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第3章 運命ノ選択
第15話 二つの血、ひとつの運命
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「すべては、運命なんだよ、お姉さん」
そう言いながら、紅月は体を一回転させる。
「僕たち、影月と僕、そして君の一族は運命で繋がっている」
「繋がっているって、どういう意味……」
篝は息を呑んだ。紅月が言う『運命』とは、一体何を意味するのか。灯と自分が持っている血が、一体どんな意味を持つのか。
「灯と君の一族は、かつて『生贄の一族』と呼ばれていたはずだ」
「『生贄の一族』?」
「多分ずいぶん昔の話だから、君の家族はそのように伝わっていないかもしれないね」
そのように言いながら笑っていた紅月だったが、その言葉が重く響いているような気がしてならない。紅月は話を続ける。
「その血は僕たちにとって必要不可欠で、特別な力を持っている。だから、灯が選ばれたのは、決して偶然ではない」
篝はその言葉に驚きを隠せなかった。灯が花嫁に選ばれた理由が、その一族だと言うだけで、選ばれたのか?篝は目を見開き呆然としていた。
紅月は篝の疑問を知ってか知らずか、さらなる真実を告げた。
「お前と灯の一族が持っている血は、僕たちの『血の契約』に深く関わっている。君の一族は、昔から私たちの血を供給する存在として生きてきた。だから、灯もまた選ばれた。彼女が『花嫁』として存在することは、運命に従った結果だよ」
「そんな……だったら灯ではなく、私でも――」
「いや、灯じゃなきゃダメだった」
「ッ……」
「――灯でなければ、きっと影月は僕を許さないだろうね」
その言葉を聞いた篝は意味が分からなかった。
そして、篝の胸には強い動揺が走る。自分たちの一族が、そんな役目を持っており、そして、灯がその血の契約に従って選ばれたという事実に、篝は怒りと悲しみを覚えた。
唇を噛みしめながらも、紅月は話を続ける。
「……影月が灯に抱いている執着は、ただの支配欲や欲望ではないよ」
紅月は冷淡に続けた。
「あれは、深い意味を持った愛だ。僕の兄は、お姉さんを自分のものにしようとしている」
「……なんで?」
「初めてだったからじゃない?」
「え?」
「僕たちに歯向かった女なんて、いなかったもの」
――現に、僕も惹かれそうになっちゃったしね。
フフっと笑いながらそのように答える紅月に、篝は何も言えない。
今更、本当に今更だ。もし、歯向かう事なく、怯えていれば、興味を示す事はなかったのかもしれない。
もしかしたら、花嫁に選ばれ、灯は助かる事があったのかもしれない。
「……僕ね、影月の事、本当に大好きなんだ」
「……は?」
突然、双子の兄の事を言い出した紅月に意味が分からなかった。
どうして突然そのような話をしてきたのかわからなかったが、紅月は変わらない、子供のような笑みをこぼしながら話を続けた。
「影月は何でもこなせるし、興味を持つものなら本当に執着しちゃう……僕の奥さんになるなら、あんな感じの人がいいなって思ったんだ」
「だから、それと灯が――」
「――灯は、影月みたいな性格してるんだよねぇ、本当」
――この男は、何を言っているのだろう?
影月のような性格を、灯がしている?
可愛らしく、いつも笑顔で自分の傍にいてくれた、あの灯が影月のようだと?
篝は初めて、紅月に嫌悪感を抱く。
「絶対に、ありえない!」
「うわ、いい顔するねお姉さん」
睨みつけながら答える篝に対し、紅月は先ほど以上に子供のように笑いだし、そして篝を見た。
「お姉さんが知っている通り、君と灯の一族は、この運命から逃れることができない……だからこそ、君がそれを理解し、受け入れなければならない」
その言葉が篝の心に深く刻み込まれた。
自分たちの一族が背負ってきた過去、そして灯と自分が生まれながらにして運命に縛られていたこと。
自分自身も、運命に縛られ始めているという事に。
その事実を受け入れなければならないという重さが、篝の心に圧し掛かる。
「じゃあ、お姉さん、今夜待っているよ」
――楽しみにしているね。
紅月はそのように言いながら、その場からいなくなってしまった。
残された篝は静かに、何も言えず、ただ地面に視線をそらしながら、震えていたのだった。
そう言いながら、紅月は体を一回転させる。
「僕たち、影月と僕、そして君の一族は運命で繋がっている」
「繋がっているって、どういう意味……」
篝は息を呑んだ。紅月が言う『運命』とは、一体何を意味するのか。灯と自分が持っている血が、一体どんな意味を持つのか。
「灯と君の一族は、かつて『生贄の一族』と呼ばれていたはずだ」
「『生贄の一族』?」
「多分ずいぶん昔の話だから、君の家族はそのように伝わっていないかもしれないね」
そのように言いながら笑っていた紅月だったが、その言葉が重く響いているような気がしてならない。紅月は話を続ける。
「その血は僕たちにとって必要不可欠で、特別な力を持っている。だから、灯が選ばれたのは、決して偶然ではない」
篝はその言葉に驚きを隠せなかった。灯が花嫁に選ばれた理由が、その一族だと言うだけで、選ばれたのか?篝は目を見開き呆然としていた。
紅月は篝の疑問を知ってか知らずか、さらなる真実を告げた。
「お前と灯の一族が持っている血は、僕たちの『血の契約』に深く関わっている。君の一族は、昔から私たちの血を供給する存在として生きてきた。だから、灯もまた選ばれた。彼女が『花嫁』として存在することは、運命に従った結果だよ」
「そんな……だったら灯ではなく、私でも――」
「いや、灯じゃなきゃダメだった」
「ッ……」
「――灯でなければ、きっと影月は僕を許さないだろうね」
その言葉を聞いた篝は意味が分からなかった。
そして、篝の胸には強い動揺が走る。自分たちの一族が、そんな役目を持っており、そして、灯がその血の契約に従って選ばれたという事実に、篝は怒りと悲しみを覚えた。
唇を噛みしめながらも、紅月は話を続ける。
「……影月が灯に抱いている執着は、ただの支配欲や欲望ではないよ」
紅月は冷淡に続けた。
「あれは、深い意味を持った愛だ。僕の兄は、お姉さんを自分のものにしようとしている」
「……なんで?」
「初めてだったからじゃない?」
「え?」
「僕たちに歯向かった女なんて、いなかったもの」
――現に、僕も惹かれそうになっちゃったしね。
フフっと笑いながらそのように答える紅月に、篝は何も言えない。
今更、本当に今更だ。もし、歯向かう事なく、怯えていれば、興味を示す事はなかったのかもしれない。
もしかしたら、花嫁に選ばれ、灯は助かる事があったのかもしれない。
「……僕ね、影月の事、本当に大好きなんだ」
「……は?」
突然、双子の兄の事を言い出した紅月に意味が分からなかった。
どうして突然そのような話をしてきたのかわからなかったが、紅月は変わらない、子供のような笑みをこぼしながら話を続けた。
「影月は何でもこなせるし、興味を持つものなら本当に執着しちゃう……僕の奥さんになるなら、あんな感じの人がいいなって思ったんだ」
「だから、それと灯が――」
「――灯は、影月みたいな性格してるんだよねぇ、本当」
――この男は、何を言っているのだろう?
影月のような性格を、灯がしている?
可愛らしく、いつも笑顔で自分の傍にいてくれた、あの灯が影月のようだと?
篝は初めて、紅月に嫌悪感を抱く。
「絶対に、ありえない!」
「うわ、いい顔するねお姉さん」
睨みつけながら答える篝に対し、紅月は先ほど以上に子供のように笑いだし、そして篝を見た。
「お姉さんが知っている通り、君と灯の一族は、この運命から逃れることができない……だからこそ、君がそれを理解し、受け入れなければならない」
その言葉が篝の心に深く刻み込まれた。
自分たちの一族が背負ってきた過去、そして灯と自分が生まれながらにして運命に縛られていたこと。
自分自身も、運命に縛られ始めているという事に。
その事実を受け入れなければならないという重さが、篝の心に圧し掛かる。
「じゃあ、お姉さん、今夜待っているよ」
――楽しみにしているね。
紅月はそのように言いながら、その場からいなくなってしまった。
残された篝は静かに、何も言えず、ただ地面に視線をそらしながら、震えていたのだった。
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