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第4の異世界ーはるか遠くの銀河で戦う少年
第69話 マンガなる書物
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やがて店を出た俺たちはルカの先導で町の中を歩く。
見るものすべてが珍しい俺は、周囲を見回しながら案内を楽しんだ。
「うん?」
歩きながらいろいろ見ていた俺は、ある店に目が止まる。
「ルカ君、あれはなんの店だ?」
「えっ?」
俺の指差した方向には、店先に綺麗な女性の絵を置いたなにかの店があった。
「あれは本屋さんですよ」
「本屋? ああ、書物を売っているのか。けど、なんで店先に絵を飾っているんだ?」
「本屋さんと言っても、あそこは漫画を専門に売っているお店ですね。あの女の子のキャラクターは大人気漫画で、今はアニメも放映している作品スリーナイトウォーズのメインヒロインのシルセノンちゃんですよ」
「キャラクター? マンガ? アニメ? ホウエイ? メインヒロイン? なにそれ?」
知らない単語ばかりでさっぱりわからない。
「ご、ご存じないのですか? スリーナイトウォーズのメインヒロインのシルセノンちゃんですよ?」
「いやその……それもわからないんだけど、マンガとかアニメとかキャラクターとか、さっきルカ君が言ったもののほとんどがわからなくて」
「ええ……」
怪訝な表情を向けられて俺は焦る。
どうやらこの世界では知っていて当たり前のもののようだが。
「まあ娯楽の類じゃ。少し見て行くかの?」
「う、うん」
どんなものか興味がある。
「あ、では私がご案内しましょう」
「頼む」
ルカについて行き本屋に入った俺は店内をぐるりと見回す。
書物がたくさんだ。しかし俺が知っている書物とはだいぶ違う。表紙には文字ではなく絵が描いてあり、とても色彩豊かで店先に飾ってあるのと同じ女性の絵が描かれてあった。
「これがマンガというやつか?」
置かれている漫画を手に取って俺は眺める。
「ふむ……」
ページの1枚1枚に多くの小さな絵が描かれており、それを順番に見ていくと物語がわかるというものだ。
「すごいな」
絵画は多く見た。しかしこれは絵を楽しむだけでなく、物語も楽しめる。絵本と似ているが、それよりもずっと話に入り込みやすく描かれているものだ。
「それはスリーナイトウォーズの最新刊です。スリーナイトウォーズはですね、3人のナイトが幼馴染の3人がナイトになって強大な帝国と戦う話なんです。3人のうち2人は少年で、片方のルーラッドを主人公にストーリーが進みましてね、もう片方の少年ハイレルンは帝国に捕らえられて洗脳されてしまうんですけど……と、あんまりお話するとネタバレになってしまいますね」
「えっ? あ、うん」
ネタバレってなんだろう? また知らない言葉だ。
「まあ内容もおもしろいのですが、この漫画のいいところは3人のひとりであるヒロインのシルセノンちゃんがすごくかわいいところなんですよ」
「ああ、表紙のこの絵ね」
「絵じゃありませんよ。シルセノンちゃんです」
「あ、うん。この絵の名前ね」
「ハバンさん、シルセノンちゃんを絵と言うのはやめてください。確かにシルセノンちゃんは漫画の登場人物で架空の存在ですが、こんなにかわいい女の子なんですよ? 絵だなんて言ったら失礼じゃないですか。ちゃんと実在の女性のように扱ってください」
「えっ? あ、そう……そうだね。うん。ごめん」
この世界では描かれた人物にも敬意を払うものなのだろう。だとすれば自分が悪かったと俺は反省する。
「ハバンさんは本当に漫画をご存じではないのですか?」
「うん。こういう書物を目にするのは初めてだな」
「珍しいですね。帝国領ならともかく、それ以外ならどこでもあるものですのに」
「まあ俺は娯楽に無縁の生き方をしてきたからな」
例え自分の世界に同じものがあっても、知ることはなかったかもしれない。
「それより帝国にこれはないのか? なんで?」
「あっと、それは……」
「ん?」
と、そのとき、ルカの側に小柄な女の子がゆっくりと近づくのが見えた。
「ル、ルカさん……」
「えっ? ああ、テンライトさんじゃないですか」
どうやら知り合いのようだ。
見るものすべてが珍しい俺は、周囲を見回しながら案内を楽しんだ。
「うん?」
歩きながらいろいろ見ていた俺は、ある店に目が止まる。
「ルカ君、あれはなんの店だ?」
「えっ?」
俺の指差した方向には、店先に綺麗な女性の絵を置いたなにかの店があった。
「あれは本屋さんですよ」
「本屋? ああ、書物を売っているのか。けど、なんで店先に絵を飾っているんだ?」
「本屋さんと言っても、あそこは漫画を専門に売っているお店ですね。あの女の子のキャラクターは大人気漫画で、今はアニメも放映している作品スリーナイトウォーズのメインヒロインのシルセノンちゃんですよ」
「キャラクター? マンガ? アニメ? ホウエイ? メインヒロイン? なにそれ?」
知らない単語ばかりでさっぱりわからない。
「ご、ご存じないのですか? スリーナイトウォーズのメインヒロインのシルセノンちゃんですよ?」
「いやその……それもわからないんだけど、マンガとかアニメとかキャラクターとか、さっきルカ君が言ったもののほとんどがわからなくて」
「ええ……」
怪訝な表情を向けられて俺は焦る。
どうやらこの世界では知っていて当たり前のもののようだが。
「まあ娯楽の類じゃ。少し見て行くかの?」
「う、うん」
どんなものか興味がある。
「あ、では私がご案内しましょう」
「頼む」
ルカについて行き本屋に入った俺は店内をぐるりと見回す。
書物がたくさんだ。しかし俺が知っている書物とはだいぶ違う。表紙には文字ではなく絵が描いてあり、とても色彩豊かで店先に飾ってあるのと同じ女性の絵が描かれてあった。
「これがマンガというやつか?」
置かれている漫画を手に取って俺は眺める。
「ふむ……」
ページの1枚1枚に多くの小さな絵が描かれており、それを順番に見ていくと物語がわかるというものだ。
「すごいな」
絵画は多く見た。しかしこれは絵を楽しむだけでなく、物語も楽しめる。絵本と似ているが、それよりもずっと話に入り込みやすく描かれているものだ。
「それはスリーナイトウォーズの最新刊です。スリーナイトウォーズはですね、3人のナイトが幼馴染の3人がナイトになって強大な帝国と戦う話なんです。3人のうち2人は少年で、片方のルーラッドを主人公にストーリーが進みましてね、もう片方の少年ハイレルンは帝国に捕らえられて洗脳されてしまうんですけど……と、あんまりお話するとネタバレになってしまいますね」
「えっ? あ、うん」
ネタバレってなんだろう? また知らない言葉だ。
「まあ内容もおもしろいのですが、この漫画のいいところは3人のひとりであるヒロインのシルセノンちゃんがすごくかわいいところなんですよ」
「ああ、表紙のこの絵ね」
「絵じゃありませんよ。シルセノンちゃんです」
「あ、うん。この絵の名前ね」
「ハバンさん、シルセノンちゃんを絵と言うのはやめてください。確かにシルセノンちゃんは漫画の登場人物で架空の存在ですが、こんなにかわいい女の子なんですよ? 絵だなんて言ったら失礼じゃないですか。ちゃんと実在の女性のように扱ってください」
「えっ? あ、そう……そうだね。うん。ごめん」
この世界では描かれた人物にも敬意を払うものなのだろう。だとすれば自分が悪かったと俺は反省する。
「ハバンさんは本当に漫画をご存じではないのですか?」
「うん。こういう書物を目にするのは初めてだな」
「珍しいですね。帝国領ならともかく、それ以外ならどこでもあるものですのに」
「まあ俺は娯楽に無縁の生き方をしてきたからな」
例え自分の世界に同じものがあっても、知ることはなかったかもしれない。
「それより帝国にこれはないのか? なんで?」
「あっと、それは……」
「ん?」
と、そのとき、ルカの側に小柄な女の子がゆっくりと近づくのが見えた。
「ル、ルカさん……」
「えっ? ああ、テンライトさんじゃないですか」
どうやら知り合いのようだ。
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