上 下
6 / 69
第1章 異なる現実

5.小さな一歩を積み重ねる/神685-4(Pri)-9

しおりを挟む
 神暦685年4月9日、第三曜日。
 先週の神暦685年4月3日からちょうど一週間が過ぎた。
 最近知ったのだが、どうやらこの世界は六日で一週間らしい。
 第一と第六曜日は休日だ。

 先週、降神の場から出た後。
 レミアさんと話しをするために、来た道を辿って彼女を探した。
 そして彼女に諸々を謝ろうとしたとしたのだが、彼女に先を越されてしまった。
 私が降神の場に向かう時の態度が気になってた様で、逆に色々謝られたのだ。

 《確かに神の言葉ではあったけど言葉が足りなかった》と。
 誤解を招くような態度を取ったことに対する謝罪だった。
 それに対する私の反応は言うまでもない。
 お互いに謝りパーティーだ。

 それからまあ、腕輪のこととかも話して、その話をこの村の村長。
 エレミアだけでなくレミアさんにも父らしいが、とにかくその人にも話した。
 こうなってしまっては村側でも無闇に手を付けられない。
 教会から出ない限りは放置だ。
 そしてその放置された私は現在、文字を勉強している真っ最中である。

「大体は書けるようになったけど、慣れるには時間が要るな……」

 ずっと不思議と考えてはいたのだ。
 何で私は普通に日本語で会話してるんだ、と。
 異世界やらファンタジー世界やらに実際に行くことになったと考える場合、一番引っかかる問題はコミュニケーション方法だ。

 普通、ラノベとかでは何の不自由なく会話する。
 日本語はいつから万国共通語になったのかと読みながらいつも思っていた。
 なのに実際の異世界でも会話出来てしまう。
 助かりはしたが疑問は残ってた。

 その答えが、絶対神の祝福というもの。
 神により文化を成すように作られた種族に限るが、それらには絶対神の祝福として《統一言語》というものが宿るらしい。
 つまり種族関係なく何語で喋っても会話が出来るという素敵な祝福だ。
 文字に関してが全ての文字を勉強しなくも普通に読めるらしい。
 私が会話に苦労しなかったのはこれが原因だ。

 なのに何で私は文字を勉強しているのか?
 簡単なことだ――当然ながらそんな祝福、私には無いからだ。

 どうやら統一言語の祝福は聞く・喋る・書くことにだけ影響するものの様だ。
 それが何語であっても相手からの言葉は勝手に翻訳されるし、喋るときも相手にわかるような内容として伝えられるもの。
 なので例え祝福がなくても会話に問題はない。

 ただ、文字に関しては書く時にのみ祝福が宿るようだ。
 これは私という例外が存在したからわかったことになる。
 実際に私が平仮名やカタカナを書いてみてもレミアさんには伝わらなかった。
 多分これを書いてみせるだけでも異世界人という証拠になりえるのだろう。
 まあ、だからといってこの村のエルフ達が態度を変えるとは思わないが。

 ともかく、文字を書けないのは流石に不便ということで、この地域で一般的に使われる文字を学ぶことにしたのだ。
 それがこの、イートス語になる。

 文字としては英語に、文法や単語は日本語と似ている言語で、ほぼ一対一で変換が可能のように見えた。
 似ているというか日本語の英文字文章のアナグラムのような感じか。
 なので、書くのはさほど難しくないけど、一文字書くたびに何十秒もかかる。
 慣れないせいではあるけれど、もどかしいのは仕方がない。

「でも、この短期間でここまで書けるようになったのは凄いと思いますよ?」

「基本はもともと使ってたのと似てますからね、そんな大したものではありません」

 横ではレミアさんが自分の勉強を見てくれていた。
 この一週間の間、文字以外にもこの世界の常識について色々教えてもらってる。
 ここに来る途中にエレミアに語った教育や種族、文化などの常識を、今度は私の方が学んでいる形だ。

 内容については真新しいものもあれば、ここでもか、というのもある。
 間違い探しみたいな気分で、筆記もしながら勉強している。
 もちろん、この時の筆記は日本語だ。

 レミアさん経緯ではあるがエレミアの近況も知った。
 どうやら私を連れてきた件で暫くの間は謹慎処分で家の外には出られないようだ。

 私の境遇に関してはレミアさんからも村長に抗議したらしい。
 《神が認めた人を連れてきたことで罪を問われるのはおかしい》と。
 でも《認められたのはこの村に来てからだ》ということで、連れてきた当時とは関係ないと却下されたとか。
 中々の俺ルールだ、中途半端に筋が通ってる分、タチが悪い。

 ただ、これが教会と村の関係性なのだろう。
 近い位置でも決して近くない、尊重はするがそれだけ。
 エルフで神を信じているのなら信仰心も高いと思ったけど、そうでもないようだ。

「まあ、正直それ以外にも思うところはあるけど」

「何がですか?」

「この世界の事を少し考えていました、正確に言うと種族に関してですが」

「ああ――まあ、確かにそうですね。
 今となってはどうしてこうなったのか理由すらはっきりとしていませんが」

 この世界は一般的なファンタジー世界の常識が通用するが、違うところも多い。
 種族に関わらず村には必ず教会が存在するというのも大きな違いと言える。
 しかし、それよりも大きいのは種族同士の関係だ。

 人間とそれ以外の種族に関しては言うまでもない。
 しかし、人間以外の他の種族同士でも仲が良いとは言えない状況だ。
 人間ほど嫌悪してるのではないが、交流は皆無と言っていいほどない。
 住む地域も東西南北でバラバラであり真ん中に人間が住んでるため交流も難しい。

 それでも交流をするために自分たちの領域を出れば、最初に会うのは人間だ。
 それもこの関係に多大な影響を与えてるのではないかと推測してる。

 ① 異種族と交流がしたい
 ② 最初に人間と出会い失望する。
 ③ 異種族なんかと交流するか!

 こんな順番になって、他の種族との交流を諦めたのではないだろうか。
 あくまでも可能性の一つだが、説得力はあると思う。

 実際にこういう状態だと距離的にも現実的ではないし、難しいところだ。
 少数だけを引き連れて、人間の領域を通らず異種族の村に着いても問題は残る。
 今の私のような状況になる可能性だってゼロではないんだから。
 それなら生活は自分たちだけでも賄っているし、必死になる理由も感じられない。

「せっかく良い祝福があるというのに、寂しいものですね」

「そう、ですね。本当にそう思います」

 選ばれた種族、人間。
 この呼び名が決して良い意味ではないというのはよくわかった。
 思うところがないわけでもない。
 ――ただ、今はおいておこう。
 どのみち、今の私がどうにか出来るような問題でもない。

 その後、話題を変えて私への勉強などに適当に話しながら、それぞれがやっていることに専念した。
 因みにレミアさんは縫い物をしている、マフラーを編んでいるようだった。

 それから暫くして、外からノックの音が聞こえた。
 因みにこの教会に住んでいるのはレミアさん一人だけ。
 ここ最近私が住むようになったから二人になったけど、その二人がここに居る。
 なのにノックの音が聞こえるというのは、外からのお客様ということになる。

「――隠れましょうか?」

「いいえ、多分大丈夫です。入ってきてください」
 
『失礼するね!』

「……この声は」

 もしものことがあるかもしれない。
 そう思い緊張したのが、向こうから聞こえる声で一気に溶けた。
 何とも馴染みがある声。
 ドア越しだから顔は見えないけど、おかげでもっとわかりやすい声が聞こえた。
 そして入ってきたのは予想通り――いや、来れないと思ってた人物だった。

「久しぶりお姉ちゃん! アユムも元気そうで何よりね!」

「ふふ、おかえりなさいエレミア」

「そっちこそ何も無さそうでよかった。
 とりあえず久しぶり……だけど良いのか? こっちに来て」

「毎週の物資寄付のために来たんだから大丈夫!
 まだ謹慎中だから自由には行き来できないけど仕事だから!
 暫くは私が来ることになったし」

「毎週――ってそうか、先週は私が降神の場にいた時に来たのか」

「ええ、流石に前回はエレミアではなく別の方――レインさんだったのですが」

「あーそういうことですね」

 団長さんなら確かに、良い顔はしないだろうけどそれまでだろう。
 もしかしたらエレミアのため、私の状況を確認しようと来たのかもしれないが。

「普通は一度変わった後は暫く変わらないので、大丈夫だと思ったんですが……。
 私も少し驚きました」

「うん! レインさんに頼んで変わってもらったの。
 それとごめん、アユム。
 折角来てもらったのにこんな閉じ込めるような真似をしちゃって」

「いや、エレミアは悪くないよ。
 それにそう悪い生活でもない。
 もともと外に出歩くタイプでもないからね、今の生活はそれなりに満足してるよ」

 元の世界でも実質、半分ひきこもりのような生活を送ってはいた。
 仕事はしてたから平日は早起きしてたけど、週末はいつも家でゲームか勉強。
 友達もあんましいなかったから呼ばれることもない。
 ――思い出して少し悲しくなってきた。

「……本当に?」

「本当に。それに、レミアさんも親切だしね」

「アユムさんが良い人だからですよ。
 他人というのは本来、己を移す鏡のようなものです。
 私が親切に感じられたのなら、それはアユムさんが親切ということです」

「ははは、お世辞でも嬉しいです」

「もう、ふたりともすっかり仲良しになったね。
 お父様も――いや、村のみんなもだけど。
 アユムがどういう人かわかればこういう扱いはしないはずなのに」

「まあ、難しいだろうね」

 この世界の状況とか顧みた時、思うところは色々ある。
 当面の課題はこの村で自分の評価を何とか並以上に持っていくところだ。
 何だけど、今の状態ではどうしようもない。
 そもそも接点がなければ何のアクションも取れないし、向こうから会いに来るという選択肢も考えづらいからだ。

「何とかお父様だけでもこっち側に引き込めれば……」

「お父様も固いところがあるから、厳しいと思うけどね」

「ふぅ、今のところは地道にやれることをやるしかないのかな」

「そうだな、まあ、少しは今後のことも考える必要がありそうだけど」

「今後――ああ、そうだった。
 そういえばアユムってフォレスト様と会ったんでしょう?
 どういう話をしたの?」

「フォレスト――様からは、まあ、色々と。
 暫くはここで休むように言われたけど」

 フォレスト、と普通に話そうとして急遽修正する。
 流石に本人たちの神をタメ口の敬称なしで話すのは不味いだろう。
 本人からは様付しないようにとお願いされたが、今考えても納得いかない。

「つまりはフォレスト様も認めたんだね! よし、これで何とか説得できれば!」

「一応、お父様には私からも話は通したのだけど――まあ、頑張って。
 教会の私よりは貴女が言ったほうが良いかもしれないし」

「――やっぱり、教会と村の関係はあんまりよろしく無いのですか?」

「悪くは、無いのですが……」

「村の経営には首を突っ込めないのよ。
 フォレスト様からの神託なら従わざるを得ないけど、
 それ以外に関しては互いに不干渉というのが決まりだね」

「フォレスト様から直々に客人としてもてなすよう神託が下されればお父様――
 村長も考え直すとは思うのですが」

「それは、あまり意味がありませんね」

 フォレストもその手段は取りたくないだろう。
 確か、フォレストは言ってた。
 《新しい世代のエルフは人間との間を改善できるように宿せた》と。
 つまり本人たちの意思でやるのではなく、神の神託や神の言葉で動かされてはその後がないということだ。

――――ちょっと待て。新しい……世代?

「――エレミア。
 そういや、君の同世代のエルフはこの村にいないのか?」

「私と? ええっと、いない、かな。
 下に一人、妹のような子は居るけど」

「この際、年下でもいい、紹介してくれないか?
 別に教会が立ち入り禁止になったわけではないのだろ?」

「本人も気にしてたし、教会も別に立ち入り禁止とかでは無いよ。
 うん、大丈夫だと思うけど、もしかしてアユムってそういう趣味だったの?」

 いきなり少し引いた感じで私から距離を置き始めた。
 ――いや、違うっての。
 俺は至ってノーマルだ、ロリコンでもなんでもない。
 そもそも彼女とか今の所いらないし作る気もない。

「んなわけあるか、味方を増やしたかっただけだ」

「味方か――そういうことね。
 確かにエリアなら人間に対して嫌悪感は無いだろうけど、大丈夫かな?」

「エリアちゃんね、案外気が合うかもよ?」

 どうやらレミアさんも知ってる様子。
 私と気が合うというのはどういう意味なのか少し気になる。
 ただ、エレミアより幼い妹と言ったからまだ成年していない子かもしれない。
 エルフは寿命も長いという話だったし。
 ――そういや、こっちのエルフも寿命が長いのかは聞いてなかったか。

「まあでも、確かに良い方法かもね。
 わかった、人間に対しては元から興味を持ってる子たし、今日会ってみるね」

「ああ、よろしく頼む」

 それから少しの雑談をした後、エレミアが持ってきた物資を倉庫に運んだ。
 一人暮らしのところでこれが一週分というのは、流石に多すぎる気がしたけど。
 もしもの時のための保険なのかもしれない。

 そして物資も運び終わり、エレミアは名残惜しそうに帰っていった。
 いつものように、教会には私とレミアさんだけが残ったのであった。

「途端に寂しくなりましたね」

「ここはそういうところです。
 本来は神職の人以外は泊まることも出来ないのですから」

「寂しく――いいえ、愚問でした」

「ふふ、良いのですよ。それに、今は貴方様がいてくれますし」

「……そうですか」

 神に仕える神職の人。
 志願する場合もあるが、殆どは神によって一方的に定められるらしい。
 志願した場合も、神が認めなかったら神職に就くことは許されないとか。

 レミアさんがいつからこの教会に住んでいたのかはわからない。
 その前に住んでいた方が誰でどうなったのかもわからない。
 ただ、こういう場所でどこにも行けずに閉じこもっているのは、寂しいと思った。

 でも、そこで気を使うのはまた違うのだろう。
 多分だけど、そういうのは彼女も望んでいないように思えた。
 だから――――

「さて、そのエリアという子が来る前に、予め予習をしておきたいのですが」

「予習、ですか?」

「まあ、この世界の種族のことをもう少し詳しく知りたいなと思いまして。
 ――付き合っていただけますか?」

「ええ、私でよければ喜んで」

 とりあえず今日寝るまでは、彼女を一人にしないことにした。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

何を間違った?【完結済】

maruko
恋愛
私は長年の婚約者に婚約破棄を言い渡す。 彼女とは1年前から連絡が途絶えてしまっていた。 今真実を聞いて⋯⋯。 愚かな私の後悔の話 ※作者の妄想の産物です 他サイトでも投稿しております

愚かな父にサヨナラと《完結》

アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」 父の言葉は最後の一線を越えてしまった。 その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・ 悲劇の本当の始まりはもっと昔から。 言えることはただひとつ 私の幸せに貴方はいりません ✈他社にも同時公開

僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?

闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。 しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。 幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。 お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。 しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。 『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』 さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。 〈念の為〉 稚拙→ちせつ 愚父→ぐふ ⚠︎注意⚠︎ 不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。

【完結】私だけが知らない

綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。 優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。 やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。 記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。 【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位 2023/12/19……番外編完結 2023/12/11……本編完結(番外編、12/12) 2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位 2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」 2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位 2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位 2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位 2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位 2023/08/14……連載開始

御機嫌ようそしてさようなら  ~王太子妃の選んだ最悪の結末

Hinaki
恋愛
令嬢の名はエリザベス。 生まれた瞬間より両親達が創る公爵邸と言う名の箱庭の中で生きていた。 全てがその箱庭の中でなされ、そして彼女は箱庭より外へは出される事はなかった。 ただ一つ月に一度彼女を訪ねる5歳年上の少年を除いては……。 時は流れエリザベスが15歳の乙女へと成長し未来の王太子妃として半年後の結婚を控えたある日に彼女を包み込んでいた世界は崩壊していく。 ゆるふわ設定の短編です。 完結済みなので予約投稿しています。

あなたの子ですが、内緒で育てます

椿蛍
恋愛
「本当にあなたの子ですか?」  突然現れた浮気相手、私の夫である国王陛下の子を身籠っているという。  夫、王妃の座、全て奪われ冷遇される日々――王宮から、追われた私のお腹には陛下の子が宿っていた。  私は強くなることを決意する。 「この子は私が育てます!」  お腹にいる子供は王の子。  王の子だけが不思議な力を持つ。  私は育った子供を連れて王宮へ戻る。  ――そして、私を追い出したことを後悔してください。 ※夫の後悔、浮気相手と虐げられからのざまあ ※他サイト様でも掲載しております。 ※hotランキング1位&エールありがとうございます!

王妃の手習い

桃井すもも
恋愛
オフィーリアは王太子の婚約者候補である。しかしそれは、国内貴族の勢力バランスを鑑みて、解消が前提の予定調和のものであった。 真の婚約者は既に内定している。 近い将来、オフィーリアは候補から外される。 ❇妄想の産物につき史実と100%異なります。 ❇知らない事は書けないをモットーに完結まで頑張ります。 ❇妄想スイマーと共に遠泳下さる方にお楽しみ頂けますと泳ぎ甲斐があります。

処理中です...