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218.2回目の学園祭6

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あれ以来声を掛けてくれるようになった可愛い後輩、ホノくん。しかし俺と関わったせいで色んな人から絡まれてるみたいなんだよね…。俺に直接的にちょっかい出すのはククルとウェネルに阻まれるからね。

チノくんたちも絡まれるって言ってたけど、自分で追っ払えるから問題ないらしい。けど…ホノくんは小さいし、私闘による魔法の行使は制限されてる以上、身体能力戦うしかないけど、力では劣ってしまう。

「ホノくん!」

「はぅっ…ナルア先輩に声かけてもらった……」

振り返ったホノくんの顔にはデカデカとした痣がはっきりと見て取れた。出血もしてるだろうな…すごく痛そう。明らかに殴られた時の傷って感じだ。気にかけてはいたんだけど、やっぱり誰かに絡まれたのだろうか。

「ホノくん、その怪我…」

「え?あ!この間みたいにドジしちゃって、ぶつけたんです!大丈夫ですよ!」

「うん…そっか。えっとポーションあげる。」

「あ、ありがとうございます!!大事に保存します!」

「駄目だよ!使うために渡してるんだからね!」

「はい…使わせて頂きます…」

推しに貰ったものは、なんであろうと大事にしたい、というのはわかるんだが、使ってもらわないと困る。未練たらたらで、勿体無いという目でポーションを見つめている。

うん、もう問答無用でぶっかけた方が早いね。ホノくんの手からポーション瓶をとり、少し顔を上に向かせて、蓋を開けて傷にぶっかける。ゆっくりと傷が治っていき、綺麗な素肌に戻る。良かったぁ…顔に傷が残らなくて…

「綺麗に治ったね。良かった。他は?怪我してない?」

「ええと、してない…です」

「んん…ホントかな?確かめさせて」

俺はホノくんの服をぐいぐいと引っ張り上げようとする。呆気にとられた表情で固まったホノくんは、はっとして慌てたように服を押さえつける。非力同士の攻防に勝ったのはホノくんの方だった。負けたぁ!!

「へ?ひゃあ!!本当に大丈夫ですよ?」

「だけど隠してそうなんだもん!我慢しないでね。ポーションならいっぱい持ってるから!いつでもあげるからね!」

「はい!ありがとうございます」

「うん。…ごめんね…俺に関わったばっかりに…」

「それは違います!僕は先輩に憧れて、少しでも近付きたかったんです!それに絡まれるのも、先輩の助けになってると思えば嬉しいんです!」

「…ホノくん…ありがとう…でも頑張りすぎないで。先輩なんだもん俺。頼ってね。」

「はい!頼りにしてます先輩!あ!今度訓練付き合ってくれたら嬉しいです!」

「いいよ!早めに言ってくれたら時間開けるから」

「はい!お願いします。じゃあまた!」

「うんまたね、ホノくん」

ククルとウェネルには、いきなり近付いてきた様な奴は危険だからホノくんと距離置けって怒られるけど…やっぱりあんなに慕ってくれたら気にかけちゃうよね…。やっぱり可愛いんだもん。もし本当に裏があったとしても、ククルやウェネル、ウェンさん、何よりテスラさんがいてくれるから大丈夫だって思ってるのもあるけどね。




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