60 / 119
第4の異世界ーはるか遠くの銀河で戦う少年
第60話 空中要塞ヘルマイム
しおりを挟む
「あの黄色い輪を通るのじゃ」
「どうして?」
「あれが入り口だからじゃ」
「ふーん」
言われた通り黄色い輪を通って惑星へ向かう。
そして惑星の空へと到達して、ルカの戦闘機を追って飛ぶ。
「わあ……」
デュロリアンの窓から下を覗くと、そこには巨大なビルが多く立ち並ぶ広い町があった。
「すごいなぁ」
最初に行った異世界にもビルはたくさんあったけど、こうして上空から眺めると壮観だ。自分の生まれ育った世界にいたら、こんな光景を目にすることはきっとできなかった。
「うん? 目的地に到着のようじゃぞ」
「あ、うん。って、ええっ!?」」
上空に平たく丸い巨大な皿のようなものが浮いている。
ルカの乗った戦闘機はそこの中へと入って行った。
「な、なんだあれ? なんか巨大な皿を上下に2つ重ねたみたいな変なものが浮いているけど」
「反重力物質で作られた施設じゃ。別に珍しくもない」
「そ、そうなの?」
ハンジュウリョクと聞いても俺にはわからない。聞いてもたぶんわからないだろうから、要は建物が浮くんだということだけを理解した。
ルカの戦闘機に続いてデュロリアンを空飛ぶ建物へ進入させ、中の戦闘機が多く並ぶスペースの端にデュロリアンを着陸させる。
「ふーん……」
外に出た俺は辺りを見回す。
入ってしまうと、ここが空に浮かんでいる物体の中とはわからない。揺れは無いし、なんとも不思議な建築物だ。
「さて、では最高師範ゼナイエ・ボーナンへあいさつに行こうかの」
「最高師範……」
なんとなく老練なじいさんを想像した。
「ヨトゥナの空中要塞へルマイムへようこそ。ゼナイエ様のもとへは私がご案内します」
「うむ。頼んだぞ」
ルカに連れられ、俺とツクナは建物の奥へと歩く。
「けどなんで空中に建物を作ったんだろう? 地上でもいいんじゃないの?」
と、歩きながら素朴な疑問が浮かぶ。
「地上にあるより、空中にあるほうが目立って格好良いじゃろ」
「そういう理由なの?」
「そんなわけはない。冗談じゃ」
「あ、そうだよね。やっぱり」
はははと笑って俺はツクナの頭をポンと撫でる。
意外にツクナはユニークだ。
「これは移動が可能な軍事施設じゃ。敵が攻めて来たときには、施設を移動させて優位な位置で迎撃態勢をとることができる」
「へー」
こんなにでかい物体が空を移動するのか。なんだかすごい世界だなと俺は感嘆する。
「……ん?」
通路の先から女が3人、こちらへ向かって歩いて来る。ルカと同じ格好をしているが、彼女たちもナイトなのだろうか?
「どうして?」
「あれが入り口だからじゃ」
「ふーん」
言われた通り黄色い輪を通って惑星へ向かう。
そして惑星の空へと到達して、ルカの戦闘機を追って飛ぶ。
「わあ……」
デュロリアンの窓から下を覗くと、そこには巨大なビルが多く立ち並ぶ広い町があった。
「すごいなぁ」
最初に行った異世界にもビルはたくさんあったけど、こうして上空から眺めると壮観だ。自分の生まれ育った世界にいたら、こんな光景を目にすることはきっとできなかった。
「うん? 目的地に到着のようじゃぞ」
「あ、うん。って、ええっ!?」」
上空に平たく丸い巨大な皿のようなものが浮いている。
ルカの乗った戦闘機はそこの中へと入って行った。
「な、なんだあれ? なんか巨大な皿を上下に2つ重ねたみたいな変なものが浮いているけど」
「反重力物質で作られた施設じゃ。別に珍しくもない」
「そ、そうなの?」
ハンジュウリョクと聞いても俺にはわからない。聞いてもたぶんわからないだろうから、要は建物が浮くんだということだけを理解した。
ルカの戦闘機に続いてデュロリアンを空飛ぶ建物へ進入させ、中の戦闘機が多く並ぶスペースの端にデュロリアンを着陸させる。
「ふーん……」
外に出た俺は辺りを見回す。
入ってしまうと、ここが空に浮かんでいる物体の中とはわからない。揺れは無いし、なんとも不思議な建築物だ。
「さて、では最高師範ゼナイエ・ボーナンへあいさつに行こうかの」
「最高師範……」
なんとなく老練なじいさんを想像した。
「ヨトゥナの空中要塞へルマイムへようこそ。ゼナイエ様のもとへは私がご案内します」
「うむ。頼んだぞ」
ルカに連れられ、俺とツクナは建物の奥へと歩く。
「けどなんで空中に建物を作ったんだろう? 地上でもいいんじゃないの?」
と、歩きながら素朴な疑問が浮かぶ。
「地上にあるより、空中にあるほうが目立って格好良いじゃろ」
「そういう理由なの?」
「そんなわけはない。冗談じゃ」
「あ、そうだよね。やっぱり」
はははと笑って俺はツクナの頭をポンと撫でる。
意外にツクナはユニークだ。
「これは移動が可能な軍事施設じゃ。敵が攻めて来たときには、施設を移動させて優位な位置で迎撃態勢をとることができる」
「へー」
こんなにでかい物体が空を移動するのか。なんだかすごい世界だなと俺は感嘆する。
「……ん?」
通路の先から女が3人、こちらへ向かって歩いて来る。ルカと同じ格好をしているが、彼女たちもナイトなのだろうか?
0
お気に入りに追加
42
あなたにおすすめの小説
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる
遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」
「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」
S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。
村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。
しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。
とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。
異世界召喚されたと思ったら何故か神界にいて神になりました
璃音
ファンタジー
主人公の音無 優はごく普通の高校生だった。ある日を境に優の人生が大きく変わることになる。なんと、優たちのクラスが異世界召喚されたのだ。だが、何故か優だけか違う場所にいた。その場所はなんと神界だった。優は神界で少しの間修行をすることに決めその後にクラスのみんなと合流することにした。
果たして優は地球ではない世界でどのように生きていくのか!?
これは、主人公の優が人間を辞め召喚された世界で出会う人達と問題を解決しつつ自由気ままに生活して行くお話。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
地獄の手違いで殺されてしまったが、閻魔大王が愛猫と一緒にネット環境付きで異世界転生させてくれました。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作、面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
高橋翔は地獄の官吏のミスで寿命でもないのに殺されてしまった。だが流石に地獄の十王達だった。配下の失敗にいち早く気付き、本来なら地獄の泰広王(不動明王)だけが初七日に審理する場に、十王全員が勢揃いして善後策を協議する事になった。だが、流石の十王達でも、配下の失敗に気がつくのに六日掛かっていた、高橋翔の身体は既に焼かれて灰となっていた。高橋翔は閻魔大王たちを相手に交渉した。現世で残されていた寿命を異世界で全うさせてくれる事。どのような異世界であろうと、異世界間ネットスーパーを利用して元の生活水準を保証してくれる事。死ぬまでに得ていた貯金と家屋敷、死亡保険金を保証して異世界で使えるようにする事。更には異世界に行く前に地獄で鍛錬させてもらう事まで要求し、権利を勝ち取った。そのお陰で異世界では楽々に生きる事ができた。
巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。
料理をしていたらいつの間にか歩くマジックアイテムになっていた
藤岡 フジオ
ファンタジー
遥か未来の地球。地球型惑星の植民地化が進む中、地球外知的生命体が見つかるには至らなかった。
しかしある日突然、一人の科学者が知的生命体の住む惑星を見つけて地球に衝撃が走る。
惑星は発見した科学者の名をとって惑星ヒジリと名付けられた。知的生命体の文明レベルは低く、剣や魔法のファンタジー世界。
未知の食材を見つけたい料理人の卵、道 帯雄(ミチ オビオ)は運良く(運悪く?)惑星ヒジリへと飛ばされ、相棒のポンコツ女騎士と共に戦いと料理の旅が始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる