73 / 123
シーツの海に揺蕩う (R18)
しおりを挟む
「妹さんが居るなんて知らなかったから……。勘違いをして恥ずかしいからあまり言わないで」
そう言いながら、沙羅は安堵の息をつく。
会えないと思っていた慶太の顔を見た瞬間、好きだという気持ちが溢れて、一緒に居たいとしか考えられなくなっていた。
加速した恋心は、周りを見えなくさせる。
もしも、慶太が誰かと婚約をしていたとしても、見て見ぬふりをして慶太と居る事を選んでしまったかも知れない。
不倫で嫌な思いをしたのに、間違いだとわかっているのに、慶太を好きな気持ちは止められずに、暴走してまっただろう。
沙羅は、自分の中からそんな感情が湧き出た事に複雑な気持ちさせられた。
遊びであろうが、本気であろうが、不倫や不貞は人を傷つける行為だ。
サレ側の痛みを知る以上、スル側にはなりたくない。
「沙羅、うつむいていないで俺のことを見て……。まだ、心配事があるの?」
「ううん、慶太に婚約者が居なくて良かったなぁって、安心していたの」
そう言って、微笑む沙羅の後頭部へ慶太の大きな手がまわり、頭を固定される。
そして、綺麗な切れ長の瞳が真っすぐに見つめた。
「そう、こう見えても俺、一途だから沙羅は安心していていいよ」
「ふふっ、慶太みたいに素敵な人に想われて、私、幸せね」
ふたりの距離が近づき、チュッとキスを落とされる。
「だから、いまは余計な事は考えないで、俺のことだけ考えて」
「慶太……」
瞼を閉じると、再び唇が重なる。はむような短いキスを繰り返し、徐々に深いキスへと向かう。
怖いほど、幸せすぎてジンと心が痺れてるような感覚に囚われる。
甘く蕩けるようなキスを何度も繰り返し、息が上がり始める。
沙羅はカットソーを大胆にたくし上げ、キャミソールに包まれた肢体が露になった。
もどかし気にキャミソールをはぐと、ダウンライトの光の下で、沙羅のなめらかな素肌は艶めかしく見える。
スッと細めた慶太の瞳は艶を帯び、大人の色気を放つ。
「沙羅、好きだよ」
慶太に耳元で囁かれ、それをくすぐったく感じた沙羅は身をよじりながら、照れたようにつぶやく。
「……ばか」
沙羅の細い首筋をなぞるように慶太の舌が這い、体の奥からゆっくりと官能が引き出されていく。
「あっ……」
胸元にチュッと強く吸い付かれ、沙羅の体がピクリと跳ねる。
上目づかいで慶太に婀娜っぽく見つめられ、ひどく恥ずかしい。
やがて、唇が離れると、所有痕が赤い花のように残されていた。
それを見た慶太が満足気に微笑む。
「ん、綺麗だ」
所有痕を残された沙羅は火照った顔を背ける。でも、心の中では嬉しく思っていた。
好きになればなるほど、胸が切なく痛む。
慶太を信じると決めたけれど、慶太のような素敵な人に自分が釣り合うのか自信が持てない。
けれど、情熱的に愛されていると、自分でもいいんだと思えてくる。
恋は綺麗な感情ばかりでなく、自分のダメな面や嫌な面とも向き合う事になる。誰かを好きになる事でこんなに不安定になるなんて、怖いとも思った。
もっと精神的に強くなって、慶太に与えてもらうばかりでなく、慶太を支えて行けるようになりたい。
沙羅は、慶太に手を伸ばす。
「慶太、好き」
広い背中に手をまわし、ギュッと抱きしめる。
合わさる素肌から、温かな体温を感じた。
波打つシーツに揺蕩いながら、縋るように布を掴んだ。
大きな手に胸を揉みしだかれ、激しく息が弾む。
口から漏れる声は甘く切なく響く。肌には薄っすらと汗が浮き上がり、艶やかな生々しさで慶太を誘う。
「沙羅……」
汗に濡れた肌の上を慶太の指先がゆっくりと伝い降りていく。
胸から鳩尾へ、お臍の脇を通り、足の付け根へと移動した。
たまらない感覚に沙羅の腰はヒクりと震える。
「っん……あっ」
薄い茂みのその奥にある花芽を捉えると、愛おし気に撫でられる。淡い快感が全身をかけ巡り、短い声が上がる。
腰が疼いてたまらず、はぁはぁと乱れた息を吐き出した。
「気持ちいい?」
「……ばか」
意地悪な問い掛けに憎まれ口で返す。
すると、お仕置きとばかりに胸の先端を甘噛みされる。
その刺激に沙羅の体は大げさなほど反応してしまう。
「ふぁっ……ぃやっ」
「ん、気持ちよさそうだけど……どこがイヤ?」
胸の先端を舌先で濡らしている慶太が顔を上げた。自然と上目づかいになり、色っぽい。
慶太が触れた部分のすべてが気持ちいい。けれど、そんな事を口にできるはずもなく沙羅は、首をイヤイヤと横に振る。
普段は優しいくせに、こういう時の慶太は意地悪な気がした。
「沙羅、気持ち良くなって……」
そう言って、ピンッと指先で花芽がはじかれる。
反射的に腰が跳ね、「あっ、」と鼻に掛かった声が漏れた。
そして、濡れそぼった場所へ節のある指が入り込み、与えられた快感で粟肌がたつ。
「けい…た……」
沙羅は、ねだるように慶太の名前を呼んだ。
何度も内側の敏感な部分を撫でられ、頭がぼうっと痺れてくる。
でも、もっと慶太が欲しくなり、じれったくなってしまう。
「やっ……。もっと……」
喘ぎ声は、嫌がっているのか、欲しがっているのか、甘くかすれて喜んでいるようにしか聞こえない。
そう言いながら、沙羅は安堵の息をつく。
会えないと思っていた慶太の顔を見た瞬間、好きだという気持ちが溢れて、一緒に居たいとしか考えられなくなっていた。
加速した恋心は、周りを見えなくさせる。
もしも、慶太が誰かと婚約をしていたとしても、見て見ぬふりをして慶太と居る事を選んでしまったかも知れない。
不倫で嫌な思いをしたのに、間違いだとわかっているのに、慶太を好きな気持ちは止められずに、暴走してまっただろう。
沙羅は、自分の中からそんな感情が湧き出た事に複雑な気持ちさせられた。
遊びであろうが、本気であろうが、不倫や不貞は人を傷つける行為だ。
サレ側の痛みを知る以上、スル側にはなりたくない。
「沙羅、うつむいていないで俺のことを見て……。まだ、心配事があるの?」
「ううん、慶太に婚約者が居なくて良かったなぁって、安心していたの」
そう言って、微笑む沙羅の後頭部へ慶太の大きな手がまわり、頭を固定される。
そして、綺麗な切れ長の瞳が真っすぐに見つめた。
「そう、こう見えても俺、一途だから沙羅は安心していていいよ」
「ふふっ、慶太みたいに素敵な人に想われて、私、幸せね」
ふたりの距離が近づき、チュッとキスを落とされる。
「だから、いまは余計な事は考えないで、俺のことだけ考えて」
「慶太……」
瞼を閉じると、再び唇が重なる。はむような短いキスを繰り返し、徐々に深いキスへと向かう。
怖いほど、幸せすぎてジンと心が痺れてるような感覚に囚われる。
甘く蕩けるようなキスを何度も繰り返し、息が上がり始める。
沙羅はカットソーを大胆にたくし上げ、キャミソールに包まれた肢体が露になった。
もどかし気にキャミソールをはぐと、ダウンライトの光の下で、沙羅のなめらかな素肌は艶めかしく見える。
スッと細めた慶太の瞳は艶を帯び、大人の色気を放つ。
「沙羅、好きだよ」
慶太に耳元で囁かれ、それをくすぐったく感じた沙羅は身をよじりながら、照れたようにつぶやく。
「……ばか」
沙羅の細い首筋をなぞるように慶太の舌が這い、体の奥からゆっくりと官能が引き出されていく。
「あっ……」
胸元にチュッと強く吸い付かれ、沙羅の体がピクリと跳ねる。
上目づかいで慶太に婀娜っぽく見つめられ、ひどく恥ずかしい。
やがて、唇が離れると、所有痕が赤い花のように残されていた。
それを見た慶太が満足気に微笑む。
「ん、綺麗だ」
所有痕を残された沙羅は火照った顔を背ける。でも、心の中では嬉しく思っていた。
好きになればなるほど、胸が切なく痛む。
慶太を信じると決めたけれど、慶太のような素敵な人に自分が釣り合うのか自信が持てない。
けれど、情熱的に愛されていると、自分でもいいんだと思えてくる。
恋は綺麗な感情ばかりでなく、自分のダメな面や嫌な面とも向き合う事になる。誰かを好きになる事でこんなに不安定になるなんて、怖いとも思った。
もっと精神的に強くなって、慶太に与えてもらうばかりでなく、慶太を支えて行けるようになりたい。
沙羅は、慶太に手を伸ばす。
「慶太、好き」
広い背中に手をまわし、ギュッと抱きしめる。
合わさる素肌から、温かな体温を感じた。
波打つシーツに揺蕩いながら、縋るように布を掴んだ。
大きな手に胸を揉みしだかれ、激しく息が弾む。
口から漏れる声は甘く切なく響く。肌には薄っすらと汗が浮き上がり、艶やかな生々しさで慶太を誘う。
「沙羅……」
汗に濡れた肌の上を慶太の指先がゆっくりと伝い降りていく。
胸から鳩尾へ、お臍の脇を通り、足の付け根へと移動した。
たまらない感覚に沙羅の腰はヒクりと震える。
「っん……あっ」
薄い茂みのその奥にある花芽を捉えると、愛おし気に撫でられる。淡い快感が全身をかけ巡り、短い声が上がる。
腰が疼いてたまらず、はぁはぁと乱れた息を吐き出した。
「気持ちいい?」
「……ばか」
意地悪な問い掛けに憎まれ口で返す。
すると、お仕置きとばかりに胸の先端を甘噛みされる。
その刺激に沙羅の体は大げさなほど反応してしまう。
「ふぁっ……ぃやっ」
「ん、気持ちよさそうだけど……どこがイヤ?」
胸の先端を舌先で濡らしている慶太が顔を上げた。自然と上目づかいになり、色っぽい。
慶太が触れた部分のすべてが気持ちいい。けれど、そんな事を口にできるはずもなく沙羅は、首をイヤイヤと横に振る。
普段は優しいくせに、こういう時の慶太は意地悪な気がした。
「沙羅、気持ち良くなって……」
そう言って、ピンッと指先で花芽がはじかれる。
反射的に腰が跳ね、「あっ、」と鼻に掛かった声が漏れた。
そして、濡れそぼった場所へ節のある指が入り込み、与えられた快感で粟肌がたつ。
「けい…た……」
沙羅は、ねだるように慶太の名前を呼んだ。
何度も内側の敏感な部分を撫でられ、頭がぼうっと痺れてくる。
でも、もっと慶太が欲しくなり、じれったくなってしまう。
「やっ……。もっと……」
喘ぎ声は、嫌がっているのか、欲しがっているのか、甘くかすれて喜んでいるようにしか聞こえない。
1
お気に入りに追加
97
あなたにおすすめの小説
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします
二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位!
※この物語はフィクションです
流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。
当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。
15年目のホンネ ~今も愛していると言えますか?~
深冬 芽以
恋愛
交際2年、結婚15年の柚葉《ゆずは》と和輝《かずき》。
2人の子供に恵まれて、どこにでもある普通の家族の普通の毎日を過ごしていた。
愚痴は言い切れないほどあるけれど、それなりに幸せ……のはずだった。
「その時計、気に入ってるのね」
「ああ、初ボーナスで買ったから思い出深くて」
『お揃いで』ね?
夫は知らない。
私が知っていることを。
結婚指輪はしないのに、その時計はつけるのね?
私の名前は呼ばないのに、あの女の名前は呼ぶのね?
今も私を好きですか?
後悔していませんか?
私は今もあなたが好きです。
だから、ずっと、後悔しているの……。
妻になり、強くなった。
母になり、逞しくなった。
だけど、傷つかないわけじゃない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる