ふっふっふっ。
大丈夫。着付けに髪結い、お化粧もすべて
私達に任せなさい。ああ、楽しみ。こんな
楽しいイベント、他にないわ」
お姉さま達が怖いです。
助けを求め、思わず姫様を見る。
姫様は少し眉をさげながら困ったように
笑う。
その顔は諦めてと言っていた。
※※※※※※※※※※
アイリスさん、アルマさんの地獄のエステ
週間が終わり、あっという間に舞踏会当日。
一週間間でお姉さま二人に磨きに磨かれ
一皮剥けてツルツル、ツヤツヤです。
「まあ、アニエス!!素敵だわ」
出来上がった私を見て姫様が満面の笑顔。
アイリスさん、アルマさんも満足そう。
疲れたけど……着付けをお願いして良かった。
最初はグレン様のお屋敷で着付けをする
はずだったのだけれど、オーウェン様から
止められた。姫様達に相談するようにと勧め
てくれたのだ。
「それって連れ込み防止よね。着付けたら
帰りの着替えもお屋敷でとか言ってそのまま
お泊まりになりかねないもの。
私に頼んで正解。グレンも私には文句言え
ないしね。
駄目よ。簡単に連れ込まれちゃ。
グレンも油断も隙もないわね。
心配性のお義父様がいて良かったわ。
やだ、アニエス。お義父様からも愛されて
いるわね。ふふふ、あのオーウェンがねぇ」
「はい?」
あれ?また姫様が変なこと言い出したぞ。
「まあ、せっかく綺麗にできたのだもの
楽しんでらっしゃい。社交デビューでしょ」
「はい。姫様行って参ります」
何かよく分からないが、とりあえず返事を
しておこう。うん。
本宮に繋がる回廊は閉鎖されているので
女神像の庭に出る。本宮の庭園に入ると
すぐに月明かりの中、グレン様が静かに
佇んでいた。
今日は騎士服でなく礼服だ。見目麗しい方
は何を御召しになっても良くお似合いです。
思わず見惚れるが、
いけない。お待たせしてしまったようだ。
「お待たせして申し訳ありません」
「いや、俺が早く来すぎたんだ。アニエス
……綺麗だ。ドレスがよく似合っている。
すまないが左手を出しくれないか」
うん?エスコート?あれ、左手?
言われるまま左手を差し出すと、そっと手を
とられ左手の薬指に指輪が嵌められる。
黒い不思議な石が嵌め込められた細い金の
指輪。え~と。
「グレン様?」
「お守りだ。防御魔法の魔道具。何かあった
時のために身に付けておいて欲しい」
「何かあった時って……」
「ただのお守りだ。発動しなければそれで
いい。時間だ。行くぞ」
「はあ……」
何かよく分からないうちにエスコート
され会場に向かう。
ヤバい緊張してきた。
実は今日は社交界デビューです。
婚約破棄前はデビューできるレベルに
なっていないと言われてデビュタントすら
していない。
だから嫌だったのに。
古傷が痛むなぁ……。
元婚約者に、元養家。侯爵家に伯爵家だ。
王宮舞踏会でしょ?いるだろうな……。
やだなぁ。ロベルト様に会いたくないなぁ。
何か失敗して目立ちたくないなぁ。
入場待ちで扉の前にいると胃が痛くなっ
てきた。
つい、隣のグレン様を見る。
「君でも緊張するんだな」
「はい?緊張ぐらいしますよ。私だって
人間ですよ。何だと思っているのですか」
「はは!俺にそんな口きく奴が緊張だと?
大丈夫だ。俺にエリザベート、アーサーの
他に身分の高い奴なんてアルバートと国王
と王太子妃しかいない。
普段の環境を考えてみろ。
ましてや今夜は俺のエスコートだぞ?
何か言ってくるような身の程知らずが
いると思うか?」
「そういえばそうですね」
言われてみると確かにそうでした。
ふと、力が抜ける。変なの。
あんなに怖いと思っていたグレン様の
隣がこんなに安心できるなんて。
「せっかくの社交デビュー。
やっとの思いでオーウェンからアニエスの
エスコートする権利を奪ったんだ。
余計なことを考えず、楽しんで欲しい」
あ~。オーウェンお義父様ね。
私の社交デビューのエスコートは自分が
するとゴネてましたね。
結局、お義母様が風邪で寝込まれたので
付き添いのため、泣く泣くお許し下さった。
『だから、もっと早く私のエスコートで
デビュタントを済ませばよかったのに……』
怨めしそうにオーウェン様に言われたな。
そんなこと言われても……。
私だって賭けに負けていなければ
社交デビューなんて考えてもいなかったし。
そもそも、私をエスコートして何が楽しい
のだろう。解せぬ。
「 ザルツコード侯爵家が養女アニエスが
国王陛下にご挨拶申し上げます」
緊張しながらカーテシーをする。
「うむ。そなたがアニエスか。やっと会え
たな。一度会って礼が言いたかった。
エリザベートがいつも世話になっているな。
これからもよろしく頼むぞ」
姫様の目元と鼻筋は国王陛下ゆずりだった
のですね。良く似てらっしゃいる。
過分なお言葉を陛下からいただき挨拶は
何とか無事に終わった。
さて、どうしても避けられない国王陛下
への挨拶を無難に済ませ。やっとのことで
緊張タイム終了です。やった終わった~と
思っていたら。
ダンスタイムです。まあ、舞踏会だから。
当然、グレン様と踊るのだけれどこれが
ひどい。一曲目は普通に踊っていたのに。
二曲目、段々ステップが速くなる。
グレン様がニヤリと口角を上げた途端。
いや、速い。速い。速いってば!
身体強化使わないと間に合わないダンスって
一体ナニ?
ほら、他の方々が動きを止めて呆然とこちら
を見てます。
音楽も私達に合わせて段々速くなっていく。
「グレン様、速いです」
「ははは!さ、回るか」
イヤ~高速回転させるのやめて。
ぐるぐる回され目が回りそう。
このままいいようにされてたまるもの
ですか。
私もステップを速める。
でもグレン様はしれっと、さらに速く
しかも勝手にアレンジをいれてくる。
ムカつく。負けるものか。
もう、周りなんか関係ない。
すでに何かよく分からない勝負になってい
た。あっ、曲が終わる。決めなきゃ。
フィニッシュポーズを決める。
よし、決めたぞ。あれ?
しん。静寂に包まれる。
あっ、やっちゃいました?
ノリノリでグレン様に付き合ってポーズを
決めた自分が恥ずかしい。
と思ったら一斉にどよめきと拍手の嵐。
どっちにしろ恥ずかしい。
これもグレン様のせいだ。
「もう、なんてことさせるんですか!」
「よくついてきたな。面白かったぞ。
途中で身体強化を使っただろう。ダンスで
身体強化って馬鹿だろう」
「あなたが無理させたのでしょう!
もう、恥ずかしいです」
「ふはは。そんなに頬を膨らませて怒ると
リスみたいだぞ。たまらんな。その顔」
グレン様、お腹抱えて笑うのはやめて
下さいよ。まったく失礼な。
「……君たちは何をしているのかな?」
ふと、私達の背後から声をかけられる。
振り向くとやや呆れ顔の皇太子殿下が
シャンパングラスを片手に立っていた。
あっ、やっぱり。騒ぎすぎ?
やっちゃいました?
どうしよう……。
私は思わずグレン様の服の裾を握りしめ
すがるように目線を向けた。
頭の中を『不敬罪』という単語がぐるぐると
回っていた。
1
お気に入りに追加
316
あなたにおすすめの小説

王弟殿下の番様は溺れるほどの愛をそそがれ幸せに…
ましろ
恋愛
見つけた!愛しい私の番。ようやく手に入れることができた私の宝玉。これからは私のすべてで愛し、護り、共に生きよう。
王弟であるコンラート公爵が番を見つけた。
それは片田舎の貴族とは名ばかりの貧乏男爵の娘だった。物語のような幸運を得た少女に人々は賞賛に沸き立っていた。
貧しかった少女は番に愛されそして……え?
廃妃の再婚
束原ミヤコ
恋愛
伯爵家の令嬢としてうまれたフィアナは、母を亡くしてからというもの
父にも第二夫人にも、そして腹違いの妹にも邪険に扱われていた。
ある日フィアナは、川で倒れている青年を助ける。
それから四年後、フィアナの元に国王から結婚の申し込みがくる。
身分差を気にしながらも断ることができず、フィアナは王妃となった。
あの時助けた青年は、国王になっていたのである。
「君を永遠に愛する」と約束をした国王カトル・エスタニアは
結婚してすぐに辺境にて部族の反乱が起こり、平定戦に向かう。
帰還したカトルは、族長の娘であり『精霊の愛し子』と呼ばれている美しい女性イルサナを連れていた。
カトルはイルサナを寵愛しはじめる。
王城にて居場所を失ったフィアナは、聖騎士ユリシアスに下賜されることになる。
ユリシアスは先の戦いで怪我を負い、顔の半分を包帯で覆っている寡黙な男だった。
引け目を感じながらフィアナはユリシアスと過ごすことになる。
ユリシアスと過ごすうち、フィアナは彼と惹かれ合っていく。
だがユリシアスは何かを隠しているようだ。
それはカトルの抱える、真実だった──。

彼は亡国の令嬢を愛せない
黒猫子猫(猫子猫)
恋愛
セシリアの祖国が滅んだ。もはや妻としておく価値もないと、夫から離縁を言い渡されたセシリアは、五年ぶりに祖国の地を踏もうとしている。その先に待つのは、敵国による処刑だ。夫に愛されることも、子を産むことも、祖国で生きることもできなかったセシリアの願いはたった一つ。長年傍に仕えてくれていた人々を守る事だ。その願いは、一人の男の手によって叶えられた。
ただ、男が見返りに求めてきたものは、セシリアの想像をはるかに超えるものだった。
※同一世界観の関連作がありますが、これのみで読めます。本シリーズ初の長編作品です。
※ヒーローはスパダリ時々ポンコツです。口も悪いです。
※新作です。アルファポリス様が先行します。

まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?
せいめ
恋愛
政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。
喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。
そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。
その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。
閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。
でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。
家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。
その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。
まずは亡くなったはずの旦那様との話から。
ご都合主義です。
設定は緩いです。
誤字脱字申し訳ありません。
主人公の名前を途中から間違えていました。
アメリアです。すみません。

私と黄金竜の国
すみれ
恋愛
異世界で真理子は竜王ギルバートに出会う。
ハッピーエンドと喜んだのもつかの間、ギルバートには後宮があったのだ。
問題外と相手にしない真理子と、真理子にすがるギルバート。
どんどんギルバートは思いつめていく。
小説家になろうサイトにも投稿しております。
番は君なんだと言われ王宮で溺愛されています
ゆきりん(安室 雪)
恋愛
私ミーシャ・ラクリマ男爵令嬢は、家の借金の為コッソリと王宮でメイドとして働いています。基本は王宮内のお掃除ですが、人手が必要な時には色々な所へ行きお手伝いします。そんな中私を番だと言う人が現れた。えっ、あなたって!?
貧乏令嬢が番と幸せになるまでのすれ違いを書いていきます。
愛の花第2弾です。前の話を読んでいなくても、単体のお話として読んで頂けます。
逃げて、追われて、捕まって
あみにあ
恋愛
平民に生まれた私には、なぜか生まれる前の記憶があった。
この世界で王妃として生きてきた記憶。
過去の私は貴族社会の頂点に立ち、さながら悪役令嬢のような存在だった。
人を蹴落とし、気に食わない女を断罪し、今思えばひどい令嬢だったと思うわ。
だから今度は平民としての幸せをつかみたい、そう願っていたはずなのに、一体全体どうしてこんな事になってしまたのかしら……。
2020年1月5日より 番外編:続編随時アップ
2020年1月28日より 続編となります第二章スタートです。
**********お知らせ***********
2020年 1月末 レジーナブックス 様より書籍化します。
それに伴い短編で掲載している以外の話をレンタルと致します。
ご理解ご了承の程、宜しくお願い致します。

【完結】番である私の旦那様
桜もふ
恋愛
異世界であるミーストの世界最強なのが黒竜族!
黒竜族の第一皇子、オパール・ブラック・オニキス(愛称:オール)の番をミースト神が異世界転移させた、それが『私』だ。
バールナ公爵の元へ養女として出向く事になるのだが、1人娘であった義妹が最後まで『自分』が黒竜族の番だと思い込み、魅了の力を使って男性を味方に付け、なにかと嫌味や嫌がらせをして来る。
オールは政務が忙しい身ではあるが、溺愛している私の送り迎えだけは必須事項みたい。
気が抜けるほど甘々なのに、義妹に邪魔されっぱなし。
でも神様からは特別なチートを貰い、世界最強の黒竜族の番に相応しい子になろうと頑張るのだが、なぜかディロ-ルの侯爵子息に学園主催の舞踏会で「お前との婚約を破棄する!」なんて訳の分からない事を言われるし、義妹は最後の最後まで頭お花畑状態で、オールを手に入れようと男の元を転々としながら、絡んで来ます!(鬱陶しいくらい来ます!)
大好きな乙女ゲームや異世界の漫画に出てくる「私がヒロインよ!」な頭の変な……じゃなかった、変わった義妹もいるし、何と言っても、この世界の料理はマズイ、不味すぎるのです!
神様から貰った、特別なスキルを使って異世界の皆と地球へ行き来したり、地球での家族と異世界へ行き来しながら、日本で得た知識や得意な家事(食事)などを、この世界でオールと一緒に自由にのんびりと生きて行こうと思います。
前半は転移する前の私生活から始まります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる